2009年1月29日木曜日

梅太@ 予告編:『The Great Buck Howard』

この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします

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 先日の記事(予告編:500 days of Summer)で、本年度サンダンス映画祭について少し触れました。

 今日ご紹介する予告編は、『The Great Buck Howard』という作品で、昨年度サンダンスに出展されたもの。
 サンダンスつながりという事で。

 ジョン・マルコヴィッチ主演。コリン&トム・ハンクスの親子共演ということでも話題になって・・ます?

 ↓↓↓ 予告編 ↓↓↓

 

 
 かつては有名で、今は地方巡業で生活をしている催眠術師(奇術師?)のバック・ハワード(ジョン・マルコヴィッチ)と、その秘書になってしまったトロイ(コリン・ハンクス)のお話。
 
 余談ですが、エミリー・ブラントも出演しております。

 マルコヴィッチについては、先日鑑賞した『マルコヴィッチの穴』でハマってしまいまして。
 あの笑顔がたまりませんね。

 バック・ハワードの口癖である「I love this town!!」も、キマッてますね。

 日本公開希望。

2009年1月23日金曜日

梅太@ 予告編:『ACCEPTED』あるいは『トラブル・カレッジ/大学をつくろう!』

この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします

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 今日お届けする予告編は、最新作と言うわけではありません。
 たまにはいいかなと。

 『ACCEPTED』という作品は06年にアメリカで公開した作品です。
 日本では未公開、DVD化もされず。
 衛星放送で『トラブル・カレッジ/大学をつくろう!』という邦題で一度放映されたようですが、それは知りませんでした・・・

 僕がこの作品を知ったのは、05年に観た『旅するジーンズと16歳の夏』でブロンドヘアーの美人:ブリジットを演じたブレイク・ライブリーが出ていたから・・・です。
 あとは題材自体も面白そうでしたし。 

 ストーリーは、なかなか大学進学が決まらない青年が、嘘の合格証明書を作り、その嘘を”本当”にするために学校まで作ってしまうというコメディ。

 ね、面白そうなのに・・・。

 最近アメリカを賑わした、『Superbad』(『スーパーバッド/童貞ウォーズ』日本未公開、DVD化、僕はまだ未見)を含め、ティーンズ・コメディというものは、日本では良い扱いはされないみたいです。

 ↓↓↓ すでに上映されているのに、”予告”編というのも何ですが・・・ ↓↓↓



 予告編の終盤にあるシーン。
 スプリンクラーのシャワーの下でブレイク・ライブリー(と、ジャスティン・ロング:主人公)を踊らせた監督は、天才だと思う。

 DVD化希望。
 さもないと輸入盤買っちゃうぞ。・・・いや、リージョンの壁があるのか。
 
 『スーパーバッド/童貞ウォーズ』はいいかげん観ておかないと、怒られそうな気がする。(誰に?


 ちなみに、何故突然に『ACCEPTED』が頭に浮かんだかは、よくわかっておりません。
 ただ予告編を久々に観たら、やはり本編観たいなぁと思ってしまったのです。

2009年1月18日日曜日

梅太@ 予告編:『500 days of summer』

この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします

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 久々に予告編の紹介です。

 今回ご紹介するのは『500 days of summer』という作品。日本公開未定。
 『銀河ヒッチハイクガイド』以来、僕の中で人気上昇中のズーイー・デシャネルの最新作。
 デシャネル出演作といえば、ジム・キャリーと共演した『Yes man』がそろそろ日本公開になりますね。

 さてこの『500 days of summer』という作品。
 真実の愛を信じる男性と、真実の愛なんか存在しないよ!という女性の500日間を描く。というもの・・・・か・・・な?逆かな?
 海外サイトのplotをざっと読むとそんな雰囲気です。

 ↓↓↓ teaser 予告編 ↓↓↓

 

 なんといっても、デシャネルがキュート。
 どちらかといえば脇役が多い印象を受けるデシャネルですが、この作品では主役です。

 画的にも、とても面白そう。

 予告編の入り方もいいですね。
 「This is not love story. It's a story about love.(これはラブストーリーではなく、愛についてのお話である)」
 惹かれますね。


 1/15~25まで開催される今回のサンダンス映画祭で初お披露目だそうです。
 コチラを参照。
 調べたところによると、ちょうど今日18日に・・・といってもアメリカとは日付が違うこの日本ではありますが、18日にお披露目されたそうです。
 
 封切はアメリカで今年7月。
 日本公開はされるのか・・・。デシャネルファンとしては是非とも公開して欲しいところ。

 
 話は少し変わりますが。

 やはり映画祭というのは、一度でいいから行ってみたいですね。
 カンヌより何より、僕はこのサンダンスで上映された作品にはかなりお世話になっているので、いつかは是非とも現地に行ってみたいなと思います。
 一般参加は出来ましたっけ。
 あ、でも観客賞があったはずだから、出来るかな。

 

 

2009年1月17日土曜日

劇場 記事一覧

劇場鑑賞についての記事の一覧です。
同じ作品の感想が二つある場合は、ゲンor梅太のどちらが書いたかを明記しておきます。

(10/6/20 更新)


あ行

アイアンマン
愛を読むひと
アドレナリン:ハイボルテージ
アマルフィ/女神の報酬
アンダーワールド・ビギンズ
イーグル・アイ
イエスマン/"YES"は人生のパスワード (by ゲン)
イエスマン/”YES”は人生のパスワード (by 梅太)
イングロリアス・バスターズ (by ゲン)
イングロリアス・バスターズ (by 梅太)
イントゥ・ザ・ワイルド
ヴィクトリア女王 世紀の愛
ウィッチマウンテン-地図から消された山
ウォーリー(WALL・E) (by ゲン)
ウォーリー(WALL・E) (by 梅太)
ウォッチメン
ウォンテッド
ウルヴァリン X-menZERO
運命のボタン
永遠のこどもたち
大洗にも星はふるなり
オーケストラ! (by ゲン)
オーケストラ! (by 梅太)
オーストラリア
おろち


か行

カールじいさんの空飛ぶ家 (by ゲン)
カールじいさんの空飛ぶ家 (by 梅太)
かいじゅうたちのいるところ (by ゲン)
かいじゅうたちのいるところ (by 梅太)
川の底からこんにちは
君が僕をみつけた日
宮廷画家ゴヤは見た
グラン・トリノ
クリスマス・キャロル
クローンは故郷をめざす
劇場版仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー
劇場版仮面ライダー ダブル&ディケイド MOVIE大戦2010
ゲットスマート
恋するベーカリー (by ゲン)
恋するベーカリー (by 梅太)
告白
こまねこのクリスマス 迷子になったプレゼント
コララインと魔法のボタン 


さ行

さらば仮面ライダー電王 ファイナルカウントダウン
サマーウォーズ
サンシャイン・クリーニング
幸せはシャンソニア劇場から
しあわせの隠れ場所
G.I.ジョー (by ゲン)
G.I.ジョー (by 梅太)
ジェイン・オースティン/秘められた恋
ジェネラル・ルージュの凱旋
縞模様のパジャマの少年
シャーロック・ホームズ
ジュリー&ジュリア
少年メリケンサック
処刑人Ⅱ
書道ガールズ!!わたしたちの甲子園 
新宿インシデント
人生に乾杯
スタートレック
スピリット
スペル (by ゲン)
スペル (by 梅太)
スラムドッグ・ミリオネア (by ゲン)
スラムドッグ・ミリオネア (by 梅太)
スラムドッグ・ミリオネア(2回目) (by 梅太)
セブンティーン・アイゲン
センター・オブ・ジ・アース
セントアナの奇跡
その土曜日、7時58分
ソラニン
それでも恋するバルセロナ (by ゲン)
それでも恋するバルセロナ (by 梅太)
そんな彼なら捨てちゃえば?


た行

ターミネーター4
タイタンの戦い
チェンジリング
地球が静止する日
チャーリー・バートレットの男子トイレ相談室 (by ゲン)
チャーリー・バートレットの男子トイレ相談室 (by 梅太)
チョコレート・ファイター (by ゲン)
チョコレート・ファイター (by 梅太)
月に囚われた男
罪とか罰とか
つむじ風食堂の夜
Disco/ディスコ
ディファイアンス
ティンカー・ベル
デスレース
Dr.パルナサスの鏡
ドラゴンボール:エヴォリューション
トランスフォーマー:リベンジ (by ゲン)
トランスフォーマー:リベンジ (by 梅太)
トランスポーター3 アンリミテッド
トロピックサンダー 史上最低の作戦
トワイライト (by ゲン)
トワイライト (by 梅太)


な行

ナイト・ミュージアム2 (by ゲン)
ナイト・ミュージアム2 (by 梅太)
NINE (by ゲン)
NINE (by 梅太)
南国料理人
ニュームーン/トワイライト・サーガ
ニンジャ・アサシン 
脳内ニューヨーク

は行

ハート・ロッカー
バーン・アフター・リーディング
ハイスクール・ミュージカル/ザ・ムービー
パイレーツ・ロック
ハウエルズ家のちょっとおかしなお葬式
パコと魔法の絵本
HACHI 約束の犬
パブリック・エネミーズ
ハリー・ポッターと謎のプリンス
パリより愛をこめて
パレード
P.S.アイラブユー
ブーリン家の姉妹
フィッシュ・ストーリー
フィリップ君を愛してる
武士道シックスティーン
ブッシュ
プリンセスと魔法のキス (by ゲン)
プリンセスと魔法のキス (by 梅太)
フロスト/ニクソン (by ゲン)
フロスト/ニクソン (by 梅太)
ベッドタイムストーリー
ヘルボーイ2/ゴールデンアーミー (by ゲン)
ヘルボーイ2/ゴールデンアーミー (by 梅太)
ヘルライド (by ゲン)
ヘルライド (by 梅太)
ベンジャミン・バトン 数奇な人生
僕らのミライへ逆回転 (by ゲン)
僕らのミライへ逆回転 (by 梅太)
ホッタラケの島~遥と魔法の鏡~
ボルト



ま行

マーシャル博士の恐竜ランド
マイケル・ジャクソン『THIS IS IT』
マルタのやさしい刺繍
マンマ・ミーア
ミルク
『桃まつりpresents うそ』(映画祭)

や行

ヤッターマン
ヤング@ハート (by ゲン)
ヤング@ハート (by 梅太)

ら行

ラースと、その彼女 (by ゲン)
ラースと、その彼女 (by 梅太)
落下の王国
ラブリーボーン
レイチェルの結婚
レスラー (by ゲン)
レスラー (by 梅太)
レッドクリフ
恋愛上手になるために
ローラーガールズ・ダイヤリー
路上のソリスト
ロフト


わ行

ワールド・オブ・ライズ
私がクマにキレた理由
私の中のあなた
笑う警官
ワルキューレ

数字

007 慰めの報酬
17歳の肖像
20世紀少年-最終章-僕らの旗
2012
3時10分、決断の時 (by ゲン)
3時10分、決断の時 (by 梅太)
(500日)のサマー (by ゲン)
(500日)のサマー (by 梅太)
9 ~9番目の奇妙な人形~ (by ゲン)
9 ~9番目の奇妙な人形~ (by 梅太)
96時間

名画座日記
その1 『画家と庭師とカンパーニュ』 『ラースとその彼女』
その2 『バンクジョブ』 『その土曜日7時58分』
その3 『モンテーニュ通りのカフェ』 『PARIS』
その4 『ラースとその彼女』
その5 『リベリオン』 『ウルトラヴァイオレット』
その6 『チェンジリング』  
その7 『バルカン超特急』 『ラヴ・パレイド』
その8 『グラン・トリノ』

DVD・Blu-ray 記事一覧

DVD・Blu-ray鑑賞についての記事の一覧です。
同じ作品の感想が二つある場合は、ゲンor梅太のどちらが書いたかを明記しておきます。

(10/6/20 更新)


あ行

アイムノットゼア
E.T.
イエスマン ~”YES”は人生のパスワード~
インベーション

か行

キミに逢えたら
君に読む物語
グーニーズ

さ行

ジュノ(JUNO)
ステイ
スピードレーサー

た行

ダークナイト
ダージリン急行
007 カジノロワイヤル
地球の静止する日
チャーリーとチョコレート工場
つぐない

な行

ナイトメアー・ビフォア・クリスマス その1
ナイトメアー・ビフォア・クリスマス その2

は行

ピクサー・ショートフィルムズ
ビッグフィッシュ
『Pride and Prejudice』(US輸入盤、邦題:『プライドと偏見』)

ファンボーイズ
プラダを着た悪魔
BRICK/ブリック
ペネロピ

ま行

や行

ら行

ラスベガスをぶっつぶせ

わ行

梅太@ 劇場:『007 慰めの報酬』

この事は 梅太 の名の下にお送りいたします

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「復讐は冷やして食うのが一番」
 - スペインの諺

●復讐に燃える死神ボンド:『007 慰めの報酬
 007シリーズ最新作。
 監督はマーク・フォースター
 主演はダニエル・クレイグ、ボンド・ガール(メイン)にオルガ・キュリレンコ

 今回はキュリレンコを楽しみに行ってきたのですが、そうしたらなんと、サブのボンド・ガール(ジェマ・アータートン)がかなりツボでした。
 でも、すぐに・・・・あぁぁ、勿体無い。なんて勿体無いことを。
 キュリレンコはやはり素晴らしくて、特にクライマックスの白シャツで髪を結っているスタイルがね。素敵でした。(記事下の方を参照)

 さて本題。

 ~~~ ストーリー:本作をもって、新の"00"となるボンド ~~~

 今回はシリーズ異例の続編です。
 前作『カジノロワイヤル』は僕は好きで、荒々しい肉弾戦が多かったですが、色々盛り込んでいない分スマートに纏まっている印象をうけました。
 新ボンドのガッシリした体系もスーツに合っていましたし、何よりエヴァ・グリーンが最高でした。

 前作の最後、ホワイトのアジトを突き止めたボンドが発するお決まりの台詞「My name is Bond, James Bond」
 『カジノロワイヤル』は、"00"エージェントとしての自覚を持つまでがテーマであった。(最後にこの台詞を配置した脚本には拍手を捧げたい)
 しかしその後の本作開始時点では、ボンドは未練タラタラ。未だにヴェスパーを引きずっていますし、捜査にも穴があります。
 "00"として成長したはずなのに・・・・まだまだボンドはダメみたいです。


 さて、今回は続編という意味では異例ですけれど、”復讐に燃えるボンド”という点では、確かT・ダルトン『消されたライセンス』の時にやっていたので、珍しくはないですね。
 ただあの時は、最終的に組織の陰謀などを防げたのに対し、今回はそういうのは一切ありません。
 (一切・・・というのは言い過ぎか)

 『カジノロワイヤル』の数時間後からお話は始まる。
 Mr.ホワイトを尋問し、裏に潜む組織の正体を暴こうとするボンド。
 「お前らは何もわかっていない。私たちは世界中のどこにでも存在するのだ」
 という発言を残し、諜報部に忍んでいた仲間の協力をえて、ホワイトは逃亡してしまう。
 表向きホワイトやその組織を追うボンドであったが、実のところは最愛の女性:ヴェスパーの復讐の為に動いていた。
 ヴェスパーを操っていたのは誰なのか・・・それを探るうちに、巨大な組織の実態が見え隠れしてくる。

 筋書きはこのような感じです。
 巨大な組織というのが本当に巨大すぎて、本作中では全貌が明らかになりません。
 ホワイトも逃げたままです。
 もしかして、このまま続けていくつもりだろうか。
 一作一作で話が完結していたこのシリーズからすると、確かに異例ではあると思います。
 
 「世界(というより英国?)にとって有害な組織の調査・壊滅」というのが大きな筋である本シリーズ。
 そういう点からすると、結末がイマイチすっきりしない作品ではありました。
 正直な話、クライマックスまではそう思ってました。

 捜査の途中に出会うカミーユ(オルガ・キュリレンンコ)とは、最初は反発するもののお互いに共通する部分がある。
 それは「復讐」
 クライマックスで、カミーユの復讐は達成される。しかし「復讐は果たしたけど・・・それがなんなの?」と彼女は自問する。
 そしてついに”とある男”の居場所を突き止め、銃口をつきつけるボンド。
 復讐の為に引き金を引くのか、"00"エージェントとしての行動をとるのか

 そして最後の最後、エンドロールが始まる直前に配置されたお決まりのアレを見ると、「あ、なるほど!」と思え、実際そこで僕の評価は格段に上がりました。
 テーマがテーマだけに、アレを最後に配置したのは、うまいと思います。

 前作同様、世界的な陰謀を止めることは出来なかったけれど、この2作品を通して、ボンドはこれまで20作で描かれた”00エージェント:ボンド”となったのです。多分。
 陰謀を止めるのは、今後で良いじゃないですか。
 お帰りジェームス・ボンド。



 ~~~ アクション:ガラス割り大会の開催 ~~

 本作でメガホンをとったマーク・フォースター。
 フォースター監督のカメラワークは面白くて、アクション部分にどう取り込まれていくのかが楽しみでした。

 実際、アクション映画としてはかなり面白いことをやっていると思いますので、ワクワクしちゃってください。

 また本作では、フォースターさんはやたらとガラスを割ります。
 割りすぎだろうと思います。
 ガラスの脆さと人間の脆さの対比? 
 ボンドの閉ざされた心を一枚一枚打ち抜いていく感じ?
 それともフォースターさんがガラスを好きなだけか? (←これが一番有力かな)
 何の意図かは知りません。でも僕は「舞い散るものフェチ」ですので、OKです。もっと派手にやってくれてもOKです。


 ~~~ ボンド・ガールコレクション ~~~

●カミーユ:オルガ・キュリレンコ



●フィールズ:ジェマ・アータートン
 アータートン演じる捜査官は、名をストロベリー・フィールズ(もちろんコードネーム)というらしいです。
 さすがイギリス!

 



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 煮え切らない部分も、確かにあります。
 ボンドも、今までにないくらい荒々しいです。
 でも僕は、ダニエル・ボンドシリーズは好きなのだと今回改めて思いました。
 特に前作を含めたこの2作品では、最後の最後に素晴らしいオチを配置するあたり、うまいなぁと思います。


 ただ本作は、オープニングソングはあまり燃えなかったかな。
 前奏は好きなのですが。

 歴代オープニングソングで、一番印象に残っているフレーズは「トゥモロ~ネバダ~イ♪」ですね。
 

梅太@ DVD:『007 カジノロワイヤル』

この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします

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 1/24に007シリーズ最新作『慰めの報酬』が公開します。
 最新作は異例の続編モノであり、復習という事で前作『カジノロワイヤル』を観ました。

 この『カジノロワイヤル』は、”ボンドが「00」として一人前になるまで”を描きます。

 ”最初を描く”系の映画は珍しくないですけれど、前20作から、色々な意味で一新したかったのでしょう。
 新ボンドなり、秘密兵器があまり登場しないなり。ポーカーをひたすら魅せるなり。
 今までにない描写が沢山ありました。

 また、アクションも荒々しい肉弾戦が多く、迫力満点。

 しかし!

 この作品の見せ場は、上映開始58分から始まります。

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見せ場①:
 ヴェスパー(エヴァ・グリーン)の登場シーン。

 vesper「I'm the money(私が資金係よ)」
 Bond「Every penny of it(ハハ、いやはや輝いているね)」 (字幕はもっとしっかりしてます)

 このシーンでの二人のやりとりからして、僕はニヤリとしてしまいます。

見せ場②:
 ポーカーのシーンで、ボンドは、ヴェスパーに対してこんな策略を提案します。

 ・セクシーなドレスをきてポーカー会場に登場
 ・僕のところへきてキスをする
 ・みんな見惚れて、ポーカーに集中できない

 さて、実際のところみんなはポーカーに集中していて(大金がかかってますから)、ヴェスパーに見惚れているのはボンド一人(あ、あと僕)。
 それ、ありえない。
 そこは見惚れておけ!男として!

 でもボンドに協力しているマティスは、ヴェスパーを見てこう言います。

 「I suppose I don't have to tell you. How beautiful you look.(言うだけヤボだが、実に美しい)」

 マティス、あなたはわかっていらっしゃる。


見せ場③:
 見事ポーカーに勝利したボンドは、ヴェスパーと祝杯を挙げます。
 そこで頼むのはおなじみマティーニです。
 ヴェスパー・マティーニとはこの時名づけられたもの。

 Bond「You know, I think I'll call that a "Vesper"(これは”ヴェスパー”と名づけよう)」
 vesper「Because of the bitter aftertaste?(後味が苦いから?)」
 Bond「No. Because once you've taste it, that's all you want to drink.(いや、一度飲むと、他のものは味わえないからさ)」
 うん。僕もそう思う。
 こういう台詞言ってみたいですね。

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 つまりは、エヴァ・グリーンが見せ場だということですね。はい。



 真面目な話をしましょう。

 金髪で青い瞳のボンド、荒々しい肉弾戦、敵のワナにすべてひっかかる確かに、これまでのボンドっぽくはありません。
 しかし本作のテーマは、先ほども書きましたが”ボンドが「00」として一人前になるまで”です。
 もっと言えば、ボンドが"ボンド"になるまでのお話です。

 だから、ラストシーンで「My name is Bond, James Bond」といってみせることで、「あ、ボンド誕生だ!」となるわけです。
 これで”ボンド”になったんだ!と。
 殺しのライセンスを持ったエージェントの冷酷な目つきは、とてもカッコイイです。

 この台詞をラストに配置した脚本家さん。素晴らしいです。拍手です。


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 エヴァ・グリーンを褒め称える記事になってしまいましたが、最後は真面目に書きました。
 ボンドの誕生譚だからこそ出来たこと、誕生譚だからこそ光る演出に満ち溢れてると思います。

 1/17。『慰めの報酬』先行上映にいってきました。
 その前に『カジノロワイヤル』を見ておいたほうが、人物関係がわかると思うので見ておくことをオススメします。

ぼやき:
 最近こういう記事増えてきたなぁ。いいのかな。
 いやでも、女性は愛でるものでしょ?
 ボンドを見習おう。


 

2009年1月12日月曜日

梅太@ 劇場:『ラースと、その彼女』

この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします

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 「ただ、他人を傷つけることをしないだけで十分なんだよ。そのほうが完璧さを求めることよりもずっとやさしい」
  - 『アミ、小さな宇宙人』エリンケ・バリオス


●青年の為の、町民の優しい嘘『ラースとその彼女
 監督はグレイグ・ギレスピー。
 リアルドールに恋する青年を、ライアン・ゴスリングが熱演。

 もともと見ようとは思ってましたが足が向かずに年を越す。
 『ヘルボーイ2』が博多でしかやらないので、そのついでに観てきた次第です。

 素晴らしい。

 正直な話、『ヘルボーイ2』の興奮は、すべてこれに持っていかれた気がします。

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 ~~~ Real(本物・現実)って何だろう ~~~

 人からの関わり(特に女性)を避けながら生きてきた青年:ラース(ライアン・ゴスリング)が、突然兄夫婦に「人を紹介する」と言う。
 その女性はなんと、精巧に作られたドール(名をビアンカという)であった。
 頭が狂ってしまったのか・・・当然そう思った兄は、医師に相談する。しかし医師は「彼に話を合わせるのよ」と言い出す。
 しかしそれは、ラースが何故そうなったかをいち早く察知した医師の、理由ある対応であった。
 そしてその嘘は、次第に街全体を巻き込んだものとなっていく。すべては、心優しいラースの為に・・・

 筋書きはこんなところ。
 
 さて、このお話を見ていて考えたことがある。それは「real」とは何だろうということ。

 現実かそうでないか、というのは、結局のところ”自分が”意識するかしないかである。
 地球上に確かに存在するものでも、自分の五感で感知できないものは、それは自分の中では現実とは言えない。
 
 昔、誰もがやったであろう人形遊び。人形は生きていないが、そこには自分で作り上げた”real(現実)”の設定がある。
 人形社会とでも言おうか。
 対象が生きているか生きていないかは関係ないのである。
 自分が作り上げた世界の中では、確かに生きているのだから。

 さて、この作品にでてくるビアンカは生きてはいない。
 しかしラースと、その周りの人たちが作り上げた”現実”の中では、彼女は生きているのだ。そういう設定なのだ。
 彼らは五感で、ビアンカを感じているから。

 今、五感で感じているものこそ、現実なのだ。

 この作品の物語の進め方には舌を巻く。
 ”人形と暮らす”なんて、実際にあったら奇異の目で見てしまうが、スクリーンに映し出されたら笑うしかない。掴みはバッチリ。
 そして街の人がビアンカを受け入れていくと、観客である僕たちも「ビアンカは一人の人間」として捉えられるようになっていることに気付く。
 この運び方が実に見事で、ビアンカの葬式のシーン(人形だけど葬式はするのです)では、思わず泣いてしまった。


 ~~~ 人間と人形の共演・好演 ~~~

 この作品では、ライアン・ゴスリング演じるラースと、リアルドール演じるビアンカの共演シーンが長い。
 勿論ビアンカは人形であるから話すはずはなく、すべてライアンの一人演技である。
 笑わないわけないじゃない。
 そしてウマすぎる。ビアンカが本当に言葉を発したように演ずるのである。
 
 またライアンの、人と接するのが苦手(人と接することに恐怖すら感じてるかもしれない)という演技もすごい。

 ライアンさんの新境地。

 あとはラースの義姉:カリンを演じたエミリー・モーティマー
 この人観てると、何か安心するなぁ。

 そしてビアンカの存在。

 リアルドールを彼女に・・・兄には本当にイカれたのかと思われる。
 でも本編を見てもらえればわかるように、ラースには気になる女性がいて、いつもその人のことをチラチラと見ている。
 また義姉に対しては、素っ気無いが妊娠中の彼女をひたすらに気遣う。
 ラースは別に、”妄想癖”というわけではなかったのではないか。

 ラースには、恐怖と言える程、人間との関わり、特に女性との関わりが苦手だった。
 (それはラースの過去にヒントがある)
 それがビアンカがキッカケで、色々な人と接することが出来るようになる。

 例えば僕たちも、よく知らない誰かと接するとき、気心の知れた人がついていてくれると、どこか安心しないだろうか。
 つまりビアンカは、ラースにとって誰かとうまく関わるための、潤滑油だったのかもしれない。


 ~~~ 小さな一歩 ~~~

 舞台は冬。外も内も凍り付いているラースの元へ、一人の女性:ビアンカがやってくる。
 その彼女と過ごすうち、春は徐々に近づいてくる。
 そしてビアンカの死と、春の訪れ。
 ラースは少し、大人になったのかもしれない。

 「少し歩く?」

 ビアンカの葬式後に、会社の女性:マーゴに発した言葉。
 ラストのラースの台詞である。

 この一言の裏にある、ラースが踏み出した小さな一歩。

 エンドロールが流れ始めた瞬間、僕は思わず涙した。

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 素晴らしい作品。
 是非見て欲しい。

 09年はまだ始まったばかりだけれど、こんなに素晴らしい作品に出会って良いものだろうか。

梅太@ 劇場:『ヘルボーイ2/ゴールデンアーミー』

この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします

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「こだわりからは、美しさも生まれる」
  - ハーゲンダッツCM 知花くらら

●人間の心をもった異形のヒーロー『ヘルボーイ2:ゴールデンアーミー
 監督は、『パンズラビリンス』で一躍有名となったギレルモ・デル・トロ
 主演は、セルマ・ブレアと、他メイクした方々。

 ということで、セルマ・ブレアを見に行ってきました。
 半分ウソですけれど、『ヘルボーイ2』を見てきましたよ。

 デル・トロの『パンズ・ラビリンス』(以下『PL』)では、思わず鳥肌が立つほどの世界観を見せてもらった。
 あれを味わうと、ライトなファンタジーはちょっと受け付けなくなってしまうかも。

 前作は、面白かった。
 何よりキャラが魅力的だった。でも何か締まらないと思ったら、やはりこれといったライバルがいないからか。
 他のアメコミと比べると異色な作品ではあるけれど、そこは変わらない。

 さて、続編である本作は・・・

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 ~~~ 気色悪いを通り越して、美しさすら感じるクリーチャー ~~~

 恐らく方々で言われていると思いますが、やはりこれを抜きにして語ることは出来ません。

 『PL』の素晴らしくダークなクリーチャに魅せられた僕は、一気にデル・トロのファンになりました。
 あのクリーチャの魅力は何かといえば、その美しさ。
 でもライトではなく、ダークな美しさ。
 タイトルに含まれているパンは、神話に登場する守護神。それだけあって、やはり魅力的。
 また途中出てくる食人鬼は、配色が強烈であった。色だけで恐怖は伝えられるのかと思った。

 神、精霊、妖精。
 一見ライトな印象を受けるこれらのワード。でもグリム童話や神話などで描かれる気味の悪い感じの方が、僕は好きです。

 『ヘルボーイ』前作では、そのクリーチャー度を発揮しながらも、やはり原作に則して作っていたため、ハジけていなかった。
 しかし今回は、爆発していた。

 もはや、アメコミムービーというより、ファンタジーに近い。
 「森の精霊」なんて、『ナルニア』にでも出てきそうな感じだった。

 監督の拘りっぷりが伺えるのは、主要キャラクターをCGでなく”被り物”でやってしまうところ。
 今の時代、CGをでもできるのに、このデル・トロさんは、被らせる。とにかく被らせる。
 特にエイブ役のダグ・ジョーンズ(パントマイマーなんですってね)には、三役もやらせる。

 恐らく実物でないと、あの気色悪さや質感というのは出ないのだろうなぁ。

 これらのクリーチャの、どこか惹かれてしまう部分は、何が原因なのだろう。

 グリム童話、神話。
 これらのお話って、よくわからない部分もあるけれど、何となく惹かれてしまいますよね。
 また教会天井に飾ってある綺麗なのだけれどどこか人間を寄せ付けなくて、でも心は惹かれてしまう絵画。

 そういうものに、デル・トロのクリーチャーは雰囲気が似てると思う。

 怪物モノが好きな僕としては、クリーチャだけで、すごく楽しませてもらった。

 あと面白かったシーンとして、ヘルボーイが見ているテレビで、『フランケンシュタイン』が放映されている。
 しかも、人間を救ったのに、異形故拒絶されてしまい、落ち込んでいるというシーンで放映されている。

 なんてウマイことをしてくれるのだデル・トロさん。

 『フランケンシュタイン』のお話は、醜く生まれてしまった怪物が人間にあこがれてしまう作品。
 メアリー・シェリーの原作を読んだことのある人ならわかると思いますが、怪物は徐々に人間らしさが、それも飛び切りピュアな部分が芽生えてくる。
 ある日、密かに憧れている女性の前に姿を現すのだけれど、その姿形のために、拒絶されてしまうのです。

 なんてウマイことをしてくれるのだデル・トロさん。(二度目)

 この人は本当に怪物モノ・怪奇モノが好きなのだなぁと思わせてくれる。
 

 そして何より、死神に燃えた。反則的に素晴らしすぎるぞ。


 ~~~ アクション:武器をまわすのが好きなのですね ~~~

 本作がシュっと締まっているのは、やはり強敵がいるからでしょう。
 今回の敵ヌアダ王子のアクションは、ものすごくカッコ良い。
 剣、短剣、槍。
 グルングルン回します。
 
 デル・トロは、武器を回すのが好きなんだということが、今回わかった。
 前作では、トンファーを回していたのですよね。

 次作が完結編になるようですが、きっと次回も何かを回すのだと思います。

 前作には無かったスピード感もあり、見ていて熱くなりました。


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 というわけで、「アメコミ第二弾は面白い」の例に漏れず、満足満足の一品でした。

 前作で唯一の萌え要素であったセルマ・ブレアは短髪がキュートですし、ヌアダ王子の妹:ヌアラも、クリーチャーであるにも関わらず反則的にかわいかった。
 それだけでも満足。
 それでいいのか? いいのです。

梅太@ 劇場:『僕らのミライへ逆回転』

この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします

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「これが素敵でなくて、ほかに何がある?」
  -『タイムクエイク』 カート・ヴォネガット

●”映画”にオマージュを捧げた大傑作『僕らのミライへ逆回転
 監督はミシェル・ゴンドリー
 主演はJBことジャック・ブラックと、モス・デフ

 昨年公開でしたが、タイミングが合わず・・・
 このたびやっと佐賀へ上陸したので、観て来ました。
 
 まず、一言。
 この作品を観なかったら、今年一年ずっと悔しい思いをしたはずです。


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 ~~~ 往年の名作の裏側 ~~~

 未だにVHSしか置いていないレンタル屋。
 ある事件をきっかけに磁気を帯びてしまったジェリー(JB)が、VHSに近づいたせいで、テープの中身が消えてしまった。
 カモフラージュのため、親友マイク(モス・デフ)とともに、作品をリメイクし始める。

 そのリメイクの元になっている作品は、往年の名作ばかり。
 もちろん予算も何も無く、二人が全てお手製で作り上げるわけで、衣装もセットもお粗末なもの。
 しかし、彼らは創意・工夫とそして何より熱意で、”本物っぽい”作品を作り上げてしまう。

 お粗末なセットは裏側が見え見え。
 しかし、CGのない時代の作品たちは、「あ、こういう風に作られてたんだ」という発見がある。
 また、「こういう風にすれば、CGが無くても作れるんだ」という発見もある。
 僕にとっては笑えるというより「見事!」と、思わず拍手してしまった。

 『2001年宇宙の旅』の無重力靴。
 『キング・コング』の遠近法。
 『ゴーストバスターズ』のゴーストの消失・出現は、簡単なトリックではある。しかしこの手法は、昨年の『ジャンパー』でも用いられているのです。
 『ラッシュアワー2』のリメイクで見せた、回転プレートを使った「ヒッチコック落ち」は、大爆笑だった。


 しかし、これらのリメイクは、著作権侵害として政府に訴えられてしまう。(それで商売してしまったからね)
 「じゃあ俺たちの映画を作ろうぜ!」となったとき、古いフィルムの質感を出すため、カメラの前にファンと糸を置いて撮影。
 どこまでもどこまでも、「なるほど!」と思わせてくれる。

 終始楽しかった。

 ~~~ ラストシーン:映画って、こういうものだ ~~~

 「俺たちの映画を作ろうぜ!」というところから、作品は終盤を迎える。
 この”俺たち”というのは、舞台となる町の人たち。しかもみんな、である。
 正直なところ、僕はこの辺りから泣きそうだった。

 だって、楽しそうに作るのだもの。
 あのみんなの笑顔、たまらない。

 みんなで意見をだし、みんなで議論し、みんなで作り上げる。
 「映画の完成」へ向けて、全員のベクトルが同じほうを向いている。
 それはもちろん、”自分たちにとって最高の作品を作り上げる”ためである。

 映画が完成し、狭い部屋で、上映会を行う。
 テレビが壊れてしまったけれど、近くの大手レンタルショップの店員が、投影機を貸してくれた。
 大窓に白幕(スクリーン)を張りつけ、いよいよ上映。

 この時、カメラはスクリーンを写さない。
 何を見せるかというと・・・

 スクリーン光が反射した、人々の顔。
 楽しげで、幸せそうな人々の顔。
 自分たちが楽しんで作り上げた”最高の作品”を、満面の笑顔で楽しむ。

 このシーンを見たとき、僕は涙すると共に、思ったことがある。
 「映画って、こういうものなんだろうな」

 ”自分たちにとって最高の作品を作り上げる”。
 映像が、衣装が、セットが、出来が良い、とかは問題ではない。
 本当に楽しんで作った映画は、スクリーンからその楽しさや真剣さが観客に伝わってくる。

 これは、エド・ウッド監督の作品に通じるところがある。
 僕は『Plan 9 from outer space』しか見たことないのだけれど、演出(セットなど含む)の適当具合は、歴代トップクラスと言える。
 でもなぜかはわからないけれど、見続けてしまう。
 それは、エド・ウッド監督の情熱のなせる業であると、今ならわかる。

 また、グラインドハウス系の作品をはじめとする低予算作品が、なぜあんなに楽しいのかも、わかった気がする。
 商業性とかそういうものではなく、まず「製作者の楽しげで真剣な雰囲気」がダイレクトに伝わり、また共有できるからだと思う。

 作って、そして楽しむ。楽しんでもらう。楽しんでもらおうと努力する。
 これが映画であり、映画以外の創作物にも、共通のことであると思う。

 
 話を戻して。

 上映中、レンタル屋の店長がふと気づく。なにやら外が騒がしい。
 外にでてみると・・・

 大窓に映し出された作品を、街路で見ている人たちが笑っているのである。
 監督の二人(ジェリーとマイク)が外に出ると、みんなからの暖かい拍手が迎える。

 僕の涙を搾り取る気ですか?

 もう、この作品大好きだよ。


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 映画へのオマージュを捧げているという点では、『ニューシネマパラダイス』に劣らない作品だと思う。
 僕の中で。

 さて、2ヵ月後にはもうDVDが発売します。
 もちろん買います。
 きっと、何かの節目にたびたび見る作品になると思います。

 あえてVHSで販売なんていう、オツなことをやってくれないだろうか。
 需要は無いと思いますが、僕はそれ絶対買う。

 09年一本目となった本作ですが、いきなりの大傑作。
 えと、これを超える作品、今年あるのかなぁ・・・

2009年1月5日月曜日

梅太@ 2008まとめ:『劇場鑑賞作品』編 TOP5

この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします

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 この記事では、08年のMy Bestを紹介します。
 昨年僕が観た作品をコチラの記事でざっと紹介していますので、合わせてご覧になってください。

 流れとしては、まずTOP5を紹介して、その後、1年間の総評ということで。


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★5位★
『JUNO』

 テーマとしては、アメリカでは社会問題ともなっている事柄を取り上げているのですが、それを前面に押し出すことはしない。
 観終わってまず、楽しさが残っている。
 テーマについては、あとで振り返ってみると「そういえばこれって・・・?」程度である。
 でも、それで良い。むしろそれが大事、だと思う。
 第一印象は楽しさ・面白さ。それがないと、興味もなにも沸かないから。

 前作同様、ジェイソン・ライトマン監督は、その辺をよくわかっているのだと思う。
 そして、楽しさ・面白さについては、脚本のディアブロ・コディ、主演のエレン・ペイジが担っている。

 監督・脚本・主演のケミストリーが、かなり良い方向に起こった作品。
 大好き。

★★4位★★
『ダークナイト』

 圧倒された。とても力強い作品。
 コミック原作モノで、ここまで威圧感を感じた作品が今まであっただろうか。
 『ダークナイト(暗黒の騎士)』の意味が明かされるラストシーンは震えた。

 前作『ビギンズ』でやろうとしていた「現実世界に沿った世界観の構築」がこの作品で開花した。
 これがなければ、バットマンの選択も、ジョーカーの怖さも、デントの葛藤も、何も生きてこない。

 うん、すごい作品に出会った。もう一度映画館で・・・
 大好き。

★★★3位★★★
『ホットファズ 俺たちスーパーポリスメン』

 いやね。全部ツボなのですよ。ホント。
 つまりはそこなのです。ツボなのです。

 ラストのアクションなんて、涙流すくらい笑って、そして熱くなったよ。
 アクションのカッコよさというのは、動きそのものというのは勿論ながら、”キメるところで気持ちいいくらいにキマる”というのも大事なのだと気付いた。
 劇場で隣に座っていた方、騒がしくてごめんなさい。

 公開へ向けて、署名運動をしていた方々に感謝。
 こういう作品が、もっと劇場で公開されることを望みます。

 大好き。

★★★★2位★★★★
『つぐない』

 随所で流れるタイプライタ音、調整されている人の動き、サスペンス小説のような語り口。
 これらの演出は、作品理解を深めていく上でのキーポイントです。

 ラストで明かされる”ある事”。
 上述した演出は、無駄に行っているわけではなく、この”ある事”にしっかりと則している。
 これらが繋がった瞬間の感動ったらなかった。

 映像・音・演技。これらを組み合わせることで出来上がる極上のシーン。
 映画の楽しませ方を、ジョー・ライト監督は心得てるのだと思う。

 2回目鑑賞(DVD)では、1シーン1シーンで溜息が出た。
 なんて素晴らしい作品なのだろう。

 美しい。すべてにおいて。
 大好き。 

★★★★★1位★★★★★
『スピードレーサー』

 アニメに対する愛。
 冒頭では、世界観を一気に見せる手腕もさることながら、実はウォシャウスキーが大好きな”アニメ”の歴史についても触れている。
 アニメの原点:”描いた絵が動く”、その楽しさから物語は始まり、自分らが作り上げた新たな手法”CG”でアニメの発展形を提示する。
 自分を育ててくれたアニメに最大限の敬意を表しながら作っている。
 そして、楽しみながら作っているのが伝わってくる。

 物語もアクションも、もちろん素晴らしい。
 だけどそれだけではない。
 劇場であんなに興奮したのは、製作者ウォシャウスキーと、この『アニメ』というものについての楽しみを共有できたというのがあるのではないか。

 もう大好きすぎて、どうしよう。
 堂々の第一位。


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総評:

 08年は、かなりの豊作の年でありました。
 作品の一つ一つが、僕の琴線に触れました。

 それは、作品自体が面白いという事ももちろんですが、その作品がきっかけで、色々なことを考えさせてもらったということもあります。

 また08年は、ゲンさんと共同で、本ブログを開始させてもらいました。
 それから・・・というわけではないのですが、色々な人のブログを読ませてもらいました。
 単純に、レイアウトなどの参考というのもあります。
 感想という面では、考え方・見方・書き方は十人十色。どのブログも個性的で面白い。

 そして、どのブログでも、自分の”映画観”について、かなり熱心に語っている。
 それにあてられて、僕もちょっと考えてみた時期もあった。

 そのことについて、文章化できるほどまだ固まってはいないけれど、これだけは言える。

 僕は、映画が好き。

 劇場に観にいったときは、他のことは一切抜きにして、素直にそう思う。
 だって、あれだけワクワクできることって、他にないもの。

 そこを忘れないように、今年も僕は、足蹴く映画館に通う。

 これからも、稚拙な文章で何かと読みにくい感想になるかと思うかもしれませんが、時々チェックしてもらえるとものすごく嬉しいです。

梅太@ 2008まとめ:『劇場鑑賞作品』編 作品紹介

この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします

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 あけましておめでとうございます。
 本年もどうぞ、よろしくお願いします。

 この記事では、昨年観た作品について振り返ってみたいと思います。
 以下、観た順に軽く感想を書いています。

 僕は普段、点数や★等は付けないのですが、この記事で・・・も、つけてはいません。
 ただ今回は、感想の行数の違いで採点してみました。

 3行が基準。これが最も多いです。
 良かった作品は4行
 あまり・・・という作品は2行

 計39本。中途半端な・・・
 ここに感想を載せていない5本は、TOP5となります。それはコチラの記事にて。

 ではではスタート。

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『スウィーニートッド  フリート街の悪魔の理髪師』

 バートンのブラック面全開(つまり趣味丸出し)で、作調も暗い。復讐のお話だもの。
 でもすべてのシーンが美しいと思える。
 ホラーテイストな作り方もいいです。全部僕のツボ。
 特にオープニングのオルガンはゾッとするほど素晴らしい。大好き。

『ウェイトレス ~おいしい人生のつくりかた』

 観終わった後は、パイを食べたくなりますね。
 ”内心を見つめなおす”事と、ラストの”似顔絵”との関係性が、ウマイ!と思わせる。
 監督はこの作品を撮影後お亡くなりになりました。ご冥福をお祈りします。

『ONCE ダブリンの街角で』

 台詞の変わりに歌詞で語る。歌にすべてを込めた作品。
 曲は素晴らしいと思うけど、アルバムのPVをすべて見ているようで、若干飽きがきた。
 「シネテリエ天神」の大盛況っぷりに驚かされた。

『ダーウィン・アワード』

 今年の初笑い。
 特にチェックしていなかったけれど、かなり笑わせてもらった。思わぬ収穫。
 久々にウィノナ・ライダーを見た。イイネェ。

『アメリカン・ギャングスター』

 最近ギャングモノって大好きなのですよ(タランティーノのせいで)。
 基盤がしっかりとしたドラマで、穴が見当たらない。2時間30分があっという間だった。
 ラッセル・クロウとデンゼル・ワシントンが相対する場面は、思わず鳥肌。

『潜水服は蝶の夢を見る』

 病気にかかってしまった男が、唯一動かせる左目だけで綴った自伝の映画化。
 これこそ観客を巻き込んだ「体感型ムービー」作品と言える。
 撮影法の勝利。いや、もちろんそれだけではない。
 映画を観た後に原作の本を読むと、かなり感慨深い。

『団塊ボーイズ』

 ”おじいさん”に片足を突っ込んでいるおじさん達が、ハーレーに乗って旅をする。
 劇場でハーレーのエンジン音。これには参ったね。すごく興奮した。
 笑いたい!と思った時に、笑わせてくれる。王道なコメディです。

『ライラの冒険 黄金の羅針盤』

 序章、ということで、今後重要になってくる要素のご紹介・・・という感じかな。
 エヴァ・グリーンを観にいったようなもの。半分ウソ。
 これ打ち切りって話を聞いたのだけれど、本当ですか?

『ジャンパー』

 ジャンプ能力のVFXは、かなり見ごたえがあったと思う。イイネイイネ!と。
 世間からしたらパラディンの方が善の団体では・・・。いいか、そういうことは。
 サミュエルの悪役っぷりに◎。

『ペネロピ』

 クリスティーナ・リッチは、豚鼻メイクをしても可愛いんだ。
 「観るもの全てが新鮮で美しい・・・」というのを、眼だけで見事に表している。
 あのキラキラした眼。あれを見れただけでも文句なしでしょ。
 白馬の王子様なんて、待ってられないのよ!女性は強し。

『フローズン・タイム』

 時間(タイム)が止まる(フローズン)。でも主人公だけは動ける。
 監督は写真家という経歴を持っている。写真(静止画)と動画を組み合わせたら・・・そういう発想から生まれたのかな。
 ラストシーンはすごく綺麗。

『ダージリン急行』

 ウェス節全開。初参戦のエイドリアン・ブロディも、見事に世界に溶け込んでいます。
 ウェス作品の、「どん底からの少しの前進」というのは、やはり大好きです。
 『ホテル・シュバリエ』ではナタリー・ポートマンのヌードが見られますけれど、あれだけ骨ばってると逆に怖い。

『バンテージ・ポイント』

 ある一つの事件を、様々な視点から繰り返し繰り返し見せる。でも飽きなかった。
 「あ、この時別のところではこうなっていたのか~」と繋がっていくのが快感。
 ラストをTVの視点から描いたのもウマイ。一番客観的な視点であるべきなのに・・・

『魔法にかけられて』

 ディズニープリンセスムービーに最大限のオマージュを捧げた作品。
 「That's how you know」は、終わったとき思わず一緒に拍手したくなる。
 「So close」は涙が出るほど美しい。
 すごく幸せな気持ちにしてくれる。ディズニーはやっぱりすごいな。

『プライスレス』

 オドレイ・トドゥは、ラストで原付に乗ってます。
 それだけで、僕は満足。やっぱりラブコメには原付なんだよ。
 ダヴィンチの謎なんて解かずに、ずっとこの路線で行った方が良いと思うなぁ。

『マイブルーベリーナイツ』

 ロードムービーではありますが、旅の過程がバッサリと切られている。
 変わりに、経過点で会う人とのちょっとした出会いを描く。
 でもそのエピソードのトーンが暗くて、見終わった後はスッキリしない。

『仮面ライダー電王&キバ クライマックス刑事』

 『電王』のダークサイド(悪乗り)が発揮された作品。
 元々Vシネ用に作られた作品です。おうちで見る分には、許せるかなと思う。

『迷子の警察音楽隊』

 シュール。この言葉がこれ以上似合う作品は無い。
 こういう笑いは大好きだ。
 イスラエル映画は今まで見たこと無かった。また世界が広がった。

『つぐない』

 TOP5入り

『ラスベガスをぶっつぶせ』

 爽快です。
 ブラックジャックの見せ方もテンポが良くて。ドラマも見終わった後とてもスッキリする。
 劇場を出た後の爽快感は、今年トップクラス。

『シューテム・アップ』

 すべてを銃で解決する。どんなに近距離でもそこは銃で解決する。
 その筋が一本通っているこだわり具合に、笑いながらも興奮。
 こういうバカさ加減は好きだ。

『JUNO』

 TOP5入り

『インディージョーンズ クリスタルスカルの王国』

 王道。冒険の王道。
 あのテーマ曲を劇場で聞けたのは、良かったな。
 老体に鞭打って頑張ったハリソンに拍手。

『スピードレーサー』

 TOP5入り

『パリ、恋人たちの二日間』

 二人の会話の内容がとても面白くて、終始ニヤニヤ。
 お互いのほんのりしたやさしさ加減というのがいいですね。
 恋人は、こういう関係でありたいな。

『ダークナイト』

 TOP5入り

『旅するジーンズと19歳の旅立ち』

 役者陣のスター性は格段に上がっているけれど、個人の主張が強く思えた。
 ティーンのガールズムービー。そんな感じ。前作の素晴らしさ故、そう思ってしまうのだろうか。

『ホットファズ』

 TOP5入り

『崖の上のポニョ』

 この作品は様々なインスピレーションを与えてくれた。
 アニメってなんだろうということから、現代人の映画感など、本当に色々なことを考えた。
 やはり、ジブリはいいな。

『アクロス・ザ・ユニバース』

 ビートルズの書いた歌詞は一語一句変えてない。
 でも歌い手と状況によって、印象はガラッと変わる。
 ラストの「All you need is love」は必見。

『スカイ・クロラ』

 ”同じ毎日”というものを”同じ体”に置き換えて語る。
 「いつも通る道でも、違うところを踏んで歩くことができる。いつも通る道だからって、景色は同じじゃない」
 そういうことだ。

『仮面ライダーキバ 魔界城の王』

 『キバ』の、というより『平成ライダー』の悪い部分がすべて詰まった作品。
 ただ、僕の弟がエキストラとして出演した記念すべき作品であるから、苦い評価はあまり付けたくはない。

『ウォンテッド』

 CGとアクションの融合の、良い例です。
 そんなこと思いつくか?というアクションがいっぱいで、満足満足。
 腕を振りながら引き金を引くと、銃弾は曲がるのです!

『アイアンマン』

 ビバ!トニースターク!
 ロバート・ダウニー・Jr最高です。あなたはもうトニー・スタークです。
 メカの駆動音とか、たまらないですよね。グウィネスもたまらないですよね。
 あぁ・・続編楽しみ。でもテレンスさんが出ないっていうのは本当?

『P.S.アイラブユー』

 ジェラルド・バトラーはとんでもなく素晴らしい声をしていますね。
 手紙の最後にある「P.S. I love you」の声の、なんと素晴らしいことか。
 でも、徳永さんが余計な仕事をしてくれた。何を考えてるんだ日本のスタッフ。

『さらば仮面ライダー電王 ファイナルカウントダウン』

 『電王』のライトサイド(素晴らしさ)が発揮された作品。
 まともにやればここまで面白い。『電キバ』はこれで帳消し。いやお釣がくるな。
 でも、敵役に変なドラマを持ち込まなければもっと良かったな。

『ヤング@ハート』

 「ロック」というものについて考えさせてもらった。
 「ロック」は、生き方・考え方なんです。歌い手によって、意味は変わるのです。
 普遍ではないのです。それがロックです。恐らく。
 おじいさん、おばあさん。元気をありがとう。そしていつまでも元気でね。

『恋愛上手になるために』

 ラストでニヤリ。
 あそこで笑えるかどうかで、評価はガラっと変わるでしょう。
 ペネロペとグウィネス。この間で生きるマーティン。幸せすぎる悩みだろう。

『WALL・E』

 すごいなぁ。CGもここまできた。そしてアニメの表現力もここまできた。
 言葉は無くても通じるのです。これぞ、国境を越える映画。
 バベルの塔が崩壊しても、この映画があれば大丈夫。
 あと、僕はイヴに萌え萌え。