2009年10月30日金曜日

ゲン@ 劇場:『笑う警官』

ゲンです。
昨年に続きまして、先日行われた東京国際映画祭へ行って来ました。

■第22回東京国際映画祭 特別招待作品『笑う警官』@TOHOシネマズ六本木(10/23鑑賞)

北海道で実際に起きた警察の汚職事件を基にした、人気作家・佐々木譲による同名ベストセラー小説を映画化した社会派サスペンス。
ヒットメーカー角川春樹が11年ぶりにメガホンを取り、女性警察官変死事件の犯人に仕立て上げられた仲間の無実を証明しようと奮闘する刑事たちの活躍を描く。
主演は『ハゲタカ』の大森南朋、共演は松雪泰子、宮迫博之、大友康平。

一般公開前に舞台挨拶付で観れるっつーお得なTIFF♪
南朋さんは以前インディーズ映画のトークショーで拝見しましたが、今回も会えるのを楽しみにしてました。

あー何かお洒落を勘違いした映像・・・センスがないなぁ・・・

話はまぁまぁ面白いんだけど、勿体無いなぁ・・・
角川映画って言うほど観てないので、他の作品が純粋にどの程度のモノなのかよく分かりませんが、この作品1本だけ観た印象では撮影監督としての腕はそこまで無いような気がするんですが・・・


ストーリーとしては、女性警官殺人事件をきっかけに警察の腐敗と、それを何とか暴こうとする現場警官を描いたサスペンスなんですが、脚本だけ見ればなかなか面白かったです。
「警察の腐敗」を描いた作品は洋画ではよくありますが、邦画ではあんまり観た印象がなかったので、捜査費横領などの秘密保持のために警官を手にかけるというダークさに満ちたストーリーは、重く冷たい内容で良かったです。


ただ、いかんせん映像がダメでした。
上映前に監督のお話を聞いたんですが、「リアルかスタイリッシュかを取るならば、後者を選んだ。世界に通用する作品にしたい。」と語っている通り、世界進出を狙ったようなちょっと小洒落た映像。
OPクレジットからエンドロールまで、ほとんどアルファベット表記。

まぁ、スタイリッシュに撮りたい気持ちも分かるんだけど、映像のカッコ良さを追求することに夢中になり過ぎたのか、社会派サスペンスのクセに俳優の心理描写が思いクソ弱く、「そのセリフ言うなら、もっと間を空けた方が良くねぇ?」みたいなシーンがいっぱいあって、押さえるべきポイントがことごとくスルーされて、脚本の重さと冷たさが全く活かしきれていない軽くて安っぽい映像になっておりました。

特にラストの数分は絶対にいらないだろ・・・
南朋さんにも失礼だとは思うけど、マジで意味が分からなかった・・・
いや、ストーリーは全部終わってるので、アレは完全に監督の趣味だとは思うから、遠慮なく全否定しますよ。
ホントに恥ずかしいから、海外に出すとか言わないで下さいな。
日本の恥になりかねないよ。

原作者の方が上映前のコメントで「あの地味な話がこんな映像になるなんて、とても悔しいです」みたいなことを言ってましたが、映画を観終わってから改めて考えると、意味が変わってくるなw


「世界に通用する邦画」ってそういう部分じゃないと思うんですよねぇ・・・
「日本だからこそ出来る作品」ってのが海外に出すべき作品であって、「日本でも出来た作品」ってのは中だけで楽しめばいいじゃないでしょうかね?
まだアジア圏なら行けるだろうけど、欧米は無理だろうなぁ・・・


キャストですが、主演の大森南朋さんのシブさは素敵でした♪
疲れた感じの表情で、必死に正義を貫く様子はカッコイイ!

松雪泰子さんも綺麗だし、雨上がり:宮迫博之さんの笑顔ゼロの真剣な演技も良かったです。

ただその他の脇役陣はちょっと微妙でした・・・
忍成修吾とかそんなに演技が下手な印象が無かったですが、今回のアレは何だろうか?
全体的に演出のつけ方が間違ってるような気がしました。
恐らく、俳優さん側の意向を無視して、監督一人が撮り上げてるのかも。
それなりの役者さんが揃ってるだけに勿体無いですね・・・


ストーリーもしっかりしてるし、主要キャストも良いのに、完成した作品がツマらないなら、あとは監督の責任ですね。

「スタイリッシュで海外へ」を意識し過ぎて、自己満足の映画になってる気すらしました。

ダメだ・・・勿体無い・・・



ちなみに上映前の舞台挨拶に、主要キャストに加えて監督や原作者がいらっしゃいました。
南朋さんは相変わらず素敵で、松雪さんはお綺麗で、宮迫さんは場違いな「宮迫ーです!」でスベっておられましたw

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そんな感じですが、「第22回東京国際映画祭」で御座います!
昨年に続きまして、今年も無事に参加できました!

会場の六本木ヒルズは今年もグリーンカーペット一色で全体がお祭りムードでして、映画好きとしてはその雰囲気だけでワクワクして楽しいのです♪

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