2009年4月27日月曜日

ゲン@ 劇場:『ミルク』

ゲンです。
暑くなったり涼しくなったり、忙しいですね。

『ミルク』@シネカノン有楽町2丁目(4/22鑑賞)

1970年代のアメリカで、同性愛者であることを公表して公職に就いたアメリカ初の政治家ハーヴェイ・ミルクの生き様を描く伝記ドラマ。
監督は『エレファント』のガス・ヴァン・サント、主演はショーン・ペン。

本年度アカデミー賞で作品賞他8部門にノミネートされ、主演男優賞と脚本賞を受賞した作品ということで、注目しておりました。

素晴らしい! ショーン・ペンの熱演に泣いた!

まー良かったですわー
社会的弱者である人々の為に立ち上がり、自らゲイであることを公表して、市民の理解を得て初めて公職に就いた政治家の実話に基づく作品ですが、とても衝撃的でした。

初めは単に同性愛者を社会的に撤廃するような法案に立ち向かう為に、政治活動を始めたミルクでしたが、仲間が増えるにつれ、高齢者や労働者など社会的弱者からの多くの指示を受け、見事に市政執行委員への当選を果たしますが、成功に至るまでには数多くの危険や苦労があり、当然簡単な事ではありませんでした。
執拗な嫌がらせや暗殺予告など、命の危険を感じながらも活動を続け、その希望を広げていきます。

就任後、同性愛者の教師は解雇できるという法案の住民投票が全米で行われ、この法案の反対行動を展開します。
万が一、この法案が通ってしまえば、同性愛者は教師に限らず、様々な職業分野に波及するばかりか、今度は障害者や人種など、マイリティの人々全体にも影響が及ぶであろうと考え、ミルクは精力的に活動を続け、結果的にアメリカ全土の賛同を得て、否決を勝ち取ります。


自分たち(ゲイ)の為に始めた活動が、やがて大きな輪になり、波になり、社会全体にまで広がっていく。
この「希望」がしっかりと大きくなり、伝わっていく様子ってのは、本当に素晴らしいことですね。
出身や経歴に囚われない、信念で社会を動かすってのが本来の政治なんだろうなと改めて思いました。

しかし、ミルクは就任後、1年も経たないうちに、凶弾に倒れてしまいます。
しかも彼を暗殺したのは、反同性愛者の活動家なんかではなく、同じく市政執行委員に当選したダン・ホワイト。
ミルクの華々しいくも強引な政治手腕に違和感とストレスを感じていた彼は、政治的にライバルだった相手を逆恨んで射殺されてしまいます。

こんなにも実力的で活動が期待されていたミルクが、同僚に殺されてしまうっていうのが、凄く悲劇的で残念な最後だなぁと・・・


主人公のミルクを演じているショーン・ペンですが、同性愛者である事をさらけ出し、偏見にも負けない明るく愛嬌のあるキャラクタを見事に演じきっておりました。
ゲイの役なので、男性とのキスシーンやベットシーンも多くあったのですが、その辺もリアルにしっかりと演じておりました。

ミルクのボーイフレンド役には、『スパイダーマン』シリーズで主人公:ピーター・パーカーの親友:ハリーを演じていたジェームズ・フランコが出演しておりますが、彼もまた濃厚なゲイシーンをリアルに演じておりました。

そして、彼の政治活動をサポートする若者には、エミール・ハーシュ
彼はショーン・ペンが監督した『イントゥ・ザ・ワイルド』で主演していたので、きっとショーン・ペンのお気に入りなのでしょうw
今回の難しい役どころも見事に演じきっておりました。

また『ハイスクール・ミュージカル』シリーズで、お騒がせ姉弟の弟:ライアンを演じていたルーカス・グラビールもスタッフ役で出演しておりましたが、言われて見れば彼もちょっとゲイっぽいかもですねw


作品が作品なので、生々しいシーンもあるので、苦手な人にはちょっと辛いのかも知れませんが、それを役者さんが演じてるって考えると、凄い人々が集まったなぁと思いました。

「大作」と言ってしまっていい規模だとは思いますが、凄く丁寧に自分物を描いていますし、実話であるので、感じる衝撃と言うのは大きいと思います。

彼がもしまだ生きてたら・・・と考えると、アメリカはもう少しいい国になっていたのかも知れないですねぇ・・・

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