2008年11月15日土曜日

ゲン@ 劇場:『ヤング@ハート』

ゲンです。
『マルタのやさしい刺繍』に続きまして、またまた元気なお年寄りの映画です。

『ヤング@ハート』@有楽町シネカノン2丁目(11/14鑑賞)

米国で活躍する平均年齢80歳のコーラス隊“ヤング@ハート”の活動を追った音楽ドキュメンタリー。
年に1度のコンサートに向けて、ソニック・ユースやボブ・ディランの曲を練習するメンバーたちの様子を、ドキュメンタリー作家として活躍するスティーヴン・ウォーカー監督が映し出す。

予告編を観てずっときになってましたが、先日観た『マルタのやさしい刺繍』の素晴らしさに、そして梅太くんにw、背中を押される形で劇場に行ってきました。

号泣! 鼻水ジュックジュク! 生きることって素晴らしい!

いんやー泣いた泣いたw
評判は聞いてましたし、どう転んでも素晴らしい作品なのは分かってましたけど、案の定ヤラれましたよ・・・

そもそも「ドキュメンタリー」ってジャンルは、どちらかというと苦手なんです。
取り上げられているテーマに興味がないと、どんなに素晴らしい事実でもあんまり心が動かないんで・・・

ですが、この作品で取り上げられているのは、誰でも経験があるであろう「合唱」、それも平均年齢80歳にもなるお年寄りのコーラス隊です。
しかも歌う曲は、賛美歌やクラシックなんじゃなく、デビッド・ボウイ、ボブ・ディラン、コールドプレイといった、ロックやポップスの曲ばかりw
そんなノリのいい曲を、一生懸命に練習して歌い上げます。

コーラス隊のメンバーは、元々舞台や音楽関係の出身者が多いとは言え、80歳にもなるので声質や声量が十分にあるワケでもなく、決して「上手」という感じではありません。
しかし、哀愁のある表情から発せられる少しカスレた歌声には、とんでもなく強いエネルギーを確かに感じました。
彼らには若い人達にも負けない明るさと元気、何より老いてなお、仲間と共に一つの事をやり遂げようとする気力がみなぎっていました。

コーラス隊の主催者であり指揮者・指導者でもボブ・シルマンは、相手がお年寄りだからといって、コーラス指導の手を緩めることは一切ありません。
リズムや音程が合っていなければ厳しく指導し、何度も繰り返しても進歩が見られなければ、「もうこの曲はやらなくてもいいんだぞ!」と強い口調で檄を飛ばします。
そんな厳しい指導にもメンバーは一切ひるむ事無く、全力で自分の力を発揮していきます。
そして徐々にですが、歌詞を覚え、リズムを覚え、音程を覚え、最後には完璧に歌い上げられるまでに成長していきます。
その過程が凄く素晴らしいのは当然なんですが、何よりどんなに厳しい事を言われようと、笑顔で乗り越えていくメンバーが本当に素敵でした。


何度も驚かされるのが、メンバーの明るさと力強さ。
年に一度のコンサートの本番一週間前、そして本番の2日前に苦楽を共にしてきた2人のメンバーが病気で亡くなりますが、悲しみに浸る間もなく、残ったメンバーは本番に向けて練習を続けます。
「悲しんでるんじゃなく、本番に向けて頑張って欲しいと彼らも天国で思ってるはず・・・だって、私もそうして欲しいもの!」
と、笑顔で語るメンバー。

本当に強いなぁって思いました。
それ以外でも、ふとした瞬間にとてつもない深い意味の言葉を語られ、歌っていない時でもメンバーの魅力を常に感じられました。

過去に何度も辛い別れを経験してきたと語る主催者のボブ。
確かにメンバーがメンバーだけに、長年続けていればこんなことは沢山あるだろうけど、だとするとそれでも毎日本番に向けて練習しているメンバーってのは、恐ろしく心が強く、元気なんじゃないのかと思いました。


また歌われる曲ですが、ロックな曲調ですが、メンバーは皆、歌詞をとても重要視していて、意味を自分達なりに理解し、しっかりと心を込めて歌っているのがとても印象的でした。
同じ歌詞でも、「人生はまだまだ長いんだ」なんて歌詞を80歳を超えたお年寄りに言われると、意味がちょっと変わってきて、とても感慨深かかったです。


ドキュメンタリーなので、本番までの7週間の事実を追っていくのですが、途中途中で「ヤング@ハート」の歌に合わせてメンバーが出演する「プロモーションビデオ」のような映像が何度も入ります。
これもなかなか良かったです・・・
ビージーズ「ステイン・アライブ」のビデオなんかは、少しテンポを落とした(お年寄り仕様w)のディスコサウンドに合わせて、メンバーがノリノリで踊っていて、とても可愛らしかったですw


泣いて、笑って、感動して・・・
世界で一番カッコいい、イカしたロック・コーラス隊!

彼らに元気をもらえます!

0 件のコメント: