2008年9月26日金曜日

ゲン@ 劇場:『落下の王国』

ゲンです。

■映画『落下の王国』@シネスイッチ銀座(9/22鑑賞)

超独特な映像美で話題になった『ザ・セル』のターセム監督の6年ぶりに新作。
自殺願望のあるスタントマンが幼い少女を操るために始めた虚構の物語が、やがて夢と希望を紡いでいく様子を丹念に映し出す、美しい美術品のような感動巨編。

『ザ・セル』自体は8年前の作品なんで、すでに細かいストーリーなんかは忘れてしまってますが、その独特な映像美や世界観の印象だけは強く残っていました。
今回の予告編を観ても、まるで絵画のような美しいカットに見惚れてしまったので、劇場まで観に行ってきました。

はぁ~・・・・ため息が出ちゃう・・・

構想26年・撮影期間4年という長期間に渡って制作された作品ですが、その映像美たるや息を飲みます。
世界遺産や名所名跡など、世界各地のロケーションで撮影されているんですが、CGに頼らない、空や大地の色だけで、ここまで鮮やかに出来るものなのかと、驚きの連続でした。

前作は映像だけでなく、「異常殺人犯の脳内世界に入り込む」というストーリー的にも非常に頭の痛くなるような話だっただけに、今回も若干心配だったんですが、そんな心配は全く必要なく、「男が少女の為に作ったおとぎ話」という設定で、現実世界と妄想が巧妙にリンクしていて、笑えるセリフや表現も沢山あって、非常に観やすかったです。
恐らく、この監督が本当に作りたいのは『ザ・セル』みたいなサイコサスペンスではなく、こういったファンタジーなんだろうと思います。

またロケーションだけではなく、衣装も非常に独創的でした。
『ザ・セル』に続き、日本人の石岡瑛子さんという方がコスチュームデザインを手がけているのですが、世界中の青い空や海、砂漠なんかに立つと非常に映える配色の衣装で、寒気がするほど美しかったです。


『ザ・セル』のストーリーではなく、映像で魅了された人は絶対に観た方が良いかと思います。

それと、映像にド素人の僕にでも分かるくらい、1カット1カットがこれ以上無いというくらいに恐ろしく拘った構図や配置で撮影されているので、写真やら映像やらに興味がある人にもオススメします。

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