2009年11月24日火曜日

ゲン@ 劇場:『イングロリアス・バスターズ』

ゲンです。
本日11/24を持ちまして、26歳になりました。
ありがとうございます、ありがとうございます。
これからも僕と「映画好きの二人」をヨロシクお願いします。

ちなみに明日11/25は相方:梅太くんの誕生日です。
これからも梅太くんと「映画好きの二人」をヨロシクお願いします。

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『イングロリアス・バスターズ』@TOHOシネマズ 錦糸町(11/20鑑賞)

※先に書いた梅太くんの感想はコチラ

クエンティン・タランティーノ監督とブラッド・ピットがタッグを組んだ最強のアクション大作。
ナチス占領下のフランスを舞台に、それぞれに事情を抱えたクセのある登場人物たちの暴走をユーモアたっぷりに描く。

僕らのタラちゃん最新作は、ブラピ主演で何とナチス戦争モノ!って話を聞いたときから信じられませんでしたが、まぁどっちに転んでも面白くなるだろうと楽しみにしてました!

タラちゃん最高! 痛快?エンタメ復讐劇!

タランティーノ作品全てに言えることですが、相変わらず万人に勧められる作品ではありませんでしたが、僕は最高に面白かったです!とw


ストーリーはと言うと・・・
ナチス占領下のフランス、ユダヤ人の生き残り:ショシャナ(メラニー・ロラン)は、ナチスのランダ大佐率いる隊により、家族を惨殺されてしまう。
間一髪、逃れることができたショシャナは、家族を殺したナチスへの復讐を誓う。
 
それからしばらく経ったフランスで、ナチスへの攻撃準備を密かに進める部隊があった。
アルド中尉(ブラット・ピット)率いるユダヤ系アメリカ人で発足されたナチス惨殺部隊「バスターズ」は、順調にナチスを嬲り殺していき、遂にナチスの幹部を一掃できるチャンスがやってくる。

違う時間、違う場所でナチスへの復讐を誓った二人の二つの物語が、クライマックスへ向けて絡み合っていく・・・


タランティーノ作品というと、過激な暴力描写やぶっ飛んだ演出のアクションなんかのイメージが強いかと思われます。
確かに血生臭く、時にグロテスクな暴力描写も面白いのですが、僕が思うにタランティーノ作品の魅力は「会話シーン」であると思っています。

会話と言うと、物語の情報源は大きく分けて「セリフ」「表情」の2つの要素により成り立ってるワケですが、タランティーノ作品の会話シーンはこの2つの要素を絶妙に活かして、観客側に無限の想像をさせられる情報を与えてくれます。

今回特にこれが現れていたと思うのは冒頭で、ユダヤ人の生き残り:ショシャナをかくまう農夫の家に、「ユダヤ・ハンター」のランダ大佐がやってくるシーン。
農夫と大佐の会話は、最初は「ミルクが美味しい」だとか「娘さんが可愛い」だとか、ホントにどうでもいい内容なんですが、二人の表情のカット割りやセリフの微妙な間によって、床下に隠れているショシャナの非常に張り詰めた緊張感が見事に伝わってきます。

また会話シーンの手法として、「話し手」「聞き手」のどちらを映すのかという選択がありますが、これが有効に活かされていたのが中盤の、生き延びて成長したショシャナがレストランで大佐と再会してしまうシーン。
今まで何でもない表情で会話をしていた彼女の、背後から急にやってきた大佐。
大佐は彼女の正体に全く気づきませんが、彼女は顔を確認せずとも声を聞いただけであの大佐だと気づき、その表情は一瞬で凍りつきます。
このカットが凄いのは、大佐の登場前から彼女の表情だけをずっと追っているトコロです。
普通の作品なら、大佐の登場とともに「ババン!」とアップでもやってしまいそうですが、そんなことを一切せず、顔を見せずに声だけで存在を気づかせることで、その恐怖は一層大きなものになります。


と、会話シーンだけでも十分に盛り上がれるんですが、当然やり過ぎな暴力描写も満載で、めさくさ面白かったです。
『キル・ビル』ほどでは無いにしろ、血飛沫や腕とか頭とかはバンバン飛びますし、生々しい&痛々しい流血のシーンも盛り沢山なので、苦手な人は苦手でしょうなー
僕は全然許容範囲内でしたがw

ただ会話シーンや暴力シーンが面白いのも、ストーリーがあってこそ!
今回の作品は「ナチス」をテーマにしていますが、設定だけを借りただけで内容は全くのフィクション。
しかもタラちゃんのお得意の復讐劇!
ですので、歴史的な事実が一切通用しないので、展開が全然読めずにずっとハラハラドキドキしてました!


主演のブラッド・ピットですが、ぶっ飛んでる演技はコーエン兄弟の『バーン・アフター・リーディング』で観たばかりでしたが、今回もまた違った方向にぶっ飛んでて良かったです♪
ナチスに対しては血も涙も無いのに、どこかコミカルで笑える演技は最高です。

ユダヤ・ハンター:ランダ大佐を演じるクリストフ・ヴァルツの嫌味ったらしいネチっこい演技も素晴らしい。

ですが、この作品の本当の主役は、ユダヤ人の生き残りで最も強い復讐心を持つショシャナを演じるメラニー・ロランでしょう!
容姿端麗な女性なのですが、ナチスに対する復讐心は誰よりも強く、表で見せる優雅な表情と、恐怖を超えた腹の中での煮えくり返るような怒りが見事に表現されていて、見事な演技でした。
ラストの展開も切なくて・・・最高でした!



タランティーノ作品の面白い要素がふんだんに盛り込まれた傑作ですが、冒頭でも言ったように初心者お断りの作品であるのに変わりはありませんね。

まぁ、これを観て「面白い!」って言える人は、さらにディープな映画の世界にハマれると思いますがw
『キル・ビル』みたいなノリを期待して行くと、ちょっと驚くかも・・・

あと映画オタクのタラちゃんなので、今回も様々な古い映画へのリスペクトが捧げられてるようですが、元ネタが分からなくても何となくで想像できちゃうから凄いですね。

色んな要素があって、全てひっくるめて面白いです!

「バスターズ」ニ ヤラレチマイナー!


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そんな感じですが、初日に観に行けて良かったです。

タラちゃんにはずっと、こういう作品を撮り続けてもらいたいですね!

ただ今回のように「ブラピが主演!」とか分かりやすく規模が大きくなっちゃうと、万人にウケそうな宣伝をされちゃうので、結果的に評価を集めた時に下がってしまうので、ちょっと残念ですが・・・

「面白くなかったら返金キャンペーン」とかやってますが、よりによってタランティーノ作品にそれをやるのはどうかと思うよ・・・

とにかく、ある程度の覚悟は必要ですねw

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