この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします
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世に存在する競技を描いた映画がある。
サッカー(『GOAL』等)、テニス(『ウィンブルドン』等)などなど。
そういう映画を魅力的に見せるには、魅力的なストーリーがないといけない。
でもストーリーが魅力的なだけでは面白くない。
誰だって、見るよりもやる方が楽しいわけだから、伝えることをしっかりと伝えたうえで、映画(映像と音)でしか表現できないような競技の描き方も必要になってくる。
さて、今日ご紹介するのは『ラスベガスをぶっつぶせ』(原題:『21』)という、「おいおいヒットさせる気ゼロだろ」という安直な邦題を配給元につけられてしまった作品。
主演はジム・スタージェス。ヒロインは、作品終盤の黒髪ボブカットが最高に魅力的なケイト・ボスワース。
ストーリーは、"21"歳になる青年がハーバード大への資金のためにブラックジャック(カードの数字を"21"に近づけるゲーム)で大儲けするという、実話を基にした作品。
そう。それに引っ掛けて原題が『21』なのですよ。
作中にギャンブルが出てくる作品は昔からありますが、最近で言えば『007 カジノロワイヤル』や『ラッキー・ユー』がありましたね。
この2作品は、どちらもポーカーを題材にしています。ポーカーの中でもテキサスホールデムという種類のものです。
テキサスホールデムはルールが少しややこしいですが、慣れてしまえばとても面白いです。
相手との知恵比べというところでも、画として見ていて魅力的であります。
『ラスベガスをぶっつぶせ』ではブラックジャックを題材としています。
配られたカードの数字を21に近づける。ポーカーに比べればとても単純で、ゲーム自体もかなり速いペースで進みます。
ですから、映像として観る場合は、ポーカーのような緊迫感はあまりありません。
さて、その問題を打破するために、この作品では編集と特殊効果を巧く使っています。
ブラックジャックのゲームペースをうまく利用した描き方で、お見事と思います。
また、この作品では「カウント」と呼ばれる手法を用いて確実に大金を稼ぐ様を描いていますが、カウントのルール自体は別に覚える必要はありません。
むしろ、カウントを使用している登場人物の眼の動き、体の動作、数字の読み上げ(ナレーション)等のテンポの良い編集に自分の眼と耳を委ねて、作品の、そしてゲームの軽快なムードに浸りましょう。
ここで、今日の記事の出だしに戻りますが、競技(ブラックジャックをそう呼べるかわからないけど)を描いている作品としては、魅力的に競技を表現しなければならない。
この作品は、そういう意味で満点に近いと思います。
ではストーリーに関して。お話は、
●主人公がゲームに勝ちまくって何もかもうまくいっている上り調子な前半
●親友との仲違いで集中できずに冷静さを欠き、ゲームで負け続け、
チームから見放され、警備員に殴られ、卒業不可となり・・・・一気に転落する中盤
という風に進んでいきます。
誰かが映画化したがるほどの実話なわけですから、やはり劇的なup↑down↓はあります。ものによってはdown↓で終わるものもあります。
でもこの作品では、
●自分の知恵と冷静さを取り戻し、仲間、お金、卒業と進学のすべてを取り戻す終盤
という、最後のup↑があるからこそ、映画を観終わった後スッキリな気分になるわけです。
劇場を出たときの爽快感は、今年観た映画の中でもトップクラス。
予告編も秀逸です。内容をとても良く表現した予告編はコチラ↓↓
この予告編を観ただけでもゲーム部のテンポの良さが伺えると思います。
この作品は邦題に見放され、公開時期(この頃は世間の目は『インディ4』に向いていたでしょう)にも見放された作品のように思います。
でも上に書いたように、競技の描き方とストーリー、両方合わせて、僕はかなり満足した作品です。
「winner, winner, chicken dinner」
この作品を観た後は、この言葉を口にしたくなるはず。
いやそれにしても、この映画を観てカウントをやろうとは思いませんね。
怖いおじさんにつれてかれる・・・・
2008年10月24日金曜日
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