この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします
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●手紙で綴る永遠の愛『P.S. アイラブユー』
監督・脚本は脚本家として有名なリチャード・ラグラヴェネーズ。
ヒラリー・スワンク、ジェラルド・バトラーを主演に迎えた、手紙で綴った愛の物語。
ストーリー:
若くして結婚したホリー(ヒラリー・スワンク)とジェリー(ジェラルド・バトラー)。
時に激しい口げんかをしながらも、深い愛で結ばれている二人。
しかし、脳腫瘍によるジェリーの突然の死。ふさぎ込むホリーであったが、30歳の誕生パーティーの日、誰も注文した覚えの無いケーキが届く。
差出人はジェリー。
その日から1年間、死んだはずの夫から、愛に溢れた手紙が届くようになる。
それをキッカケに、ホリーの生活も変わり始める・・・
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ん~、いろいろと勿体無い。良い話ではあるのですけどね。
やりたいこと、言いたいことはわかるから、納得は出来るのだけど。
~~~ ストーリー、演出:表現は見事だけど、構成が勿体無い ~~~
死んだはずの夫から、ある手法(ここがキーポイント)を用いて定期的に手紙が届くようになる。
題材からして、良い話なのは予想できますね。
実際に見終わって、良い話であることには変わりないのですけど、いろいろと勿体無いシーンが多く、せっかく高まった情感もあっという間に冷めてしまう。
う~む、実に惜しい。
実を言うと、冒頭の口げんかのシーンから、どうにも世界に入り込めなかった。
どんなに激しい口げんかをしても、すぐに仲直りする。二人の間の深い愛情を見せ付けて、オープニング明けの突然の葬式。
冒頭で入り込めなかったおかげで、葬式のシーンに何の感慨も沸かなかった。
他にも口げんかを描く恋愛映画は沢山あります。でもこの作品のはどうにも入り込めなかった。
ただ、死んだ夫ジェリーから手紙が届き始めると、この作品の認識を変えずにはいられなかった。
『300』で、「スパルターーーーーーーーーーー!!!」と叫んでいたあのジェラルド・バトラーはやはり素晴らしい声の持ち主であり、手紙を読むナレーションの、ホリーを愛で包むようなやさしい声には、男の僕でも泣きそうになってしまった。
また、そこでかかるスコアも素晴らしいの一言。
以後、ホリーへ、そしてホリーの友達のへと何通かの手紙が届くのですが、その手紙を読み上げるシーンの良さは文句の付け所がありません。
そこだけだったら、かなりの高得点ラブストーリーであります。
では、どこで惜しいと思ったか。
余韻がまったく無い。
せっかく情感のたっぷり溢れるシーンを見事に作り上げているのに、すぐにシーンの切り替え。
もうちょっと浸らせてくれてもよかったと思う。
あと、このお話はホリーの友人やホリーに思いを寄せている人たちが彼女を支えてくれるわけですが、その人たちのシーンがやたら多すぎる気もする。
ここはホリーとジェリーにもっと的を絞って語ってほしかったなぁとも思う。
そして最後の手紙。
なぜそれを、ジェラルド・バトラーに読ませないのだろう。
このお話は、1年間かけてジェリーの手紙を読んでいくわけで、1年後は、頭の中からジェリーの存在はどんどん薄くなるわけで。
それに従い、バトラーの出演シーンが減っていく(存在が薄くなっていく)のは、そういう演出であろうことは納得できます。
でもせっかくの最後の手紙なのに・・・・
原作もそういうものであれば、文句は言えないわけですけど。
繰り返すようですが、惜しい。とても惜しい。
~~~ 日本版主題歌:好みの問題だけど ~~~
宣伝時から、気にはなっていたのです。「徳永英明さんが、日本版の主題歌を歌うことに決定」。
いえ、決して徳永さんが嫌いなわけではないのですが、僕は外国の映画に日本の何かを”後付け”されるのがとても好きではないのです。
「日米合作」とか、そういうのは別です。
そして、封切り。
エンドロールでは徳永さんの美声が流れます。
けど、なんだか冷めてしまった。
好みと偏見の問題ではありますけど。
100歩譲って、日本版主題歌は良しとして、何が一番気に食わなかったかと言うと。
エンドロールの最後の最後。堂々と主題歌を宣伝。
あ~・・・・やめて。。
~~~ 最後に & その他 ~~~
手紙を読み上げるシーンは文句なしに素晴らしいと思うので、そのシーンの寄せ集めなら、DVDで観たいとは思います。
その際は是非、日本版エンドロールと米版エンドロールを収録して欲しい。
ただ、1年前は「スパルターーーーーーーーー!!!」と叫び、兵士を引き連れて血沸き肉踊る戦いを繰り広げたジェラルド・バトラーの、非常に優しく繊細な一面を見られたのは、とても良かったです。
というより、ジェラルド・バトラーの美声があったからこそのこの作品だと思います。
何度も言うようですが、とても惜しい。あと一息というところ。
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