2009年6月13日土曜日

ゲン@ 劇場:『スター・トレック』

ゲンです。
ムシムシしますね。

『スター・トレック』@丸の内ルーブル(6/11鑑賞)

テレビドラマや映画でおなじみの「スター・トレック」を再構築し、ジェームズ・T・カークの若き日を描くスペース・アドベンチャー。
監督は海外ドラマ『LOST』『M:i:Ⅲ』『クローバーフィールド/HAKAISHA』のJ・J・エイブラムス。

元々はTV業界で成功していたエイブラムスですが、その手腕をトム・クルーズが買い、『M:i:Ⅲ』で映画監督デビューを果たし、見事に成功させた彼の監督2作目が、何と大人気SFのリメイク!
それだけに注目はしていたのですが、オリジナルのTV版は全く見ておらず、予備知識もほとんど無かったので不安に思っていたところ、初めて観る人でも十分に楽しめるとの評判だったので、観に行ってきました。

J・J・エイブラムス、スゲー! この人はやはり才能があるなぁ・・・

もー普通に面白かったですw
エイブラムスは初監督だった『MI3』(変換メンドいので略します)で、その映像のスピード感や緊張感・迫力に圧倒され、一気に大ファンになってしまっていたのですが、昨年製作した『クローバーフィールド』があまりにしょっぱい作品で、134本中で131位という素晴らしい成績のおかげで、評価が著しく下がっておりました。

ですが、前回は監督したワケではないし、怪獣映画をホームビデオで撮るというコンセプト自体は評価できると思っていたので、今回は大丈夫だろうと・・・

そんなワケで劇場に観に行ったのですが、めさくさ面白かったです。
『MI3』でも感じましたが、彼の映像の魅力はスピード感と緊張感。
爆音で戦闘シーンを繰り広げながら、ちょっとしたタイミングで入れられる「無音」
激しいシーンが続き、それだけでも十分に迫力があるのですが、その中でさらに緊張感を高めるように急に無音になり、再び爆音の戦闘シーンが続きます。
戦闘の激しさってのを表現する上で、音量を上げるのは重要な演出だと思いますが、あえて無音にすることで、より映像に意識が集中して、迫力と同時に緊張感を出すことに成功しています。

そして戦闘シーンとは全く違う、会話シーンのスピード感と緊張感。
俳優のアップを斜めに撮り、細かいカットと微妙な寄りと引きの使い分けによって生々しい空気が出てくるので、単に傍観しているのではなく、その場で会話に参加しているような感覚を覚え、ドラマパートでも映像に引き込まれます。

この2つの撮影手法のおかげで、エンタメ性が強く、大味になってしまいがちな大作SFが、ある一定のライン以上のテンションを保ったまま進み続け、全く飽きない展開の作品に仕上がっておりました。


ストーリーで言いますと、あらすじを読んだ印象では、『スター・ウォーズ』っぽい感じなのかと思っていましたが、『SW』とはまた違ったSF感覚でドラマ性が強く、アクションやVFXの面でもオリジナリティを感じ、とても面白く満足できる内容でした。
あと個人的には、ミスター・スポックってにぎやかし的なキャラだと思ってたのですが、めさくさドラマがあって魅力的なキャラだったのですねw
単にオカッパ頭の宇宙人だと思ってたので、その意外性に燃えましたw


キャストですが、主人公:カークを演じるクリス・パインの若いながらも強いリーダーシップを感じる眼差しは、とても素晴らしかったです。

あと宇宙船エンタープライズの副操縦士を務めるチェコフ役のアントン・イェルチェン!
主演作だった『チャーリー・バートレットの男子トイレ相談室』でその演技力に引かれ、先日観た『ターミネーター4』でも非常に重要な役を演じておりましたが、今回も若手で気弱な役ながら、その存在感はとても輝いておりました。
今後の活躍も非常に楽しみな若手俳優の一人です。

そして機関士:スコットを演じるサイモン・ペッグ!
『ショーン・オブ・ザ・デッド』『ホット・ファズ』と、スタイリッシュなコメディの印象が強い彼ですが、この作品でもそのキャラクタ性が活かされ、確かな腕のある技術者なのにノリが軽くて笑える面も兼ね備えた演技で、すんごく良かったです♪
SFアクションなのに、ちゃんと彼らしい存在感が発揮できるのは素晴らしいですね。


視覚効果が発展した今、こういったSFを撮ることは技術的には恵まれていますが、人気のある作品のリメイクともなれば話は別。
VFXだけではなく、内容に満足できなければ、オリジナルファンはもちろん、新しいファンの獲得も難しいのは確かです。

そういった厳しい目の中、ここまでの完成度で仕上げてきたJ・J・エイブラムスの手腕にただただ頭が下がります。
映像だけでなく、ドラマも面白い、大満足の作品でした!

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