2009年8月12日水曜日

ゲン@ 劇場:『HACHI 約束の犬』

ゲンです。
朝の地震は爆睡してて、全く気づきませんでした・・・

『HACHI 約束の犬』@丸の内ピカデリー(8/11鑑賞)

渋谷駅で毎日仕事帰りの主人を迎え、亡くなってからも待ち続けるハチという名の実在した犬の物語を舞台を日本からアメリカに移し映画化した感動物語。
一人の大学教授と彼に育てられた飼い犬の心温まる愛ときずなを描く。
主演はリチャード・ギア。

日本人なら誰もが知っている「ハチ公物語」がまさかのハリウッド!
予告編でリチャード・ギアが「ハチ~♪」と呼ぶのを観るだけで笑ってしまっていましたが、封切った評判を見てみると意外と良さそうだったので、劇場まで行ってきました。

ハリウッドらしからぬ謙虚さ! 日本人の感覚が理解された!

舞台がアメリカになっているだとか、設定が現代になってしまっているだとか、観る前の懸念要素を挙げればキリが無かったのですが、驚くほどに綺麗に納まっていました。

リチャード・ギア演じる主人公の大学教授が、ある日駅で見つけた迷子の子犬を飼い始め、段々と交流を深めていくという、基本的な流れはほぼ原作通りなんだと思われます。
教授を駅へ送り迎えを毎日していたハチが、突然教授が亡くなってしまった後も駅に通い続け、彼の帰りを待ち続けるという展開も同じです。

そんな分かりきっているストーリーですが、地味ながらもそういったエピソードが日本人の感覚に訴えかけ、長く親しまれているのだと思いますが、舞台がアメリカになってしまっても、この感覚が見事に引き継がれているのに驚きました。

一番の大きいのは、ハチをアメリカの犬ではなく、日本古来の「秋田犬」という設定を貫き通したことにあるかと思います。
飼い主を慕う従順さやひたむきさってのは、外来種ではなく、日本人に古くから親しまれている秋田犬でしか出せない空気感。
また、それを受け取る側の観客からしても、自然と土台が出来ているので、感情移入も自然に出来ました。

確かに「良い話エアー」を漂わせてるのは分かるのですが、実話がベースになっていますし、「あざとい」というような感覚は一切ありませんでした。
ハリウッドが作るとどうしても序盤はコミカルに描いて、その後のしっとりした展開でのギャップってのが、感動やら涙に変わるんでしょうが、そういった要素はほとんどなく、ひたすら地味な展開なのが潔いです。
普段、「動物良い話モノ」を観ても、全く感動しない自分ですら、クライマックスではちょっと泣きそうになりましたw


もう一つ重要なのが、スポットをハチだけに当てるのでなく、あくまで主人公は教授(リチャード・ギア)に向いているというトコ。
ハリウッドの動物モノといえば、最後には動物が死んでしまうというお決まりの展開。
しかし、ご存知のようにこの作品は先に主人公が死んでしまいます。
実話なのでどうこうということは言えませんが、これがかなり重要な展開で、普通にハリウッドが考えたストーリーでは絶対に作れないだろうと思いました。
主人公が亡くなってから、改めてハチの方に軸が移るってのは、まさに日本人的な感覚であると感じました。


そんな主人公の教授を演じるリチャード・ギアの名演技!
優しくてダンディなイメージの彼ですが、子犬とじゃれ合い、子どものように一緒に遊ぶ様子は、ホントに微笑ましいです。
どんだけイメージアップすれば、気が済むのかとw

そして同じくらいに素晴らしいハチの名演技!w
もーね、何ですか、あの潤んだ瞳は・・・
小首を傾げられて見上げられたひにゃ、あーた、大変ですよ!
基本ネコ派の僕ですが、秋田犬や柴犬とかには弱いですw
万が一、イタズラで眉毛とか書かれてたら泣くね!可愛くて!(関係ない)


日本原作の作品がハリウッドで映画化されるコトはたまにありますが、ここまでの作品になるのは滅多に無いだろうと思います。
感動ストーリーが嫌いな人でも、これなら受け入れられるんじゃないでしょうか?

予想外に謙虚で、大人でも十分に耐えうる、叩きどころのない素晴らしい完成度!

劇場で観ても損はナシ!

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