2009年6月15日月曜日

ゲン@ 劇場:『路上のソリスト』

ゲンです。
梅雨ですね。

『路上のソリスト』@TOHOシネマズ シャンテ(6/11鑑賞)

『プライドと偏見』『つぐない』のジョー・ライト監督最新作。
ロサンゼルス・タイムズの記者スティーヴ・ロペスのコラムを基に、路上に暮らす天才音楽家ナサニエル・エアーズとロペス自身の心揺さぶる魂の交流を描いた人間ドラマ。
主演は『Ray/レイ』のジェイミー・フォックス、『アイアンマン』のロバート・ダウニー・Jr。

昨年のアカデミー賞にもノミネートされ、自分も年間で5位に選んだ『つぐない』のジョー・ライト監督、しかもロバート・ダウニー・Jrが出演ってことで注目しておりました。

何も出来ない苦しみ・・・ 葛藤の先に答えは出せるのか・・・

苦しいなぁ・・・泣いちゃったよ・・・
ロサンゼルスの新聞記者が、偶然であった路上生活者の天才音楽家との交流を綴ったコラムを基に製作された作品ですが、ホントに息苦しかったです。

かつてはNYのジュリアード音楽院に通い、確かな才能を持っておりながら、路上でのホームレス生活をしなければならなくなった彼の過去が、徐々に紐解かれていくのですが、その度にロバート・ダウニー・Jrの顔に浮かぶ苦悩の表情、そして全力でその音楽家を演じるジェイミー・フォックの演技力にただただ圧倒されました。

心に病を抱え、決して人と繋がろうとしない音楽家と、初めは新聞のネタになればと興味本位で近づくうちに、彼の演奏の虜になって何とかして救いたいと懸命に奮闘する新聞記者の「行き違い」が本当に辛かったです。


キャストですが、やはり主演二人の演技合戦が見事!
ジェイミー・フォックスはアカデミー賞を獲得した『Ray』でも評価されていましたし、その実力は十分に知っていたのですが、相手役のロバート・ダウニー・jrがそれ以上に素晴らしかったです。
『アイアンマン』『トロピックサンダー』とぶっ飛んでるような役が続き、『チャーリー・バートレット~』ではアル中のオヤジまでも演じておりましたが、今回のような普通の役でもシッカリと表情で伝えられる実力派の俳優だったのだと、改めて確認できましたw


また演出面で言うと、『つぐない』でも感じたのですが、ジョー・ライトは映像に強いこだわりを持っていて、光の当たり具合やピントのボカし方までもがありえないほどに綺麗で、セリフにならない主人公の思いや感情を見事に表しているシーンが多かったです。
都会の雑踏の中、騒音の激しい路上でも、演奏をするとその楽器の音だけに集中され、他の音が何も聞こえなくなるシーンはちょっと震えました。
他にもオーケストラの演奏を、音だけでなく、視覚的に表現することに挑戦するなど、新しい形の演出も見受けられました。


過去2作がどちらかというと時代背景が古く、歴史作品的な印象だっただけに、今回の現代の話、それも実話をベースに作っている作品なので、受けた印象が少し違いましたが、それでもジョー・ライト作品らしい魅力的な作品になっているのではないかと思いました。

というか、個人的にはこれ以上の読み解きは無理ですw
ジョー・ライトの大ファンである相方:梅太くんのレポを待ってますw

0 件のコメント: