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●殺るなら徹底的に:『ニンジャ・アサシン』
監督はジェイムズ・マクティーグ。
主演にRain(ピ)。
アカデミー賞もとりましたし、しばらく世間は『ハート・ロッカー』に揺れると思いますので(画面も揺れてるし!)、あえてこちらを書こうと思います。
ウォシャウスキーファミリー(?)がお贈りするニンジャアクション。
監督:ジェイムズ・マクティーグ×製作:ウォシャウスキーという取り合わせは、傑作『Vフォー・ベンデッタ』以来。
なので、結構期待していました。
08年の1位が二人揃って『スピードレーサー』というように、この『映画好きの二人』は、A.K.A.『ウォシャウスキー応援ブログ』でもあったりします・・・っけ?
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ストーリーは。
いまや伝説の存在となり、口にするだけで笑われてしまうような”ニンジャ”。
欧州警察組織につとめる科学捜査官:ミカは、裏で流通する金の動きから、今世間で起きている各国要人の暗殺と”ニンジャ”の間には関係があるのでは?と推察していた。
調査を進めるうち辿りついたのは、古より続く”九つの一族”。
その結論に辿り付いた時、ミカはニンジャに命を狙われる。
間一髪でミカを救ってくれたのは、同じくニンジャではあるが、一族を抜けた”抜け忍”:雷蔵であった。彼もまた命を狙われる身であった。
ミカは事件の真相を追うため、雷蔵は一族との決着をつけるため、二人は行動を共にするのだが・・・
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初日。
僕はニンジャではないが、劇場に足を踏み入れた瞬間、何かが違うと感じた。
この映画の、この劇場で、こんな雰囲気なわけがない。
罠だ。罠に違いない。
きっと『天誅』の洞窟みたいに、なんかわからないけれどイキナリ落ちる罠とかがあるに違いない。
抜き足差し足で列に近づく。
すると待っていたのは、R-18をとうに超えている(失礼しました)おば様方ばかりであった。
Rainってこんなに人気があったのですね・・・
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しかし、おば様方は、オープニングできっと、「あれ、これ違うな?」と思ったに違いありません。
(いや、もしかして結構楽しんでいたのか?)
僕はといえば、「お、これだ!」と膝をたたきましたけどね。
オープニング。
誰もそうとは思わない大阪のヤクザの元へ、一通の手紙が届く。
次の瞬間、血飛沫上等、解体ショーの始まり始まり。
何もそこまでしなくても・・・と思うなかれ。
B級スラッシャーを、堂々と大スクリーンでやる潔さというか、無謀さ?
これでいいのである。
そして、その拘り故、時に観客を置いていくことを全然意に問わない、相変わらずのウォシャウスキーファミリーっぷりが見れて嬉しかった。
噂によれば、残酷描写を突き詰めたが故にR指定になったそうで。
世間の反応なんて絶対に目に見えているはずなのに、相変わらずバカやってるよなぁと。
そんなバカっぷりが遺憾なく発揮されているアクションシーンは、やはり素晴らしかった。
オープニングは言うことなしですが、中盤、NINJA-ITEMをふんだんに盛り込んだアクションも美事で。
銃弾か!?と見間違える程の勢いを持った手裏剣に爆笑しました。
弾詰まりの心配も無いので、これからみんなはこれを持ったらいいと思います。どの道、銃刀法違反で捕まりますけれど。
中でも、主人公が主に扱うのが鎖鎌というのが、良いチョイス。
間合いを自由に変え、自分を回転の軸にして、グワングワンと。そして相手をズシュンジュシュンと。
残像の残し方とか、水飛沫・血飛沫の描写とか、最高でした。
CGを用いたアクションは、撮る人が撮ると散漫になるというか、単なるお遊びにしか見えないときもあるのですが、やはりこの人たちは違う。
うまい。ツボを突いてる。僕の。
お約束のラスボス、超必殺技も、忘れてはいけない要素です。
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アクションだけではありません。
『Vフォー・ベンデッタ』では、クライマックスで、一見バラバラであった出来事が一つの歴史として繋がっていく・・・という美事なシークエンスがありましたが、ジェイムズ・マクティーグ監督は、本作でも語り口の巧さを発揮します。
本作では、現在の出来事と雷蔵の過去を同時進行で語っていき、クライマックスのバトルへもっていく手口がお美事でした。
物語としては追求するほどのこともないベタベタなものなわけですが、調理の仕方が巧いです。
飽くことなく観れます。
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今回はニンジャとバイオレンスだ!と決めたら、ノンストップで、全速力で駆けていく。
そんな、どんなことがあっても絶対に妥協しない拘りというのが、ウォシャウスキーファミリーの作品の魅力であると思いますし、僕の大好きな部分であります。
たとえその拘りを誰も気付いてくれなくとも、僕はしっかり受け止めてますし、いつまでも応援しますよ。
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「 『スピード・レーサー』の大損害?何ですかそれ?」
とでも言っているような、潔さが見えて、とても楽しかったです。
ある意味尊敬します。
あと、この監督×製作コンビなら、アクションシーンではあの名台詞は欠かせませんが、今回も出ますよ。
お楽しみに。
といっても、相方しか分からないかな。
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