2009年5月31日日曜日

梅太@ 劇場:名画座日記-3

この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします

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 名画座日記-3

 どうせまたギンレイだろ・・・と思ったそこのあなた。
 正解です。

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ギンレイホール

 飯田橋駅徒歩5分くらいのところ。
 少し前の作品からかなり前の作品まで、2本立てで上映。

 休憩時間のトイレは混みます。(どうでもいいか) ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 今回は『モンテーニュ通りのカフェ』、『PARIS』を観て来ました。
 ”パリ2作品”です。
 どちらも、昨年観たかったフランス映画でございます。

カフェに集う人々の人間模様:『モンテーニュ通りのカフェ』
 監督はダニエル・トンプソン。
 主演にとても素敵なセシル・ド・フランス。

 ヒロイン:ジェシカ(フランス)は、職を探してモンテーニュ通りへ。 
 そこでありついたカフェの給仕の仕事。
 そのカフェには毎日、様々な人が訪れる。
 文句の多いベテラン女優、苦悩するピアニスト、年老いたコレクター・・・
 その人たちの生活を垣間見ていく形式で、物語は紡がれていく。

 観終わって思ったのが、これはヒロインの成長譚というわけでもなく、彼女がカフェに訪れる人たちに影響を与えているわけでもないということ。
 彼女はこの映画の中では、彼らの物語を、僕ら観客に紹介する媒体でしかない。
 だから、彼らは、自分の問題は自分で解決していく。
 
 生活というものは、そういうものなのではないかと思う。
 僕たちは毎日、色々な人に出会うけれど、その人たちから、必ず何かしらの影響を受けているわけではない。
 逆に、自分が人に影響を与えているわけではない。そう安々と影響なんて与えられないです。

 それでも、生活は流れて生きます。

 そういうことを上手に切り取った、とても素敵な映画でした。

 明け方、曇天のパリを見下ろすシーンが、たまらなく素晴らしかった。

 そしてヒロイン、セシル・ド・フランスの、まさに太陽のような暖かい笑みに、とても幸せな気分になった僕でありました。

●パリに住まう人々の人間模様:『PARIS』
 監督はセドリック・クラピッシュ。
 主演にジュリエット・ピノシュ。

 弟はある日、姉(ピノシュ)に連絡をする。「僕は不治の病なんだ」
 姉はその日から、弟と一緒に暮らし始める。
 弟の趣味を聞くと、「ここから街を見下ろして、通り過ぎていく人たちのストーリーを空想するのが好きなんだ。」と答える。
 パリの街の中で、接点のない人々の生活が静かに交差していく形で、物語は進んでいく。


 弟の趣味「通り過ぎていく人たちの~」を元に、通り過ぎていく人をカメラが捕らえ、その人のエピソードが語られ紡がれていく様は、見事でありました。
 
 不治の病にかかった弟が、姉に向かって言う、
 「無闇に人生を暗くするなよ」
 というこの台詞。とても好きです。


 そして、なにより。
 メラニー・ロランが素敵過ぎました!
 カフェ、窓越しに横顔を写すショットが、ホントにもう・・・

(横顔ショットが入手できなかったので、これで勘弁)













 この女優、今後も要チェックです。
 ・・・と、この名前、どこかで聞いたと思ったら、タランティーノの最新作『イングロリアス・バスターズ』で女主人公を演じている人ではありませんか。
 元々注目していた作品でしたが、期待度が一気に高まりました。



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 今回分かったこと。
 フランス人女性は、僕のツボに入りやすいということ。

2009年5月24日日曜日

ゲン@ 劇場:『チョコレート・ファイター』

ゲンです。
引越しを来週に控え、あまり更新できずに申し訳ありません・・・
梅太くんが書いてくれますが、先日5時間に渡って映画談義をしてきましたw
非常に楽しかったです♪

『チョコレート・ファイター』@新宿ピカデリー(5/23鑑賞)

並み外れた格闘能力を持つヒロインが母の敵を討つためマフィアと死闘を繰り広げるアクション・ムービー。

ノーワイヤー・ノースタント・ノーCGの超絶ムエタイアクション『マッハ!』で世界に名を広めたプラッチャヤー・ピンゲーオ監督の待望の新作は、主演が25歳(同い歳!)の女の子!
昨年、本国タイで公開され、予告編の迫力に圧倒されて日本で公開されるのを本当に待ち望んでいましたが、嬉しいことに初日舞台にも参加できることになりました!

世界最強ムエタイ“美”少女見参! ヌルいハリウッドなど蹴り飛ばせ!

先日の『グラン・トリノ』で上半期1位は確定とか言ってましたが、早くも撤回させて下さいw

これこそが1位です!w

もーさーもーさーもーさーもーさー
観る前から面白い事はずっと分かってたし、満点取ることもほぼ間違いないと思ってましたけど、案の定、見事にその期待を軽々越えて、とんでもなく素晴らしい作品で御座いました!

理屈抜きで最高!
良すぎて涙出てきました!
(マジでw)

とにかくですね、主演のジージャーが爆裂に可愛くて強い!
『マッハ』や『トム・ヤム・クン!』でも謳い文句になってますが、ピンゲーオ監督のウリは、何と言ってもスタント無しのリアルなアクション!
吉高由里子ライクな25歳の可愛い可愛い可愛い女の子が主演ですが、本当に容赦なく傷だらけのアクションが、これでもかと詰め込まれておりました!

『マッハ』で主演していたトニー・ジャーは、僕は今最も動ける映画俳優だと思っておりますが、彼と同等、もしくはそれ以上に激しく危険なアクションを披露しております。
トニー・ジャーのムキムキな身体とは違い、女性らしい小柄でしなやかで体型を活かした技の数々は、美しささえ感じるほど!
元々タイでテコンドーの講師をしていた彼女を監督が発掘し、4年間もの長い訓練を経て撮影に望んだだけあって、ムエタイだけでなく、その他の格闘技も取り入れたような動きも見受けられ、完璧なアクションヒロインを演じておりました!

ストーリーもピンゲーオ監督の特徴なんでしょうか、アクション映画でありながら、『マッハ!』のようにどん底にまで落とされるようなくらい背景を描きつつ、そこからの復讐劇という何ともドラマチックな展開で、激しいアクションだけでなくストーリーでもとても引き込まれるものがありました。

それに加え、単にリアルで激しいだけでなく、バラエティに富んだアクションの幅もこの監督の大きな魅力です。
『トム・ヤム・クン!』ではトニー・ジャーの本職であるムエタイを軸に、剣術やカンフー、プロレスといったモノまで取り入れた異種格闘技線が見ものでしたが、今回もホントに素晴らしいです。
カンフーや剣術は勿論、棒術まで登場し、関節技も豊富で痛々しい!w
特に目を引くのは、クライマックスのカポエイラ戦!
『トム・ヤム・クン!』でも「ムエタイvsカポエイラ」はありましたが、今回はその闘いをさらに発展させたようなアクションでその激しさは言うまでも無く、戦う二人のキャラクタってのもかなり魅力的でした。


主演のジージャーですが、何度も言いますがマジで可愛い!
ぷっくりとしたアヒル口が犯罪的に可愛い!
アイドルとしてでも十分にやっていける程のビジュアルを持ちつつ、恐ろしく高い身体能力と、体当たりで魅せるリアルなアクションのハードさ。
さらに心を病を持って生まれ、病気の母親も労わるという、どん底のドラマパートで魅せる寂しい表情は、アイドルでもアクション俳優でもなく女優。

何ですか、この完璧な感じは!
この娘さんを“最強”と言わずして、何と言うか!


これだもの・・・この可愛さだもの・・・

そして彼女の父親で、生き別れた日本のヤクザという役の阿部寛さん!
そのカッコ良さとシブさは当然ですが、彼女とその母親を守る為に戦う様は、女性でなくても惚れる!

何だ、この映画! 完璧じゃねぇか!


スタント無しのリアルでハードなアクションが最大の魅力ですが、それだけでは語りつくせないドラマと、主演の可愛い可愛い可愛い女の子!

嗚呼、蹴られたい! 僕も蹴られたい!

これを観ずして、何を観るか!



そんな大興奮で明るくなったスクリーンで鳴り止まぬ拍手。
初日舞台挨拶ってコトで、阿部寛さんが登場!

うーん・・・ヤバいなぁ・・・背高いよぉ・・・ホリ深いよぉ・・・

何度も何度も「こんなインフルエンザの中、観に来てくださってありがとうございました!」と言ってましたw

タイでの撮影はとても楽しかったらしいですが、やはり日本とはかなり違っていたとのこと。
撮影に2年も費やし、1つのアクションシーンでも長いときは3ヶ月もの長期間で撮り続けたそうですが、その分アクションのクオリティを求めているというのには、凄く納得しました。

また俳優がリアルなアクションを演じるため、怪我をするのは当然と考えているようで、阿部さん自身も向こうの俳優さん(本職はキックボクシングの元世界チャンピオンとかw)に殴られ、怪我をしたそうです。
でも、そういうアクシデントがあっても撮影に望むというのが、ガッツがある俳優として認められるそうですw


ちなみにエンドロールで、NGシーンが流れるのですが、これがヤバい・・・
モノクロで血生臭さは無いにしろ、完全に流血してるシーンもありましたし、何より衝撃的だったのが、怪我をしたスタントマンが救急車で運ばれ、そのまま病院のベットでお見舞いしてるシーンw
いや、何もそこまで入れんでもw

アレを観ると、主演俳優は当然ですが、それ以上にやられ役のスタントマンがいかに大変なのかってのが、凄く伝わりますね・・・
高いところから落ちて、予定外のセットの部分に身体が当たったり・・・
いやはや、ご苦労様でしたw

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そんな感じですが、マジでヤバいです!
絶対に面白いとは思ってましたが、ここまでバッチリとハマるとは!

『マッハ!』よりも『トム・ヤム・クン!』が好きな自分としては、このバラエティに富んだアクションってのは魅力だし、何より主演のジージャーたんが激烈にカワユ過ぎるので卒倒しそうでした。

そして暫定ですが、現在1位!w
『グラン・トリノ』も確かに素晴らしい映画だけども、やはりアクション映画の面白い作品には弱いバカですw
今まで一番素晴らしいアクション映画は?と聞かれれば『トム・ヤム・クン!』と答えてましたが、これからはこの作品をススメます!

トニー・ジャーが世間の評価に調子に乗ってしまい、血迷って『マッハ!2』で主演だけでなく、監督までも引き受けてしまった結果、あまりの手腕の悪さに撮影をほっぽり出して逃亡しておりましたが、捕まって何とか撮影を続け、無理やりにでも完成させるというだけに、今後のトニー・ジャーにはあまり期待しないほうがいいのかも・・・

その分、最強美少女のジージャーたんの今後に期待大!
ピンゲーオ監督の次回作も、彼女で決まりでしょ!?

引越し終わって落ち着いて、まだ劇場でやってたらもう一度観に行きたいな・・・
今年はまだ劇場で2回以上観た作品が無いしなぁ・・・
(『ウォーリー』の4回は含まずw)

2009年5月23日土曜日

梅太@ 劇場:『新宿インシデント』

この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします

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 先週、ゲンさんと観たこの作品の感想を、書いていませんでした・・・

●負の連鎖の凄み・・・:『新宿インシデント

 ジャッキー・チェンが日本を巻き込んでカンフーファイト!・・・をするわけではありません。
 ジャッキーが挑む新境地は、ダークな人間ドラマ。


 中国の故郷を離れ東京に出てきた恋人を探すため、密航入国をしたジャッキー。
 東京滞在の親友と、その仲間の助けを借りて、何とか生活をしていく。
 ある日気づく。生きていくためには、汚いことをすることも、時には必要である。
 ここから生まれる負の連鎖、金・暴力・権力。それに巻き込まれる、純朴な親友。
 この連鎖の行き着く先は。


 負の連鎖に一番影響を受けてしまうのが、主人公ジャッキーではなく、その親友であるというところが、とても悲しい部分。
 この映画で気づくことは、暴力で作った借りは、暴力でしか帰ってこないということ。

 親友を傷つけられたジャッキーと仲間は、敵地に突っ込む(カンフーはしません)。
 そしてその敵が、またこちらを傷つける。
 その借りを返す。また返される・・・

 でも自分たちが生きていく道は、これしかないのだ・・すごく悲しい道であると思う。

 しかし唯一、とてもクリーンな貸しをする。
 それは人の命を救ったということ。
 最後に響くジャッキーの一言、「これで貸し借りは無しだ」。
 この言葉の持つ意味に気付いたとき、「あぁ、ジャッキーは新境地を開いたのだな」と思った。
 しかしこの言葉が、相手側に伝わらなかったというところが、また悲しいところでもある。

 
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 どうしても、終盤の親友のメイクが、『シザーハンズ』のエドワードにしか見えなかった。
 あと、チンピラが「侍魂じゃぁ!」と叫ぶのも、なんとなく笑ってしまった。

 
 恐らくゲンさんに誘ってもらわなかったら観なかったであろうジャンル。
 どうもありがとうございます。

梅太@ 劇場:名画座日記-2

この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします

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 名画座日記-2

 順調に名画座巡りをしております。
 今回は・・・前回に引き続きギンレイホールです。
 巡ってないだろ!という突っ込み、痛いほどわかります。

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ギンレイホール

 飯田橋駅徒歩5分くらいのところ。
 少し前の作品からかなり前の作品まで、2本立てで上映。

 フロントから映写室が覗けます。

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 今回は『バンクジョブ』、『その土曜日、7時58分』を観て来ました。
 ”強盗2作品”です。

●それは簡単な強盗のはずだった・・・:『バンクジョブ』

 監督はロジャー・ドナルドソン。
 出演には、”愛すべきハゲ”ことジェイソン・ステイサム、サフロン・バロウズ他。

 昔はせこい犯罪を行い、ヤンチャをしていたテリー(愛すべきハゲ)とその仲間。
 今は借金を抱えつつも、それなりに安定した生活を送っていた。
 しかし突如、昔馴染みの女性:マーティーン(バロウズ)が、銀行の貸金庫強盗の話を持ちかける。
 「絶対安全だから・・」と。
 実行は簡単であった。しかし奪ったものがまずかった。
 貸金庫に眠っていたとてつもないスキャンダルのおかげで、主人公たちは暗躍に巻き込まれていく。


 そういうストーリー。

 貸金庫の中身が、とにかくまずい。
 政府のスキャンダル、闇帳簿etc..
 主人公たちは、MIからギャングまで、様々な集団に追われていく。

 色々な思惑の交差により、物語は最悪な方へコロコロ転がっていくが、最後に逆転劇が用意されている。
 とにかくテンポが良く、見終わって快感しか残らなかった。
 脚本・編集の妙。ニヤリとするほどGOOD。

 そして何より、とても素敵なサフロン・バロウズ。
 良いですな~。ツボでした。

 そうそう。
 素敵な人が来たとき、「Hello, GORGEOUS」と挨拶するの、良いですよね。
 今後使っていこう。


●それは完璧な計画のはずだった・・・:『その土曜日、7時58分』

 監督はシドニー・ルメット。
 主演にフィリップ・シーモア・ホフマンとイーサン・ホーク。

 兄:アンディ(ホフマン)は、弟:ハンク(ホーク)に、宝石店強盗の話を持ちかける。
 その店はなんと、彼らの親が経営している店。
 「あの店は保険に入っているから、実害はゼロだ。大丈夫うまくいく」自信を持って協力を要請する。
 実行日、些細なファクターが積み重なり、強盗は失敗。
 失敗どころか、最悪の出来事まで起こってしまう。
 そして事件をきっかけに浮き彫りになる、この家族の関係が・・・


 原題は『BEFORE THE DEVIL KNOWS YOU'RE DEAD』
 アイルランドの古い諺で「死んだことが悪魔が気づく30分前に天国へ行けますように」という意味だそう。

 この題名が、全てを物語っています。
 
 実行後、主人公たちの頭を過ぎるのは、失敗の要因。
 しかし失敗の要因も、誰かに知られなければ、自分たちが捕まることは無い。
 バレなければ天国、バレれば悪魔に捕まる。

 この作品では、ことごとくバレてしまう。
 そしてみんな、狂気と化してしまう・・・

 とにかくホフマンの恐ろしい演技と、ホークの焦りが見所。


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 来月は、もっと他の名画座へ行く予定でいます。
 それでもギンレイには、定期的にお世話になりますけれど。

2009年5月17日日曜日

梅太@ 雑記:meet.ゲンさん

この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします

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 昨日、このブログの管理者であるゲンさんと梅太が、久々に顔を合わせました。

 顔を合わせて早々、

 「あそこのチケット屋でさ・・・」
 「そういえば改札前のチケット屋がさ・・・」

 という話。
 お互いそれで、「うん、うん」とわかってしまうところが、やはり「映画の変態」だと感じました。

 一緒に『新宿インシデント』を観て、それ以外の時間は大体映画の話をしていました。
 飲み屋で5時間とか。いやぁ、話したなぁ。楽しかったなぁ。
 座談会並でした。

 話題は今年に入って観た作品の話が主でしたが、今後の作品の情報交換もしました。

 「あのシーンのあれがね・・・」

 が、”つうかあ”で伝わるのは、やはりツボが同じだからでしょうか。
 以下、その内容を少しだけご紹介。

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●●●今年観た作品について●●●
▼ヘルボーイ2
 ヌアラ王女が、カワイイ、ということ。
▼マンマ・ミーア
 ピアースがムリしてた、ということ。
▼イエスマン
 これでもかというくらい、ワーナー作品を推してたよね、ということ。
▼ダウト
 エイミー・アダムスいいよね、ということ。
▼ウォッチメン
 もう一度見返したいね、ということ。
▼トワイライト
 ツッコミどころ満載だね、ということ。
▼バーン・アフター・リーディング
 ティルダがツボだよね、ということ。
▼MILK
 最後のね、オペラにフォーカスして・・・がいいよね、ということ。

 他、多数

●●●今後の作品●●●
▼トランスフォーマーとターミネーター
 マイケル・ベイが勝つだろうね、ということ。
▼チョコレート・ファイター
 とにかく、観るしかないよね、ということ。
▼The SPIRIT
 ヨハンソン貪欲だよね、ということ。
▼かいじゅうたちのいるところ
 これは、やられたね、ということ。
▼コラライン
 とにかく、観るしかないよね、ということ。

 他、多数

●●●そのほか、雑多な話題●●●
▼アカデミー賞授賞式のヒュー・ジャックマンは頑張った
▼USJのE.T.が無くなる
▼ドリュー・バリモアの名前がなかなか出てこなかった(「ほらほら、あの子、えぇっと・・・」)
▼エミリー・ブラウニングに期待

 他、多数

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 年末は恐らく、昨年と同じように座談会をする予定ですが、それ以外にも何かやろうということで、新企画の話し合いもしました。
 乞うご期待。


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 以下、昨日の話題の補足。
 ゲンさん個人へ向けたものなので、他の方は特に気にしないでください。
 でも他の方も楽しめるよう何か1ネタ加えておきます。

●レモニー・スニケット予告編
 
▼予告編最後、キャスト紹介のところで、ジムキャリーしか紹介していない
▼監督:シルバー・ブラットリングは、『キャスパー』を作った人。最新作は『Land of the lost』
▼長女役:エミリー・ブラウニングは、幸は薄そうだが、唇は厚い

●『魔法にかけられて』に隠されたディズニー新作情報!?▼ディスニー(アニメ部門)最新作は『Princess and Frog
▼『魔法にかけられて』のエンドロールに、その伏線が張ってあった!?
▼ただ、この作品は”御伽噺”にオマージュを捧げた作品であるが故、グリム童話の中でも有名な『カエルと王女』が入り込んでいても、おかしくは無い


to-> ゲン さん
 他、中途で終わってしまった話もいくつかあった気もしますが、その辺はまた次回話しましょう!
 やっぱり録音しておくべきだったでしょうか? (笑

 

2009年5月15日金曜日

梅太@ 予告編:『NINE』

この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします

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 久しぶり・・・な気がしますが、予告編紹介です。
 今日は前々から楽しみにしていたミュージカル映画『NINE』。

 確か昨年末の座談会でも少し触れたような覚えがあります。

 この作品は、フェリーニ作『8 1/2』・・・の、ミュージカル版・・・・の、映画化ということです。
 監督の苦悩を描いたこの作品が、『シカゴ』のロブ・マーシャル監督によってどう調理されるのか、とても楽しみにしていました。

 主人公を「ミルクセーキを吸ってやる」でおなじみダニエル・デイ・ルイス
 ヒロイン群に、黄金の羅針盤を頼りにしたら道を見失ってしまったニコール・キッドマン他、マリオン・コティヤールペネロペ・クルス飛行場での別れを演じさせたらピカイチのケイト・ハドソン、ベテラン勢でジュディ・デンチと、何とソフィア・ローレンまで・・・

 ここまでで鼻血が出そうな豪華さですが、果たして初公開となった予告編やいかに・・・


 ↓↓↓ 予告編 ↓↓↓



 ジュディ・デンチのナレーションで始まると、どうにも『007』の予告編と思ってしまう


 さて、記事の出だしはかなり冷静に書かせてもらいましたが、それもここまでです。



 すごい!これは良い!
 この官能的な具合といい、この豪華さといい、このエロティックさといい、なんと素晴らしいことだろうか!
 (同じ事を二回言っている気はしますがそこは気にしない)

 いや、僕は、ミュージカル映画で何が好き?といわれれば『シカゴ』なのですよ。
 映画館では観ていなくて、後にDVDで観た時、「何故にこれ、見逃したんだ!?」と後悔した記憶があります。
 その監督、ロブ様の最新ミュージカルですよ。
 すごいだろうとは思っていましたが、まさかこれほどとは。


 ダンスシーンが、予告編でも随所で流されていますけれど、この感じすごく良いですよ。
 ”映画でしか描けないミュージカル”というものを、わかっていらっしゃる気がします。

 いや、もう、今回は・・・・
 久々に予告編で鳥肌たった。

 ミュージカル映画は、最近どれも面白い作品ばかりでしたが、どこかで『シカゴ』を超えられない何かがあるのですよね。
 もちろん梅太基準で。
 
 この予告編を観たとき、「あぁこれか」と感じた。
 「これ」って何?と聞かれても、自分でもよくわかっていないけれど。

 さぁ『シカゴ』以来、出るか満点。
 アメリカで本年11/25(僕の誕生日!)に公開。
 
 日本ではいつだろう。
 六本木のTOHOの、スクリーン7で観たいなぁ。

2009年5月10日日曜日

梅太@ 劇場:『スラムドッグ・ミリオネア』(2回目)

この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします

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 2回目のJai HO♪・・・ではなくて、『スラムドッグ・ミリオネア』。

 前回鑑賞では前売り券を使っていなかったので、今回使いました。
 公開4週目ですが、かなり盛況でした。

 今回は、原作を読んで挑みました。
 原作は『僕と1ルピーの神様』。

 それを踏まえての2回目鑑賞ですが、劇場版は、最終的に主人公:ジャマールの一途な恋の成就に帰結しているところが良いですね。
 お話しとしてすっきりしますし。(それは構成とか編集とかの力も、勿論ありますが)
 そしてなにより、胸を打つ。
 

 では感想を。
 もう公開4週目ですから、若干のネタばれを含めてお話しします。
 
●神は偉大なり
 ジャマールの兄:サリームが最後に発する言葉。
 最初に鑑賞したとき、すごく引っかかったのですよね。
 なぜここで、神を持ち出すのだろうと。

 無学の少年が、クイズミリオネアで最後の問題に答えた。
 少年は勉強をしたわけではない。ではなぜ答えられたのだろう。
 少年は過酷な環境で生きていく間に、嫌がおうにも、知識が身についてしまった。
 そして主人公が知っている事柄が、”たまたま”クイズとして出題されたのだった。

 クイズというものは、運である。
 自分の知っていることであれば答えられるし、逆なら無理。
 これは有名大学を出たいわゆるインテリであろうが、スラムに住む少年であろうが、同じ事である。
 (その象徴として、ジャマールが警部に、食の値段を聞く場面がる)

 しかしここまで、自分の知っている事柄が出題されれば、無神教であろうが、なんとなく神の存在を信じたくもなる。
 「これってもしかして、神が創ったシナリオなのではないか」と。

 更に言うなれば、障害の大きかったジャマールとヒロイン:ラティカの恋が実るまでの筋書きすら、神が書いていたのではないかと。
 サリームは消え行く意識の中、そんなことを考えたのではないだろうか。

 そう考えると、やはり「運命だった」は「It is written」なのだろうな。と思う。
 

 この『スラムドッグ・ミリオネア』で展開されたお話しを、「映画だから都合よく・・・」と考えたくなる気持ちもわかる。
 でも僕は、そうは思わない。


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 暗転に映し出される問題。
 Tシャツに書かれた『slumdog millionair』が映し出されるタイトル紹介。
 人生を賭して手に入れた恋。
 そして最後の、インド映画!という感じのラスト。

 いやはや、素晴らしい。

 
 「インド映画!という感じのラスト」が良く分からない方。
 この映画は、こんなラストが待ち受けているのですよ。

 こんなラスト↓↓↓↓




 ・・・・間違えた。コチラ↓↓
 『Jai Ho


 そうそう、前回書き忘れたこと。
 ミリオネアの音楽というか効果音(心音とか)、使い方がうますぎますよね。

梅太@ DVD:『キミに逢えたら』

この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします

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 日本国内ではDVDスルーされた、原題は『NICK and NORAH's infinite playlist』という作品。
 そしてDVD発売となっても、流行らす気は一切感じられない邦題をつけられてしまった作品。

 監督はピーター・ソレット。
 主演に人気上昇中の若手二人、マイケル・セラとカット・デニングス。

 予告編はチェックしていたのですが、そのときは特に注目せず。
 しかし先月観た『チャーリーバートレットの男子トイレ相談室』でカット・デニングスに惚れ、そのノリで、そう、本当にノリでDVDを買ってしまいました。

 いやいや、公開されないなんて勿体無い。これ。

 ストーリーとしては・・・
 元カノ:トリスのことが忘れられない主人公:ニック(セラ)は、別れたあともトリスに自作(自選曲)のCDを送りつづけていた。
 しかしトリスは聞かずにゴミ箱へポイ。
 そのCDを、偶然にもゴミ箱から拾い上げたノラ(デニングス)は、逢ったこともないCDの作成者に、いつのまにか心を奪われる。
 ある夜、ニックのバンドがライブを開催。偶然会場に居合わせたノラ。
 こうして二人は出会うのだが・・・

 物語は、ニックとノラが出会った一夜の出来事。
 僕はこういう、”一夜の”とかに弱くて。
 長い期間の駆け引き、それで実る恋も、嫌いかといわれればNoですけどね。


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 はい、ではここから少し壊れます。

 カット・デニングス!
 もう、素敵!
 awesome:)

 デニングスの名演技(梅太目線)が光る、こんな一場面をご紹介。 

 ニックとノラが出会うライブ会場で、ノラはトリスに「あれ、連れはいないの?」と聞かれます。
 「いるよ」と強がるノラ。本当はいない。
 でも引くに引けず、近くにいたニック(このときはお互いのことを知らない)を捕まえ、「緊急事態だから話を合わせて・・・」と耳打ちし、「これが彼氏」とトリスに言う。
 ここでニックは、トリスの元カレだから、関係が徐々にこじれて・・・となるわけです。

 前置きはよくて、ここでニックにかけるノラの言葉がね。
 
 「いきなりで悪いけど、彼氏になって。5分でいいから」
 
 それはもう、なるしかないでしょうが。
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 さて、気を取り直して。
 いくらカット・デニングスが素敵だと言っても、それだけでは秀作足りえない。
 (いや、それだけでも十分秀作ではあるわけですが。僕としては)

 これから紹介する二つの場面が、秀作たるその要因。

●I wanna hold your hand

 ニックとノラは良い関係になってくるのですが、やはりニックはトリスのことが心に引っかかり、ウジウジしている。
 本当にこれで良いのだろうか・・・と。
 そこでバンド仲間が、ビートルズを持ち出して、こういう事を言う。

 「彼らはセックスより痛みより、歌うべきものを知っていた。
  『抱きしめたい(I wanna hold your hand)』だ。これってすごくないか?
  手を握れ。24時間絶倫とか、100年続く結婚なんて必要ない。やさしく手を握れば十分さ」

 この”手を握る”伏線は、最後にしっかり回収されて、もう本当に素晴らしい作品に出来上がってしまいました。

●ラストシーン
 ラストシーンは、ニックとノラのキスで終わるのですが、そのシーンが良すぎる。
 エスカレータでキスし、画面からフェードアウトしていくというこのシーン。
 考えた監督、天才だろう。



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 うん、マイケル・セラも素晴らしいのですよ。
 シャイで一途なティーンをやらせたら、今現在勝てる人はいないでしょうね。
 
 ラブロマンスというものは、ロマンティックな筋書きと、ロマンティックなシーンが無ければ面白くない。
 でも監督はそういう部分を良く分かっていて、しっかり作り上げていたように感じます。

 こういう作品が、普通に日本で公開される日が、いつか来てくれないだろうかと、切に願います。
 
 あぁでもそうか。
 10代の飲酒とかを描いているから、公開されないのかな。
 という冷静な判断。

2009年5月5日火曜日

梅太@ DVD:『プラダを着た悪魔』

この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします

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 先日、高専時代の後輩に会いました。
 この後輩は、実は会社では先輩で、よく分からない関係ではありますが、高専時代、映画に関して一番語り合えた人物でもあります。

 彼の中では最近、アン・ハサウェイがお気に入りらしく、その流れで『プラダを着た悪魔』の話に。
 僕は、あの作品ではエミリー・ブラントの方が気に入っていたので、その事を言ったら、

 後輩 「先輩ミーハーですね」
 僕 「馬鹿言え!君、何回見た?」
 後輩 「2回ですかね」
 僕 「よし、もう一回観ると魅力がわかるよ」

 なんていう会話をしていました。
 この後輩は、女優トークが出来る貴重な人材であります。
 思い返せばエミリー・ブラウニングなりダコタ・ファニングなど、沢山話しましたなぁ。

 そんなこんなで久々に『プラダを着た悪魔』を鑑賞。
 ものすごく簡単に、ツボにはまったシーンをご紹介。

ミランダ登場シーン
 メリル・ストリープ扮するミランダの登場シーン。
 エミリー・ブラントの「Oh my GOD. No, no, no!!!」から、曲がかかり、会社中大騒ぎになり、エレベータが開いてミランダが登場するまで。
 このシーンはもう、素晴らしすぎます。

 エレベータが開くまでストリープの顔を写さないというのも、溜めがあってよろし。

 ちなみにこの作品では「お洒落は足元から」の精神にのっとり、女性を写すときは足→腰→顔というカット割がしてあったりします。
 オープニングシーンなんかでは顕著ですね。
 
「Hot STABA!!」
 ミランダはコーヒーを好みます。
 なのでスタバのコーヒーを、ミランダがくる前に準備しておくのが秘書のお仕事。
 でもまだ仕事に慣れないアンディ(ハサウェイ)に、朝早くに電話が・・・。

 そこで発する先輩エミリーの一言「Hot STABA!」

 この台詞がどうこうというわけでなく、単純に、言い方が好きなだけ。

「Wish me luck」「No, Shan't」
 大失態を起こしてしまったアンディは、ミランダの怒りを買い、ムリな要求を受ける。
 ここで頭がてんやわんやになってしまったアンディは、慌てながらも行動を開始し、会社を出る。

 去り際、先輩秘書エミリーに「Wish me luck(成功するよう祈ってて)」というアンディ。
 そしてエミリーは「No, Shan't(お断りよ)」。

 これも、台詞がどうこうというわけではなく、単純に、言い方が好きなだけ。

 でも「Wish me luck!」って、良い表現だなと思います。

「彼らが発明した物は美術品より偉大だ。日々、身にまとうものだから」
 ファッションにいまいち興味のもてないアンディに、ナイジェル(スタンリー・トゥッチ)が放つ一言。

 僕はファッションに重きを置いた事がない人生を送ってきたので、この一言は「あぁなるほど、そういう見方もあるか」と思った。

 美術屋さんがこのコメントに対してどういう思いを抱くかは知りませんが、確かに服は日々纏うもの、美術品よりも身近に存在するものである。
 そういうものにプライドを持って取り組んでいるファッション業界の人々に対して、一瞬ではあるが尊敬の念を沸かせるような、素敵な一言であると感じました。

 

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 後輩に言われたので、アン・ハサウェイを見返すつもりが、やはりエミリー・ブラントは素敵だという結論に至ってしまった今回の鑑賞。
 ただこの後輩との関係は、今後も大切にしていきたいなと思いました。

梅太@ 劇場:名画座日記-1

この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします

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 名画座日記-1

 東京に帰ってきて、やりたかったことの第2弾:名画座巡り
 (第1弾は、チビっ子と映画をみること)

 今回は以前からチェックしていた飯田橋のギンレイホールへ行ってきました。

 そして念願の「ギンレイシネパスポート」を作りましてね。
 初任給で一番贅沢した!といったら、これでしょうね。
 一年間、映画見放題ですよ。

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ギンレイホール

 飯田橋駅徒歩5分くらいのところ。
 少し前の作品からかなり前の作品まで、2本立てで上映。
 劇場は一つ。混雑時は階段で鑑賞する人も。
 でもその雰囲気がなぜだかとても好きな僕でありました。

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 今回は「画家と庭師とカンパーニュ」、「ラースとその彼女」(2回目)を観てきました。


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●小学校以来、偶然再開した2人の男の物語:『画家と庭師とカンパーニュ
 監督はジャン・ベッケル。
 主演にダニエル・オートゥイユ、ジャン=ピエール・ダルッサン。

 広大な庭をもつアトリエで作業する画家は、ある日庭師募集の広告を出す。
 その広告を見てやってきた庭師は、実は小学校時代の旧友であった。
 多忙な人生を送ってきた画家と、平凡な人生を送ってきた庭師。
 二人は再開し、語り合い、お互いの人生に少しずつ影響を与えていく。


 久しぶりのフランス映画鑑賞。


 劇的な展開は無い。
 サスペンスとかを見慣れていると変に勘ぐってしまうが、この二人の会話の先には破滅も何も無い。
 このゆったりした感じ、久々だ。
 一口にフランス映画といっても多種多様なものがあるけれど、こういう作品が、僕は好き。
 
 誰かに影響を与える人って、先頭にたってリーダーシップを取るような人ではなく、この作品の庭師のように、着実に生きていく人なのかもしれないなぁと思いました。
 
 ラスト。
 庭師が聞いていたラジオで流れるモーツァルトが、エンドロールまで繋がる運びは秀逸。


 途中、画家のかつての教え子:マグダという女性が登場します。
 演じるのはアレクシア・バルリエ。
 素敵。

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●青年とリアルドールの奇妙な恋?:『ラースとその彼女
 
 以前書いた感想はコチラ
 年明けに見た本作は、なかなかにして僕の心を捉えて離さず、ついに2回目の鑑賞とあいなりました。
 うん、やはり素晴らしい。

 人との接触を出来るだけ避けて生きてきた主人公:ラース。
 そんな彼が兄に、「紹介したい人がいる」とつれてきたのは、通販で買ったリアルドールであった。
 当然「弟は頭がおかしくなった」と思った兄は、ラースを病院へ連れて行く。
 ラースはとても心のやさしい青年。それは町の人みんなが認めることで、ラースの治療(人形ごっこに付き合う)に快く協力してくれる。
 治療の過程で、ラースの過去やトラウマの原因が明らかになっていき・・・

 ラースが本当に頭がおかしかったのかどうかは定かではないけれど、この人形ごっこは、「人との関係を持ちたい」と思うラースが何とかして考え出したものであると思う。
 これが何かのキッカケになれば・・・と。
 その証拠に、実はラースには意中の女性がいて、それは作中のちょっとしたシーンから推察ができる。

 僕がこの作品で好きなシーンは2つあり(もっとあるけれど)、ひとつはラストシーンで、以前の感想に書きました。
 今回は「意中の彼女:マーゴにボーリングに誘われた!」という場面をご紹介。

 恐らく心中は「やった、誘われた!」とウキウキであっただろうラースは「うん、ビアンカ(リアルドール)を家に送ったあとならいいよ」と素っ気無い態度をとる。
 来るFriday night、なんやかんやでデートは成功。
 でもラースは別れ際に、「僕にはビアンカがいる。今夜のことは誤解しないでほしいんだ」と強がる。
 ラースの病気のことをわかっているマーゴは「もちろんよ、そんな風に考えてないわ」と返す。

 そして、さようなら、と握手で別れる。(動画)

 この別れ際の握手がいいのですよ。
 ラースには過去のトラウマから、人に触れられると皮膚に痛みが走ってしまう病気を抱えていて、普段はそうならないよう人一倍厚着をしています。手袋もしています。
 でもここでは、この握手では、手袋を取り、痛みに耐えながらも生身で握手をするのですね。

 よくもまぁ、設定を生かしながら、こんなにも素敵なシーンを作り上げたなぁと、もう涙々。
 (このシーンの曲も、また素晴らしいのだ)

 今年観た作品で「何か1作品人にオススメをするとしたら?」と聞かれたら、この作品ですね。
 ぜひ多くの人に観てほしい。


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 さて、名画座巡り第1回。
 今後も活動の幅を広げ、たくさんの名画に出会えるよう頑張ります。

2009年5月4日月曜日

ゲン@ 劇場:『バーン・アフター・リーディング』

ゲンです。
GW満喫してますか?
僕は毎日3時半に起きて、会社に行っております。

『バーン・アフター・リーディング』@TOHOシネマズ スカラ座(4/29鑑賞)

『ノーカントリー』でアカデミー賞作品賞ほか主要3部門などを受賞したジョエル、イーサン・コーエン兄弟が放つクライム・コメディー。
CIAの機密情報が書き込まれた一枚のCD-ROMをめぐり、さまざまな人々が衝撃の結末へと突き進んでいく。
出演はジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、ティルダ・スウィントン、ジョン・マルコビッチほか。

昨年の『ノーカントリー』に次ぐ、コーエン兄弟監督最新作は、昨年と今年のアカデミー賞観連作に出演していた超豪華な俳優総出演のコメディということで、楽しみにしておりました。

コーエン兄弟らしい乾いた笑いのブラックコメディ♪ ツボにハマれば爆笑必須?w

コーエン兄弟の作品は、一クセも二クセもある作品が多いので、豪華な俳優が揃ったコメディといえども、大爆笑することは無いだろうと思ってましたが、案の定、観る人によって評価が割れるような作品でした。

僕ですか?・・・爆笑ですよ!
全ての仕掛けがツボでした、笑った笑った♪w


僕は全てのコーエン兄弟作品を観てるワケではないですが、昨年のアカデミー作品賞を獲得した『ノーカントリー』よりも、今回のような作品の方がコーエン兄弟らしい作品なのではないかと思いました。
彼らの作品の中では、僕は『ファーゴ』が一番好きなのですが、その理由ってのが、普通でいることに満足できなくなり、普通以上の何かを求めてしまった結果、失敗して何かを失ってしまい、さらにそれを取り戻そうとして他のモノまでも失ってしまう・・・というような、人間の愚かさとか儚さ、そしてそれがある部分で笑いになってると言うのが凄く好きなんですが、『ファーゴ』が恐ろしいのは実話に基づくストーリーだと言うことです。

で、今回のストーリーは、当然作り話ではあるワケなんですが、その「愚かで、悲しくて、おかしい人間」を感じさせる『ファーゴ』的な要素を存分に含みつつ、さらにコメディ色を濃くしたような作品だったように思います。
CIAの機密情報を偶然手に入れた奴ら、それをネタに脅されるアル中の元CIAエージェント、そんな彼らを繋ぐ不倫女たち・・・
普通の生活では満足できず、少し背伸びをしてしまった人間たちが織りなす破滅的な偶像劇で、愚かだなぁとは感じつつも否定できない人間らしい性を匂わせ、切なさとおかしさが絶妙に混在してる気がしました。

勿論、この作品で描かれてるの人間の性ってのは、あくまで強調されたモノではありますが、どこかで共感できてる部分があるのが、コーエン兄弟の素晴らしいトコだと思います。


そして豪華な出演者ですが、妙にテンションの高いバカを演じるブラッド・ピットは、もう素晴らしいですねw
最近のどの出演作よりも、若々しさを感じましたw
コーエン兄弟監督作『オー・ブラザー!』でも主演していたジョージ・クルーニーも、久々にブラックで馬鹿馬鹿しい演技で魅力的でした。
兄ジョエル・コーエンの妻でもあるフランシス・マクドーマンドの自虐的な笑いを誘う演技力も流石の一言!
ジョン・マルコビッチのキレキレの危ない役も、高い演技力があってこその表現力!

そんな中でも一番ツボなのが、ティルダ・スウィントンですよ!
もーティルダ最高ー!
あの眉間と額にシワの寄った「呆れ顔」が激ツボでした!
今までの出演作では、その整った綺麗な顔立ちにウットリしてましたが、今回みたいな呆れ顔もタマらないなぁ・・・
今まで「呆れ顔」でこんなに興奮した女優さんは初めてですよw

さらに重要なのが、そんなおかしくて悲しい人間たちを遠くから俯瞰して見ている立場の人間の存在!
このポジションがあるからこそ、笑えるのです!
『ファーゴ』では事件の真相を探る女性警官(フランシス・マクドーマンドが演じてた役)でしたが、今回はCIAの上司役としてJ・K・シモンズが登場しています。
様々な人間の欲が絡み合って、不可解な事件が次々と起こりますが、それを傍観して、書面と部下の報告だけで知っていく存在ってのが、観客の目線を一度冷静に遠のかせる上で非常に重要であると思いました。


単なるバカではない、愚かで悲しい・・・だからこそ、「おかしい人間」!
『ファーゴ』以来の傑作だと思います!
『ノーカントリー』よりも、こっちの方が好きかもw

評価は確実に分かれるでしょうが、僕は大好きです!