2009年4月14日火曜日

ゲン@ 劇場:『チャーリー・バートレットの男子トイレ相談室』

ゲンです。
今日からは平年並みの気温に下がるようですね。

『チャーリー・バートレットの男子トイレ相談室』
@ヒューマントラストシネマ・渋谷 文化村通り(4/10鑑賞)

※先に観た梅太君の感想はコチラ

有名私立高校を退学処分になった金持ち高校生チャーリー・バートレットが、転校先のハイスクールで新たな騒動を巻き起こす青春ストーリー。
監督は『40歳の童貞男』の製作総指揮、ジョン・ポール。

米国でティーンズ向けラブストーリー以上に、強さ発揮するのがティーンズコメディ!
おバカなストーリーでも決して揺るがないドラマ感を楽しみにしておりました。

コメディだけど、グッと来る! 若者の悩みは、若者にしか分からない!

もーねーまたおバカコメディ観て、泣きそうになっちまいましたw

金持ち高校生の主人公:チャーリーは、明晰な頭脳を持っていながら、有名な私立学校を次々と退学させられる。
何故なら、生徒相手に偽造免許証を売りさばくなど、ついつい学校でリスキーなビジネスをしてしまうから。
そんな彼が最後に辿り着いたのは、地元の寂れた公立高校。
大人しく過ごせばいいものを、かかりつけの精神科医から処方された薬の副作用でハイになれることを知った彼は、悩み多き不良学生をカウンセリング。
その症状を方々の医者に“自分の症状”として診察してもらい、処方された薬を学生に売りさばくビジネスを始める。

と、ストーリーだけ追うとぶっ飛んだ話のようですが、実は現代の若者が抱える問題がもの凄く詰まってる作品であるように思いました。
ヤバい薬なんてモノは勿論ですが、親にも打ち明けられない悩みをかかえた若者というのも常に問題になるコト。
それに加え、症状を言われた医者がスグに「それは○○症だ!」と、薬を出してしまうのが一番のミソなんじゃないかと思いました。
確かに、実際に病気として立証されてるようなコトなんでしょうが、何にでもそれらしい理由をつけて「病気」として片付け、薬で解決しようなんてコトは、ホントに正しいコトじゃないと思うんですよね。
薬の作用で症状は軽くなるかもしれませんが、それは悩んだ末の結果を処理してるだけで、悩みの根本は全く解決してないですよ。

で、この話が凄いのは、そういった部分までもキチンと伝えてくれてるトコロ。
噂が噂を呼び、彼の元には薬目当てに多くの生徒が相談に来ます。
しかし、薬の売買がバレてしまい、もう薬を売ることは出来なくなったと患者?wに伝えるのですが、それでも相談だけで構わないと、彼の元に来る人数は全く減りません。
そして、彼と相談することで、それぞれの生徒が抱える問題が、少しずつ解決していくんですよ。

ホントにおバカなとんでもない話なんですが、こういう“キモ”になるような部分をちゃんと押さえてくれる作品ってのは、凄く好きなんですよねぇ!
特に一番グッと来たのが、主人公が最初に精神科医にかかる理由になった、転校初日にケンカをふっかけてきた不良少年の悩み。
実は気になる女子がいるんだけど、その娘は「誰とでも寝る」と言われるような軽い女子。
でも、そんな彼女が本気で好きなんだという不良は、チャーリーと相談した結果、映画に誘う為に花束を持って彼女の家の前に現れますw

チャーリーが素晴らしいのは、不良少年や素行の悪い生徒だけでなく、クラスの目立たないヤツや、変わり者で周囲から避けられているような生徒にも平等に触れ合い、気さくに話しかけ、悩みを解決していく姿。
実はその理由は「人気者になりたいから」というもの凄く単純な発想なんですが、ビジネスだったカウンセリングがキチンと実を結び、全ての生徒から愛される人間に成長していきます。
こんなに綺麗にまとまるなんて、ホントに素晴らしいなぁ・・・

主人公:チャーリーを演じるアントン・イェルチャンは、若干20歳ながら非常にシッカリとした演技力で、今後も『ターミネーター4』『スター・トレック』のリメイク版にも出演しているので、要チェックですね。
彼が転校する公立高校の校長役を、『アイアンマン』ロバート・ダウニー・Jr.が演じておりますが、校長でありながらアル中で、自分の学校の生徒である娘とも全く上手く行っていないというダメ親父の設定が、彼のイメージに合っていて、非常に良かったですw


安っぽいドラッグ問題なんかに向いてしまいがちなテーマを、コメディを介して、見事に若者へのメッセージを込めた秀作に仕上げておりました。

単館系で公開規模はかなり小さいですが、とても面白い作品です!

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