2010年5月31日月曜日

ゲン@ 劇場:『コララインとボタンの魔女(3D字幕版)』

ゲンです。
今年初の劇場2回鑑賞作品はこの作品になりました!

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『コララインとボタンの魔女(3D字幕版)』
@TOHOシネマズ 六本木(2/23・3/1鑑賞)

『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』の鬼才、ヘンリー・セリック監督が手掛けるダークで幻想的なアニメーション。
世界中で愛されている同名のファンタジー小説を映画化し、パラレルワールドに迷い込むヒロインの冒険と成長を生き生きと描く。

『ナイトメア~』のヘンリー・セリック監督が久々に手がける長編ストップモーションアニメって事ですが、前作に負けないくらいにダークな世界観で激しく期待しておりました。

史上最強&最怖のストップモーションアニメ、ここに完成!!!

これは・・・ホントにヤバいぞ・・・マジでヤバいぞ・・・
元々ストップモーションアニメは大好きな人間ですが、2005年に年間一位を獲得したティム・バートン監督『コープス・ブライド』を超える衝撃を味わうとは!



ストーリーはというと・・・

11歳の少女:コララインは両親とともに田舎のアパートに引越してくる。
新しい街には友達もいないし、両親は仕事で忙しく全然構ってもらえない。
仕方なく新しい家を探索していると、壁紙に隠された小さなドアを発見する。
しかし壁紙を破って開けてみるも、ドアの先はレンガで閉ざされていた。

その夜、ふと目が覚めたコララインがネズミを追いかけていくと、例の小さなドアの隙間に消えていく。
不思議に思ってドアを開けると、そこには昼間にはなかったトンネルが。
トンネルを抜けると、そこは今出てきたはずの家の中。
でも、何かが違う・・・

仕事で忙しかったはずのママは鼻歌まじりで手料理を、パパは明るくピアノを弾いて歌っている。
明るく楽しい雰囲気と、美味しい料理でご機嫌のコララインだったが、どうしても拭えない違和感に気づく。
パパとママの目がボタンだ!
そんな両親に戸惑いながらも「別の世界」の両親からは優しくされ、コララインはまんざらでもない様子。

だがベットに目覚めると、現実の世界に戻っている。
両親は相変わらず忙しく、誰もコララインに構ってくれない。
夜になり、再びトンネルを抜けて「別の世界」に向かうコラライン。
温かく迎えてくれるパパとママ。
楽しさのあまり現実の世界がどんどん遠のいていくコララインに、ママが笑顔で提案する。

ここにいたければ、ずっといてのいいのよ・・・

あなたの目もボタンに変えれば・・・




たまに間違われている方が多いですが、ストップモーションアニメの傑作『ナイトメア~』のティム・バートンは製作でして、監督は今作のヘンリー・セリックが手がけていました。
個人的には、その後のバートンが監督した『コープス~』の方がよりバートンらしい世界観が現れていると思ってるのですが、今回の『コラライン』の原作者であるニール・ゲイマンは、子供が怖がるような世界観のお話を多く書いてるそうです。

で、この『コラライン』ですが、もーホントに怖いw
勿論「ホラー」という意味での怖さではなく、子どもが泣き叫ぶほど恐ろしいという意味でもないんですが、可愛らしいキャラクタの中に一瞬垣間見える大人でも背筋がゾワッとする感覚。

現実の世界に嫌気がさし、明るく楽しい別の世界に心魅かれるようになったコララインですが、いくらママに優しくされてもどこか素直に受け入れられません。
その理由は「ボタンの目」
口とか眉とか、人の感情を表すものは顔にはいくつかありますが、最もその力が強いのは、やはり目でしょう。
目さえ見れれば、相手の感情は大体受け取れます。
その感情の肝である目がボタンとなっている人達が、いくら口で笑い、楽しく優しいセリフを話していても、どうしても不気味で「怖い」という印象が拭えないのですよ。
この何とも言えない怖さが、最高に快感を覚えます!w

その怖さは「ボタンの目」だけには止まりません。
コララインがボタンの目になることを拒否したことにより、今まで明るく楽しかった「別の世界」は一変し、悪夢のような恐ろしい世界へと変貌します。
優しかったママは恐ろしい「ボタンの魔女」へと変身し、鮮やかだった庭の花も毒々しい色になり、可愛らしかった虫や動物たちも悪魔のようにコララインへ纏わりつく。
グロまでは行きませんが、あのおどろおどろしさたるや、まさに悪夢!
小さい頃に観てたら、トラウマになりますよw
でも恐ろしいとは言え、どこかユニークで不思議な魅力を感じてしまうのが、ヘンリー・セリックだからこそ成せる業なのでしょう。

普通の世界よりも、変貌を遂げた世界の方がさらに魅力的です♪



本作は3D撮られておりますが、手間のかかるストップモーションアニメで、3D撮影が本格的に行われたのはこの作品が初。
(『ナイトメア~』の3D Ver.は撮影後に無理やり3D版に編集したので・・・)
今までのCGや実写の3D作品とは違い、ストップモーションアニメの3Dはまた独特の映像世界になっています。
実際に立体物を使って撮影しているワケですから、より一層作品に深みが出て、作り手の愛情が感じられました。
3D的な演出としても、過去に例を見ない数多くの多才な演出が入れられていて、ストーリーや世界観にハマれるより効果的なモノになっていると思いました。



そして声を担当したキャストの素晴らしい!
ほとんどの劇場が吹き替え版での上映をしていますが、都内で唯一字幕版を上映している六本木ヒルズに2週連続で行ってきましたw

主人公:コララインの声を演じているのは、成長した天才子役のダコタ・ファニング!
撮影より先に声を収録し、ダコタんの声に合わせて表情を作ったと言うだけあり、生意気な表情と声はまさにダコタん!
やっぱり、ダコタん! 最高だ!



芸能人が吹き替えを担当し、また子ども向けに宣伝されてますが、大人が観ても充分に楽しめる超良作!

『ナイトメア~』『コープス~』を超えるダークな世界観!

ストップモーションアニメの天才が作り上げた最強&最怖の作品!

劇場でゾクゾク感を体験すべし!!!


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そんな感じですが、2周連続で六本木まで観に行きました。

1回目に観た時にあまりの衝撃を受けてしまい全くレポが書けず、2回目でやっと落ち着いて鑑賞、レポもそれなりに書けました。

重ねて言いますが、これを字幕で観ないのは勿体無い!
ダコタん、やっぱりイイっすわー♪
生意気な感じがコララインのキャラクタにピッタリで、最高のキャスティングだと思います。

個人的にストップモーションアニメは『コープス~』が一番だと思っていたのだけど、今作の出現でその地位は危ういですね。
バートンとは違うダークさを持ってる作品で、比べられないよ・・・

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