2009年11月26日木曜日

ゲン@ 劇場:『脳内ニューヨーク』

ゲンです。
今週は頑張って更新します!

『脳内ニューヨーク』@渋谷 シネマライズ(11/22鑑賞)

『マルコヴィッチの穴』の脚本家、チャーリー・カウフマンが監督デビューを果たすエンターテインメント・ムービー。
人生に行き詰った人気劇作家が、自分の人生を再生するため、壮大な芸術プロジェクトの構想を思いつく。
主演はフィリップ・シーモア・ホフマン。

異色な世界観を毎回書き上げる奇才脚本家:チャーリー・カウフマンが、いよいよ監督デビュー!
しかも主演がP.S.ホフマンってことで楽しみにしてました。

カウフマンらしいパラレルなヒューマンドラマ♪

いやーなかなか良かったです!
カウフマンの作品って、設定からして異質なので、今まで観た作品でもそこでまず衝撃を受けて、そこから先には深く入れない自分がいたのですが、今回の作品は非常にゆったりとしたテンポでその世界観に引き込まれていったので、最終的にはどっぷりとハマってました。


ストーリーはというと・・・
人気劇作家のケイデン(P.S.ホフマン)は世間から高い評価を受けながらも、自分の作る作品に個性を見出せず、妻との関係も溝が出来てしまい、公私共に落ち込んでいた。
そんな彼の元に、ある日突然「天才賞」を受賞したとの知らせが届き、莫大な賞金を手にする。
自分の人生に行き詰まりを感じていた彼は、その賞金の全てをつぎ込んだ、前代未聞の壮大なプロジェクトを立ち上げる。
それは巨大なスタジオの中に、「もうひとつのニューヨーク」を作ってしまい、その中に生活する全ての人々にセリフや演出をつけ、舞台作品として作り上げる事だった・・・


と、ストーリーをざっと書いただけでもパラレルで複雑なんですが、これが映像になるとさらに複雑ですw
要は主人公の周りの人物たちに、それぞれ俳優を当てて、ホンモノのそっくりの緻密に作られたセットに入れてセリフや演出をつけ、演劇としてしまおうというお話。

主人公のケイデンは、上手く行かない私生活を、リアルな演劇で理想を叶えようと奮闘するのですが、そちらでも上手く行かずに悶々とします。
そればかりか、役の中でも微妙ないざこざがあったりして思うように進まず、ただ時間だけが過ぎていきます。

自分の身の回りを演劇にしているだけに、遂には「自分の役も必要だ!」と、自分自身の存在にすら俳優を当て、他の出演者に演出を着けている“自分”に、自分で演出をつけたりとドンドン複雑にw

ココまで来ると、ちょっとコメディが強く感じてしまうんですが、よくよく考えると、

その人に別の役を当てるって何?

自分じゃない誰かを演じるって何?


とか、そんなようなメッセージが随所に散りばめられているのに気づいて、すんごい深い部分を突いて来てるなぁとハッとしました。


主演のフィリップ・シーモア・ホフマンですが、また今回も彼の天才的な演技力が爆発しておりました。
観る映画観る映画で毎回驚かされます・・・ホントにこの人の演技力は恐ろしいです。


複雑で緻密、しかしそれを優しく包み込む温かさがあるのが素晴らしい!

でも完全には理解できない部分もあったので、DVDでもう一度観たい作品ですね。

面白いです!

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