GW満喫してますか?
僕は毎日3時半に起きて、会社に行っております。
■『バーン・アフター・リーディング』@TOHOシネマズ スカラ座(4/29鑑賞)
『ノーカントリー』でアカデミー賞作品賞ほか主要3部門などを受賞したジョエル、イーサン・コーエン兄弟が放つクライム・コメディー。
CIAの機密情報が書き込まれた一枚のCD-ROMをめぐり、さまざまな人々が衝撃の結末へと突き進んでいく。
出演はジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、ティルダ・スウィントン、ジョン・マルコビッチほか。
昨年の『ノーカントリー』に次ぐ、コーエン兄弟監督最新作は、昨年と今年のアカデミー賞観連作に出演していた超豪華な俳優総出演のコメディということで、楽しみにしておりました。
コーエン兄弟らしい乾いた笑いのブラックコメディ♪ ツボにハマれば爆笑必須?w
コーエン兄弟の作品は、一クセも二クセもある作品が多いので、豪華な俳優が揃ったコメディといえども、大爆笑することは無いだろうと思ってましたが、案の定、観る人によって評価が割れるような作品でした。
僕ですか?・・・爆笑ですよ!
全ての仕掛けがツボでした、笑った笑った♪w
僕は全てのコーエン兄弟作品を観てるワケではないですが、昨年のアカデミー作品賞を獲得した『ノーカントリー』よりも、今回のような作品の方がコーエン兄弟らしい作品なのではないかと思いました。
彼らの作品の中では、僕は『ファーゴ』が一番好きなのですが、その理由ってのが、普通でいることに満足できなくなり、普通以上の何かを求めてしまった結果、失敗して何かを失ってしまい、さらにそれを取り戻そうとして他のモノまでも失ってしまう・・・というような、人間の愚かさとか儚さ、そしてそれがある部分で笑いになってると言うのが凄く好きなんですが、『ファーゴ』が恐ろしいのは実話に基づくストーリーだと言うことです。
で、今回のストーリーは、当然作り話ではあるワケなんですが、その「愚かで、悲しくて、おかしい人間」を感じさせる『ファーゴ』的な要素を存分に含みつつ、さらにコメディ色を濃くしたような作品だったように思います。
CIAの機密情報を偶然手に入れた奴ら、それをネタに脅されるアル中の元CIAエージェント、そんな彼らを繋ぐ不倫女たち・・・
普通の生活では満足できず、少し背伸びをしてしまった人間たちが織りなす破滅的な偶像劇で、愚かだなぁとは感じつつも否定できない人間らしい性を匂わせ、切なさとおかしさが絶妙に混在してる気がしました。
勿論、この作品で描かれてるの人間の性ってのは、あくまで強調されたモノではありますが、どこかで共感できてる部分があるのが、コーエン兄弟の素晴らしいトコだと思います。
そして豪華な出演者ですが、妙にテンションの高いバカを演じるブラッド・ピットは、もう素晴らしいですねw
最近のどの出演作よりも、若々しさを感じましたw
コーエン兄弟監督作『オー・ブラザー!』でも主演していたジョージ・クルーニーも、久々にブラックで馬鹿馬鹿しい演技で魅力的でした。
兄ジョエル・コーエンの妻でもあるフランシス・マクドーマンドの自虐的な笑いを誘う演技力も流石の一言!
ジョン・マルコビッチのキレキレの危ない役も、高い演技力があってこその表現力!
そんな中でも一番ツボなのが、ティルダ・スウィントンですよ!
もーティルダ最高ー!
あの眉間と額にシワの寄った「呆れ顔」が激ツボでした!
今までの出演作では、その整った綺麗な顔立ちにウットリしてましたが、今回みたいな呆れ顔もタマらないなぁ・・・
今まで「呆れ顔」でこんなに興奮した女優さんは初めてですよw
さらに重要なのが、そんなおかしくて悲しい人間たちを遠くから俯瞰して見ている立場の人間の存在!
このポジションがあるからこそ、笑えるのです!
『ファーゴ』では事件の真相を探る女性警官(フランシス・マクドーマンドが演じてた役)でしたが、今回はCIAの上司役としてJ・K・シモンズが登場しています。
様々な人間の欲が絡み合って、不可解な事件が次々と起こりますが、それを傍観して、書面と部下の報告だけで知っていく存在ってのが、観客の目線を一度冷静に遠のかせる上で非常に重要であると思いました。
単なるバカではない、愚かで悲しい・・・だからこそ、「おかしい人間」!
『ファーゴ』以来の傑作だと思います!
『ノーカントリー』よりも、こっちの方が好きかもw
評価は確実に分かれるでしょうが、僕は大好きです!
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