2009年3月31日火曜日

ゲン@ 劇場:『ワルキューレ』

ゲンです。
3月ももう終わりですね。

『ワルキューレ』@MOVIX亀有(3/26鑑賞)

第二次世界大戦時に実際にあったヒトラー暗殺計画を題材に、トム・クルーズが主演を務める戦争サスペンス。
監督は『ユージュアル・サスペクツ』『スーパーマン リターンズ』『X-MEN』のブライアン・シンガー。

出演するだけで話題作になってしまうトムは、『大いなる陰謀』『トロピック・サンダー』と3作続けての戦争映画ですが、どれも全く毛色の違う作品ですねw

おーなかなか面白い! やっぱりナチス関連の映画はハズしにくいなぁ・・・

正直、そこまで期待していたワケじゃないんですが、普通によく出来ていたと思います。

考えたら、トムの出演作は『コラテラル』から全部劇場で観てますね。
名前ばっかりが先に歩いてしまい、作品の内容以前に怪しげなプライベートばかりが取り上げられてしまうトムですが、個人的には表現力もキチンとあるし、どんな役でも全力で打ち込める素晴らしい俳優だと思ってます。

ですが、今回は戦争映画。
それもナチス・ドイツを描いた作品と聞いて、そこまでのドラマを演じられるのかと少し不安でした。
しかも、予告編が公開されて早速観てみたら、全編英語だったし・・・
監督がエンタメ色の強い作品の多いブライアン・シンガー監督と聞いて、さらに不安は大きくなっておったのですが、過度の演出を抑えていて非常に丁寧に作られてると感じました。

まず英語ですが、オープニングのナレーションがドイツ語で、それが徐々に英語に入れ替わっていく形で始まり、最初のうちは少し違和感を感じていたのですが、意外なほどスグに慣れました。
やはりハリウッド製作で、出演者もアメリカ系の俳優さんが中心なので、馴染んだんだろうと思います。


物語は、ドイツ軍の大佐として務めながらも、あくまで自分は「ヒトラーの為ではなく、ドイツの為に戦っている」と意識を持っている主人公が、同じくナチスに違和感を抱いている軍の幹部と共に、ヒトラーの暗殺を計画・実行していくという話で、実話を基に描かれています。

僕は戦争映画はそこまで得意ではないので、ナチスの話もあまり詳しく知らないのですが、軍内部での暗殺計画があって、実際にヒトラーの元まで爆弾を持ち込んだっていう話は全く知りませんでした。
なので、ストーリー自体には凄くリアリティを感じましたし、緊張感ってのもスクリーンから十分に伝わってきました。

ただ歴史的な事実っていうのは分かってるワケで、暗殺計画が実行されるも失敗に終わるオチが読めてしまうっていう部分は、仕方ないかと思います。
ただ、その失敗になってしまう過程ってのもなかなかドラマチックだし、要はそのクーデターが発覚して、「実はヒトラーは死んでない」っていう事実が明らかになった後、計画を知らないで任務を行っていた他の軍人達がどういう行動をしたのかっていうのが、かなり面白かったです。


主人公のドイツ軍大佐を演じるトムですが、やっぱり彼は一つの強い信念みたいなのを持った人物を演じる時に出るオーラは、素晴らしいと思いますね。
大作ばかりに出演して、名前ばかりがドンドン売れちゃってるから、もう細かい演技力なんかはいちいち評価されない俳優になってしまいましたが、アクションエンタメだけじゃなくて、こういったドラマにもちゃんと力を入れて出演できるんだから、まだまだしっかりと評価されるべきだよなぁって、つくづく思います。
特に去年出演した『大いなる陰謀』と『トロピック・サンダー』は全く両極端な役を演じてるだけに、幅と深さを両方兼ね備えてるんだと分かって頂きたいです。


ハリウッド製作だとか、トムが主演だとかで、いろいろ叩ける部分や弱い部分もあるんですが、それ以前に「ナチスの幹部が起こしたヒトラー暗殺計画で、この計画が失敗してからは全く計画が実行されなかった」という当時のドイツ国内でも大きな影響を及ぼした事件だけに、そのストーリー自体が非常に興味深いもので、ドラマチックで面白いです。

意外と踏み外してない、劇場で観て損は無い作品かと思います。

2009年3月29日日曜日

ゲン@ 劇場:『ベットタイム・ストーリー』

ゲンです。
今月は劇場で新作を13本消化できました。

『ベットタイム・ストーリー』@丸の内ピカデリー(3/27鑑賞)

子どもを安らかに眠らせるために語り聞かせる“ベッドタイム・ストーリー”が、現実の世界で実際に起きてしまうというファンタジー・アドベンチャー。
監督は『ヘアスプレー』のアダム・シャンクマン、主演は『再会の街で』のアダム・サンドラー。

やっべぇ・・・良すぎてちょっと泣いちゃった・・・

いやーヤバいヤバい・・・
もう予告編を観た段階で、絶対に面白いだろうなぁとは思ってましたが、予想通り最高でした!

父親の経営していた小さなモーテルを、巨大なホテルグループに買い取られ、今では設備係で雑用ばかりをこなす主人公が、1週間だけ姉の子どもたちの子守りをすることを頼まれる。
はじめは嫌がる主人公だったが、夜に子供たちを寝かしつけるために、その場で作ったおとぎ話が、次の日に現実になっていることに気づく。
自分にとって都合のいいことになるように、話を作ろうとする彼だったが、子ども達はドンドンと好き勝手に話を変えてしまう・・・


この作品はディズニーの製作なんですが、ファンタジーと現実の混ぜ具合ってのが絶妙で、昨年の『魔法にかけられて』にも負けないくらいの素晴らしいストーリーになっていると思いました。

どうにかして自分に都合の良い様に話を作ろうとする主人公ですが、子ども達が言ったことしか実現しないと気づきます。
ですが、子ども達は「ガムが降ってくる」「小人に足を蹴られる」なんていうコトしか言ってくれず、主人公はヤキモキ。
しかしそんな話をしていく中で、子供たちと主人公の関係が段々と仲良くなってきて、交流が深まってくる。

と、どうなってくるかというと、仕事や人間関係の現実世界に疲れていたはずの主人公(大人)が夢を語るようになり、反対に社会の厳しさを知ってしまった子ども達が、夢のない現実的なコトを言うようになってしまいます。

これに気づいた瞬間にハッとしてしまい、思わず泣きそうに、いや実際に泣いてしまいました。
『魔法にかけられて』でも同じようなニュアンスを伝える部分があったと思いますが、あの作品はそれ以上にセルフパロディとしての部分が大きかったので、そういった面はあまり表に出てこなかったように思うだけに、この作品の言わんとしてるコトってに気づいて、衝撃を受けました。
物語の後半では、何とかハッピーエンドにしようとする主人公に対して、子ども達は「現実はそんなに上手くいかないよ」と、ばっさり切り捨ててしまいます。
こういうコトって、今までディズニーはあまりやってこなかったことだと思うのですよね。

勿論、映像としても面白いので、子どもが観ても十分に笑えて楽しい作品だと思いますが、大人の方が子ども以上に感じ取れるモノが大きな作品なのではないかと感じました。


主演のアダム・サンドラーですが、僕は凄く好きなコメディ俳優の一人です。
自分の子どもという設定ではないにしろ、子ども達と一緒になって愉快にはしゃぐ姿ってのは、やっぱり素敵ですね。
それでいて、ホントは心優しく素直なのに、仕事では運に恵まれずに上手く行かないっていうのも似合ってて納得。
ベン・スティラーも同じようなタイプの俳優だと思いますが、彼の都会的なイメージと違い、どこか田舎クサくていい兄ちゃん的な匂いがするもの好きな理由です。
昨年の『再会の街で』で号泣させられましたが、今回の役では笑って暖かくなりました。


劇場で観られるなら、絶対に字幕版をオススメします。
日本語に吹きかえられちゃうと絶対に伝わらないようなジョークやセリフが多かったので、それを無駄にしないためにも絶対に字幕版での鑑賞をお奨めいたします。

ファミリー向けの映画として成功しているのは当然ですが、それ以上に大人が観ても拾えるメッセージの多さに驚きました!

『魔法にかけられて』に続いて、ディズニーの実写作品が、ちょっと神がかった完成度になってきてると思います!

ゲン@ 劇場:『イエスマン/“YES”は人生のパスワード』

ゲンです。
春になってからの方が寒いですね。

『イエスマン/“YES”は人生のパスワード』@新宿ピカデリー(3/27鑑賞)

ジム・キャリー主演。
人生において常に「ノー」を連発してきた後ろ向きな男が、どんなときでも「イエス」と言うルールを自分に課したことから騒動が巻き起こるコメディ。

ジム・キャリーの出演作を劇場で観るのは、『レモニー・スニケット~』以来だと思ってましたが、昨年の『ホートン ふしぎな世界のダレダーレ』で声の出演をしてましたねw
それでも、彼のファンタジーでない純粋なコメディを観るのは久しぶりだったので、すごく楽しみにしていました。

明るくポジティブになれる素敵な映画! ハイテンション男はまだまだ健在!

ホントに久しぶりにジム・キャリーのコメディセンスが爆破してる映画を観た気がして、非常に楽しかったです。

極度の面倒クサがりで人との繋がりを嫌い、どんな誘いや提案にも「NO」と言って断り続けてきた主人公が、あることをきっかけにどんな誘いに対して「YES」と答えるルールを課す。
友人のパーティや顧客の提案、目に付いたカルチャースクールの宣伝、はたまた結婚紹介の迷惑メールにまで全てを受け入れていく彼は、段々と交流の輪が広がり、人生に輝きを取り戻したように思えたが・・・


僕個人としては、人との交流を乗り気で行うタイプではないので、冒頭の主人公のような「NOマン」であると思います。
「誰かと無理に遊ぶくらいなら、家でDVDでも観てた方がマシ」なんて考え方なんて、まんまですw
ところがこの主人公は、何にでも「YES」と答えていくうちに、それまで絶対に興味が無かったようなモノや、知るはずの無かった人々と出会うことで、どんどんと人生が楽しく、幸せになっていきます。
勿論、最初は「どんなことにも」というのがルールのおかげで、何も考えずに肯定してしまった結果、災難が降りかかることも多いのですが、最終的には凄くハッピーなところに転がっていきます。

人間は「やってしまった後悔」よりも、「やらなかった後悔」の方が引きずってしまうのは、精神学の面でも立証されてるので、まさにこの映画はそういった部分を上手く表現してると思いました。


主人公のジム・キャリーですが、笑い以外の部分でも表現力の豊かなので、最近ではヒューマンドラマの出演が続いていましたが、今回は久しぶりにコメディタップリの演技でした。
それでも完全なおバカコメディと比べると、アドリブみたいなのはだいぶ押さえてるんだと思いますが、普通に演技しててもどこかオーバーなリアクションは笑いを誘います。
相変わらず、顔もよく動くし、すんごく楽しかったですw

そして、梅太君が激押ししていたヒロインのズーイー・デシャネル
彼女の出演作は『銀河ヒッチハイクガイド』『テラビシアにかける橋』くらいしか観てないと思いますが、正直あまり印象に残ってませんでした。
ですが、今回ジム・キャリーとロマンスになる彼女は、すんごくキュートで、正直惚れましたw
特にスクーターに乗ってる姿とかヤバいですね・・・可愛いわ・・・


それと配給がワーナーブラザースなのですが、『ハリー・ポッター』やら『300』など、他の映画のパロディのシーンやセリフが多く登場して、映画好きとしてもかなり楽しい作品になってしました。


とりあえず「YES」と答えるだけでも、その瞬間から人生が変わり、出会うはずの無かった新しい何かとめぐり合うコトが出来る。

何かに迷っている時に観ると勇気をもらえるような、背中を押してくれる素敵な作品でした。

オススメです。

2009年3月20日金曜日

梅太@ 雑記:愛と感動、衝撃のラスト

この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします

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 本日3/20は『イエスマン/YESは人生のパスワード』を見てきまして、感想はコチラに書きました。

 鑑賞前にトイレに行ったとき、男用のトイレに「gentlemen」と書いてあり、「はて、自分は紳士だろうか」と一瞬考えてから入りました。

 そんなことはどうでもよくて。

 本日の予告編は『トランスフォーマー2』、『グラン・トリノ』、『ザ・バンク 堕ちた巨像』、『バーンアフターリーディング』でした。
 さて、この4つの予告編の内、「衝撃のラスト」というワードが含まれていたのが2つありました。

 1月ごろを思い出してみる。
 そのころは、『レボリューショナリー・ロード』『チェンジリング』『ベンジャミン・バトン』が控えていた時期であります。
 このころは確か、大体の映画に「愛」というワードが含まれていた記憶があります。
 ここに『7つの贈り物』が入ってくると、「感動」というワードが入ってくるのです。
 

 最近の日本における映画の宣伝文句、恐らく「愛」「感動」「衝撃のラスト」がほとんどではないだろうか。
 宣伝文句として、確かに申し分ないワードだとは思うのだけれど、あんまりにも頻繁に用いられていると、なんだか大した作品ではないように思えてしまう時がある。
 勿論、実際に見てみるとそんなことはないのですが。

 確か淀川長治さんの本に書いてあったと思いましたが、「衝撃のラストは、”衝撃”と事前に知らされてしまった時点で衝撃で無くなる」らしい。その通りだと思う。

 日本語は豊かな表現が沢山あるのだから、もっと活用するべきだ。

 TVで放映するときの方が、よっぽど頑張っていると感じる。
 いくつかここでご紹介したい。

『ノック・オフ』

・筋肉フィーバー
・全身の毛穴で受け止めろ!!
 



『プレデター』

・肉密度1000%
・拳のマニュフェスト



『TAXI 3』

・痛快、爽快、Fly in the sky!
・仏ったまげ、フランス産アクション



『ドリブン』

・その瞬間俺達は、死神とすらダチになる
・レースファンなら観ろ、ファンじゃないなら・・・死んでも観ろ! <でも死んだら観らんないよ・・・>



『スパイダーパニック』

・ハエたたきよりも銃をくれ



『レッドウォーター サメ地獄』

・プロレタリア シャーキング パニック





 うん、木曜洋画劇場は頑張っております。
 一見メチャクチャな印象を受けますが、かなり的を得ています。

 『レッドウォーター サメ地獄』の「プロレタリア・シャーキング・パニック」なんて、一瞬・・というか全然意味わからないです。
 (どうやらブルジョアの反対語らしい)
 けれど変に「愛」とか「感動」とか持ち出されるより、何だかカッコイイし、観たくなりませんか?

 あと俳優を紹介するとき、日本では大概「演技派」とか「個性派」とか持ち出しますよね。
 なんとなく、とりあえず付けている印象を受けてしまいます。
 付けるなら付けるで、『ドリブン』のスタローンみたいに、「男のカーナビ」くらい、ぴったりな肩書きを考えたらいいと思う。



 この辺はそれぞれの好みもありますから、「愛」とか「感動」が好きな人はそれでいいと思います。
 というより僕も好きです。
 ただあまりに頻繁に使うのは逆効果じゃないかなぁと。

 そうでもないのかな。

 ここに書いたからどうなるというわけでもないのですけど、ちょっと辟易していた部分がありましたので、このように記事にさせていただきました。
 

梅太@ 劇場:『イエスマン/"YES"は人生のパスワード』

この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします

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●すべてにYESと言えば道は開ける?『イエスマン/YESは人生のパスワード
 監督はペイトン・リード(『チアーズ』)
 主演はジム・キャリーズーイー・デシャネル

 ジム・キャリーの最新コメディ。
 逆風に負けず自転車を10km漕ぎ、見てきました。


 素晴らしく面白かったです。
 膝を叩いて笑うことも何度かありました。
 ジム・キャリーのコメディは、僕はやはり好きだなぁと。

 そしてズーイー・デシャネルがもう・・・なんともキュートでありました。
 ファンとしては、どうもごちそうさま!と言うしかない。
 この記事とかこの記事で、デシャネルは何度か推していますが、この度また推しておきます。


 ~~~ ストーリー:失敗と後悔 ~~~
 
 すべてにネガティブな主人公:カール(ジム・キャリー)が知人の勧めであるセミナーに行くこととなる。
 それは、すべての物事に対してYESと言おう!という啓発セミナーで、さっそく疑いながらも実行してみる。
 その結果、物乞いに絡まれるは車はガス欠するはで踏んだりけったりであったが、最高にキュートな女性(梅太目線):アリソン(ズーイー・デシャネル)との出会いがあった。
 これはなかなか・・・そう思ったカールの”YES”人生が始まった。

 ストーリーはこのようなもの。

 なんとなくこの一年間の自分と重ね合わせてみてしまいました。
 僕はこの一年、卒業研究をしていましたが、「来るものは拒まず」の姿勢を貫いてきました。
 頼まれれば「はい」と言い、「病院に行く予定(研究会とか)があるのだけれど、一緒に行く?」といわれれば即「はい」といってきました。
 仕事を抱えすぎて大変な時期もありましたけれど、結果として自分のキャパシティを知り、複数の作業の処理法を会得することが出来たと思います。

 勿論、悪いことに対してYESというのは、単なるバカではあります。
 ダメ、ゼッタイ!な事は、絶対ダメです。考えることも大切です。
 でも物事を考えすぎて・・・というのも、せっかくのチャンスを逃してしまい、これもバカな話です。
 あの時やっておけば・・・という後悔はしたくないですね。

 勝利の女神に後髪は無いのだ!くらいの意気込みで、良いのではないでしょうか。

 「YES」と言って実行すると、失敗はあるかもしれません。でも考えた上での結論であれば、きっと後悔は残らないはず。
 「YES」といってマイナスになる部分って、ないのではないだろうか。この辺は気の持ちようかもしれないけれど。

 アメリカではクリスマスシーズンに公開された作品でしたが、日本ではこの3月。
 年度の切り替わりの時期です。
 新生活がスタートする人も多いと思います。
 そんな時期にピッタリの作品だと思いました。

 Everybody say YES!!


 ~~~ キャスト:ジム・キャリーのコメディ ~~~
 
 さて、純コメディとしては『ディック&ジェーン』以来のジム・キャリー。
 僕が分析するに、ジム・キャリーは面白いことを無理にしなくても、みんなを笑わせられる人だと思っています。
 コメディ色の薄い作品群、『トゥルーマンショウ』や『エターナル・サンシャイン』では、特に笑いを誘っているわけではないのですが、なんとなく笑ってしまう部分があります。
 
 なぜでしょう。
 変幻自在な表情、抑えてはいるけれど常にオーバーなリアクション。
 理由は様々ですが、僕が思うにジムの持つ独特の雰囲気:”親しみやすさ””親しみやすい笑い”ではないでしょうか。
 (”わかりやすい”とも言うかもしれないけれど)
 身近にいて欲しいタイプの笑いですよね。

 ベン・スティラーや、スティーブ・カレル、セス・ローゲンetc...、この人たちは最近目立っていますけれど、依然としてこれら俳優とジムの一線を引いているのは、そういう部分であると思います。

 それでも時々、一人突っ走っている部分もありますが、本作はジムが突っ走らないように、でも持ち味はちゃんと残すような監督のセーブが、うまく発揮されている作品だと思います。

 次回作はディズニーの下で、チャールズ・ディケンズ原作の『クリスマス・キャロル』だそうです。
 幽霊との交流を描いた傑作を、果たしてどう料理してくれるのか楽しみです。
 あと、ティム・バートン監督の下で作られるはずでしたが、会社側に監督を変えられてしまった『Believe It or Not』があります。


 さて、デシャネル。最高。

 一つだけ紹介するならば・・・

 劇中、上司のコスプレパーティー参加にYESと答えたカールは、アリソンを引き連れて会場へ向かいます。
 それはハリポタファンの集まるパーティー。(制作会社が同じなので、許されます)
 コスプレの具合は↓コチラ。


 全世界のエマ・ワトソン ファンを敵に回したくないですが、このキュートさは本家ハーマイオニーを超えている。

 ~~~ ヴァンダムの後ろ回し蹴り ~~~

 製作会社がワーナーとあって、ワーナー関連作品のネタは度々登場します。
 『グーニーズ』のポスター、『ハリポタ』や『300』のコスプレパーティー。
 そしてワーナーにとどまらず、『トランスフォーマー』や『SAW』などもチラと出ています。

 一番爆笑したのが、カールが酔った勢いで男にケンカを吹っかけるのですが、その会話の中で、

 「ジャン=クロード・ヴァンダム並の後ろ回し蹴りを食らわせてやるぞ!」

 いやはや、笑いましたね。
 気になる方は↓こちらを参照。




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 さて、久しぶりの劇場鑑賞とあって、すこしてんこ盛りな感想になってしまいました。

 今月は観たい作品がまだまだあるのですが、東京へ里帰りしてから観ようかと思っています。

2009年3月16日月曜日

ゲン@ 劇場:『ジェネラル・ルージュの凱旋』

ゲンです。
欲しいDVDが多くて困ります。

『ジェネラル・ルージュの凱旋』@TOHOシネマズ有楽座(3/14鑑賞)

『チーム・バチスタの栄光』の続編、医療ミステリーの映画化第2弾。
原作小説は読んでませんが、前作の映画があまりに期待ハズレでガッカリしていただけに、今回もそこまで期待せずに観に行ってきたのですが・・・

ヤッベ! 面白ぇ! 堺雅人かっけぇ!

ヤラれたわー完全にヤラれたわー
前作のツマらなさっぷりがウソの様に、全ての展開が面白すぎました。
別に原作者が変わったわけでも、映画のスタッフが変わったわけでもないだろうに、比べるのもバカらしいほどに面白くなってました。

まず拍手を贈りたいのは、容疑者として出演されてる堺雅人さんですよ!
もーねーヤバい! めさめさ魅力的!
ストーリー上で言えば、疑惑を追及される側なので、「悪役」として扱われているワケなんですが、久しぶりに邦画でとんでもなく魅力的な悪役を観た気がしました。
僕の中での堺さんは、ほんわかとした優しい笑顔の印象があったので、今回のような一見冷めたような不気味でイッちゃってる役は馴染みが無かったのですが、もー完璧にハマり役でした。
登場から終わりまで、全てにおいてカッコ良すぎました。
ヤバい、マジでヤバい。


で、そこまで敵役が魅力的になるストーリーも素晴らしかったです。
前作は全くリアリティを感じなくて、事件の真相が暴かれても全く面白くなかったんですが、今回のテーマになっているのが「救急医療」で、現実的に問題になってる医師不足や過剰な負担などが絶妙に絡められていて、話にドンドン引き込まれました。
事件の真相が分かっても、「これだったら実際にありえるかも・・・」と思えました。


さらに面白くなっている理由が、続編というのを最大限に利用していること。
主人公である田口(竹内結子)と白鳥(阿部寛)のコンビのやりとりが相変わらず面白いってのは勿論ですが、前作と同じ病院内で起こる事件なので、「バチスタ事件」で登場した人達が今回も登場します。
その登場するタイミングってのもまた最高でして・・・こればかりはネタバレになるので、あとは劇場でお楽しみにw


観た方が全員言ってますが、前作のダメっぷりがウソのようにとんでもなく面白いです!w

この面白さのまま、今後もシリーズ化されたら、ちょっとヤバいかも・・・

ただ、あくまで詳しい人物相関の説明なんかは省かれてるので、辛くても前作を観てからでないと、楽しみきれないかとは思いますw

2009年3月14日土曜日

ゲン@ 劇場:『ドラゴンボール:エボリューション』

ゲンです。
人身事故で10分で着くはずが、40分近く遠回りして帰宅しました。

『ドラゴンボール:エボリューション』@TOHOシネマズ錦糸町(3/13公開)

説明不要の人気コミック原作の実写映画。

公開前から、あらゆるサイトで酷評と苦笑の嵐でしたが、周りが酷評すればするほど擁護したくなるのが自分の性w
何とかして褒めてやろうと思い、観に行きましたが・・・

中途半端! 大叩きするほどツマらなくないのが腹立つわー!w

まず、当方はそこまで原作のファンではないということを、ご了承下さい。
一応、キャラクタの名前とかストーリーの一通りの流れは知ってますが、コミックを何度も読み返すほどのファンではないですので・・・

恐らくですね、この作品に関わった人達全員が、原作を全く読んでいないんだと思いますw
「何か、人気あるらしいから映画化してみる?」くらいのノリで実写化しちゃった!くらいの完成度ですw

とにかく、ストーリーが行き当たりばったり。
ほとんどバックの無いまま話が始まって、ドンドンあとづけで設定が加えられていって、都合の良いように展開され、最後もあっけなく終わりますw

まぁ、そこが笑えると言えば笑えるので、狙ってやってるのなら、ある意味で天才的な脚本ですが、絶対にそんなことは無いと思いますw

何と言いましょうか、ドラゴンボールが大好きな人が先頭で伝言ゲームを初めて、全然知識の無い8番目くらいのアメリカ人が脚本書いてる感じ?w



真面目な話をすると、原作に全く思い入れの無い奴らが集まって、作品を作り上げたのがミエミエでした。
ハッキリ言って、こういう映画人が僕は一番嫌いです。
どんなにダメな作品でも、作り手側に「大好きだ!」という気持ちがあれば、それは絶対に作品に反映されて観客に伝わります。
いくらツマらない作品でも、「ココだけはやり込んだなw」って部分が必ずどこかにあるもんです。

それが無いんです、この作品には。

「この程度でいいや・・・別によく知らないし」の連続で作られたこの作品は、どこかで観た事があるようなカットが数え切れないほどにありました。
でも、どのカットも完成度が非常に低いです。
オリジナルだとかパクリだとか、そういう話ではなく、作品そのものの完成度を上げる気が全く感じられませんでした。

例えば、『マトリックス:レボリューションズ』のクライマックスにて、ネオをスミスの空中戦は「ドラゴンボール」のパクリだと叩かれました。
しかし、オリジナルであるはずのこの作品の戦闘シーンを観てみると、そのパクリよりも明らかに完成度が低いのです。
制作費の問題なんかじゃなく、「原作が好き!」という気持ちで作った別の作品が、やる気の無いオリジナルを超えてしまったことになります。

それって、ホントに恥かしいことだと思いますよ?


「悟空」って名前なのにアメリカ人なのとか、シェンロンに叶えてもらう願いが酷すぎるのとか、ツッコもうと思うと1分に1回でも足りないくらいに非常にハイテンポで低レベルのボケを連発してくれるので、飽きないと言えば飽きないのですが、そのどれもが「ツッコんだモノ負け」になってるので、全く動けませんw

あと上映時間が90分ほどしかないので、あまりの展開の早さに驚くと思いますが、その辺も上手く楽しむには高度な技術が必要かと思われますw


ホントは言いたいコトが、もっと山ほどあるのですが、そのどれもが稚拙すぎるボケゆえ、手が出せませんでした。

どうぞ、劇場でご覧になり、ゆっくりと消化してください。

きっと食あたりでお腹を壊すと思いますのでw


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そんなワケで、予想通り駄作だった『ドラゴンボール』ですが、大叩きするほどのダメな作品でもなく、ただひたすらに「ツッコんだモノ負け」になるだけの作品で、非常にモノ足りませんでした。

「バカだなぁ♪」って笑えるでもなく、失笑するでもなく、飲み込むしかない悔しさ。

昨年の『少林少女』くらい酷ければ、大喜びで叩けるですけどねぇ・・・
チャウ・シンチーは結局何がしたいんだろうなぁ・・・


予告編で観た『トランスフォーマー:リベンジ』の方が、1000倍面白かったですw

ゲン@ 劇場:『オーストラリア』

ゲンです。
風が強くて、傘が折れそうです。

『オーストラリア』@TOHOシネマズ錦糸町(3/13鑑賞)

『ロミオ&ジュリエット』『ムーラン・ルージュ』のバズ・ラーマン監督が、壮大なオーストラリアの自然を舞台に描く運命的な愛の物語。
主演はニコール・キッドマンとヒュー・ジャックマン。

公開規模の大きさとは裏腹に、評判の悪さが有名になっていましたが、話題作は出来るだけ劇場で消化したいので、睡眠をいつもより削って観に行ってきました。

思ってたよりもヒドくは無かったなぁ・・・面白くもなかったけども・・・

まず良い点を挙げるとすれば、とにかくヒュー・ジャックマンがワイルド!の一言に尽きると思いますw
たくましく厚い胸板と、タップリと蓄えた髭と胸毛!
・・・って、男子の観るべきポイントじゃないですが、あのワイルドでタフな姿には惚れますわw
先日のアカデミー賞の司会で魅せたセレブリティなエンターティナーっぷりも素敵ですが、ヒューヒューの魅力はワイルドな面もガッツリと兼ね備えてるトコだと思います。

そんな彼に絡むニコール・キッドマンの貴婦人っぷり!
見た目は小奇麗ですが、ヒュー・ジャックマンと張り合うだけの男勝りな面も持っている、魅力的な役でした。
このギャップのある、まさに「美女と野獣」の二人が同じスクリーンにいるだけでも十分に画になりますw

それに加えて、オーストラリアというロケーションの美しさ。
広大で起伏に富んだ土地が、ワイルドと繊細さの両面を持った二人と重なり、どのカットも本当に綺麗でした。


そんな画的には最高の作品ですが、何がそんなにもネックなのかと言うと、やはり題材になってるのが「第二次世界大戦」って部分だと思います。

中盤まではなかなか面白いラブストーリーだと思いましたが、後半になるとそこいらの戦争映画にありがちな展開になってきてゲンナリ・・・

そして極めつけが、オーストラリアに侵攻してくるのが、日本軍であったというコト。
完全に日本人が悪者扱いされてましたね・・・

まぁ、題材として戦争を扱ってるだけに、史実に基づいてストーリーを展開させていくならば、この方向に進むが仕方のないことなのは十分分かりますが、結果としてオリジナリティに欠けてしまったのが非常に残念な気がしました。


ただ上映時間が2:45分とかなりの長時間ながら、その長さをあんまり感じられなかったのは評価できると思います。

戦争の色が濃くなっていく後半までは、そこそこ面白い作品ですが、それ以降を描かないワケにもいかないですから、難しいトコですね・・・

2009年3月12日木曜日

ゲン@ 劇場:『罪とか罰とか』

ゲンです。
今月は観たい作品の公開ラッシュでスケジュールが大変です・・・

『罪とか罰とか』@TOHOシネマズ西新井(3/6鑑賞)

劇団「ナイロン100℃」主催、ケラリーノ・サンドロビッチさんの監督4作目はお得意のナンセンス・ブラックコメディを前面に押し出した作品。
一日警察署長を嫌々やらされるグラビアアイドルが、事件や元恋人の秘密に振り回される様を描く。
主演は成海璃子。

うーん、ナンセンスw でもこの感覚がイイんだよなぁ♪

とりあえず、ケラさんの監督作は全部観てるワケですが、ここまでナンセンスでブラックな笑いを詰め込んだ作品は今回が初めてですね。
なので、絶対に一般ウケするような無難なラインは狙ってこないだろうとは思ってましたが、案の定、危険だわーw
もー序盤から打ってくるジャブがいちいちツボで、クスクス笑いが2時間ずっと続いてましたw

そもそも「一日署長に捜査を指揮する権限は無いだろ!」ってトコロから始まり、常に“ツッコミしろ”を用意してくれるのはありがたいですねw
シュールなんだけども、拾いやすく丁寧な気の利いた配慮ですw

まぁ、逆に言うと「爆発した笑い」ってのは無く、ジャブだけ連発されて倒された気がするので、気持ち良さみたいなのは全く感じないんですね・・・
別にストーリーにメッセージがあるワケでも、感覚的に刺激されるな展開も無いので、そのジャブ連打だけで満足は出来たんですがw


主演の成海璃子ですが、不遇な扱いを受ける売れないグラビアアイドルって役が、成海璃子本人の外見にハマっててなかなか良かったですw
成海璃子って一時期スゲー肥えてた時期があったと思いますが、その辺も含めてピッタリかなぁ?ってw
でも、そんな彼女をずって観てると段々可愛らしく魅力的に見えてくるのが不思議ー♪
まぁ、女優さんだし、キャラ作りって点では、文句無しに出来るでしょうからw

その他の出演者は、ケラさん監督作らしくホントに豪華な方たちばかり!
劇団員の方々はもちろん、過去に一緒に仕事をされた方々が、チョイ役で次々と登場してました。
こういう方々を発見するのも、ケラさん作品の面白い部分でもあると思います。

で特に素晴らしいのは、やはりと言いましょうか、犬山イヌコさん奥菜恵さん!
犬山さんはいつものテイストで、サバサバした口調でサラッと突拍子も無いことを言うのが最高に面白いですね。
ケラさん作品には欠かせない、三谷作品で言う戸田恵子さん的な必要不可欠のポジションですw
奥菜恵さんは監督2作目の『おいしい殺し方』で主演もしていて、その時もコメディエンヌっぷりに感動しましたが、今回も周り(主に大倉孝二さん)に振り回されっぱなしで常にハイテンション!
女性的な強さと弱さを感じさせるようなヒステリックな役も好きですが、こっちの演技も魅力的♪
「魔性の女」と呼ばれながらも、やはりオキメグは素晴らしい女優さんだと思います・・・女優業を引退しないでホントに良かった・・・

あとは山崎一さんなり、大倉孝二さんなり、全力でコメディに走れる方々も素晴らしいですが、この女優さん二人は別格に素晴らしいってコトで、今後もケラさん関連での活躍を楽しみにしております。


未だに僕の中では初監督作の『1980(イチキューハチマル)』が最強に面白いのは変わらないんですが、“青春”って要素を抜いた純粋なナンセンスコメディとしては、十分に合格点の作品だと思いました。

まぁ、絶対に万人にはススメられませんが、舞台を含めてケラさんの作品が好きな方は、間違いなく楽しめると思われます。

ケラさんと出会ってから観た舞台・映画・DVDで未だにハズレを全く感じないのはスゲーと思います。
連勝記録はまだまだ続きそうだなぁ・・・

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『罪とか罰とか』を観終わって劇場出て携帯見たら、ケラさんが緒川たまきさんと結婚するっていうじゃないか!
何と言うタイミング!w

緒川さんは『犬は鎖につなぐべからず』『どん底』と、ケラさんと絡んだ2作をバッチリ観に行ってますが、ナマで観るとホントに綺麗な女優さんですよー♪
あまり生活観を感じない二人だけに、どんな夫婦になるのか若干心配ですが、お幸せにー

ゲン@ 劇場:『ヘルライド』

ゲンです。
まだまだ寒い日が続きますね。

『ヘルライド』@銀座シネパトス(1/18鑑賞)

クエンティン・タランティーノ製作のB級バイカー・バイオレンス・アクションムービー。
60~70年代に量産された、バイクに乗った若者達の夢や挫折、暴力を満載した低予算のB級映画を、21世紀にタランティーノが復活させた!

昨年『グラインドハウス』でゾンビ映画とカーアクション映画のB級作品を、見事に大復活させたタラちゃんですが、今度はバイカームービーって事で、それだけで観たいですよw
しかも『レザボアドックス』『キル・ビル』でもおなじみ、タラちゃん組の若頭こと、マイケル・マドセンの渋い演技も観れるなんて、こりゃ劇場に行くしかないでしょう!

思ってたよりも爆発しなかったけど、まー許す!

今回タラちゃんは製作で、監督・脚本・主演の3役を務めるのはラリー・ビショップ。
彼もまた、60~70年代にならず者映画で活躍した俳優で、タラちゃんと意気投合して(タラちゃん、意気投合して映画作るの大好きだなw)、今回の作品を作るに至ったそうです。
バイクと美女にまたがり、渋い表情とセリフで暴れまくる姿は、ホントにカッコ良かったです!

マイケル・マドセンも相変わらずイイ!
ちょっとカスれ気味の声、皮のベストばかりのバイク仲間の中で、一人だけヨレヨレのシャツにジャケット・・・オジサン萌えー!


あ、ストーリーはホント、どうでもいいですw
仲間を殺されたバイクチームの復讐劇とか、ホントにどうでもいい話です。
でも、その“どうでも良さ”を狙って作って、ちゃんとどうでもよくなってるんだから見事ですよw

ただ演出的に、もう少しぶっ飛んだ内容でも良かったなぁって思いました。
『グラインドハウス』はどうでもいい展開でも「あーもーバカだなぁw」っていう笑いが沢山あったんですけど、あまりに真面目にどうでもよく作りすぎてしまったと言いましょうか、真面目過ぎてバカしきれなかった感があった気がしました。

タランティーノがバックについてるんだから、もう少しやりすぎても良かったんだけどなぁ・・・


とは言え、製作側の狙った通りの作品には出来上がってる気はするし、2009年(米国では2008年公開)に、まだこういう作品が堂々と撮れる奴らに拍手を贈りたいですね。

まぁ、向こうでも2週間で打ち切りになったそうなんで、本当に楽しんでるのはタラちゃん達だけなのかも知れんけど、それはそれで良いと思うw

タラちゃん、これからも頑張ってください♪

2009年3月8日日曜日

ゲン@ 劇場:『ヤッターマン』

ゲンです。
2年連続の大阪、USJに行ってきました。

『ヤッターマン』@亀有MOVIX(3/7鑑賞)

『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』『クローズZERO』の鬼才・三池崇史監督最新作は、まさかの往年名作アニメの実写化。

『ジャンゴ』『神様のパズル』とここ数年の三池監督作がツボにハマり過ぎていたため、まさかの実写化ですが三池さんなら必ずや面白い作品になるだろうと激しく期待しており、初日の初回から観に行ってきました!

バカー! 最高ー! やっぱり三池さんは分かってるー!

えっと、何と言いましょう・・・・
個人的には「ヤッターマン」自体のファンでも何でも無いので、原作に特に思い入れがあるワケじゃないんですが、今回の実写化の話を聞いて、そして完成した作品を実際に観てみて、色んな意味で泣きそうに嬉しかったですw
とりあえず、「ありがとうございました」と・・・w

ここ数年、海外でも続いてたコミックやアニメ原作の実写映画化ですが、米国と比べると日本ではドラマではないヒーローやSFモノってのはかなり遅れを取っていたと思います。
それは制作費や映像技術的なコトもあるでしょうが、何より実写にしても揺るがない映像を撮れるセンスがある監督がいないことが、一番のネックだったように感じていました。

それを覆すのが、この三池監督ですよね。
ヤクザや任侠モノのVシネマ出身ですが、その後はホラー映画で世界的にも評価され、ここ数年で活躍の場が一気に広まりました。

まぁ、僕が三池監督の作品で観てるのが『ジャンゴ』と『神様のパズル』だけなので、あまり多くを語ることは出来ませんが(ヤクザもホラーも得意じゃないからw)、その2作だけでも日本人離れした映像センスに脱帽いたしました。

で、今回のアニメの実写化ということですが、もーね、ホントに好き勝ってにやってるんですよ。
セットとかCGとか衣装とか、お金の使い方がおかしいよ!
しかしその使ってる部分ってのが実に絶妙で、使うべきトコにお金をつぎ込んでるのがよく分かりました。
いや、ハリウッドの監督でもここまでキチンとお金を使って、完成度の高い作品を仕上げられる人はなかなかいないですよ・・・

三池監督が「日本で映画監督をやる限り、『ヤッターマン』の実写化を撮るまでは死ねない!」と語るように、「無駄に細かいディティール」というのは、監督や作り手自身がその作品を好きじゃないと絶対に出来ないんですよ。
どんなにお金と時間をかけても、ただ詳細を求めるだけでは、作品の完成度は絶対に上がらないと思います。
情熱あってこそ、完成度が上がるものなんじゃないのかと。
例を挙げると『トランスフォーマー』のような、作り手側の情熱があまりに溢れすぎた「必要以上の無駄なこだわり」がこの作品からも強く感じました。


まぁ、あとはキャストですよね。
主人公以上にキャラの濃い「悪役トリオ」は、原作をそこまで知らない自分でも、印象はとても強いです。
で、その3人ってのが、ホントにいいんですわー♪
ボヤッキーが生瀬さんってのは言わずもがなですが、やはりドロンジョの深田恭子でしょー!w
あんまり深く語ると墓穴を掘りそうなんで止めときますが、とりあえず「モノ凄く良かった」とだけ言っておきますw
気になる人は多いだろうけど、気になってるんなら劇場に観に行けばいいじゃない。
きっと大満足して帰ってくることになるだろうよ!

あとは注目すべきは阿部サダヲさんですね。
あの人のおかげで、後半のテイストが若干変わってくるんですが、乾いた笑いの乗っかれる不思議なテンションの作品なので、良いアクセントになっていたと思います。
シリアスに見せつつも、絶対に笑いを忘れない印象的な演技でした。


ジャニーズが主演なのと、アニメの実写化ってコトで年齢層が低く設定されていそうですが、実際に観てみたら込められてるネタとか、ジョークの拾える年代を考えると、20代後半から30代の方々は、原作の知識に関わらず、最高にツボにハマると思います!

ハッキリ言うと、「ヤッターマン」に全く興味が無くても、絶対に面白いかとw

それくらい推します!

必見!!! ぜひ、劇場で!!!

ゲン@ 劇場:『チェンジリング』

ゲンです。
先週、大阪に行ってきました。


『チェンジリング』@亀有MOVIX(3/6鑑賞)

クリント・イーストウッド監督最新作、アンジェリーナ・ジョリー主演。
息子が行方不明になり、その5か月後に見知らぬ少年を警察に押し付けられた母親の真実の物語。
1920年代当時、堕落したロサンゼルス警察が保身のために行った数々の非道な行動が、実際にあったという事実にがく然とする。

やっぱりクリント・イーストウッドはすげぇなぁ・・・

オープニングから「この物語は実話です」なんて言われてしまうと、余計にストーリーに引き込まれてしまうのは、卑怯な気さしてしまうんですが、文句なしに面白かったです。
いや、実に悲しい事件なんで“面白い”なんて言葉は不謹慎なのかも知れませんが・・・

舞台は1920年代のLA、警察は賄賂や癒着で腐敗しきり、まともな捜査は全く行われていない酷い状況。
そんな中で起こる児童誘拐事件を利用し市民の信頼を回復すべく、偽の息子を連れてきて、「無事に探しましたよ!」と母親の前に差し出す。
母親が別人だと言い張っても「気が動転してる」と、母親を精神病院に送ってしまう始末。
その送られた精神病院には、同じように警察に訴えを起こしたばかりに、異常者扱いされた人々で溢れていた・・・

と、何とも悲痛すぎる物語ですが、実際に起こっていたと言うのだから驚きです。

警察の腐敗を描いた作品は、最近では『アメリカン・ギャングスター』のような実話モノは多くありますが、この作品も非常にリアリティに溢れる素晴らしい物語でした。

しかも、この作品が面白いのは、単に警察の腐敗を描いているだけでなく、後半から裏で起こっていた児童誘拐事件の真相を同時進行で描いてる点。
必死で息子を探そうとする母親、偽りを続けて事件を握りつぶそうとする警察、微かに生まれた正義感から暴かれる事件の真相、という3本の軸が絶妙に絡み合い、とんでもなくドラマチックなクライマックスを迎えます。

息子を探そうとしている前半よりも、事件の真相が明らかになる後半の方が、母親にとって遥かに厳しい現実が待っているという展開に愕然として、思わず泣いちゃいました・・・


主演のアンジーですが、『ウォンテッド』やら『Mr.&Mrs.スミス』の時のように“ビッチ女”を演じている時が好きなので、今回のような感動作での主演はあまり期待していなかったのですが、本年度のアカデミー賞で主演女優賞にノミネートされるのも納得の素晴らしい熱演。
最近では女優以外にも、母親としての顔がクローズアップされることの多い彼女だけに、今回のような役は個人的にも興味があったのではないかと思います。
ボロボロになっても毅然とした態度で息子を探そうと、真実を探ろうとする姿は本当に素晴らしかったです。

孤立無援だった彼女に手を差し伸べ、共に真実を追究していく牧師役のジョン・マルコビッチも正義感に溢れ、非常に素晴らしい演技でした。
来月公開されるコーエン兄弟監督作の『バーン・アフター・リーディング』では全く違った役で、アンジーの夫・ブラピと共演していますが、そちらも楽しみです♪


悲劇的な実話ですが、非常にバランスの取れたドラマチックな展開で描かれるストーリーが実に巧妙で素晴らしい。

重いテーマながらスッキリと、映画的にまとめる上手さは、まさにクリント・イーストウッドの手腕が爆発したと言えると思います。

面白いです。