この記事は 開いた口がふさがらない 梅太 の名の下にお送りいたします
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今月のウィークエンドは予定が一杯詰まっています。
それはそれでうれしいことですが、全然映画を観れてない!
ということで、これからしばらく平日に観ます。
今日は『仮面ライダー ダブル&ディケイド MOVIE大戦2010』を観てきました。
構成として、一本の映画として成り立っていますが、あえて分けて書こうと思います。
あと、僕は普段、映画をこき下ろすような真似はしないのですが、今回は多少の過剰表現があるかもしれません。
勘弁してください。
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●2010年冬、史上最低最悪の仮面ライダーシリーズが誕生した:『仮面ライダーディケイド 完結編』
まず言わせてください。
ひどかった。
本当にひどかった。
ライダー史上最低最悪のディケイド最終回は、こんな具合である。
ライダーが互いを滅ぼしあう「ライダー大戦」を阻止すべく旅を続けてきた士たち一向だが、結局阻止できず、大戦は勃発してしまう。
世界の破壊者としての道を進むしかなくなったディケイドと、平成ライダー達の戦いが激化する中、隙を付き、ディケイドに銃口を向けるディエンド。
響く銃声。
ここで、この話は終わる。
そう、最終回は、まさかの「つづく」で幕を閉じたのだ。
この時、日本のライダーファンのほぼ100%が怒りをあらわにしたに違いない。
そして最後につけられた、完結編となる劇場版の予告編で、内容の一部を見ることができた。
その情報を頼りに、今回劇場へ足を運んだ人も多いだろう。
しかし、蓋を開けると、まったくもって、別の作品だった。
予告編のシーンなんて、1シーンもでてこない。
あんたら、どこまでファンを裏切れば気が済むんだ?
100歩(×100)譲れば、その謎の予告編を抜かせば、ストーリーとして、最終回と繋がっていないことはない。
今回の劇場版は、ライダー大戦の数ヵ月後から幕を開ける。
士は世界の破壊者として、全ての世界のライダーを倒す旅を続けている。
ユウスケはそれを阻止すべく、士を追う。
夏美と海道は、あの日:ライダー大戦のことに思いを馳せるが・・・・
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○ひどい要素 その1:最終回はどこ行った?
ディエンドがディケイドを撃った!?
そんな感じで終わった最終回であったが、肝心の”その後”がまったくわからない。
本作の劇中、「あの日以来~~」という台詞が連呼される。
「あの日以来、士は悪魔になった」とか、「あの日以来、ユウスケは士を探している」とか。
しかしその、「あの日」の情報が、ほぼ皆無である。
僕達はあの、平成ライダーがディケイドを倒そうしたあの激闘の行く末を見たいのに、これである。
「あ~、きっと回想シーンかなんかで流れるんだろうなぁ」とずっと観ていたが、まったく流れない。
ひどい。ひどすぎる。
「つづく」として終わらせたなら、せめてちゃんと「つづかせろ」よ。
○ひどい要素 その2:大量生産大量消費。非エコライダー。
”完結編”と称したのなら、膨らませた話を完結させるのは、ストーリーテラーとしての義務であろう。
しかし平成ライダーの悪い癖として、ラスト間際にも関わらず、新しい要素をバンバン出す。
結局、まとめ切れない伏線を、第三者の登場でごまかすのが、平成ライダーの常套手段だ。
(例えば、序盤ではまったくそんな要素は無いが、終盤でいきなり究極生命体が出てきて「俺ラスボスで~す」みたいな感じになる)
今回のディケイドもご他聞にもれず、新要素が沢山出てくる。
スーパーショッカー、蜂女、タックル、キバーラの真の姿、神を超える生命体etc...
それら要素が、話をまとめてくれるかと思うなかれ。
こいつらは、ただ出てきて、ただいなくなるだけの存在だ。
そしてとってつけたように出てくる昭和ライダーも、出てきて殺されるだけだ。
なんともひどい。
これら要素を取り除いて、素直にTVのその後を描いた方が、まだマシな作品ができたのではなかろうかと思う。
エコが騒がれている昨今、こんなに資源を無駄にしているライダーは、排除すべきだ。
○ひどい要素 その3:究極の気変わり。キリストもビックリの復活劇。
ディケイドを倒すべく戦ってきたライダー達。
しかし努力もむなしく、士に全滅されてしまう。
が。
なんと、ライダー達はそれぞれの世界で復活を遂げていたのだ。
キリストだって、復活するのにまる3日はかかったのに、ものの数秒で復活してしまったのだ。
ディケイドが放映されるまで史上最低のシリーズであったキバの主人公:渡が「創造は破壊からしか生まれません」「ディケイドの物語なんてないのです」とかワケのわからないことを言っていたが、話がまったくてんてこ舞いだ。
その話を聞いた夏美が(話を聞く直前、夏美は士を殺している)、「それじゃ士君がかわいそうです」とかいって、海道とかユウスケがそれに同意する。
なんでだよ!
そして”思い”の力で、士は復活する。
なんでだよ!
そして、最終決戦に向かう士の下に、平成ライダー達が現れる。
「俺らも協力するぜ」
なんだそれ!
言ってることとやってることが、もう全然わからない。
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もう、失笑すら出てこない。
他、ひどい要素は沢山あるが、もう書き出したらキリがないし、思い出しても腹が立つのでこの辺でやめておく。
まとめると。
ファンをバカにしていること
が、仮面ライダーディケイドというシリーズであったことは、今回の劇場版で理解できた。
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●第一話のその前を描く『仮面ライダーW ビギンズナイト』
新シリーズ仮面ライダーWの第一話のオープニングシークエンス。
あるビルから脱出するため、翔太郎とフィリップが、Wに初変身するオープニングだが、「何故二人はWとなったのか」「あのビルはなんだったのか」「フィリップは何者なのか」など、多くの謎があった。
その謎を、劇場版で明かすというコンセプト。
こちらは、とても面白かった。
上記謎を明かすと共に、翔太郎が探偵を続ける訳や、翔太郎の師である”おやっさん”の人物像、果ては翔太郎とフィリップが一緒に行動する理由など、様々なことが明かされた。
スッキリスッキリ!
また、史上最低の仮面ライダーディケイドとは違い、「第一話へと繋がるお話」というコンセプトがしっかりと守られている。
実は、仮面ライダーWの第一話では、ハードボイルドディテクティブ小説の傑作、レイモンド・チャンドラー著『THE LONG GOODBYE』が一瞬写りこむ。
読んだことのある人は、きっとニヤリとしたに違いない。
僕は、ニンマリした。
そう、翔太郎の相棒:フィリップの名前の由来は、その小説の主人公から取っているのだ。
毎度、どこかしらに無駄に拘る平成ライダーシリーズなので、今回は「あぁ、製作者はハードボイルド小説とか好きなんだろうなぁ」くらいにしか思っていませんでした。
しかし本劇場版で、フィリップの名づけ親は実は・・・という、とってもオイシイエピソードがあった。
このシークエンスで、『ビギンズナイト』と『第1話』が美事に繋がった。
もう、拍手したい。僕は。
また、僕がコチラの記事で散々説いている変身シーンのカッコよさ。
これについても100点です。
ディケイドと違って、とってもとっても楽しめました。
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W単体であれば、もっと評価は高かったのですが、ディケイドが文字通り足枷になっていた。
余計なことしてくれたよなぁ。
ディケイドのせいで、2009年の暫定ワースト1です。
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