2010年12月31日金曜日

ゲン@ 2010年映画ランキング120

年末恒例、いつものアレで御座います。

今年は劇場で120本の映画を観ることができました。
その全てをランキング!

ワースト5は最後に発表するので、115位から一気にカウントダウン!

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■115位『ユキとニナ』
子どもが主人公の日仏合作映画、思ってた感じと全然違ってた

■114位『ゴールデンスランバー』
伊坂作品は全く合わない

■113位『プレシャス』
米貧困層の実態「私って可哀想でしょ?」エアー出過ぎて受け入れられず

■112位『レギオン』
戦う天使

■111位『シーサイド・モーテル』
群像劇としてあまりにも完成度が低い

■110位『バッド・ルーテナント』
正直、意味が分からなかった

■109位『ストーン』
デ・ニーロ、ノートン、ミラが共演しても面白くないとかいう

■108位『ヴィクトリア女王』
やっぱり英国王室モノは苦手

■107位『告白』
良い意味でも悪い意味でも衝撃はあった ただ疲れる

■106位『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』
ご都合主義の超ゆとりファンタジーw

■105位『ソルト』
アンジーにアクションはそろそろ厳しい

■104位『ダブルミッション』
ハリウッドのジャッキーはそろそろ限界・・・

■103位『キス&キル』
面白くなりそうな要素あるのに、ことごとく潰してた

■102位『リミット』
映像に緊張感が途切れる瞬間があったのが非常に残念

■101位『運命のボタン』
オチも展開も嫌いじゃないけど、印象は弱い

■100位『ゴーストライター』
ユアンとブロスナンの共演も肩透かし

■99位『てぃだかんかん』
岡村さんは十分頑張ってた

■98位『エクスペリメント』
『es』以上の衝撃が無かった

■97位『パンドラム』
ラストが鬱展開の方が良かった

■96位『チェブラーシカ』
ほんわか癒し系

■95位『リッキー』
設定だけ奇抜でメッセージ性が感じられず残念

■94位『ラブリーボーン』
映像は綺麗だけど、テーマとしては合わなかった

■93位『書道ガールズ』
成海璃子は好き

■92位『武士道シックスティーン』
成海璃子は好き でも北乃きいはもっと好き

■91位『おまえうまそうだな』
可愛らしい絵に負けない確かなメッセージ

■90位『裁判長!ここは4年でどうすか』
傍聴人というただ見守るしか出来ない立場で他人の人生を捉える

■89位『きみがくれた未来』
ザックんは好き

■88位『シングルマン』
デザイナーならではの美しいセットとカット割り

■87位『ジャック、舟に乗る』
P・S・ホフマン初監督作 雰囲気のある落ち着いたコメディ

■86位『エクリプス/トワイライト・サーガ』
大爆笑ヴァンパイア恋愛映画 第三弾も抜け目無く笑えたw

■85位『デイブレイカー』
ヴァンパイアになっても苦悩するイーサン・ホーク

■84位『クレイジーハート』
哀愁のある落ち目のカントリー歌手をジェフ・ブリッジスが熱演

■83位『小さな命がよぶとき』
ハリソンとブレンダンはアドベンチャーで観たかった

■82位『サロゲート』
ブルース・ウィリスの理想的な自分は髪がフッサフサ

■81位『レポゼッション・メン』
ムキムキなジュード・ロウ 笑顔の怖いフォレスト・ウィテカー

■80位『ミレニアム3/眠れる女と狂卓の騎士』
3部作完結編は法廷ドラマ

■79位『ミレニアム2/火と戯れる女』
2作目で大きく事件が広がる

■78位『プリンス・オブ・ペルシャ』
人工添加物タップリのアドベンチャー映画

■77位『ボックス!』
市原隼人は好き

■76位『インビクタス/負けざる者たち』
クリント・イーストウッド作品ってことでちょっと期待しすぎた

■75位『ウディ・アレンの夢と犯罪』
雪だるま式の最悪展開映画

■74位『遠距離恋愛』
バリモアとジャスティンのリアルカップルが描くラブコメ

■73位『おにいちゃんのハナビ』
西田さん脚本はやっぱり泣ける

■72位『終着駅 トルストイ最後の旅』
大物俳優に囲まれてマカヴォイの若さが光る

■71位『プレデターズ』
エイドリアンvsプレデター もっとバカバカしく暴れて欲しかった

■70位『ザ・ウォーカー』
荒廃した世界観は好き ゲイリーも好き

■69位『マイレージ、マイライフ』
ジェイソン・ライトマンの作品にハズレなし

■68位『怪盗グルーの月泥棒』
お子様向けじゃない、しっかりした脚本 3Dの技術も素晴らしい

■67位『ニンジャ・アサシン』
『Vフォー・ヴェンデッタ』神コンビがこの順位は悔しい

■66位『時をかける少女』
脚本にもう少し必然性が欲しかった でも仲里衣紗は好き

■65位『グリーン・ゾーン』
意外とメッセージがあるイラク戦争モノ

■64位『アデル/ファラオと復活の秘薬』
思ってたのと全然違ったけど嫌いじゃない

■63位『魔法使いの弟子』
ニックが楽しければそれでいいです

■62位『アリス・イン・ワンダーランド』
もっとダークな話だったら良かったのに・・・

■61位『マイ・ブラザー』
イラク戦争帰還兵の心の闇

■60位『カラフル』
あまり期待してなかったけどメッセージ性が強くて意外と良作

■59位『瞳の奥の秘密』
サッカー場のシーンはどうやって撮ったんだろう?

■58位『恋するベーカリー』
大人の恋愛コメディ

■57位『フローズン・リバー』
凍てつく寒さの中でも、決して凍らない母の愛情強さ

■56位『ウィンターズ・ボーン』
雪降る小さな集落に暗躍するルール けなげに生きる少女

■55位『しあわせの隠れ場所』
お金の余裕は心の余裕 心温まるセレブの話

■54位『借りぐらしのアリエッティ』
『もののけ姫』以来、ジブリ作品で面白いと思えた

■53位『最後の忠臣蔵』
家臣への忠義と武士の恥 こんな話が嫌いな日本人はいない

■52位『シャッターアイランド』
日本の配給会社のクソ宣伝には怒りしか湧かないが、作品としては良作

■51位『第9地区』
嫌いじゃないけど「お金をかけたB級映画」くらいの評価しかできなかった

■50位『ミックマック』
兵器会社にイタズラで仕返し 『アメリ』より好きかも?w

■49位『クロッシング』
絡み合う三人の警官の群像劇

■48位『ロビン・フッド』
大味感拭えないが、それでも許せる巨匠リドスコのスケールと迫力

■47位『ザ・タウン』
犯罪都市ボストンで強盗から足を洗おうとする男のドラマ

■46位『ミレニアム/ドラゴンタトゥーの女』
北欧舞台にしたミステリー

■45位『ハートロッカー』
イラク戦争の爆弾処理 ありえない緊張感の連続でちょっと苦しくなった

■44位『トイ・ストーリー1&2 3D』
あの名作が劇場で観れたことに感動!

■43位『半分の月がのぼる空』
油断してたら号泣した

■42位『バイオハザード4 アフターライフ』
デキは悪いが、ポールが監督復帰してくれたおかげで軌道修正はできたw

■41位『ハリー・ポッターと死の秘法 PART1』
久しぶりにハリポタで面白いと思えた

■40位『タイタンの戦い』
ルイ・レテリエの早いカット割りにサム・ワーシントンのムキムキが融合

■39位『パレード』
名前も知らない若者が一つの部屋で暮らすリアルな群像劇

■38位『ベスト・キッド』
ジャッキー久々の当たり作品 W・スミスの息子じゃなきゃもっと感動したw

■37位『ジェニファーズ・ボディ』
サイテーでサイアクな作品だけど、サイコーに楽しかったw

■36位『アイアンマン2』
いっぱい詰め込みすぎちゃったね

■35位『人生万歳!』
サラッと笑える軽いノリのウディ・アレンのNYコメディ

■34位『100歳の少年と12通の手紙』
悲しい話なのにこれでもかとジョークが詰め込まれてる 笑えて泣ける良作

■33位『ガフールの伝説』
ザック・スナイダーと3Dの食い合わせは悪くなかった

■32位『十三人の刺客』
日本のアクションで面白いと思えるのは三池さんだけ

■31位『月に囚われた男』
低予算で作られたとは思えない練りに練られた優秀なSF

■30位『フィリップ、きみを愛してる!』
ユアンがゲイを演じる それだけで評価は高い

■29位『ラスト・ソルジャー』
ここ数年のジャッキー映画の中で一番面白かった!

■28位『ビッチ・スラップ 危険な天使たち』
ビッチのビッチによるビッチのためのビッチ!

■27位『ぼくのエリ 200歳の少女』
ヴァンパイア少女との初恋 読み解けば読み解くほど魅力的な作品!

■26位『ゾンビランド』
ゾンビ映画史上最高収入 ゾンビ+非モテ青春コメディ

■25位『リトル・ランボーズ』
子どもでいられなかった二人の少年が憧れたのは、スクリーンの最強の戦士

■24位『バーレスク』
大したことの無い脚本を二人のディーバが必死で補う!w ド派手&豪華な演出!

■23位『トロン:レガシー』
前作を観てないと意味不明だけど、知っているとネタ満載で楽しすぎる♪

■22位『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』
ドタバタコメディに謎解き要素も加えられ、脚本で笑える秀作

■21位『ナイト&デイ』
トムとキャメロン、スターのオーラの使い方はこれが正しい!

■20位『シャーロック・ホームズ』
ダウ兄さん最高! 続編も楽しみ♪

■19位『ローラーガールズ・ダイアリー』
ドリュー・バリモアならではの一筋縄ではいかないガールズ青春映画

■18位『オーケストラ!』
ラストシーンのメラニー・ロランの表情がタマらなく美しい!

■17位『ヒックとドラゴン』
ピクサーに負けない確かな脚本力と映像力 目指せアカデミー賞!

■16位『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』
お金をかけて、ド派手にバカやって、ちゃんと面白い!

■15位『NINE』
豪華美女の共演 男の妄想にミュージカルパートを詰め込んだ潔さも好き

■14位『プリンセスと魔法のキス』
ディズニーの手描きアニメーションが復活!

■13位『パリより愛をこめて』
『96時間』に続くピエール・モレル監督の痛快フレンチアクション!

■12位『エクスペンダブルズ』
最強使い捨て傭兵軍団! 漢と拳と弾丸と爆弾!

■11位『川の底からこんにちは』
人生ドン詰まりの女性が見せる頑張り 今年の邦画最高作品!

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さぁ、駆け足でした!

いよいよトップ10の発表です!

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■10位『処刑人II』
10年ぶりの続編は、オリジナルキャストとスタッフが奇跡の再集結!

■9位『9<ナイン> 9番目の奇妙な人形』
完成度は物足りないが、世界観やビジュアルに心を撃ち抜かれた

■8位『ファンボーイズ』
SWファンだけでなく、全ての映画オタクの気持ちを代弁したコメディ♪

■7位『コララインとボタンの魔女』
ストップモーションとCGと3Dを駆使した最高の演出! ダークな世界観も好き!

■6位『トイ・ストーリー3』
逃げることなくしっかりと「別れ」を描いたピクサーに大拍手!

■5位『インセプション』
ノーランが魅せる新たなるSF概念! 今年一番ススメたい作品!

■4位『キック・アス』
アメコミ原作アンチヒーロー 激アツ! ヒット・ガールに萌え殺される!

★3位★『かいじゅうたちのいるところ』
絵本原作の世界をスパイク・ジョーンズが実写化!
大人でも心に共鳴して泣ける傑作!

★☆2位☆★『マチェーテ』
ニセの予告編を本気で映画化する米国のエンタメ力に激しく嫉妬!
期待を遥かに超えて、まさかの年間ベスト3に食い込む超傑作!
1分間に4人くらい首や腕が飛ぶ切株映画なのに、移民問題も絡める脚本力!
無敵! 無敵! 無敵!

☆★☆1位☆★☆『(500)日のサマー』
運命を信じる男と信じない女の物語♪
ここまで心臓を鷲掴みにされた映画は初めて!
最高に面白いけど、最高に辛い!
JGLとデシャネル、もうそれだけで他には何もいらない!
これからもずっと心に残っていくであろう名作!

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そんな感じで御座いました。

今年の総括ですが、まぁーかつてなく良作が多い年でした。
1年おき当たり年が来てるのは感じてますが、ここまで良作揃いなのは初めてです。
今まで満点がこんなに多かった年はなかったなぁー

トップ10なんか大混戦ですよ・・・
自分の中で『トイ・ストーリー3』がトップ5に入らないとか異常事態w
でも、それ以上に秀逸な作品が多かったですから、満足してるのに違いはありません!


個人的な偏ったランキングでしたが、最後までご覧下さりありがとうございました。

来年もどうぞ、ヨロシクお願いします。

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それでは最後にワースト5でお別れです。

■116位『Dr.パルナサスの鏡』
CGに必然性が感じられず、ただ単に意味の分からない世界観だった・・・

■117位『トイレット』
日本人が外国人を引っ張り出して「異文化」を晒してもクスリ笑いの先がない

▼118位▼『ニューヨーク、アイラヴユー』
変に下ネタが多くて、NYの良い雰囲気がブチ壊される

▼▽119位▽▼『踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!』
本スジより、もはや小ネタの方が面白い

▽▼▽120位▽▼▽『誰かが私にキスをした』
吐き気がするほど酷い・・・思い出したくもない・・・
出演者全員が演出の意図を疑問に思いながら演技してるのが伝わってくる
ハンス・カノーザ監督&アントン・イェルチェンだと期待した自分を殴りたい
歴史に残る駄作

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以上で御座います。

お粗末さまでした。

2010年12月29日水曜日

ゲン@ 2010まとめ:劇場未公開作品 ベスト10

久しぶりの投稿でゴメンナサイ・・・
そこそこ元気にやっております。

今年は劇場公開作品だけではなく、劇場未公開作品もそこそこ観てたので、
劇場公開作の前にまとめてみようかと思います。
(一部、09年DVD発売作品もありますがご勘弁を・・・)

なので、大したアレじゃないのですが、一応ランキングです。

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■10位『ショーツ 魔法の石大作戦』
『スパイ・キッズ』ロバート・ロドリゲス監督のファミリー向けSFアドベンチャー
魔法の石とか宇宙人とか巨大ロボとか、
子どもがワクワクしそうなモノを詰め込んだドタバタコメディだけど、
映像も編集もやたらと拘ってて面白かった
『マチェーテ』とか残虐映画も作りながら、
こういう作品も撮れるロドリゲスの才能のふり幅にはトコトン感心してしまう
脇役で出てるカット・デニングスも素敵♪


■9位『ジョナ・ヘックス』
アメコミ原作のアンチヒーロー西部劇
当初は疑問だったが、劇場未公開も納得
世界観、キャスト、ガジェットは素晴らしいんだけど、
続編のTV編集版を観てるかの如く、展開&編集が最悪だった…
バックをしっかり描いたほうが面白そうな話なのに、
80分で無理やりまとめちゃってる 
監督が下手なのかと調べたら『ホートン』の人だったw 
アレは好きだけど、アクション撮れる人じゃないじゃん… 
主演のジョシュ・ブローリン、敵役のジョン・マルコビッチ共に好演
娼婦役のミーガン・フォックスには特に拍手w
期待してただけにこのデキは残念過ぎる…


■8位『ルーザーズ』
任務中に裏切られた特殊部隊メンバーが復讐に立ち上がる
アメコミ原作のバカアクションでキャラ立ちして面白いんだが、
どこかモノ足りなさを感じてしまうのは、
似た設定の『特攻野郎Aチーム』を観ちゃってるからなんだろうなぁ…
主演のジェフリー・ディーン・モーガンがどっかで観たことあると思ってたけど、
『ウォッチメン』のコメディアンだったw
とは言え『マトリックス』のジョエル・シルバー製作だからアクションの派手さはあるし、
劇場でも十分イケるとは思うので、DVDスルーはちょっと勿体無い
続編作りそうな気がするけど、
次回作やるならPGかけてもエロさとグロさをもっと入れて欲しいなぁw


■7位『マリス・イン・ワンダーランド』
『不思議の国のアリス』を現代のイギリスにアレンジした狂乱ファンタジー
やたらと時間を気にする男、緑のケムリを吐くヤク中、双子のドアマン、
神出鬼没のDJ・・・アリスのキャラが上手く人間に置き換えられてる!
キャラタだけじゃなく、話の展開も地下鉄、草木の生える庭、
マフィアの裁判など見事にアリス的な流れを組み、
徹底してオマージュを奉げてるのが素晴らしい!
アリスじゃないのに、ちゃんとアリスしてる! 
低予算ながらバートン版よりも面白かったかもw


■6位『アドベンチャーランドへようこそ』
80年代を舞台に冴えない青年が遊園地でのバイトで経験する甘酸っぱいダサ青春コメディ
もっとバカ笑いするコメディなのかと思ってたが、意外とシメっぽい青春モノで良作
来年公開『ソーシャル・ネットワーク』で注目されるジェシー・アイゼンバーグの好演が光る
ヒロインのクリステン・スチュワートも『トライワイト』なんかよりずっと魅力的♪ 
鼻が赤くなった泣きっ面が可愛いw


■5位『ROCKER 40歳のロック☆デビュー』
若い頃にデビュー直前でバンドをクビになったドラマーが、再び熱いロック魂を燃やす 
下ネタ多そうなコメディの感じがしてたけどほとんど感じず、
過去を引きずる中年×青春×ロック×コメディで痛快な傑作!
エマ・ストーンがベースってまたツボなポジション♪
脇役のライバルバンドにブラッドリー・クーパー見つけて興奮w


■4位『ブラザーズ・ブルーム』
幼い頃から詐欺師の兄弟が最後の仕事に臨むクライムコメディ
「完璧な嘘は人を幸せにする」と豪語する兄と、騙すことに嫌気が差す弟
エイドリアン・ブロディ、レイチェル・ワイズ、日本からは菊池凛子と充分なキャスト、
何でコレを劇場で公開しなかったんだ!
全くセリフがないのに、ハリウッドのアカデミー賞俳優に囲まれても全く存在感が消えず、
確かなキャラクタを印象付ける菊池凜子が最高!
あの存在感はちょっと神がかってるレベルだと思う
欧州系小規模作品のような異質な場所に不思議と馴染む空気が恐ろしかった

■3位『キューティ・バニー』
お払い箱になったグラビアモデルが、ダメダメ女子大生を磨き上げるコメディ
カット・デニングスとエマ・ストーンってだけで興奮したw
カット・デニングスは相変わらず赤いルージュが似合う♪
序盤のピアスだらけの顔でヤラれたw
エマの声がハスキー過ぎてセクシー♪
基本的にデニングス派だけど、今回はエマの方が良かったかな?
ダサいメガネキャラがツボにハマったw
トム・ハンクスの息子も素敵☆
ブルース・ウィリスとデミ・ムーアの娘:ルーマー・ウィリスの容姿が残念過ぎる!
って話題になってたけど、アレ観る限りは個性的でなかなか面白い女優だと思った
むしろ可愛い要素は十分揃ってる気がする…いや、もしかしてCGか?!


■2位『恋するポルノ・グラフィティ』
「男女の間に友情はあるのか?」という永遠のテーマ
ルームシェアをしている金に困った幼馴染のジリ貧男女が、
二人でポルノ映画を作っちゃおう!っていうラブエロコメディ
最低で下衆な下ネタ連発してるクセに、
実は純愛モノで最後がイイ話に落ち着くのが素晴らしい♪
こういうテイストは絶対に日本じゃ撮れないなぁ☆
脇役のジャスティン・ロングがまさかの斜め上を行く熱演で大爆笑!w
ますます彼が大好きになったw


■1位『ディフェンドー 闇の仕事人』
自らを「闇の守護者」と名乗り、手製の武器で悪党を退治するヒーローコメディ
謳い文句からして笑える作品だと思ったら、『グラン・トリノ』や『レスラー』に近い、
現実社会に居場所を見つけられない男のヒューマンドラマで、
まさかの鼻水垂れ流し大号泣!
主演:ウディ・ハレルソンのバカ熱いキャラに前半で引き込まれてしまい、
後半で明らかになる彼の過去やヒーローに憧れる理由に打ちのめされる
笑ってた男に泣かされるって緩急はタマらなく気持ちがいい♪
カット・デニングスのワルっぽい演技もヤバい!
今まで観た劇場未公開作品の中でも最高傑作!
劇場で観てたら、年間1位になっていたであろう神作品!


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そんな感じですが、興味ある人にしか一切興味が無いランキングでした。

来年も埋もれがちな良作を発掘したいと思います!

2010年12月5日日曜日

梅太@ 弐口メモ:2010.12.5 『一瞬の演技に絶句する瞬間』

この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします

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●一瞬の演技に絶句する瞬間

 『リトル・ミス・サンシャイン』の終盤、ポール・ダノの爆発寸前の感情を溜めに溜めて放つ「F○CK!!!」と叫ぶシーンを観ると、台詞に、そして場面に息を吹き込む役者の真髄を見れる気がします。大げさに言うとその一瞬に神が宿ってる気がするのです。
 映画は(特に演技は)リテイク、リテイクして一瞬のシーンを作り上げていくものだと思うけど、”コレだ!”という瞬間は、やはり一瞬・一回しか訪れないのだろうなぁ。




 劇中、フランク(40歳の童貞:スティーブ・カレル)が、「プルーストは生涯で一作の長編しか書いてない」という事に触れています。
 それを聞き、是非その作品(『失われた時を求めて』)を読んでみたいと思いましたが、全十何巻ほどあるそうで。
 読むとしたら、長期戦を覚悟しなくては。



すごい短い記事。

2010年11月13日土曜日

梅太@ 予告編:『ALL GOOD THINGS』

この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします

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 久々に予告編のご紹介。




 『ALL GOOD THINGS』は、NYで実際に起きた迷宮入り事件を題材にしたミステリー。
 迷宮入り、ということはまだ解決はしていませんが、これまでの資料や最近判明した事柄などを織り交ぜながら話は展開していくようです。

↓↓↓ 予告編 ↓↓↓




 主演は、ラースとそのライアン・ゴスリングと、昔も今も僕の中で永遠に輝き続ける、ヴァンパイア且つクモの恋人として、おもちゃと戦う男の子を「パンをお食べ!」と言ってチアし続け、現在は出版社で働いている女心って結局男にはわからんのですね、という事に気付かせてくれたキルスティン・ダンスト。

 この二人が共演という事でまず確実に観たいですが、思えばキルスティン・ダンストは2007年から先、劇場で観ていないですね。
 『How to lose friends and alienate people』は、日本公開の話もなければソフト化の話もありませんで、結局輸入盤で楽しみましたし、何かの映画祭へ短編映画(監督)を出品していたりと、この3年間も結構活躍してましたが、日本には一切情報が入っておりませんですな。
 いやはや残念です。


 予告編を観ただけの印象ですが、ハンサムで金持ちでやさしい夫、綺麗な妻、”全て良い事”なのに・・・という題名と、実際に起こった事件との対比が凄くそそられます。


 はてさて日本公開はされるのでしょうか。
 本国アメリカでは2010年12月公開。来月か。

2010年11月3日水曜日

梅太@ 弐口メモ:2010.11.3 勝手に午後のロードショー『オードリー・ヘップバーン特集』

 この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします

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 作品を観れば観るほど、観たいと思う作品は増えるばかり。
 興味は尽きることなく・・・観なきゃ観なきゃと思う日々が続く。

 それを解消すべく、自分の中である企画を始めました。
 題して『勝手に午後のロードショー』

 ここで説明しておくと、『午後のロードショー』は、月曜~木曜の昼に、毎週特集を組んで4本の作品を放送する。
 ジャッキー・チェン特集やヴァンダム特集、先週のハロウィンシーズンには、それにあった怪奇ものの特集を組んでくれたり。
 最近では数少なくなった、かなり良質な映画番組の一つである。

 さてそれに習い、本企画は、自分で今観たいジャンル・カテゴリーについて、主要な4作品を選出し、”とりあえず”大体を制覇した気になろう!という企画である。
 中には、観たこともあるけれど特集を組むついでにこの際もう一度・・・という作品も含んでいたりする。 


 第一回目は、オードリー・ヘップバーンで特集を組むことにした。


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●ティファニーで朝食を
 夜明けのNY。タクシーが止まる。ティファニーのお店の前で。店内を窓から眺めながら、紙袋からパンを取り出す。コーヒーを一口。食べ終わったら、ゴミはゴミ箱へ。テーマ曲の「moon river」に乗せて送られる、静かなオープニング・・・

 誰でも一度は耳にしたことのある作品でしょう。
 お金持ちとの交流を望む女性と、同じマンションに越してきた男とのロマンス。
 ヘップバーンの「40歳前の女性に、ダイヤは不要ね」という台詞など、シャレた台詞が多く、聞いていて面白い。
 この当時の作品は、その内容も勿論だけれど、作品の中で形成されるキャラクター、そのキャラクターが観客に与えるであろう影響、というのをすごく考え、大事にしている様に感じた。言い換えれば、スターとしてのオーラの使い方をわかっているというか。
 スターが繰り出す演技は、どこか現実離れした台詞なり、所作かもしれないけれど、だからこそ誰もが憧れてしまうようなシンボルとして扱われるのかなと思いました。

 二人が結ばれるラストシーン。キスと、テーマ曲。王道であり、ドラマチック。この時代のロマンスは、シンプルで良い。
 主人公orヒロインも病気とかで死なないしね。

●パリの恋人
 ヘップバーンが歌って踊るミュージカル映画。

 僕は常々、オープニングは大事だと思っている。その作品の印象を決める大事な時間であるから。
 写真、ネガやカメラなどをバックにテロップを流すオープニングが印象的。物語の印象がパっと伝わってくる。
 冒頭の雑誌社内の、どこまでもコミカルで統率のとれた色使い、人の動きは、これぞミュージカル映画という感じで良い。
 相手役となる写真家を演じた男、途中で魅せるパフォーマンスが見事だと思ったら、「トップハット」のフレッド・アステアだったのね。老けたねぇ。老けたねぇって、今言うことではないけど。


●マイ・フェア・レディ
およそ3時間に及ぶミュージカル大巨編。

 女優ってすごい・・・と思った。
 ヘップバーンが演じるのは、イギリスの貧困な女性、ひどい田舎訛の英語を話し、会話する人すべてを不快な気持ちにさせるような女性だ。アイーエイーオウー。
 この女性、僕はかなり不快に思ってしまった。英語は聞いていて不快だし、態度はデカい。相手役となるヒギンス教授の気持ちもわからないでもない。
 そんな女性が流暢な英語を話せるようになり、上流階級の人たちと会話をするなど、考えられない!と思わせておきながらの・・・ということこそが作者の狙いであったのだろうと思う。
 それを見事に表現しきったヘップバーンの女優魂、しかと見受けました。

 この作品は、この一年で最も多くの人を恋に落としたイギリスの新星:キャリー・マリガン主演でリメイクが決まっているようだ。
 キャリー・マリガン、歌うのか・・・
 最初はジョー・ライト監督×キーラ・ナイトレイの黄金コンビでの企画だったようで、僕としてはそれを楽しみにしていたのだけれど。



●ローマの休日

 ヘップバーンと言えばこの映画!と言うのは、恐らく世界中で通用する概念であると思います。

 王女であるヘップバーンと、新聞記者の男、身分を違えた二人の恋。
 この作品の何が好きかというと、僕はやはりラストシーンを絶対に挙げておきたい。

 会見が終了し、ヘップバーンは会場を後にする。
 名残惜しそうに佇む男は、彼女が去っていった方を眺め、少しして会場を去るべく歩き出す。
 ここから長い1シーンが始まる。
 歩く男をカメラは前からとらえる。先ほどまで王女が居た場所を写しながら、ゆっくり、ゆっくりと・・・
 しばらくして、男は振り返る。しかしそこに、期待した出来事があるわけでもなく。残念な気持ちを抑え、取り澄ました顔をして、また、歩き出す。

 振り返ると彼女が追いかけてきた!という、安易なハッピーエンドに納めようとせず、だからこその、”一日のみのロマンス”なのだ!という、この作品が迎えるべきエンディングは、長年語り継がれる理由がわかった。
 あまりにも素晴らしすぎて、拍手してしまった。

 企画第一段の中での一番の収穫でありましたし、なぜこれまで観なかったのだろうと、少し反省もした。


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 先日、英会話の先生に「先日、ローマの休日を観たのですよ」と言ったら、「あら、初めて?」と返された。
 僕くらいの世代では、ハリウッド黄金期の作品群は、知っているけれど観たことがない・・・というものが多い・・・そうでない人も勿論いるけれど。
 今回の様な特集を今後も続けていき、なぜこれら作品群が、時を経た今でも人気を保ち続けるのか、その理由を探っていきたいと思っています。

 で、企画としては成功で、ヘップバーンを制覇した気に、なんとなくなっている自分。

2010年11月1日月曜日

梅太@ 雑記:あのレンタルショップは今

この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします

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 この週末は、母校の文化祭に行ったついでに実家へ帰りました。
 いつもの商店街を通りましたら、やはりいつも通っていた道でしたから、たとえ周辺視野であったとしても、違和感には気付くものです。

 僕が足げく通っていたレンタルショップ「CBA小岩店」が、閉店しておりました・・・
 今日はそんな寂しさと共にお伝えいたします。

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 今でこそ小岩にはTSUTAYAという名前の大手レンタルチェーン店が存在いたしますが、その遙か昔から存在する2大レンタルショップがありました。一つはパノラマというお店で、こちらは数年前に閉店してしまいました。そしてもう一つがCBA。

 もの心ついた時から既にそのお店はありましたが、僕がよく通うようになったのは18歳ごろから。
 といっても卑猥な話でなく、2004年、映画にドッブリ浸かり始めた時期でした。

 2004~2006年辺りは、ジャンルや年代問わず、またはその映画についての情報も何もなく、とにかく何でも借りてきては観て、返却しては借りて・・・の連続でした。
 学生でしたので、隔週くらいのサービスデー(安く借りれる日)が主でしたが、それでも結構、売り上げには貢献したのではなかろうか。すごい上から目線。

 いつからかTSUTAYAが出来ましたが、古い作品、文芸作品、はたまたものすごいコアなジャンルものなど、断然CBAの方が僕の趣味に合っていたので、相変わらずCBAに通っていた。

 たとえば「BIG FISH」に感化され、「シザーハンズ」や「ビートルジュース」など、初期のバートン作品を漁ったのもこのお店であるし、「マレーナ」等英語圏以外の作品に触れたのもこのお店である。
 また、見逃していた00年代の作品を漁ったのもこのお店。
 映画とは関係ないが、「聖龍伝説」のVHSを置いてあるお店は、近隣ではここくらいであったろう。

 僕の今の映画観の土台形成において、まず間違いなく大きな影響を与えてくれたお店である。

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 先日、現住居昭島のTSUTAYAにおいて、レンタル品エリアの拡大が行われた。セル品エリアが縮小したのは、DVDが買えるお店が少ない昭島では痛いところであった。
 最近は未公開映画のDVDも、販売する数ヶ月前にレンタルを開始し、様子見でセル版を出す・・・という傾向がある。
 余計なディスクを消費せずに済むので、コスト面で威力を発揮する方法である。
 なるほど、レンタル業界も色々工夫しているなと感じたし、なにより、まだレンタルを利用する人がそこそこいるのだな・・・という証明にもなった出来事であった。

 しかし、ご存じの用に、今は電子データの時代である。携帯サイトやiTunesなどで、一曲数百円で買える。映画だって買える。
 物理的なコストを削減できるので安く済むし、家にいても、聞きたいとき(観たいとき)ワンクリックで・・・というのも売りでしょう。
 先日、大傑作と言わざるを得ないアクションコメディ「キック・アス」の輸入版を買ったが、これはなんと3枚構成になっており、内一枚が、電子データDL用ディスクとなっていた。
 これはコストがどうこうというよりは、どこへでも持ち出せますよ!というアピールなのだろうが、何にせよ電子データの普及は進んでいるということだ。

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 さて、いま米国では、もう採用が決定したのか定かでないが、とあるシステムが考案されているらしい。
 それは、全国ロードショーと同タイミングで、自宅のTVでその映画を楽しめる・・・というシステム。
 つまり、映画館に行くことなく、最新の映画がお家で観れる環境が生まれつつあるということなのです。
 勿論、専用のチャンネルなんかに登録する必要はあるだろうけど。

 いずれ映画館すら、この世に必要なくなってしまうのでは?という一抹の不安すら覚えてしまう、”やはり映画は映画館で!”と思っている僕としては、何ともおぞましき制度のように感じてしまった。

 ・・・が、別の視点で考えてみて、そして佐賀で暮らしていた経験と重ね合わせると、これは”最新作をいち早く観たいのに、観れない環境にある”という人にとっては、かなり助かる制度であるとも言える。
 佐賀の場合、一県越える根性さえあれば、福岡へ行き、例えば「つぐない」という傑作と表現する以外に何があるんだ?という作品や、人と関わる上での一歩踏み出す勇気、その難しさと踏み出した者の強さを感じさせてくれる傑作『ラースとその彼女』なんていう作品も、観に行くことも可能であった。
 しかしアメリカという広い広い土地では、映画館へ行くにも長距離旅行という地域にいる人達だっているはずである。

 そういう人たちの欲求不満を解消する・・・という意味では、先に挙げた電子データ、そして映画のTV配信という制度は、一概に否定をすることは出来ない気がしてくる。

 上記した中で、僕は”映画は映画館で!”派の人間なので・・ということを書いている。
 しかし「ニューシネマパラダイス」で、建物の壁に映像が投影され、それを楽しむ人がいたり、「僕らのミライへ逆回転」で、窓に写った映像を、外から見て楽しんでいる人がいたり。
 恵比寿ガーデンシネマで開催される野外上映、日本であるかわからないがドライブインの上映。
 一概に、映画館が最上に楽しむ最適な環境とも言えないし、家で誰かと一緒に観た作品が、人生において最高の思い出になる場合もある。

 ちょっと移動すれば好きなだけ映画館で映画が見れる恵まれた都市:東京という環境において、はたまた映画というものを最高の趣味としている人間にとって、その立場の視点だけで観てしまうことは、やはり危険なことである。そんな気がした。


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 思ったことをつらつらと。

 実を言うと張り紙を見てないので、もしかしたら改装してるだけかも・・・という事態も有り得る。今度しっかり確認しよう。

2010年10月28日木曜日

梅太@ 弐口メモ:2010.10.28 『あの5人姉妹は今』

この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします

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 『パイレーツ・ロック』DVDをやっと購入。
 ノリノリのロックミュージックと、それに負けずノリノリな出演人を楽しめるすばらしい映画です。


 本作にマリアン役で出演しているタルラ・ライリー。
 初めて観たのは、ジョー・ライト監督の処女作『プライドと偏見』(以下『P&J』」)で、本作でガラっと印象が変わっていたので驚きました。
 思い返せば『P&J』に出演していた5人姉妹は、以後皆それぞれ活躍しておりまして、今回は『パイレーツ・ロック』の作品内容にはほぼ触れず、脂ノリノリの女優陣について書きたいと思います。

 題して、「あの5人姉妹は今」

 以下、『P&J』での役どころと共にご紹介していきます。

↓↓↓ 『プライドと偏見』予告編 ↓↓↓



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●ロザムンド・パイク(長女:ジェーン)
 人を疑うことをしない、清らかな心をもった長女を演じたロザムンド・パイクは、『P&J』より前に、ブロスナン版ボンドの最終作『ダイ・アナザー・デイ』、ジョニー・デップ主演作『リバティーン』に出演、以後、ブルース・ウィリスの願望が垣間見えた『サロゲート』、後で熱烈にご紹介させていただくキャリー・マリガン主演『17歳の肖像』に出演している。
 最近、サリー・ホーキンスと共演する『Made In Dagenham』の予告編が公開された。

↓↓↓ 『ダイ・アナザー・デイ』予告編 ↓↓↓



●キーラ・ナイトレイ(次女:エリザベス)
 上流階級に偏見を持つ次女を演じたキーラ・ナイトレイは、今更言うまでもないでしょうが。
 『ベッカムに恋して』や、エイドリアン・ブロディと共演した『ジャケット』(何気に好きな作品)、そして言わずと知れた『パイレーツ・オブ・カリビアン』、クリスマスになると観てしまう『ラブ・アクチュアリー』等を経て『P&J』に出演。僕の心を掴む。
 バウンティハンターとして生きる実在の女性を演じた『ドミノ』、『パイレーツ』シリーズ最終章(当時では)に出演し、再びジョー・ライト監督の大傑作『つぐない』に出演する。
 ジョー・ライト監督はキーラ・ナイトレイを世界で一番美しく撮れる監督であるから(CMも撮っているし)、今後も彼の映画のミューズとして存在してくれると僕は嬉しいのだが、彼は今、シアーシャ・ローナンに夢中であるみたいだ。
 ナイトレイの最新作は、後で爆裂にご紹介させていただくキャリー・マリガンと共演した『Never let me go』です。二人の共演というのも勿論ですが、『ストーカー(one hour photo)』のマーク・ロマネク監督が8年ぶりに作った作品と言うことで、期待は高まります。

↓↓↓ 『つぐない』予告編 ↓↓↓


●タルラ・ライリー(三女:メアリー)
 英国米国には、TVmovieというのが多量に存在し、そこでの活躍ぶりから映画界へ・・・というパターンは多い。日本では『24』等のドラマが多く輸入されるが、TVmovieも多少は観やすい環境を提供してほしいという、密かな願いもある。
 が、最近は輸入版が短時間で手に入ってしまうので、僕はそれを利用している。
 話がそれましたが、タルラ・ライリーは、『P&J』でこれといって見せ所のない三女を演じた後、TVmovieに多く出演している。
 長編で言うと『St.Trinian's』(日本未公開)で主演を務め、『パイレーツロック』で主人公の心を射止める女性を演じる。
 実は『インセプション』にもちょっとした役で出演していたらしいが、そんなちょっとした役どころでは、エレン・ペイジには勝てなかったらしく、僕の記憶にはない。DVDでチェックしよう。

↓↓↓ 『インセプション』予告編 ↓↓↓


●キャリー・マリガン(四女:キティ)
 さて、このキティは、三女:マリアン以上に出番がない。見せ場もない。故に、『P&J』初見の時はまったくもって記憶になく。
 しばらく時がたつ。
 『17歳の肖像』が、昨年秋あたりから徐々に名を上げていき、シャンテかどこかでその予告編を見たとき、「誰この子!?キャリー・マリガン?誰だ・・・」がまず一声、その後恋に落ちるまで、数秒とかからなかったことを記憶している。
 後に調べてみると、本国イギリスのTVmovieに出演したり、長編映画では『And when you last see your father?』(日本未公開)、『パブリック・エネミーズ』に出演するも、どちらもわき役。
 『マイ・ブラザー』にも出演しているようだが、まだ見ていない。
 おそらく、これまで誰も注目していなかった少女は、『17歳の肖像』というたった一本の主演作で、世界中(especially me!!)を魅了することになったわけだ。
 彼女の最新作は、先に紹介したとおり『Never let me go』。
 邦題は『わたしを離さないで』で、来年初春公開される。
 誰が離すものか!というのは、世界中のファンの言い分であると予測される。
 色々なものすっ飛ばして、早く来年になってほしいと、ちょっと思う。
 それまでは『17歳の肖像』を観たり、先日購入した『The Greatest』(日本未公開)を観るなりなんなりしていよう。

↓↓↓ 『17歳の肖像』予告編 ↓↓↓


↓↓↓ 『Never let me go』予告編 ↓↓↓




●ジェナ・マローン(五女:リディア)
 美しきジェナ・マローン(ジョー・ライト風に言うと)演じるリディアは、一文無しのプレイボーイと恋に落ち、結婚する役を演じている。
 彼女は実は様々な作品に出演していることを最近知った。
 少し前の作品で言えば『コンタクト』、『ドニー・ダーコ』、面白いところで、『ハウルの動く城』の米版の吹き替えをしていたりするらしい。『コールドマウンテン』、『イントゥ・ザ・ワイルド』に出演し、再びジョー・ライト監督の元、『路上のソリスト』で一瞬ではあるが毒々しいナースとして出演する。本当に一瞬なので、音声解説で聞くまで全く気づきませんでした。
 彼女の出演最新作は、世界でも有数の幸薄系少女:エミリー・ブラウニング主演、ザック・スナイダー監督の『サッカー・パンチ』です。

↓↓↓ 『路上のソリスト』予告編 ↓↓↓


↓↓↓ 『サッカー・パンチ』予告編 ↓↓↓



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 以上、僕としては単に素敵な女優陣を熱を込めてご紹介しただけですが、作品名も色々と入れているので、TSUTAYAへ行くときの参考に、多少はなるかもしれません。

 「パイレーツ・ロック」の感想はまたの機会に。

↓↓↓ 『パイレーツ・ロック』予告編 ↓↓↓

2010年9月26日日曜日

梅太@ DVD:『ナイト・ビフォア・ウェディング』

この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします

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●”式”は過去を清算する場所:『ナイト・ビフォア・ウェディング
監督:マシュー・コール・ウェイス
出演:エイミー・アダムス 他

 これは謝るしかない。
 思わず唸りました。

 世界中がそのキュートさに魅了されたエイミー・アダムスの出世作『魔法にかけられて』で、当然ながら彼女の名前は全国的に知れ渡りましたが、そのネームバリューを利用してタイミング良く輸入・販売された本作。
 日本未公開作品。
 どうしよう、どうしようと結構悩みまして(少なくとも1年半は悩んでますね)、やっと手に取りました。

 パッケージも邦題も、全然魅力的でなかったのですが、これはごめんなさい、素晴らしかったです。


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 ストーリーとしては。
 明日、結婚を迎えようというマイケル(アダム・ガルシア)とエリース(エイミー・アダムス)。
 前夜祭ということで、学生時代の友人が二人の家に集合し、てんやわんやの大騒ぎ。
 しかし、実はこの仲間達の関係は複雑で、一つ屋根の下、すんなり一夜を明かせるわけも無く・・・

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 ナイト・ビフォア・ウェディング。
 結婚前夜。

 式の為に集まった学生時代の仲間達は、現在は各々自分の道を歩んでいるが、どこかあの時代のことを意識してしまっている。

 あの時代の出来事がトラウマになってしまっている者もいる。
 トラウマを与えてしまい、それがずっと気がかりであった者もいる。
 あの時代の恋愛から先に勧めない者もいる。
 あの時代から関係を続け、自分たちもそろそろ結婚を考える者もいる。
 その結婚へしっかりした返事を出来ない者もいる。
 そして、明日結婚を迎える者もいるが、二人にはまだ共有できていない秘密がある。

 明日は結婚式というめでたい日であるのに、何とも慌しいメンバーであるが、式が近づくにつれ、各々過去を清算していく。

 思えば人生の中で、”式”と呼ばれるものは沢山ある。
 入学式、卒業式、成人式、結婚式、入社式、退社式。

 人間は、あるタイミングでこれまでの過去を振り返り、一度ピリオドを打つことが必要であると思う。
 経験してきた全てを常時意識するのは不可能で、縛られていては、まだまだ続くこの先の人生に100%の力で挑むことは出来ない。
 だから、ある節目で、ピリオドを打つ。
 あとで思い返すのは個人の自由としても、一度終わりを告げ心の整理をつけることは、必要なことであると思う。

 式、というものは、それをある意味強制的に行わせてくれる行事であると思う。
 精神的なところでね。
 社会的な位置づけというところでは、式の意味合いは違うかもしれないけれど。


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 「明日は式で、せっかく皆集まるのだから、何かしらの決着を」
 として集まった仲間達が、焦り、悩む姿が描かれる中盤まではとてもコミカルで面白く、そして各々のピリオドが描かれる終盤は、意外な程にサラっと描く。

 ピリオドを打った結果、それが自分にとって必ずしもハッピーエンドというわけでない人もある。
 それでも、学生時代から続いた彼らの慌しい関係に、一つの節目が出来たわけだ。

 ここまでも十分に面白かったのだけれど、この後、僕が唸ったラストが待っている。
 そこには、御伽噺で描かれる結婚式とは別の形の素晴らしさがあった。
 現実は、Happily ever after.ではないのだ。
 結婚をすれば、彼らにはピリオドのその先が待っている。
 仲間達にも、各々の人生が待っている。 

 その”始まり”を予感させるラストの描き方は、拍手したいくらいであった。
 実際したけど。



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 過去を清算する。そして新たな生活へ望む。
 というところでは、エイミー・アダムスと、愛すべきエミリー・ブラントが共演した『サンシャイン・クリーニング』に似ているところもありますね。

 ハトに、花輪を贈りたい相手の名前だけ告げれば間違いなく届けられるということを教えてくれた『魔法にかけられて』以来、エイミー・アダムスの出演作は新旧問わずチェックしています。
 暫定、『ジュリー&ジュリア』が圧倒的に1位で、次点が『魔法にかけられて』であるけれど、その次に位置づけてもいいくらい、良い作品でした。

 ちなみに原題は『Standing Still』。
 静止状態、とか、バランスをとっている、という意味になるみたいです。
 登場人物たちの関係を表していていいですね。
 でも今回は『ナイト・ビフォア・ウェディング』でも、十分意味は通じる気がしました。

 「色使いとか枠の描き方とか、思いっきり『魔法にかけられて』を意識してるやんけ!!」という感じのパッケージに渋っていた人は、そのお気持ちは十分お察し致しますが、是非手にとって欲しいと思います。


2010年9月22日水曜日

梅太@ 雑記:肖像と想像。騒々しい中での発見。 ~『ポーランドの至宝』 in 東京富士美術館~

この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします

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 以下、映画の内容とは直接的には関係ありません。
 が、映画についてちょっと触れている部分もありますので、掲載します。
 法に触れるわけでもないので、ご勘弁を。

 ただ、映画もやはり”表現媒体”の一つであるので、他の分野の媒体を見るのも、良い刺激になります。

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 『ポーランドの至宝』
 東京富士美術館にて。

 祝日に行ったのですが、すごい混みよう。
 大人はともかくとして、子供が多いのにちょっと驚いた。
 特別展示と常設展示が一括料金で観れるのは良心的でした。

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 まずは常設展示から・・・

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 『西洋絵画コレクション』

 最初の部屋で、肖像画に囲まれる。

 顔を正面から捉えたもの、横顔、俯き顔。
 一口に肖像画といっても、描き方は様々であることに気付く。
 当たり前といえば当たり前だけれど、これだけ一度に見せられると、嫌が応にも、「なぜ違うの?」ということを考えてしまう。
 ここから僕の思考タイムが始まる。

 ある人を、キャンパスに描こうとする。
 恐らく画家は、その被写体の一番魅力的な姿勢を捉えようとする。
 俗な言い方をすれば、画家の「あ~、その姿勢”ツボ”だわ~」という思いのもとに描かれる。
 この”一番”は勿論主観で、他の人が描こうとすると、きっと別の姿勢で描かれるのだと思う。

 正面、横、という姿勢の他に、「何かをしている時」を捉える絵もある。
 例えば本を読む女性を美しいと思ったとき。
 恐らくその女性は、普段から本を読んでいる人だと思う。

 最近、『人はなぜ「美しい」がわかるのか』という本を読んでいて、「美しいとは、合理的だということと同義である」という記述があった。
 この著書で例に挙げているのは、スポーツ選手のフォームである。
 毎日の努力の結果、選手のフォームは完成するのだが、そこには無駄な力は一切無く、ただ良い球を繰り出そうという一つの目的の為に体が合理的な動き方をする・・・とある。それを人は、美しいという。
 これは成る程と思った。

 例えば映画でも、今回は野球選手の役をやります!となったとして。
 訓練を重ね、それっぽいところまでは辿りついても、やはりどこかプロとの差異を感じてしまうときもある。
 (これを感じさせないのがプロの役者であり、プロの編集技術だと思うけれど)
 やはり合理的な美しさというのは、日々の”慣れ”から生まれてくるものなのだと思う。

 だから、他者が見て「あ、あの人の本を読んでいる姿、素敵だな」と感じたときは、恐らく普段から、その人は本を読んでいるはずだ。
 その人は、本を読むのに合理的な姿勢、所作をしているからこそ、素敵だと思わせるのだ。

 表現者という所に話を戻すと。

 画家が「あ、これはいい」と思った被写体を絵として形にしようとしたときに、その表現の方法は沢山ある。
 それがいわゆる、絵の「タッチ」の違いというものなのだと思う。

 よく、絵を評価するときに「タッチがどうこう」というワードを聞く。
 特に絵画に精通していない僕としては、双子の兄弟が南とどうこうという話しか浮かばなかったが、今日、その認識を改めた。

 画家がそれを見たときの印象を”どう”表現しようかと考えたとき、絵のタッチが決まってくるのだと思う。
 手法の如何に意味を求めるのではなく、「何故この画家はこのように描いたのか」というところに思考を持っていくと、かなり面白く見えてくる。

 字もそうらしい。
 何を表現しようか、その文字にどんな願いを込めるかで、書体が変わる。
 歌舞伎の看板などに使われる勘亭流という書体は、線と線の隙間が極端に少ない。
 これは客席が埋まりますように・・・という願いを表現するために生まれた書体だという。
 絵画でいうところの、タッチに繋がる。

 肖像画に話を戻して。
 顔を描く際、シワや肌の質感・色合いを細かに描いているのもあれば、のっぺりした描き方もある。
 のっぺりした人は、多分、その生活が非常に緩慢な人なのだと思う。
 それをどう、キャンパスに描こうか・・・となったとき、シワなどの細部は捨て、ただのっぺりと描く。
 細かに描くことこそが、その人を完全に再現することではないのだなと。
 そんな絵は、見る側に「あ~、きっとこの人はこういう人だったんだろうなぁ」と思わせる。

 ここまでの総括として。

 被写体の魅力を引き出そうとするために、絵を描くための手法がある。
 先に例に挙げた本を読む女性は、この二つが美事に掛け合わされていたように感じる。
 元々、本を読む女性を見ているのは好きな僕ですが、普段そうは思わない人でも、この絵を見たときはきっと「素敵」と思うのだと思う。
 それこそが画家の力であり、その魅力を伝えたいとする、画家の情熱なのだと、思いました。


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Carey Mulligan in 『An Education』(17歳の肖像)

 箸休め。
 完全に余談だけれど、僕は横顔が好きです。
 いや、aikoの話ではなくね。
 せっかくだから、顔繋がりの話でひとつ。

 最近、自分で撮った人物写真を見返したのだけれど、正面を向いてる写真は少なかったですね。
 意識してるつもりはないのだけれど。
 これが好みというものなのでしょうか。

 何の影響かと言えば、映画の観過ぎなのかなぁ。
 映画の登場人物って、例えカメラ目線であったとしても”僕”を観てるわけではないですからね。
 でも、その姿にグっと来ることが多かったこの7年間が、写真に現れてるのかな。
 
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 話は戻しますが、まだ常設展示の話。

 冒頭で書きましたが、今日はかなり混んでいて、小部屋では遠くから眺めるしかないというところもあったりしました。
 しかし、それが功を奏すことになるとは。

 小部屋に入り、遠めに観たとき綺麗と思った絵が、苦労して眼の前に出てみると、線も色の境界もぼけ、なんだかわからないものになっている絵があった。

 成る程。

 美術館となると、ある程度近接して絵が見れる機会とあって、喰い入るように見つめてしまうのが常だけれど、絵を見るのも、適切な距離というのがあるのだなと思った。
 勿論美しいと思うその距離は人それぞれだし、画家もそれを想定しているのかわからないけれど、僕はそう思った。

 僕は最近、映画を観るとグっと考え込んでしまう時がある。
 あの台詞の意味は?
 あの描写の意味は?
 ミクロな視点に惑わされ、わからなくなってしまう場合もある。
 しかし、そんなときは一歩二歩、引いて見て、全体像を眺めてみると、そのミクロは全体を構成する要素の一つに過ぎないことに気付く。ただしそのミクロを抜いてしまうと、全体像が崩れてしまう。
 全が個を成し、個が全を成す。
 常に意識すべきところだなと感じました。

 混んでいるからこそ気付けた点。
 怪我の功名、不幸中の幸い。

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 さて、特別展示『ポーランドの至宝』

 実をいいますと、僕は常設展示で結構疲れてしまったのです。
 メインはこちらなのに。
 おいしいものを後に残しておく性格が仇になりました。

 そして流石に企画ものとあって、混んでる混んでる。
 しかし今日は何の日?といえば、お年寄りを大切にしなければいけない日であり、前のおじい様おばあ様を急かす訳には行かない。でも並ぶ体力が・・・

 そんなわけで、広告にも載せられていたレンブランドのモナリザだけはしっかりと観て、あとはスルスルと行くことにしました。
 レンブランドのモナリザは、『額縁の中の少女』というタイトルの絵で。
 キャンパスの枠の部分に、すでに額縁が描かれているのですよね。
 でもその絵は額縁の中に入っているわけです。
 2重の額縁。
 これは、笑いを誘っているのでしょうか?
 そういう不謹慎な考えを持つのは、僕だけですかね。



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 結局のところ、展示会も感想も、前菜で満足してしまいました。
 メインのこの扱い、ご勘弁を。

 『銀座鉄道』はスペースも小さく、それでも多少疲れましたが、本格的な美術館ともなると敷地が比較にならず、披露も倍増。

 でも、精神的にはとても充足した感じで、良い疲労感です。


 次は国立新美術館で『陰影礼讃』を観る予定。

2010年9月12日日曜日

梅太@ 劇場:名画座日記-9

この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします

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名画座日記-9

 早稲田松竹にて、『CHICAGO』と『NINE』、ロブ・マーシャル監督2連作を観て来ました。
 今日はとりあえず、『CHICAGO』のみについて書きます。
 が、内容と言うよりは、思い出話・・・

 率直な感想は、最初の5行を読んで頂ければ十分です。

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●『CHICAGO』

 もう、一生ものの思い出です。
 どんな宝石よりも煌びやかに光る一日。
 この日を忘れることは、生涯無いだろうと思います。
 この気持ち、お墓までもって行きます。・・・これは意味が違うかな。

 再映にこぎつけてくれた全ての人に感謝。

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 僕が映画を沢山観始めたのは、2004年から。
 その年から、劇場に多く足を運び、そしてこれまで見逃していた作品を観るため、レンタルショップにも多く足を運びました。
 (学生の頃は今みたいに、「DVD1000円だし、買っちゃえ」とはならなかった)

 思えばこの頃がむしゃらに、ジャンルを選ばず沢山の作品を観たことは、今の自分の基盤になっていると思います。

 さて。

 劇場公開を逃して惜しい思いをした作品は数多くありましたが、本気で悔しいと思った作品が一つあった。
 自宅でDVDにて鑑賞し、その素晴らしさに驚喜したと同時に、歯がゆい思いをしたのを今でも覚えています。
 これを劇場で観れたなら、僕の映画人生の、ある一つのパートが完結すると言っても過言ではないくらいの作品。

 That's "CHICAGO"・・・それが、『CHICAGO』でした。
 
 それがこの度、劇場で観れるというではないですか。
 どんな予定をも差し置いて、この日を空け、待ちました。
 (実際のところ、何の予定も無かったのですが)

 作品の素晴らしさも勿論ですが、取り巻く環境(劇場や観客の状況etc)の、その全てが宝物のような気がしました。


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 さて、幕が上がる。

 大写しになる瞳。
 カウントアップで始まる『All That Jazz』で、まず驚喜。
 『Cell Block Tango』、こんなにも力強かったのかと思い知らされる。

 ロブ・マーシャルのミュージカル映画の、そのミュージカルシーンに登場する女性達は、ほぼセクシーな格好をしている。
 これは尊敬するボブ・フォッシーの影響も大であることは、『オール・ザット・ジャズ』(これは映画ね)を観た後だとわかる。
 肉体本来の持つ力強さ・迫力というのは、エロさを超えてカッコイイとさえ思うし、やはりそこに官能さが加わり、ドキドキワクワクが収まらない。
 ・・・女性はどう見るのかわからないけれど。

 さて本編に話を戻す。

 『We Both Reached For The Gun』、リチャード・ギアのナンバー。
 マリオネットを取り入れたコミカルなパート。
 後半で糸を操っているギアの姿が映され、記者を話術で煙に巻き、自分の手の内で踊らせている・・・という状況とマッチしていて、ここもとても大好きなシーン。

 『Roxie』、鏡を用いた幻想的なステージ効果に陶酔する。
 これは”映画”でしか表現できないだろう、どこまでも”ミュージカル映画”を楽しませようとするマーシャルの工夫に拍手。

 ジョン・C・ラリーの『Mister Cellophane』は、劇中最も静かで目立たないところが、曲のタイトルに重なっていて笑いを誘う。
 でも哀愁漂っていて、何故か頭に残り、見逃せないナンバー。

 さてさて、Ladies and Gentlemen.
 世にも珍しい、元囚人の二人組みが贈ります、お待ちかねのこのナンバー。

 『Nowadays』から緩やかに始まり、テンポアップで魅せる、キャサリン・ゼタ=ジョーンズとレニー・ゼルヴィガーの怒涛のパフォーマンス。

 唇と、そして幸福を噛み締め、ただひたすらに画面に喰いつく。
 そう、このシーンの為に、僕は滅多に座らない一番前の座席に座ったのです。
 僕とスクリーンの間を隔てるものは何も無く。
 ダイレクト伝わってくる映画の感動。
 もう涙が止まらない。
 I can't stop the BEAT !!・・・あ、これは違う映画だ。

 もうホント、この場に立ち会えて、この時間ばかりは、僕は世界で一番の幸せモノだと思っていた。
 そしてこの時ばかりは、映画はこれ以外何もいらないとすら思ってしまった。

 もう最高だ、人生ハッピーだ。

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 冷静に見つめてみると・・・いいや、その話はまた今度にしよう。

 恐らく今後も、何度かDVD(帰りにBlu-ray買っとけば良かった)を見返すことになるかと思いますし、10月に企画されている『おすぎチョイス』にも足を運ぼうと思ってますが、今日と言う日には勝てそうに無い。

 何度も言ってしまっているようで、若干言葉の効力を失いつつありますが。
 締めとしてもう一度言わせてください。

 一生ものの宝物です。

2010年9月1日水曜日

Blogtitle更新:『Reservoir Dogs』(ブログ二周年記念)


 タイトル部画像、更新しました。

 本日2010.9.1を持ちまして、我らがブログ『映画好きの二人』は、開設から丸2年となりました。

 このページも風変わりし、新たなカテゴリーが生まれたり、お互いの映画に対する考え方が変わってきたり・・・
 色々変化はありましたが、そんな私達を常に原点に返してくれる『管理人の関係(イメージ)』に使用している画像:『Reservoir Dogs』に敬意を表し、1周年記念に続き、今回も作ってみました。

 今年は互いに忙しかったり、また、のめり込みすぎて感想が纏められない作品が多かったりで、記事数を中々増やせないでいますが、色々工夫して、皆様に我々の”映画への愛”を伝えられたらと思っております。

 最後になりましたが、こんな言いたい放題なブログでも、時々チェックしてくれている読者の皆様、そして元気を頂ける様なコメントを下さった方々、感謝感謝です。


 今後も日々邁進してまいります。
 なにとぞよろしくお願いいたします。


では、
Just keeps on truckin'!

 

2010年8月22日日曜日

梅太@ DVD:『俺達チアリーダー』

この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします

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 今日は日本未公開(DVDスルー)映画の紹介。


●スポ根、恋愛、王道展開の気持ちよさ:『俺達チアリーダー
監督:ウィル・グラック
出演:ニコラス・ダゴスト、エリック・クリスチャン・オルセン、サラ・ローマー



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 ストーリーは。

 高校のアメフトチームのモテモテスーパースターの二人組み:ショーンとニック。
 もう校内の美女は喰い尽くしてしまった(?)彼らは、ある日「チアキャンプ」の噂を耳にする。
 そこはもちろん、チア・リーダー達がこぞって集まる合宿の場所。
 そこに眼をつけた彼らは、自校のチア・リーダー部に付き添って、チア・キャンプへと赴くが・・・

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 素晴らしいのは主人公二人組み:ショーンとニックのコンビネーション。
 特に映えるのが会話のテンポで、返しの巧みさ・面白さの絶妙なコンビネーションは、まるで曲にあわせたチアのパフォーマンスを見ているみたいで。
 そんな軽快なテンポを保ったまま、気持ちよく最後まで突っ走る映画です。

 『俺達~』系で、未公開で。
 パッケージからしてもおバカ映画な括りをされてしまっている映画ですが、これは”単なる”おバカ映画ではなく、”極限に”おバカな映画なわけであるけれど、実は青春スポ根、恋愛映画としても王道を貫いていて、実によろし。

 チアキャンプでは最終日に競技会があるのですが、そこで強敵チームを打ち負かそうと励む姿が熱くさせてくれたり、ショーンがアタックするも無関心であったヒロイン:カーリーが、徐々に絆されていく姿は、定番であるが故に素晴らしい。(ツンデレというやつか?)

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 一つ、嬉しくも哀愁漂うシーン。

 チア・キャンプの、夜の野外映画上映があるのですが、そこで流れている映画が、キルスティン・ダンスト(以下K.D.)主演『チアーズ!』なのです。
 『チアーズ!』は、チア・リーダーを真摯に描いた最初で最後の作品だと僕は思います(2や3が製作されたりもしましたが)。
 なので、チアに青春を費やす人々が集まるこのチア・キャンプで流すには、まさにベストチョイス。
 キャンプに参加している人全員が、劇中の印象的な台詞を暗記しているというのも面白かったです。
 バイブル的な扱いなのでしょうか。

 こんなところでK.D.に逢えると思ってなかったのでその嬉しさでいっぱいでしたが、反面「そうか、『チアーズ!』も”こういう”使われ方をするようになったのか・・・」と、時代の流れを感じてしまいました。

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 オススメ未公開作品の一本です。

 オマケで、本作予告編




 と、

 DVD販売に合わせた秀逸な宣伝VTRをご紹介。



 「女をオトす、7つのルール」と題し、劇中のナンパシーンをセレクトした動画。
 アメリカは、コメディ映画に対して真剣ですよね。
 どこまでも笑わせよう、楽しませようという姿勢が見えて、大好きです。

 ちなみに本作の監督:ウィル・グラッグの最新作は、先日『ゾンビランド』(傑作!)にて、極めて遅すぎる日本でのスクリーンデビューを果たした、日本未公開映画界のアイドル的存在:エマ・ストーン主演の『Easy A』です。
 恐らくこれも未公開になるのだろうなぁ。
 でもそんなエマ・ストーンを、僕は今後も追っていきます。

↓↓↓予告編↓↓↓





 間違えました、いや間違えては無いけれど、以下本家予告編。


↓↓↓予告編↓↓↓




 話が逸れました。

2010年8月15日日曜日

梅太@ 劇場:『ネコを探して』

この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします

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●変わらない仕草、移ろい行く意味:『ネコを探して
監督:ミリアム・トネロット
主演:世界中のネコと、その周りのヒト

 世界の猫を巡るドキュメンタリー。
 しかしその実、追っているのは人間の歴史や文化であって。
 人間ではない「外の目線」、第三者の視点から見たとき、ヒトはどう写るのか。
 そこがとても興味深かったです。

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 飼っていた黒猫:クロが、突如としていなくなった。
 飼い主は場所を超え、時空を超え、クロを探す。
 クロを追う度、飼い主は様々なネコ、様々なヒトにで会う。
 その出逢いが飼い主の、ネコを観る眼と、そして世界を見る眼を変えていく。

 設定こそファンタジックだけれど、これはネコとヒトを追ったドキュメンタリー映画。
 フランスの女性ジャーナリストがメガホンを取った。

 ここ近年『ヒトとケモノの関わり方、ヒトがケモノに対して持つ思い』というものを考えていた僕にとって、この映画は解決へのヒントを少し、与えてくれたように思います。

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 例えば。

 今も昔も、本能に基づいて生きているケモノにとって、その行動と言うのはまず変わらない。
 食べたければ食べる。
 寝たければ寝る。
 子孫を残し、死んでいく。
 ただ、それだけのこと。
 それだけのことを遠い昔から変わらずやってきたわけである。

 これは考えてやっていることではなく、本能的に行っていることである。

 ただヒトは、思考能力がある。
 ケモノの行動に、ひいてはそのケモノの存在自体に、必ず意味を求める。
 そして導き出した意味を、勝手にケモノに貼り付けては、一喜一憂している。

 これはケモノ目線からしたら、ちょっと迷惑なことではなかろうか。

 本作で題材とされたネコ。
 皆さんは、ネコといわれたときどんなことを思い浮かべるだろうか。
 自由?
 勝手気まま?
 別にネコは考えてそうしているわけではない。
 本能的にそういう風に生きているだけである。

 しかしその生態は、19世紀フランスの社会情勢下では「自由の象徴」として扱われた。
 少し前の時代では、悪魔の化身など「不吉なものの象徴」として扱われていたのに・・だ。
 そして今の時代、特に日本に見られる傾向として、ネコは商業には欠かせない存在であり、またペットブームという事も重なり、「癒し」や「安らぎ」を与える存在として扱われている。

 何度も言うが、ネコの行動は一つとして変わっていない。
 しかし変動する世界情勢、それによって変わるヒトの価値観によって、ネコが行動する「意味」というのは移ろっている。
 が、共通していることが一つあるとすれば、それは「”ヒト”にとって都合の良い意味」が付けられているということなのではないかと思った。

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 それが顕著なのが、商業的な一面が色濃く出ている現代の日本なのだ。
 服を着せたら、ネコが嬉しそうとか。これなんてホント、人間の勝手である。
 また、バウリンガルに対抗したミャウリンガル。
 これで表示される言葉も・・・いや、勿論販売するからにはある程度ネコの生態にあわせているのだろうけれど、この映画で指摘していた一言、

 「ミャウリンガルで表示される言葉に”助けて”はない」

 それはそうだ。
 保健所で泣き喚いているネコにミャウリンガルをつけたら、恐らく助けての連呼になるはず。
 このシークエンスは、保健所でこれから”処理”されてしまうネコたちの映像に重なり、かなり胸に突き刺さった。

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 また、ネコカフェの映像も映し出される。
 ネコカフェではまさに癒しの存在の象徴として、ネコが扱われている。
 やれ、あの子がカワイイだの。
 やれ、あの仕草がカワイイだの。
 (・・・・うん、カワイイのは確かなのだけど)

 ただ、ネコカフェでインタビューを受けていた一組のカップルの言葉は、インパクトが強かった。

 女性の方の、
 「ネコって、子供の時から大人まで、ずっとカワイイじゃないですか。人間はそういうことないので。それってすごいですよね」

 この言葉を受けて、男性が言う。
 「人間って、相手の嫌な面とか見てしまうと、飽きて離れるじゃないですか。そいういうの、ネコにはないですよね」

 心底癒されたその表情から発せられたこれらの言葉は、僕をゾっとさせた。

 それは何故といえば、「人間が今、ペットをどういう風に見ているか」ということを考えてみると分かる。

 ペットに服を着せたり。
 話しかけ方、対応の仕方(健康管理とか)などが、まるでヒトに対して行っているのと同等(もしくはそれ以上?)であったり。
 つまり擬人化というもので、今のヒトたちはネコを、ネコというものを超えヒトとして扱ってしまっている部分がある。

 そう考えた上で、先の言葉をもう一度読んで欲しい。
 これは極めて危ない発言ではないだろうか。
 ヒトとして扱われるネコも、嫌な面を見せられると、飽きられてポイ・・・ということに、なるのではないだろうか。

 いや、なるのではないだろうかなんて、言っていられないかもしれない。
 野良猫の多さ、保健所で”処理”されてしまうネコの多さを考えたら、それは既に始まっているのかもしれない。

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 さて、言いたいことは尽きないのだが、とりあえずここで纏め。

 この作品は数多くのことを考えさせてくれる。何か取っ掛かりを与えてくれる。
 それはネコ単体での話しでなく、ヒトを含めた生き物全体へと、話を昇華できる。

 その中でも僕は、本記事中でも散々言ってきたのでもう飽きたかもしれないが、

・「人間にとって都合の良い意味づけ」
・時代と共に移ろい行く”意味”(ネコは何一つ変わらないのに。。)

 という2点を、とても強く感じたし、考えるキッカケともなった。


 「こういう作品だと思わなかった」

 劇場を出る際、チラと聞こえた一言。
 今のヒトたちがネコに対して求めているもの、そしてこの映画で監督が描きたかったことのズレを感じさせる、ズバリな一言でありました。

 この一言を素直に観客に引き出させただけでも、この作品は成功なのではないでしょうか。

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 ・・・久々にまともにブログ記事書いた気がする。
 いつもどういう風に書いていたか、感覚を若干忘れてしまった僕。
 あと、言葉に落とし込む手法も、なんだか取り戻せてないな。
 やはり定期的に書かねば。

2010年8月8日日曜日

梅太@ 劇場:『劇場版仮面ライダーW Forever AtoZ運命のガイアメモリ』

この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします

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●Uの憂鬱/ウソから醒める瞬間:『劇場版仮面ライダーW Forever AtoZ運命のガイアメモリ

 昨年のこと。

 口にするのも若干おぞましい平成仮面ライダーの10作目『ディケイド』の、TV版~劇場版に対する一連の騒動(?)について、僕はかなりキツい批判をした。
 そのとき、言われたことがある。

 「別に子供向けのものなんだし、そこまで突っ込まなくてよくないか?」

 ちなみに誰に言われたかは全く覚えていないのだけれど、言葉だけが引っかかった。

 僕は近年、映画、もしくはサブカルチャー全体に対する思いが強くなれば成る程、仮面ライダーへの不満が募っていく傾向にある。

 映画作りとはつまり、「一つの作品の中に、自分の考えを表現”しきる”」という行為である。

 2時間なら2時間。
 その中で、如何に自分の表現したいことを収めるか。
 そこまで崇高なものでないにしろ、自分のやりたいことをいかにやり切るか。

 「子供向けだから、その辺のバランスを無視してもいい。」
 「どうせそんな部分には気にしないし、大丈夫だろう。」

 そんな妥協を、許せない自分が居る。最近。


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 さて、今日は『仮面ライダーW』の劇場版を観てきました。
 本シリーズは、この10年の歴史を通してみてもズバ抜けた出来の良さを誇っていると思います。
 だからこそ、『ディケイド』で離れた僕の心を繋ぎとめたわけです。
 
 また、よくわからないディケイドとのコラボもようやく終わりを告げたので、単品で巣立つ今回の劇場版を、僕はかなり期待をしておりました。
 

 感想としては・・・・「振り切れなかった!」である。

 いや、正直に言うと。
 途中までの出来は、本当に素晴らしかったと思う。
 100点です。コチラとしては。
 『電王』以来、久々にそう思った。

 TVシリーズからの系譜(つまり、「予備知識的なものが必要」)・・・というマイナス要素を入れ込んでも、それを打ち消すだけの力はある。

 ”特撮”というものが満足すべきたった一つの最低(にして絶対的な)条件をキッチリとクリアしていたし、柄にもなく(いや、いつもどおり?)、燃えてしまった。

 というより泣いた。ちょっと。

 だが、たった一つの異分子により、全てが醒めてしまった。
 他の部分が素晴らしかったが故に、そのシーンの異質さがより際立ってしまっていた。
 醒めた。冷めた。

 全体の流れを完璧にするため、全体のプロポーションを整えるため、そのシーンを削除しようとは、考えないものなのだろうか。

 ・・・・いや、わかる。
 仮にも10年、全てのシリーズを観てきたし、全ての劇場版を観てきているから、そういう展開があることは予想できたし、鑑賞前も「どうせそういうことあるんだろうなぁ」と、薄々感じていた。

 ・・・・うん、わかる。
 確かにファンサービスというものも必要だとは思う。
 ある程度は。

 ・・・・ただ、待ったをかけたい。
 それは、なんというか、”ファン”という存在に頼りすぎてはいないだろうか?
 それで、いいのだろうか。


 仮面ライダー、という枠を超え。
 特撮、という枠を超え。
 一つの”作品”として、形に残そうとは、思わないものなのだろうか。

 最後10分、ずっとそれだけが頭に残っていて、どんなに良いシーンが展開されようとも、その考えが頭から振り切れず、苦虫を齧りながら、劇場を後にした。
 なんだか本当に、絶望が僕のゴールだったかもしれないなぁ。今回は。


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 なんだか最近は、拘りが強すぎて。
 劇場内で、心地よい”ウソ”から醒める瞬間が、ものすごく嫌。

 「気にしなきゃいいじゃん」
 「そこまで考える必要あるの?」

 うん、そうなんだけどね。
 
 でも世の中には、その”ウソ”に終始浸らせてくれる素晴らしい作品も、確かに存在していて。
 そういう作品に数多く出会っていると、こういう粗が、ちょっと嫌。

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 さて、今月でTVシリーズも終わりです。
 どういう結末を迎えるのでしょうか。

 ちなみにTV版で唯一登場しなかったWのマキシマムドライブは、本劇場版で初お目見えいたします。


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 仮面ライダーを本気で考える。
 なんだこの23歳。



 

2010年8月1日日曜日

梅太@ 雑記:『銀座鉄道』の昼

この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします

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 以下、某SNSに書き込んだ写真の展示会の感想なのですが、恐らく「”何か”を表現する」という意味で、映画にも精通する(というか、精通させるべき)部分が含まれていますので、コチラにも書いておきます。


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 「写真には物語がある」

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 今日は先輩のご紹介で、銀座はリコーフォトギャラリー:RING CUBEにて開催中の写真展示会『銀座鉄道』に行ってきました。
 (HP ⇒ http://www.ricoh.co.jp/dc/ringcube/event/ginzatetsudo.html)

 感想を書く前に、まず話があらぬ方向に飛びます。

 僕の最上の趣味は映画鑑賞。
 最近は鑑賞後、”観客としての視点”より、”作り手の視点”を意識するようになった。
 (いや、僕は作ってないけれど)

 これは大学での映画の授業の影響や、”芸術”というものはいかなるものか・・というのを、以前友人と話したことも関係している。
 
 友人曰く、

 「芸術とは、自分が発信したいと欲する”ある思い”を、何かしらの媒体を通して表現したもの」

 らしい。
 この言葉は、今でも僕の”芸術”の考え方の主軸になっている。
 これを意識し始めたことが、先に述べた”作り手の視点”を考え始めたことに繋がる。
 そして”作り手の視点”を意識すると、自分がこれまで精通していない分野のものに対しても、初見でもかなり楽しめるようになった。

 例えば。

 昨年初めて観た歌舞伎。
 何の予備知識もなく観にいったわけだけれど、そこから得られるインスピレーションは沢山あった。

 大衆娯楽とはなんぞや?、ということ。
 歌舞伎って、も~~~ったり台詞を言ったりするけれど、それは何故や?ということ。
 見得とは何の意味があるのか?、ということ。
 そして、何故歌舞伎というものは、「このような表現方法」を選んだのか?、ということ。

 いくつか挙げてみて、劇の内容に一切触れてないという部分にお気づきの方もいるかと思いますが、うん、それは御尤もな話で、恐らく僕の今後の課題になるとは思う。

 ただ僕としては、映し出された”そのもの”よりは、その裏にある作者の思いに、思いを馳せるのが好きなのだ。

 それを考えることで、その人と成りが見えてきたり。
 文化が見えてきたり、歴史が見えてきたり。
 そういう楽しみ方が、”今の”僕のトレンドなわけである。
 今後、どうなるかは分からないけれど。

 「作り手は何故、こういう表現をしたのだろう」
 それを考えることが、今の僕の何よりの楽しみなわけだ。

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 ここからやっと、展示会の感想。

 写真”だけ”を長時間眺める機会はなかなかなく、しかも展示会なんて初めてだったので、なにをどうしたらいいのか。
 しかし受付らしい受付もなく(係りの人とかもいなかったし)、気張らずに観れました。
 また外の熱気・喧騒を、室内の冷気・静寂から窓を通して眺めるというのも、楽しかったです。
 六本木に、こんなカフェがあったんだよなぁ・・・話が逸れた。

 入り口には、この展示会のコンセプトが書いてありました。
 恐らく何をするにもコンセプトというのは考えられるだろうけれど、僕はそこを意識するのも好きなのです。
 今回の展示会のように、沢山の写真を飾る場合、見る側の意識をどこへ持っていくかという手助けにもなりますしね。
 特に僕みたいに、普段写真を眺めない人の場合、どこをどう見ればいいかという、一つの指標になります。

 この展示会は、タイトル『銀座鉄道』にあるように、鉄道に関する様々な場面を切り取っていました。

 都会の電車、田舎の電車。
 それらを観ていると、旅をしているように感じられたり。
 新旧モデルの電車をみて、鉄道の歴史を感じられたり。
 また電車そのものではなく、レール、そこで働く人、駅を使用する人の日常風景などを切り取っていたり。
 およそ「鉄道」と聞くと、素人考えでは電車を撮ればいいやと思ってしまいがちです。
 しかしなるほど、周辺を写すことで、電車は孤立しているものでなく生活に密着しているものなのだな・・・と、改めて感じました。

 そしてこの展示会で面白かったのは、やはり複数人の写真が一度に見れる・・・というところでしょうか。
 コンセプトに基づき、「鉄道を撮る」・・・といっても人によって見方は違います。
 周辺の景色を入れ込んで、自分が見たその全体的な雰囲気を切り取る人。
 マクロな視点でモノを見る人。
 レールを写すにしても、晴れの日雨の日で違ったり。
 春夏秋冬があったり。
 撮影者側でも、ツボに入る風景と言うのは違ってきます。

 でも「表現したい何か」が込められていれば、それはやはり素晴らしい芸術作品です。
 以前先輩が、

 「写真は指先一つで作れる芸術作品」

 と言っていましたが、まさにそうだなと。



 ある一つのコンセプトに沿って写真をとっても、その視点や価値観は枝葉のように広がっている。
 なんだか一本の木を見ているみたいで。
 なるほどそれが展示会と言うものか・・と。

 言い過ぎた?

 

▼▼▼▼▼▼

 さて、ここからは僕のディープな世界に入っていきます。

 以前観た映画で、こんな台詞がありました。

 「写真には物語がある」

 ここでまた話を少し逸らしますが、僕は散歩が好きである。
 といっても何を見よう!というわけではなく、唯、その街の雰囲気、その街の”今”の雰囲気を、歩きながらゆっくり感じ取るのが好きなのだ。

 で、長らく散歩してきて思ったことは、

 「”今”を観るということは、同時に”過去”を観ることではないか」

 ということ。

 例えば僕が「いいなぁ」と思った、一軒の家。
 それは僕が観る前から、そこにあったわけだ。
 僕が散歩し、その建物を見た瞬間、急にそこに登場したわけではない。

 僕が今観ているこの建物は”今”の様子だけれど、その”今”にいたるまでの”過去”が、当然のごとく存在するわけで。
 そこを感じ取るのが、僕は好き。

 さて、話を戻そう。

 写真は”今”を切り取るもの。
 例えば一輪の美しい花を、「8月1日 11:30:12」に撮影したとする。
 しかしその花には「8月1日 11:30:11」の姿があったわけで。
 もっと言えば昨日の姿、一週間前の姿(もしかしたら種かもしれないけれど)も、あったはずだ。

 種を植えられ、水を与えられ。
 頑張って芽を出して、光合成して、成長して。
 そしてある日、ある人にその美しさを見出され、撮影された。

 ある瞬間を切り取るのが写真だけれど、その「ある瞬間」に至るまでには沢山の物語があり、その「次の瞬間」から、その花はまた新しい物語を紡いでいく。

 また、その写真を撮った人にも、その花を撮影するまでに様々な物語があったはずだ。
 そしてその物語の途中、ふと眼を奪われ、その花を撮影する。

 よく、

 「同じ写真は二度と撮れない」

 と聞く。
 それは表面的に言えば、光の加減、天候などのことを指すと思うのだけれど、内面的に観ると、僕は、上記したようなことが関係してくるのではないかと思う。

 ある花の物語。
 それを撮影した人の物語。
 それが「8月1日 11:30:12」に、偶然交差し、一つの作品が生み出される。

 それはもう、絶対に撮れない一枚で。

 そして誰かがその写真を見たとき、その写真を観て、その誰かが心打たれたなら。
 きっとその「物語」は、他の人へ伝わり、派生していく。

 そう考えると、写真って何て素敵なものなのだろうと、思えてくる。

 ロマンチックすぎた?




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 結局のところ、写真展の感想は少ししか書いていないですね。
 宣伝にもなりゃしない。まったく。失礼致しました。

 僕みたいに普段写真をじっくりと眺めない、楽しみ方が分からないという方でも、肩の力をフっと抜いて観れる空間ですし(あと冷房効いてますから)、休日を少し使って、訪れてみてはいかがでしょうか。



 

2010年7月21日水曜日

梅太@ 弐口メモ:2010.7.21

この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします

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Twinkle, Twinkle, Little Stone:『ショーツ 魔法の石大作戦』
監督:ロバート・ロドリゲス
出演:ジミー・ベネット、あまり日本で報われないが、君に逢えたなら・・・と常々思うカット・デニングス。

 本日7/21は、結局は日本未公開映画になってしまった『ショーツ 魔法の石大作戦』(原題:『SHORTS』)の発売日であった。

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 『SHORTS』とは、”短編集”のこと。
 だから僕も手短に感想を言うと・・・



「油断するな!」



 である。

 本作は・・・・といって結局ちょっと話しはじめるのだけれど、本作はロバート・ロドリゲス監督の新作である。
 ロバート・ロドリゲスには二つの顔がある。

・デスペラード(ならず者の為の映画)な顔
・スパイ・キッズ(子供の為の映画)な顔

 の、二つである。
 僕は前者の方が好きで、本作はあまり気に留めていなかった。
 アントン・イェルチェンに相談役を取られてしまった(イェルチェンなら許すけど)、日本で中々報われない僕の大好きな女優:カット・デニングスが出る!という点のみを考慮し、よし、とりあえず抑えておこうという感じだったが・・・


 「油断するな!」


 とてつもなく奇天烈で、これでもかと笑えて、拍手したくなるほど美事な作品でした。
 随所に施される工夫が、最後まで楽しませてくれます。




 思えばロドリゲスの魅力とは・・・・うん、この辺を話し始めると日を越しそうだからやめておこう。
 そして”短編集”になぞって短めに感想を纏めようと思ったけれど、これがまたまた長くなりそうだ。



 いつかちゃんと書きます。
 とりあえずメモ書き。


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 やっぱりカット・デニングスいいなぁ。
 ちょっとヤンキーっぽいカワイさが良いのだ。
 結局はそこが一番言いたいのだ。

 週末は『ディフェンドー』を鑑賞予定。
 カット・デニングスの出演作で、これまた日本未公開。
 あぁ・・・彼女は報われないのか・・・。悲しい。

2010年7月18日日曜日

梅太@ 劇場:『借りぐらしのアリエッティ』

この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします

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●あの夏に置いてきた、小さな”わすれもの”:『借りぐらしのアリエッティ
監督:米村宏昌
出演:志田未来、神木隆之介


 青春、という言葉から思い出される季節は、圧倒的に夏が多い様な気がする。
 それはなぜだろうか。
 着ている服が薄くなるように、心もどこか、開放的になるからだろうか。

 何にせよ、「夏」というのは、その言葉だけでドキドキしてしまう。
 「夏の出逢い」というものに、憧れてしまう。

 そしてできることなら、この作品の様な出逢いがあったなら、いいな、と思う。
 いやもしくは自分が忘れているだけで、もしかしたら子供時代は、こんな出逢いをしていたのかも・・・


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 ストーリーは。
 心臓の手術を控えた少年:翔は、母が出張中に、親戚の家で一週間を過ごす。
 親戚の家を訪れた初日、翔は庭で、小さな小さな女の子を見かける。

 彼女の名はアリエッティ。”借りぐらし”をする、小人族の一人であった。

 翔は、小人の世界を知る。
 アリエッティは、人間の世界を知る。

 二人の出逢いは、互いの”世界”の見方を変えていく。

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 『借りぐらし』のアリエッティは、小人のお話である。
 人間の住む家のちょっとした隙間から入り込み、必要最低限のものを”借り”て、生活している。
 彼らの住まいは、僕達の家の下。
 普段は気にもしない、暗闇の中。

 さて。

 ファンタジーとは、非現実的な物事を描く。
 しかしそれを紡ぐ作者は、現実に生きる人たちである。

 だから、彼らが紡いでいる物語には、現実世界の中に着想があるはずで・・・

 最近、そういう事を考える。
 素晴らしいファンタジーを観るとなお一層考えてしまう。
 「この人たちはいったいどこからヒントを得ているのだろう・・・」

 そう考える時間、思いを馳せる一時が楽しい。
 この作品の着想の一つとして、僕が考えるのはこれだ。

 家の中で、モノをなくす。
 探しても探しても見つからない。
 しかし、しばらく時間がたったころ、それはあっさりと見つかってしまう。

 「なんでこんな目立つところにあったのに、見つからなかったのだろう」

 作者は考えたのだと思う。

 「きっと誰かがそれを、一時的に”借り”ていたのではないだろうか。」

 誰が?
 それは例えば、小さな小さな人間が。
 でもそこは自分の狭い部屋。
 いくら小人だからって、いつもいる場所だし、一目くらいは見ていてもおかしくない。
 彼らは一体、何処に住んでいるのだろう。

 「そうか、きっと彼らは、家具や床下の狭い狭い隙間に住んでいるんだ、そうに違いない。」

 そうやって人間は、不可思議な出来事に遭遇すると、想像で埋めようとする。
 特に、”ハッキリ”としないものは、想像の宝庫である。
 ”ハッキリ”と見渡せない暗闇の中に、何かいるのではないか。
 ”ハッキリ”と分からない事象には、何が絡んでいるのだろうか。

 そうやって想像することで、人生を楽しくしている。
 そしてその想像を言葉で表すと、本になる。

 作者が想像した創造物が、人の手に渡り、また新たな想像を生み。
 そしてまた、何かが創造される。

 人が想像することをやめない限り、魅力的なファンタジーは、止まることなく生み出される。
 それは僕にとって、とても嬉しい連鎖であると思う。

▼▼▼▼▼▼

 以上のようなことを考えながら、翔とアリエッティの出逢いを見つめる。

 翔にとって当たり前だと思っていた世界の中に、突如としてイレギュラーが入り込む。
 自分の知らない世界があったことを知る。
 現実と、ファンタジーが出会う瞬間だ。

 涙しか出てこなかった。
 想像力の勝利である。

 二人の出逢い以降、僕の想像力は様々な方向へ飛翔していく。

 ただ、風が吹くだけで。
 ただ、草木が揺れるだけで。
 ただ、窓に小石がぶつかるだけで。
 ただ、床が軋むだけで。
 そして。
 ただ、そこに自然と言うものがあるだけで。

 そこには”何か”が潜んでいるのではないか、と思ってしまう。
 そうやって”想像する”だけで楽しくなってしまう。

 それは「夏」という言葉を聞くだけで、”何故か”それだけでドキドキしてしまう感覚に良く似ている。
 この夏、これから起こるであろう出来事を”想像”するだけでワクワクしてしまう。

▼▼▼▼▼▼

 物語は大きなスペクタクルがあるわけでもなく。
 ポニョのような、ド派手な水走りがあるわけでもない。
 ラピュタのようなバルスもない。

 ただ夏が来て。
 ただ二人が出会った。

 それだけの話だ。

 しかし、自然の中でゆっくりと過ぎていく中で、小さな楽しみを見つけ出す。
 その小さな楽しみを、想像力によって、大きな楽しみへと昇華させる。

 そんな夏を、久しく過ごしていなかった様な気がする。

 小さな紙切れに、翔が書いた「わすれもの」の一言。
 僕はあの頃の夏に、ただ想像するだけの楽しさを、忘れてしまったかもしれない。

 それは今からでも、とりにいけるだろうか。


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 この夏は、ワクワクする日々を過ごしたい。

 そんなあなたにオススメの一本。
 いや、必見の一本。

 是非是非、劇場で。

 大好きな作品です。

2010年7月17日土曜日

梅太@ 弐口メモ:2010.7.16

この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします

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ハウルの動く心


 「美しくなければ、生きてる意味なんて無い」

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 『ハウル』と言っておきながら、まず別の話をするけれど・・・

 やはり僕の中で、『ポニョ』というのは特別な作品であったように感じる。
 あの作品があったおかげで、宮崎駿が彼の全作品を通じてやりたかったこと、表現したかったもの、伝えたかった思い・・・というのが、僕の中でかなりクリアになった。

 それはこれまでのジブリ映画の見方を変えさせたし、少なからず、私生活においても影響を与えた。


 今日は、『ハウルの動く城』がテレビでやっていた。
 僕はこの作品を劇場では観ていないし、『ポニョ』を観る前にテレビ放映していたのを見たのが初めてだった。

 あのころ・・・といってもたったの2,3年前だけれど、あのころ見えなかったものが、『ポニョ』があったおかげで見えるようになってきた。

▼▼▼▼▼▼

 しわくちゃになったソフィー。
 醜い姿と化すハウル。
 しかし二人は互いに心を惹かれあう。
 外見なんて、問題じゃない。
 大切なのはその人の本質。

 主要人物二人に焦点を当てると、これはこれはとてもストレートな作品であるように感じる。

 しかし注目したいのは、タイトルにもなっている『城』である。
 まるでガラクタをかき集めて、何も考えずにゴチャゴチャとくっつけ、とりあえず『城』としての体裁を整えている様子は、まるで現代人の姿、そのものではないだろうか。

 あれが大切。これも大切。
 あれを持っておいたほうがいい。 これは捨てられない。
 まぁとりあえず、持っとけば損はしないだろう。

 そうやって色々なものを心にくっつけて。
 そうやって色々な価値観を、あたかも自分のもののように見せかけて。

 ”本当に集めたかったものは何か”
 ”本当に大切なものは何だったのか”

 そして、

 ”何が何でも譲れない、守りたい、と思えるものは何だったのだろうか”

 というのを、次第に忘れてしまう。


▼▼▼▼▼▼

 クライマックスのシークエンス。
 カルシファーを『城』の外へ連れ出すことで、城は崩壊してしまう。

 カルシファーはどういう存在か。
 それは劇中で明かされる。
 ここでも明かしてしまうが、カルシファーはハウルの心だ。

 ”心”を一度、外へ運び出す。
 ”別の視点”で、その”瓦礫の山”を見つめなおす。

 自分は何て沢山のものを、背負い込んでしまっていたのだろうか。
 そう思うのではないだろうか。

 「オイラを外へ連れ出すと、どうなるかわからないぞ」
 カルシファーの吐いた、さり気なく、何も違和感の無いこの台詞。

 一歩外へ踏み出すことの難しさ。
 踏み出すことで変わってしまう色々なもの。
 それらを考えて、前へ踏み出せない現代人の気持ちを象徴する言葉に聞こえてしまったのは、僕だけだろうか。

 カルシファー(=城)は、もう一度動き出す。
 こんどはもっと、シンプルな形で・・・だ。
 そしてまだまだ崩壊を続けていく。
 最後に残ったのは、板切れと足。

 中のものがむき出しのこの状態は、色々なものを剥ぎ取った、その人の本質を表現していると思う。
 その本質は、その心は、小鳥の様に温かい。

 そして剥き出しの状況下で、彼らは”素直な”気持ちをぶつけ合う。

 あなたを愛しています・・・と。


 もし、自分の大切なものが見えなくなったら、自分の心を、色々な方向からグルグルと見つめ直してみるといい。
 グルグルグルグル、メリーゴーランドに乗って。
 そうすると、人生の本質が見えてくるかもしれない。


▼▼▼▼▼▼

 ハウルの心=カルシファー=城

 それらを”動かす”ことで見えてくる、自分と言う存在。
 タイトルだけで10杯くらいは軽くご飯が食べられる、素晴らしい作品です。

 こういうものを比喩的に表現できる宮崎駿の手腕に、最近本気で嫉妬する。

2010年6月14日月曜日

ゲン@ 劇場:『NINE』

ゲンです。
ジメーッとした陽気になってきましたね・・・嫌な季節です・・・

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『NINE』
@TOHOシネマズ 西新井(3/21鑑賞)

※先に観た梅太くんの感想はコチラ


『シカゴ』のロブ・マーシャル監督がメガホンを取り、『イングリッシュ・ペイシェント』のアンソニー・ミンゲラ監督が脚本を手掛け、トニー賞受賞の同名ブロードウェイ・ミュージカルをオールスター・キャストで映画化。
主人公に『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』のダニエル・デイ=ルイス、彼を取り巻く女たちにマリオン・コティヤールやニコール・キッドマンらアカデミー賞受賞者がきらびやかに華を添える。

企画の話を聞いた一昨年から、ずっと公開を楽しみにしてた作品が遂に公開!
ここ数年はミュージカル外れナシ伝説なので、とても期待してました♪

ゴージャス!!! 映画は男と女と愛と歌で出来ている!!!

あーもー素晴らしかったー!
これほどまでに「ゴージャス」という言葉がハマる作品は他にないでしょうw

もうOPの数分だけで、1800円置いて帰ってきてもいいくらいに震えました!


ストーリーはというと、新作の撮影を控えたかつての巨匠、今はスランプ中の映画監督が、妻やら愛人やら女優やらスタッフやら、撮影に臨むまでに出会う様々な女性と繰り広げる妄想劇って感じですかね?

スランプ中の監督が新作のストーリーを悩み続けるのが「ストーリー」なので、映画としての脚本と考えるとちょっと苦しいお話w
ただその分、女性に対する想いをすべて妄想の中に入れ込んでしまってるってのは、潔くて個人的には好きですが。

そのおかげで、ミュージカルシーンが現実世界とは離れているので、ゴージャスでより際立って演出されてるのは素晴らしい!
それにより会話の途中から急に歌い出すっていうミュージカル特有の演出が少なく、そこが苦手な人でも入りやすい作品なのかも。

別に僕は、急に歌い出すのがダメな人じゃないですが、ミュージカルパートをガッチリ囲ってしまう戦法も、これはこれでありなのかもと納得できましたね。


ただこの作品の魅力は、やはり豪華な顔ぶれでしょう!

まず主人公の映画監督:グイドを演じるダニエル・デイ=ルイス!
『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』の渋ーいでオスカーを獲得しておりますが、今回はその渋さに加えて中年男のありえない色気が存分に放たれ、ホントに惚れ惚れしました!
巨匠のクセに自分一人じゃ何も決められない、大勢の女に目移りしてて愛想を尽かされる、とダメダメ男なんだけどドコか憎めないキャラクタのおかげで人脈には恵まれまくってるのが羨ましいw
つーか、美女にモテまくりだわよーなんだよー! キーッ!



そして、これでもかと集めに集めた美女達!

彼の妻を演じるマリオン・コティヤール!
『エディット・ピアフ』でアカデミー主演女優賞を獲得した彼女ですが、ダラしない夫をひたむきに支える姿が、奥ゆかしくて清楚なイメージが今回の役にピッタリ!
彼の愛人を演じるペネロペ・クルス!
もーペネロペ姐さん、フェロモン出過ぎ!
ドコまでサービスしてくれるのさ、あーた!
ご立派なお身体もですが、スペインなまりの彼女の口調は、いつ聞いても気持ち良いですね♪
ホント、ご馳走様でしたーw
彼を取材する記者を演じるケイト・ハドソン!
出演シーンは少ないながら、存在感は一番あったんじゃないでしょうか?
予告編でも使われてる「Cinema Italiano」の盛り上がりは異常ですよ!
あのパートはエンドレスで観てられるわー♪


彼の映画に出演する女優を演じるニコール・キッドマン!
いつ出て来るんだろうと思ったら、出演シーンが結構後半でヤキモキしてたけど、スポットが当たった瞬間のオーラが違いますねw
もーあっという間に掻っ攫ってくよー♪

彼が幼い頃に出会った娼婦を演じるファーギー!
「Be Italian」で魅せるあのギッツギツで露骨にエロい感じは何だろ、拷問に近いよw
砂とタンバリンであんなに興奮したのは初めてだしw

ダメダメな彼を優しい眼差しで支える衣装係を演じるジュディ・デンチ!
007シリーズのM役でも感じるけど、この人の恰幅のいいシャレた母性はホントに救われますね。
ただ印象には残っても華やかな役をあんまり観てこなかったので、今回のミュージカルの鮮やかさには涙モノでした!



ストーリー的には弱め、というかありそうで無い感じなので、そこまで評価できないけど、ありえない豪華な顔ぶれとゴージャスなミュージカルパートのおかげで、早くも今年4本目の満点作品になりました!

劇場で観れたことと、男に生まれたことを感謝せざるをえない素晴らしい作品!

極上エロ満足♪

2010年6月12日土曜日

梅太@ 劇場:『告白』

この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

●映画に全てを否定された絶望と喜び:『告白
監督は、中島哲也。
出演に、松たか子と32人の生徒達、他。


 本作は、間違うことなきエンターテインメトである。
 「笑っていいのかわからない」
 劇場を出ようとした女性客がポロっと言った感想は、以下に記す僕の感想の何倍もこの作品をよくよく表している。

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ストーリーは。

 舞台は中学。1年生の終業式の日に幕を開ける。
 春休み突入へあと一歩と浮かれた生徒達に、先生が”告白”する。

 「わたしの娘は、このクラスの生徒に殺されたんです」

 その一言は、彼らの胸に刻まれる。
 そして先生は辞職し、学校を去る。

 春休みが明ける。
 学校が始まる。
 生徒達の、生徒の母の、告白が始まる・・・

▼▼▼▼▼▼

 「告白」と聞くと、皆さんは何を思い浮かべるだろうか。
 愛の告白?
 罪の告白?

 「告白」とはなんだろうか。
 それは、他者の視点をスッパ抜いて、自分の思いを、価値観をぶつけることだと思う。
 これを知ってほしい、あれを知ってほしい・・・・と言うように。
 愛の告白であれば、あなたをどれだけ愛しているか。
 罪の懺悔であれば、わたしがどれだけ悔いているか。

 しかし自分の価値観と言うものは、他の視点で観ると、穴だらけであったりする。
 その穴を否定するか肯定するかは、人それぞれであったりする。

 僕は映画が大好きだ。
 本ブログで、僕は鑑賞した一つ一つの作品に「告白」をしているのだと思う。
 勿論ながら僕の勝手な、主観的な作品評であるから、穴だらけであることは自覚している。
 一度感想を書き上げ、その後様々な価値観に触れ、後日落ち着いて読み返してみると、「ばかばかしい」と感じてしまうこともあったりする。
 なぜ、書いているときにその「ばかばかしさ」に気付かなかったのだろうか。

 では、ある一つの「告白」をするときに、色々な視点を考慮する必要があるのだろうか。
 または、冷静に考慮することが出来るのだろうか。

 恐らくは、否であろう。
 出来たとしても、それには限界があるし、”様々な”視点を吸収したとしても、練り上げられた答えはやはり”一つ”になってしまう。
 何よりそんなことを考え始めたら、何も言えなくなる。
 やはり何かを語ろうとするとき、捨てなければいけない価値観がある事に気付く。

 全”知”全能という言葉が、人間にとって程遠いことを思い知る。

▼▼▼▼▼▼
 
 本作の主人公:悠子は、先生である。
 先生は、自分の受け持った生徒達を導いていかねばならない。
 生徒は複数人。価値観も複数ある。
 その価値観全てを、先生は、把握しなければいけないのだろうか。
 また、その価値観全てを、受け入れ、客観的に見つめ、良いことは褒め、悪いことは罰しなければいけないのだろうか。

 先生といっても、一人の人間である。
 やはり限界はある。

 本作で題材とされる”事件”は、命の重みを生徒達に考えさせるには絶好の機会であった。
 しかしその事件で被害にあった人物が、自分の身内であったなら?
 それでも冷静に、「命の重さを考えなさい?」と言えるのだろうか。

 「あなたたちの中に、犯人がいます」

 この一言をきっかけに、様々な人の価値観、様々な人の告白が交差する。
 僕達はその、一つ一つの告白を観て、考えさせられる。

・この事件は、許せないほど悲惨である。
・しかしこの犯人にも、犯行に至るまでの過去がある。理由がある。
・でも他の人から見れば、どんな過去を持っていようが、犯罪はいけないことである、と認識する。

 はてさて、観客は、このうやむやを何処へぶつければいいのだろうか。
 いくら探しても、僕には見つけられなかった。
 ぶつけるべき対象が見つからないのだ。

 恐らくは、娘を殺された先生も、同じであったのだと思う。

 いくら自分の身内を殺されたとて、「あなたは完璧に悪人です」と、言い切れなかったのではないだろうか。
 ”先生”が持つべき”多面的な”視点、”人間”としてどうしても手放せない”一つ”の視点。
 その間で、 悠子も揺れ動いていたのではないだろうか。

 黒板にわざわざ大きく書いた「命」の文字を、黒板消しで消してしまうその姿に、僕は戦慄を覚えた。

▼▼▼▼▼▼
 
 作品を隅から隅まで知っている人、それは作り手である。
 いわば作品の神である。

 映画の場合は監督である。
 本作は、人の数だけ物の見方があることを把握し、様々な人の告白を並べ立てる。
 そんな多面的な視点を操りつつも、監督の出した答えは”一つ”で、やはり本作も、一人の人間の主観的な「告白」なのだと思う。

 だから、穴もある。
 この作品を観た多くの人の中に、「ばかばかしい」と感じる人もいると思う。
 だけれど、肯定否定何でもいいから、僕はこの作品を観た人に考えて欲しい。

 登場人物が「告白」したこと、その思いを。
 監督が「告白」したこと、その思いを。
 「告白」することで、何をどうしたかったのかを。

 「笑っていいかわからなかった」
 観客の一人が口にしたこの言葉。
 なるほど、と思った。

 泣くとか、笑うとか、そういう安易な感動を押し売りし、エンターテインメント面している作品が如何に多いかを改めて認識した。

 色々な意味で、今、最も観るべき映画である。

▼▼▼▼▼▼

 スタッフロールが終わる。
 劇場が明るくなる。

 今見ている全ての世界。
 積み上げてきた全ての現実。
 今関わっている全ての責任。
 そして映画感。 

 「ばかばかしい・・・・」と思った。

 全てを否定されたような気がした。
 全てを投げ出したくなった。
 全てを一度リセットしたくなった。

 全てを、「どっか~ん!」と壊された。
 別に直接的に否定されたわけではないから、正確には”そんな様な気がした”。

 立つのがやっと。

 フラフラ歩いて喫茶店に入り、アイスコーヒーを頼む。

 コーヒーの黒い色を目で見て。
 氷がぶつかる音を耳で聞き。
 冷たいグラスを手で触り。
 香りを鼻で嗅ぎ。
 苦味を舌で味わう。

 五感全てを刺激して、今僕が、”現実”の中にあることを認識した。

 が、やはりまだまだ引きずっている。
 立ち直るまで、少々時間が必要かもしれない。

 しかし壊されたのなら、構成し直せば良い。
 自分の映画感が間違っていたと思うなら、正せば良い。

 それを認識すること、そこから「更正」の第一歩が始まるのです。






・・・・・・・・・なぁんてね。

ゲン@ 劇場:『運命のボタン』

ゲンです。
W杯の中継を見ようと思ったのですが、「ブーン」って音が不快で見ていられず・・・
南アフリカ特有の応援だそうですが、他の試合でもある様なら全部見れないなぁ・・・

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『運命のボタン』
@TOHOシネマズ 錦糸町(5/13鑑賞)

ボタンを押せば大金が手に入るが、代わりに見知らぬ誰かが死ぬという究極の選択を迫られた夫婦の運命を描くスリラー。
監督は『ドニー・ダーコ』のリチャード・ケリー。
出演はキャメロン・ディアス、ジェームス・マースデン。

不条理スリラーであんまり評判良くなかったですが、『ドニー・ダーコ』の監督なのと、好きな主演二人が共演ってことで劇場まで観に行って来ました。

古典スリラー+古典SF要素で映像的にもなかなか!

ホントに評判が良くなかったのでハードルを限界まで下げていきましたが、なかなか面白かったです。

ストーリーはというと、ある日突然自宅に「押すと100万ドルが手に入るが、見知らぬ誰かが死ぬ」という謎のボタンが届けられた夫婦が、段々と追いつめられていく様子を描いているのですが、スリラーとSFを融合して描く破滅的な閉塞感がタマらなかったです。

決して軽い気持ちで押したワケじゃないけど、その結果が段々と重く圧し掛かっていく様子は、米国中流家庭の悪循環ドラマのようなイヤーな空気が漂ってて、個人的には好きな展開。
最終的に迫られる「究極の決断」も、道徳的な流れで納得。


キャストですが、キャメロン・ディアス『私の中のあなた』に続いて今回も母親役。
『メリーに首ったけ』とか『チャーリーズ・エンジェル』とかキャピキャピしてた頃からファンですが、一時期は低迷してたので、また最近盛り返してきたので嬉しいですね。
元々表現力は素晴らしい女優だったけど、それが存分に活かせる役がこれからも続くといいなぁー

その夫を演じるジェームス・マースデンは、『X-MEN』のサイクロプスや『ヘアスプレー』のコーニー・コリンズ、『魔法にかけられて』のエドワード王子など、妙に印象に残る役が多い彼ですが、今回は作品が作品なだけに素敵な笑顔があまり観れなかったのはちょっと残念だったかも・・・
ですが、父親役という新しいジャンルを観れたのは良かったです。


『ドニー・ダーコ』の監督なので、映像的にも独特な雰囲気があって面白かったです。
古典スリラー特有の冷たく物静かな映像は、どこか恐怖感と不安感を煽られてドキドキしました。


大人版『ドニー・ダーコ』と言ってしまってもいいくらい、不思議な魅力を持った作品でした。

が、『運命のボタン』という邦題はちょっと的外れ・・・

原題の『THE BOX』の方が、色んな意味を含められて的確だと感じました。

2010年6月11日金曜日

梅太@ 雑記:走る

この記事は 公開初日にアイアンマン2が見れなかった 梅太 の名の下にお送りいたします

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
 
 幸いにも、僕はこれまでの人生で、コンスタントに”子供”と付き合っている。
 最近は行ってないけれど、卒園した保育園の夏のイベントに参加させてもらったり。
 実家に帰れば、13、18歳離れたチビっ子たちがいる。

 彼らと付き合っていると、気付くことがある。

 彼らは無意味に、走る。
 とにかく走る。そしてハシャぐ。
 僕達大人みたいに、「体力の温存」というものは一切考えない。
 ただひたすらに暴れ、力尽きる。グッスリ寝る。
 お父さんに背負われ、家路に着く。

 静かになったと思いきや、次の日はまたテンションMAX。
 この回復力は欲しい、と、最近思う。

 確か斉藤孝氏の本であったと記憶しているが、次への意欲は”完全燃焼”あってこそのようだ。
 無尽蔵かと思われる体力は、日々走り、無意味に走り、完全燃焼してこそ・・・
 理論的でなく、体でそのことを知っているのかもしれない。

 さて、自分の小さい頃を思い返してみると、やはり走っていた。
 これでもか!とエネルギーを使う。
 なんで?と考えてみるが、答えはみつからなそうだ。

 なんだか凄く高揚していて。
 内包しているエネルギーをとにかく爆発させたくて。
 無性に、走らなくても良い局面なのに、走っていた。

▼▼▼▼▼▼

 宮崎駿は、常に、「”今の”子供の為に」映画を作っているようだ。
 ようだ、というか、ヨーダ、というかそうなんだと思う。
 僕は、ポニョを観たときに、そのことを認識した。
 話が長くなるから、それはまた別の機会にする。

 ジブリの作品は、大抵子供が主人公である。
 そしてその主人公達は、気持ちいいくらいに良く走る。

 恐らく宮崎駿は、「子供の為」の映画を作るために、「子供」というものをよく観察しているのだと思う。

 面白いところは、”今の”子供ということを念頭に見てみると、トトロだろうがポニョだろうが、いつの時代の子供も走っていることだ。

 時代は移ろっていくけれど、子供の内に潜むエネルギー、そしてそれを発散しようとする衝動は、変わらないみたいだ。

▼▼▼▼▼▼

 さて、何故こんな話をしたかというと、理由はこれから3行ほどに及ぶ。

 仕事を終えて帰路に着き、TSUTAYAに寄り、『かいじゅうたちのいるところ』のBlu-rayを買ったのだけれど、店を出た時「これから見ると日を越すなぁ」・・・と思い立ち、予告編だけ改めて見返してみたら、これがとんでもなく素晴らしい予告編と言うことに気付いたからである。



 予告編では、主人公:マックス君を始めとして、かいじゅうたちが兎に角走り回る。

 この、無駄に走り回る姿を見ていると、なんだかそれだけで涙が出てしまうのだ。
 「子供」というものを良く表現した美事さ、というのもあるし、作品をよくよく理解し、”そういう風”に予告編を構成したスタッフの腕前に感銘した、というのもある。
 あとやはり使用曲、Arcade Fireの『Funeral』も素晴らしい。
 (特に1:27あたり、走る後姿をポンポンポンと繋いでいく編集は圧巻)

 ただやはり一番の理由は、この無意味なエネルギーの爆発が、僕の眼に、何故だか異様に煌いて映ってしまったからだ。

 今はもう、無駄に走る、ということをしなくなったなぁ。

▼▼▼▼▼▼

 はてさて、以上のような観点からすると、子供はとても素敵な存在と思えてくるが、彼らは時に、”かいじゅう”と化す。

 こちらが気にしていること、言葉にはしたくないことを、ズケズケとハッキリ言ってくる。
 彼らは抑えるということを知らない。
 なぜなら子供は、エネルギーを爆発させる存在であるから。

 しかし彼らは、それがもたらす破壊力を知らない。
 自分ではイイコトを言っているかと思いきや、知らぬうちに他人を傷つけてしまう場合もある。
 いつの間にか恨みを買ってしまう場合だってあるかもしれない。
 子供の、いや、”かいじゅう”の破壊力と言うのは凄まじいものだ。
 それが意識してやっていることでないから、なおさら始末が悪い。

 このことを素晴らしく描いているのが平成ガメラ3部作の終章:『イリス覚醒』であるが、これもまた別の機会にしよう。

 では僕達大人は、いつ、”抑える”ということを覚えたのだろう。
 「これが相手を傷つける」と、いつ、自覚したのだろう。

 その、”いつ”、”どうやって”は、恐らくは一瞬のものであったと思う。
 自分で「認識した!」と思えないほど、一瞬のものであったと思う。

 その一瞬を、ゆっくり、そして優しく教えてくれるのが、『かいじゅうたちのいるところ』である。

 ”いつ”は、人によって違うと思う。
 ”どうやって”もそうだけれど、僕がこの作品を観て出した一つの答えとしては、「相手の立場になる」と言うことだと思う。

 「これを言われて、これをされて、相手はどう思うのだろう」

 自分を相手に置き換える。 
 それを意識し始めたとき、それこそ、大人へのスタートなのだと、この映画は教えてくれたように感じる。

 勿論、意識し始めたからと言って、全てうまくいくわけではない。

 大好きだから、ケンカしたりもする。
 近くに居るのに、見えなくなったりもする。
 相手のことをよく知っているはずなのに、時々わからなくなったりもする。

 さて、そういう時どうしたらいいだろう。
 と、考え始める。

 そうやって少しずつ、”相手”を意識して、僕達は大人になっていくのだと思う。


 坂本真綾:『走る』
 やはり菅野時代のマアヤはいいなぁ。


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 予告編の約2分間を、思いっきり引き伸ばしてみた。
 ということは本編100分を見たとき、僕はどうなってしまうのだろう。

 『かいじゅうたちのいるところ』感想↓
 ゲンさんのはコチラ
 梅太のはコチラ
 

2010年6月10日木曜日

ゲン@ 劇場:『フィリップ、きみを愛してる!』

ゲンです。
いよいよ『アイアンマン2』の公開ですが、仕事で観に行けず・・・
でも、来週の水曜に川崎IMAXまで行って来ます!

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『フィリップ、きみを愛してる!』
@新宿ピカデリー(3/15鑑賞)

刑務所内で出会った運命の相手に「愛してる」と伝えるため、詐欺と脱獄を繰り返した男の実話を基にしたドラマチックなラブストーリー。
出演はジム・キャリー、ユアン・マクレガー。

実話を元にしたゲイ映画ですが、主演のジムとユアンが恋人を演じるって事でかなり楽しみにしておりました!

それでも恋するゲイ詐欺師!

あー濃ゆい濃ゆいw
よく考えると素直に笑っていいのか分からないストーリーなんだけどw


ストーリーはというと・・・
ゲイであることを隠し続けてきたスティーブン(ジム・キャリー)がある事件をきっかけにカミングアウト!
ゲイとしてゴージャスに生活する為に詐欺師になるが、合えなく御用!
収容先の刑務所で出会ったフィリップ(ユアン・マクレガー)に一目惚れ!
彼と甘い生活のためなら、脱獄でも詐欺でもやってやる!
ありとあらゆる嘘で塗り固め、ついに二人はゴージャスな生活をはじめるが・・・


とにかく主演二人のキャスティング勝ちですね!
主人公:スティーブンを演じるジム・キャリー!
一目惚れしたフィリップのため、学歴や保険金など様々な詐欺を働くのですが、マシンガントークではったりをかます様子はジムにピッタリ!
相変わらず顔が良く動いてましたw

そんな彼がゾッコンなフィリップを演じるユアン・マクレガー!
もうユアンがゲイを演じるって聞いたときから、似合いすぎると思ってましたが完璧でしたw
あの透き通った一途な眼差しは、ゲイ以外の何者でもないよ!
ジム・キャリーもカメレオン俳優ですが、勿論ユアンの演技力も確かなものがありますから、文字通り、身体を張った演技合戦はかなりの見物でした!


映像としては所謂、BL的な腐女子さんが興奮するような美しい描かれ方はされておらず、笑える程度にナマナマしい感じw
(別にBLよく知らないので分からないけども・・・)

かと言って、ゲイをバカにしてるようなワケでもなく、むしろヒューマンドラマに近いような展開なので、脚本的にもなかなか面白い作品であると思いました。

まぁ、僕は一人で観て安心しましたけどもw

2010年6月9日水曜日

ゲン@ 劇場:『書道ガールズ!!わたしたちの甲子園』

ゲンです。
今日は劇場で2本連続鑑賞しましたが、どちらも精神的に辛い作品で、余計に疲れが・・・
でも両作とも面白かったので、満足は出来ました♪
その作品のレポも追々で・・・

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『書道ガールズ!!わたしたちの甲子園』
@MOVIX亀有(5/21鑑賞)

縦横10メートル以上もある紙の上で、音楽に合わせ書をしたためるパフォーマンスがテレビ番組で放送され、大反響を呼んだイベント「書道パフォーマンス甲子園」を映画化した青春ドラマ。
紙の生産高日本一を誇りながら不況で停滞した町の活気を取り戻そうと、「書道パフォーマンス甲子園」を開催すべく奮闘する女子高生たちの姿を描く。
主演は成海璃子。

『武士道シックスティーン』に続いて『○○道』で主演の成海璃子。
『武士道~』がちょっと弱かっただけに期待してました。

あー・・・いい話だけど、やっぱりあざとい・・・

「青春×部活」モノって結構ツボのような気がしてたんだけど、どうしても狙っていい話にしようとし過ぎて、あざとさが目立っちゃうんだよなぁ・・・
変にコミカルにして笑かそうっていう空気も好きじゃないし・・・

狙ってるにも拘らず、見せ場の書道シーンは前半はかなり地味目。
どんなに動き回ろうと半紙と筆だから、ビジュアル的には弱い。
こんなんで大会シーンはどうなるのかと思ってましたが、クライマックスではやっぱり見せ場にあるもんですね。
急にカラフルな墨汁をつかって色鮮やかな作品を書かれると、ダイナミックさが増し、若さも相まって非常に力強い空気をスクリーンから感じられました。

が、肝心な場所で寒気がするような演出。
今どき、あんな演出つけようて思うセンスが信じられない・・・
アレは流石にないだろう・・・一瞬で冷めた・・・


キャストですが、主演の成海璃子はやっぱり今が旬な女優ですね。
剣道に続いて書道ですが、「和」なオーラを持ってるので、どう転んでもハマり役になると思ってましたが、今回も良かったです。
ただ、実力的にはまだまだこんなもんじゃないだろうから、これからの活躍にさらに期待したいです。
二十歳超える前に、青春モノにトコトン出まくって欲しいw

あと高畑充希って娘の赤メガネ&髪止めが激ツボだった。
同じく、今後の活躍に期待しときます。


余計な演出はいらないから、極力地味に撮ってもらいたかった作品。

前半は抑えに抑えて、クライマックスの大会シーンで派手になったら、感動して泣いちゃったかも。

それくらいの要素はもってるだけに、あざとく狙ってくるのは残念でした。

2010年6月8日火曜日

ゲン@ 劇場:『シャーロック・ホームズ』

ゲンです。
明日・明後日とお休みですが、また映画館に入りびたりますw

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『シャーロック・ホームズ』
@TOHOシネマズ 錦糸町(3/14鑑賞)


世界一有名な探偵:シャーロック・ホームズがついにハリウッドで映画化。
監督は『ファイトクラブ』のガイ・リッチー。
出演は『アイアンマン』のロバート・ダウニーJr.、『A.I.』のジュード・ロウってことで期待しておりました。

スタイリッシュな映像としっかりとした世界観!

いやいや、期待通りの面白さでした。
相変わらず原作をよく知らない人間なので、どの程度ピッタリだとかは分かりませんが、いい意味で探偵っぽくない感じが魅力的でした。

ホームズってあんなにコミカルな人間だったですね。
ワトソンはあくまで「助手」ってイメージでしたが、もう「相棒」とか通り越してそれ以上になくてはならない存在。
一応、原作者側の意向として、ホームズとワトソンの関係が「探偵と助手」以上の描かれ方をした場合(早い話、ゲイっぽい場合)、即刻製作を中止するとキツく命令をされてたようですが、アレはギリギリセーフなのかな?w


映画的な話をすると、探偵を主人公にしてるクセにかなりのアクション映画風な感じ。
監督がガイ・リッチーなだけあってか、早いカット割りとスローを多用した編集でスピード感と緊張感を同時に描き、さらに爆破で迫力もプラスされてて、エンタメ性としては100点に近いと思う。
クラシカルで暗めの世界観のおかげで、変に行き過ぎた演出にならず、どんなに派手になってもどこか落ち着いた雰囲気を残す映像は素晴らしいです。

それでいて推理パートは推理パートで、順を追ってキチンと描いているので、アクションで盛り上がりすぎてちょっと離れてしまったストーリーにも、良いタイミングで冷静に引き戻される。

アクションシーンがスタイリッシュな上に、推理パートも見事。
この完璧な緩急を味わえる作品はなかなかないだろうと思います。


キャストですが、何と言っても主人公:ホームズを演じるロバート・ダウニーJr.!
彼の存在ってのはハリウッド映画で唯一無二だと思いますね。
基本的にオジさんなんだけど、ダンディでコミカルな2.5枚目。
肉的的な強さと知性を兼ね備えた素晴らしい演技でした!

そのホームズの相棒:ワトソンを演じるジュード・ロウ!
ホームズに振り回されながらも、決して彼を裏切らない優秀な彼氏w
謎の女性:アイリーンを演じるレイチェル・マクアダムスの大きな瞳も魅力的でした♪


製作当初からシリーズ化を前提として作られてきただけあって、そのしっかりとしたクラシカルな世界観とアクション性と謎解きを兼ね備えたスタイリッシュな映像は、ほぼ完璧!

早く続編の製作が待ち望まれる作品でした!

2010年6月7日月曜日

ゲン@ 劇場:『武士道シックスティーン』

ゲンです。
青春モノが楽しめるようになるのは、三十路超えてからだ!と知人から言われましたw

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『武士道シックスティーン』
@テアトル新宿(5/8鑑賞)

照的な二人の女子高生が、剣道を通して成長していく姿を描く。
かたや剣道一筋、かたや剣道をエンジョイする女子高生をそれぞれ演じるのは、『罪とか罰とか』の成海璃子と『ハルフウェイ』の北乃きい。

主演の二人がそれぞれ好きなので、共演ってことでそこそこ楽しみに劇場に観に行って来ました。

キラキラして爽やかだけど、もう一押し欲しかった!

シンプルなスポーツ青春モノらしくて良い作品ではあったけど、いまいちパンチに欠けてたのが残念だなぁ・・・

ストーリーはというと・・・
幼いころより剣道に打ち込み、ある無名選手に負けたことを根にもっている香織(成海璃子)は、入学した高校で再会したライバル・早苗(北乃きい)に再会するも、彼女はとても練習熱心とは言えない選手だった。
最初は香織の気迫に押され気味の早苗だったが、次第に真剣勝負の醍醐味にハマっていく・・・というお話。


見所は主演二人のギャップ。
武士道一直線の成海璃子に対し、楽しむことに一生懸命な北乃きい。
お互いのキャラクタが上手く表現されていて、絡んだ時に発せられる空気が可笑しくって思わず笑ってしまうのと同時に、爽やかにスポーツしちゃってる二人がとても輝いてました。

成海璃子はストイックさの中に、どこかヌケっぽいトコがあるのが良いですね。
キリッとした眉もカッコイイし。
いや、『罪とか罰とか』のヌケきってる感じも好きだけど!
腕と足のたくましさも、今回は役に活かされてて良かったんじゃないかとw

で、それに対する北乃きいの爽やかさたるや、そりゃもーお腹いっぱい♪
『ラブファイト』で彼女にハマったけど、がむしゃらに頑張ってる姿が似合いますなー♪
変な意味じゃなく、出来る限り彼女には制服を着ててもらいたいです。
変な意味じゃなく。


そんな感じでキャスト的には文句無いんですが、脚本的にはちょっと残念。
前半はコミカルに、後半でスポーツモノとしての展開を出してくるんですが、クライマックス前で話を深くするために脚本を落としこむんだけど、前フリが全然効いてなくて浅い所でしか話が進んでないのがガッカリ・・・

前半でキャラ設定にこだわり過ぎて、二人の関係を単なるキャラだけで面白おかしく説明しちゃってるんで、後半にどんなにいい話をしようとしても、感情移入が全く出来ない。

多分、あの二人だったら余計な演出とかしないでも、地のキャラで関係を表現できるはずだから、変にコミカルなトコまで持ってかないでもいいのになぁ・・・


キャストも素晴らしいし、題材も面白いだけに、変にドラマを付けようとして脚本で失敗してるのが勿体無い。

この二人の共演は、また違った形で観てみたいですね。

2010年6月6日日曜日

ゲン@ 劇場:『プリンセスと魔法のキス』

ゲンです。
やっぱりディズニーの手描きアニメは最高ですね!

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『プリンセスと魔法のキス』
@丸の内ピカデリー(3/8鑑賞)

アメリカ・ニューオーリンズを舞台に、ひたむきに夢を追う女性とカエルの姿に変えられた王子とのラブ・ストーリーを描くロマンチックなミュージカル・アニメ。

久々の本格ディズニー・プリンセス!ってのに加えて、6年ぶりの手描きアニメ!ってことで、すんごく期待しておりました!

これぞ王道ディズニー・プリンセス! 本家本元の実力復活!

いやーホントに良かった! スゲー楽しかった!
ディズニーの2Dアニメで心の底から楽しい!って思ったのって何年振りだろう?

最近ではピクサーに押され、3DCGアニメの波にも飲まれ、実写作品の『パイレーツ~』『魔法にかけられて』では評価を残してきましたが、完全に衰退していたディズニーの2Dアニメ。
一時は完全撤退してしまいましたが、この作品でいよいよその力を取り戻しましたね!

今回はファンタジックなディズニー・プリンセスでいて、かなりのミュージカル作品。
舞台になってるのがアメリカのニューオリンズってことで、ジャズを基調としたノリの良い黒人音楽がベースになってて、聞いていてとっても気持ちが良かったです。
ちなみに音楽を手がけたのは『トイ・ストーリー』『モンスターズ・インク』でも作曲のアカデミー賞常連のランディ・ニューマン、流石です♪


そしてそれ以上に圧倒されるのが、やはり手描きディズニーの底力!
ニューオリンズが港町ってこともあり、水や船、夕日と言ったモノまでロケーションも完璧で美しかったです。

人間の表情や動き、背景の美しさ、光と魔法の表現力・・・
CGでは決して描けない、温かさと緻密さが感じられます!

その中でも今回注目したいのは、「影」の表現力!
ディズニーではおなじみの「悪い魔法使い」が今作でも登場するのですが、そのキャラクタが操る「影」がホントに凄い!
映像的にも演出的にも、もうマジでヤバ過ぎ!
あまりに素晴らしくて、ちょっと寒気がしました!


また映像だけでなく、脚本的にもかなり優れていると思いました。
製作総指揮にピクサーを立ち上げ『トイ・ストーリー』を作り上げた大天才:ジョン・ラセターを迎えていますが、彼の素晴らしいのはストーリーの落とし込み。
去年公開されたディズニーのCGアニメ『ボルト』でも製作総指揮を務め、その手腕を発揮していましたが、今回もまた大活躍。
「夢と魔法」で終わってしまいがちなファンタジーに、少し寂しくなるような現実的なエッセンスを加えることで、ストーリーが一気に深みを増してより素晴らしい作品になっています!

元々はディズニーのアニメーターで、ディズニーから除け者にされて会社を飛び出したラセターですが、今ではディズニーの手がける2D・3Dアニメ全ての企画に携わり、なくてはならない存在になりました。
彼が製作賞指揮を執り続ける限り、ディズニーのアニメは安泰でしょう♪
夏の『トイ・ストーリー3』にも激しく期待しております!


CG?・・・3D?・・・笑わせるな!

21世紀も「手描きディズニー」は健在じゃい!!!!


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やっぱり手描きディズニーは最強だよ・・・うんうん・・・
『魔法にかけられて』の冒頭で、ディズニーの手描きアニメを十数年ぶりに観たけど、あの数分でちょっと泣きそうだったもの・・・
今回の本格的に描き込まれた作品は、本当に嬉しいです♪

2010年6月5日土曜日

ゲン@ 劇場:『月に囚われた男』

ゲンです。

昨年の「勝手に映画コラボCOCKTAIL」フェアでもお世話になりました、
お友達のみぃさんがやっている「東京カフェブログ」で、ウチのブログを紹介して頂きました!

自分もお店に行く時に参考にさせてもらっておりますので、
良かったらのぞいて見て下さい♪
(掲載記事)

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『月に囚われた男』
@恵比寿ガーデンシネマ(5/14鑑賞)


地球に必要不可欠なエネルギー源を採掘するため月の基地に滞在中の男が奇妙な出来事の数々に遭遇するSFスリラー。
デヴィッド・ボウイの息子ダンカン・ジョーンズが初監督に挑み、男の悲しく恐ろしい運命を描く。
主演は『フロスト×ニクソン』のサム・ロックウェル。

予告編が気になっていた所、低予算ながらかなりの高評価だったので、劇場まで観に行って来ました。

秀逸なSFスリラー! サム・ロックウェルの演技の幅に圧倒される!

半分はサム・ロックウェル目当てで観に行ったようなものだったので、正直ここまで面白い作品だとは予想外でした。

ストーリーはというと・・・
月の裏側で新たなエネルギー資源の採掘する任務を就く男:サム(サム・ロックウェル)は、3年の勤務期間の終わりを2週間後に控え、たった一人で働き続けていた。
そんなある日、故障した採掘機の中で「ありえないモノ」を発見する。
それは自分と全く同じ姿形をした男だった・・・

イキナリですが、以下ネタバレでレポを書きます。

知りたくない人はスルーをお願いします。

~~~~~~以下、ネタバレ~~~~~~

予告編を観た段階で大体の展開は予想できてましたが、まさにその通りでした。
たった一人で月で働くを男を派遣した会社は、そんな辺鄙な場所に何度も人員を送るのは勿体無いと、最初からその男のクローンを大量に作って月に保管しておき、3年の任期毎に「地球に帰す」と偽って男を消去。
新たにクローンを目覚めさせ、偽りの記憶を書き込んで3年の任務に就かせる・・・というオチ。

で、この大まかな流れは初めから予想できていたのですが、それ以上に惹かれたのがクローンの人間性。
本人に自分がクローンであると感づかれてはいけないので、同時に2体以上の男が月に存在してはいけないはずが、ある手違いで二人が顔を会わせてしまう。
当然初めは戸惑いますが、徐々に任務に疑問を感じ始め、自分達がクローンであることを察します。
しかし、同じ姿形をしているのにも関わらず、素直だったり荒っぽかったり性格が全く違うのに、元は同じ人間だからなのか最終的には上手くまとまります。

クローンを扱った作品は今までいくつか観てきましたが、どれもがオリジナルに対する苦悩を描いた作品が多い中で、単純にその方向だけではな部分で脚本の落としこみをしてくる辺りに独創性を感じて、後半はかなり面白い展開でした。

また、主人公のサムを演じるサム・ロックウェルは、常に一人だけで画面に登場し、後半からは何役もこなしているのですが、キチンと人物によって全く違う性格を演じ分け、その演技の幅に圧倒されました。
サム・ロックウェルって「ノリの良い兄ちゃん」っていうイメージが強かったので、ここまで幅のある演技が出来るものかと驚かれてました。


低予算で取られたにも拘らず、秀逸な脚本と俳優の素晴らしい演技力によって覚醒した良作のSFスリラー♪

劇場で観て、損はなかったです!

2010年6月4日金曜日

ゲン@ 劇場:『ハート・ロッカー』

ゲンです。
ムシムシしますね。

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『ハート・ロッカー』
@TOHOシネマズ みゆき座(3/8鑑賞)


イラクに駐留するアメリカ軍の中でも、最大の危険を伴う爆発物処理班の兵士を描き、2009年の賞レースを席巻した戦争アクション。
命知らずの兵士と仲間との確執と友情を軸に、緊張感あふれる爆発物処理の現場をリアルに映し出す。

昨年度アカデミー賞で多くの賞にノミネートされ、見事作品賞を獲得した作品ですが、念のため強調しておくと「発表当日の朝」に観に行きました!
お昼に観終わり、劇場出てしばらくしたら賞獲得のニュースが入ってきたので、ギリギリ間に合いました!
まぁ、前評判はなかなか良かったので期待はしてましたけど、タイミング良過ぎw

圧倒的な迫力とリアルな緊張感! ハラハラして胃が痛くなる!

まぁードッキドキでしたわー
戦争映画って言うと戦争自体の正当性だとか、非情さとかを訴えかける作品が多いですが、こういった切り口で描いた作品は初めてだったので非情に興味深くもありました。

ストーリーはというと、イラク駐在米軍に派遣された「爆弾処理班」のある軍曹の任務明けまでの38日間を追った作品ですが、まるでドキュメンタリーでも観ているかのような構成で、入口としては映画を観ている感覚では無かったように感じました。

真夏の中東、灼熱と砂の地獄のような環境で、ほんの少しのミスが「死」へと直結する任務。
テロの爆弾処理という仕事は、ミサイルでも打ち込んで無理やり爆破してるものだと思っていました。
実際そういった場面もあるようですが、周囲への被害も考えて、ほとんどの場合は兵士が自らの手で解体を行っているそうですね。

そんな過酷な任務にも拘らず、果敢に爆弾へと近づいて解体していく男達。
何なんだろか・・・あの迫力は・・・


それとは別に感じたのは、戦場の兵士の心理描写が生々しいなぁと。
最近でもよく誤爆のニュースが報道されますが、長く戦場にいる兵士の心理状態というのは、かなり滅入っていると聞きます。
まぁ、毎日リアルに生死の瀬戸際を感じているのですから、当然と言えば当然ですが、誤爆の報道ばかりが先走り、兵士の心理状態まではあまり注目されません。

街中の市民が全員敵に見えてくる・・・
ビデオカメラですら、ロケット砲に見えてくる・・・

そんな状況の中で行われる「爆弾の解体」というセンシティブの極みの様な作業。
何なんだろか・・・あの緊張感は・・・


さらに驚くのは、これだけガッツリした作品を女性監督が撮ったということですね。
勿論、戦争映画ですから血が出るシーンはありますが、印象としてはかなり控え目で、それ以上に映像的にも面白いカットが幾つかあって、リアルさを感じる作品でありながら、映画的な演出効果も面白いという、なかなか美味しい作品だと思いました。

2010年6月3日木曜日

ゲン@ 劇場:『タイタンの戦い(3D字幕版)』

ゲンです。
今週末からまた期待作の公開ラッシュ!
上半期最後の追い込みですねw

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『タイタンの戦い(3D字幕版)』
@TOHOシネマズ 六本木(5/14鑑賞)


ギリシャ神話をベースに、神々の王ゼウスの息子として生まれながらも人間として育った青年ペルセウスが活躍するアクション・アドベンチャー超大作。
監督は『トランスポーター』のルイ・レテリエ、主演は『アバター』のサム・ワーシントン。

『トラポ』のルイ・レテリエが久々にガッツリしたアクションをやってくれるので、結構期待して観に行って来ました。

『トラポ』1作目以来の傑作アクション!

いやー、やっとこれで「ルイ・レテリエ復活!」って言えるわw
『インクレディブル・ハルク』はそこそこだったからなぁー

一応81年に公開された同タイトルのリメイク作品ですが、大元の元ネタは「特撮の父」と呼ばれるレイ・ハリーハウゼンの作品。
ストップモーションと実写の合成を多用した特撮映画のですが、今回は3D上映されているにも関わらず、実は撮影は通常のカメラで行われました。
で、それを編集の段階で立体的にする「アフターコンバート」と呼ばれる手法だったので、3Dで観ることを懸念していたので通常上映で観る予定だったのですが、スケジュールの関係で泣く泣く3Dで観ることに・・・
どんだけなんだろうかと不安でしたが、思ったよりも普通に立体的でした。

ほとんどのアクションシーンでCGを多用していて、実写のみのシーンがあんまり無いので、そこまで問題無かったのかもw
まぁ、無理やりぼやかしてるのが目立つ場面もいくつかありましたが、言われなければ気づかない程度だと思うので、気にならないかもです。


そんなことより、やはりルイ・レテリエはアクションの才能が素晴らしい監督だと改めて確認できました。
激しいカット割りと早いカメラワークで、今回もやたらと挑戦的な編集。
そしてカットを早くした分、犠牲になってしまいがちな迫力を、主演のサム・ワーシントンの力強い肉体で補強w
まさに理想的なタッグです!w


3Dでアクションなので目は疲れましたが、劇場で観れて良かったと思えた作品。

サム・ワーシントン以上に、ルイ・レテリエには今後も頑張って頂きたいです!


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ホントに3Dが不安だったけど、そこまで違和感は感じませんでした。
モチロン、普通の3DやIMAX3Dと比べたら遥かに見劣りしますけど・・・

でも、まだまだアフターコンバートは不安だなぁ・・・
『バイオハザード4』も当初は通常上映の予定だったけど、3Dブームに乗るべく、同じくアフターコンバートで3D上映が決定されました。

確か予算ギリギリのはずなので、下手すりゃ大赤字になるんだろうが・・・

色々不安なんだが、1作目以来のポール・W・S・アンダーソンが監督に復帰するので、普通に観れれば楽しめるんだろうけど、やっぱり心配だなぁー