2009年6月28日日曜日

梅太@ 劇場:名画座日記-4

この記事は 良いものは何度見ても良いと思う 梅太 の名の下にお送りいたします

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 名画座日記-4


 今回は早稲田松竹へ行ってまいりました。
 流石に学生街。学生っぽい人がいっぱいいました。
 各言う僕は、年齢としては22才ですし、通勤時私服ですので、格好も大差ないですね。


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早稲田松竹

 高田馬場駅早稲田口を出て右に曲がり、進行方向右を見ながら進みますとパっと現れます。
 名画座という割に、劇場はキレイです。
 スクリーンはそんなに大きくないですし、最前列は少しスクリーンから離れてますので、最前列に座っても首を痛めずに観ることが出来ます。

 最終回の上映のみ、800円で観れるシステムがあり、とても親切です。

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 さて、何を観たかというと・・・『ラースと、その彼女』です。
 またかと、そう思った方、そうまたです。
 だって好きなんだもの・・・・

 日本で一番この作品がすきなのは、僕でしょう。
 (言ってみただけです。言うだけならタダです)

 何度観ても、良いものは良い。
 この作品は観るたびに、その見事さに驚かされます。台詞の一つ一つ、表情の一つ一つ、場面の一つ一つ。


 今回は、そういえばキーパーソン、パトリシア・クラークソン演じる女医に焦点を当ててみたいと思います。

 ラースの頭がおかしくなった・・・ラースを病院へ連れて行く兄。
 しかしラースを見た瞬間、女医さんは一瞬にして何かを察知し、ラースの「人形劇」に付き合うことにします。
 そしてラースと毎週会話をすることで、彼の奥底に住まう、なぜそうなってしまったかという”原因”を探ろうとします。

 会った瞬間に何かを察知した女医。
 しかし”何か”が分かったのは、恐らく人形:ビアンカの生い立ちを、ラースが語ったときであったのかなと思います。

 「彼女は幼いころに両親を無くしたが、そのことを僻んでいるわけではない。ただ少しショックはあったろうから、早く普通になりたいと思って努力しているんだ」

 これは、ラースの過去と共通するところがある。というよりラースの生い立ちそのものであった。ラースはビアンカに、自分を投影しているのではないか。そして”普通になりたい”というのが、ラースの奥底にある願いではないか。
 それに気づいた女医さんは、ビアンカを治療することがラースの治療になると思い、ばかばかしいと思える人形劇に、街で一番献身的に付き合うことにするのです。
 では、ラースはなぜ”普通になりたかった”のか。
 恐らくそれは、女医さんでもわからなかったのだと思います。

 しかしラスト。

 ビアンカの葬式がおわり、墓前に佇むラースの元へ、同僚の女性:マーゴがひっそりと近寄る。
 ここでパトリシア・クラークソンのアップが、一瞬映る。
 この意味を、暫く考えあぐねていて、今回やっと分かった気がする。

 恐らくここで、「はは~ん、なるほどね」(いや、実際そういう顔をしているんですよ)と、ラースが妄想癖になった原因、ビアンカの存在理由が、女医さんの頭の中で繋がったのではないでしょうか。コナン君のように。


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 恐らく、一度観た方でないと、まったくもって理解できないような感想ですいません。

 台詞、場面をここまで紐解いて考えた作品は、『ビックフィッシュ』以来ですね。
 本当に、宝物のような作品。

 今後は、

●三軒茶屋中央:7/4~10
●新文芸座:8/1

 で公開されます。是非是非、足を運んでみてください。
 いやむしろ、誘ってください。一緒に行きましょう。

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