2009年8月30日日曜日

梅太@ 予告編:『Lovely Bones』

この記事は これはやるでしょ?やるよね?やらなきゃそろそろ怒るよ・・・・な 梅太 の名の下にお送りいたします

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 今回ご紹介するのは、ピーター・ジャクソン監督の最新作『Lovely Bones
 同名小説の映画化。 

 ストーリーとしては。
 家族が大好きな少女(シアーシャ・ローナン)は、ある日、学校帰りに強姦され、殺されてしまう。
 娘の死をきっかけに崩壊していく家族。
 しかし娘は死後の世界から、そんな家族の成り行きを見守る。
 大好きな家族の再生を願いながら。

 ↓↓↓ 予告編 ↓↓↓

 


 『ロード・オブ・ザ・リング』でファンタジーの元祖を映像化したジャクソン監督。
 今回は、ストーリーを読むとドラマ色が強い作品に思える。
 そんな中、”死後の世界”のファンタジックな描写がものすごく素敵。
 映像の綺麗さというよりも、「よくもそんな描き方を思いついたものだ」と。

 これだけでも、大スクリーンで観る価値は十分にありそう。
 というか、ある。

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 僕が何故この作品に期待するかといえば、ピーター・ジャクソン最新作という以上に、シアーシャ・ローナン最新作と言う点である。

 ジョー・ライト監督作『つぐない』は、恐らくローナンがいなければ成立しなかったであろう・・・とすら感じる程、彼女の演じたブライオニーという役柄は強烈であった。
 そしてあの、青い瞳の美しさよ・・・

 さて、『つぐない』で評価されたにも関らず、以後の作品は、あまり目立ってない。
 特に日本では、話題にすらされていないような気もする。

 『つぐない』以後、『Lovely Bones』が出来上がるまで、2作品に出演している。

 一つは『City of Ember』(予告編)という作品で、アドベンチャーもの。
 日本未公開。DVDスルーとなってしまった。(2009.10発売 → 情報はコチラ)

 もう一つは『Death Defying Acts』(予告編)という作品で、フーディーニを題材にした、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ主演作。
 日本未公開の、DVDスルー。(2009.7発売 → 情報はコチラ)

 
 僕はいい加減、シアーシャ・ローナンを劇場で観たいのだよ。

 ただ、『つぐない』の後の作品を観ていると、ローナンの特徴である、ものすごく綺麗な青い瞳を活かしきれているのは、このピーター・ジャクソンの様な気もするな。



 アメリカで2009.12公開。
 日本ではいつでしょう。

梅太@ 予告編:『AVATAR』

この記事は 3D酔いする 梅太 の名の下にお送りいたします

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 今回ご紹介するのは、ジェームズ・キャメロン最新作にして、なんだか色々な期待が掛かっている『AVATAR』。

 ↓↓↓ 予告編 ↓↓↓

 

 何故にこの作品に期待が掛かっているかというと。

 最近は、徐々に「3D作品」が増えてきている。
 3Dメガネをかけると、スクリーンから人物や背景が浮き出して見えてくるというもので、2Dスクリーンでは表現し得ない立体感や奥行きといったものを感じることが出来るという。

 今公開されているものとして、『ハリー・ポッター』の最新作の本編の一部がそうなっているらしい。
 あくまで”オマケ”要素としての3Dと言うのが、現状である。

 現に、今の上映形態を見てみれば、3D用と普通用が別々に公開されるなどしている。

 そこで、20世紀キツネ社が、全力投球で3D映画を作ろうということで、キャメロン監督と手を組んだわけである。

 この作品の成功は、恐らく、「今後の映画製作において、3D映画は一つのジャンルとして確立されるか否か」が掛かってくる。

 以上が、期待その一で。

 あとはやはり、未だにその興業記録を破られていない『タイタニック』の監督の最新作ということで、作品内容にも期待が掛かっている・・・はずだ。


 アメリカで2009.12公開。
 日本でも同時期に公開する。


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 僕はまだ、3D映画に疎いからこんな話をするのだけれど。

 3D映画のDVDって、メガネが着いてくるらしい。
 『センター・オブ・ジ・アース』のDVDが、確かそうだった。

 このメガネは、壊れたりしたら交換がきくのかしら?

梅太@ 予告編:『WHERE THE WILD THINGS ARE』

この記事は これは観るしかない! 梅太 の名の下にお送りいたします

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 今回ご紹介するのは、スパイク・ジョーンズの最新作『WHERE THE WILD THINGS ARE』。
 日本では『かいじゅうたちのいるところ』と題し、2010早々に公開予定。

 紹介したように思ってましたが、記事整理していたら、紹介していなかったことに気付いた・・・
 先日映画館に行ったときに、チラシが出始めていましたね。

 遅ればせながら、ご紹介。

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 映画化への経緯として。

 配給元のワーナーさんは、スパイク・ジョーンズに同名絵本の映画化を依頼します。
 しかし、ウォシャウスキーの「大量のヒューゴ・ウィービング」というネタよりも先に、「大量のジョン・マルコヴィッチ」を思いついてしまったジョーンズ監督に、児童絵本の映画化を依頼した!というのが、まずもってすごい話。

大量のヒューゴ・ウィービング


大量のジョン・マルコヴィッチ


 途中試写は、子供達を招き入れてのものとなりましたが、出来上がってきたのがコレである。

 それは、子供も泣き出すわ・・・


 その後、予告編が徐々に公になってきた。 
 ストーリーとしては、主人公の少年の夢物語であるわけだが、児童絵本らしく、そこには家族の愛、心躍る冒険などが、多分に含まれている。

 ↓↓↓ 予告編 ↓↓↓




 つまり。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大好きだ!

 もう、僕は、この予告編だけでも、ジョーンズにありがとうと言いたい。

 CG全盛期の今、あえて怪獣を着ぐるみ(もちろん、ところどころCGは使っているようだが)でやってくれる。
 そして、醜いからこそ見えてくる、怪獣の心のピュアさ。

 僕のツボにハマらないわけがない。

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 ただ、試写版は編集や加工の粗い、お粗末なものだったらしく、出来上がってきたものを観たワーナーさんは見識を改め、ジョーンズの個性的な部分を全面的にバックアップし、公開にこぎつけたようです。


 本来であれば、もう一年早くお披露目されていた本作が、もうちょっとで公開となる。
 ものすごくうれしい。

2009年8月29日土曜日

梅太@ DVD:『イエスマン/YESは人生のパスワード』

この記事は 初見で気付かなかった自分を恥じてます・・・な 梅太 の名の下にお送りいたします

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 えぇっと、今日の記事はかなりぶっ壊れますので、ご了承ください。
 読みたい人だけ読んで・・・・

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 8/26に発売になりました『イエスマン/YESは人生のパスワード』のDVD。
 
 さて、この作品。
 ジム・キャリー久々の純コメディということで、かなり楽しめた作品でありましたが、今回DVDを鑑賞して、思ったことがある。

 これは、デシャネルファンの為の作品ではないのか!?

 僕は、『銀河ヒッチハイクガイド』で彼女に惚れて、出演作は色々漁っていました。
 といっても調べてみますと、日本ではDVDすら発売されて無い作品が多く、僕はそろそろリージョン・フリーのDVDプレイヤーでも買おうかと思ってます。
 この作品とほぼ同時期に公開された『Gigantic』(コチラで紹介)も、日本で公開されるかどうか・・・。
 ただ、『500days of summer』(コチラで紹介)は、来年早々に公開されるようなので、もう非常に楽しみ。

 話を戻しまして。

 初見(感想はコチラ)でも、あまりのキュートさにノックアウトされてましたが、今回2度目の鑑賞を終えると、もう、デシャネルファンの為に作品を作ったとしか思えない!!

 以下、画像と共に、その溢れんばかりの、というよりむしろ溢れているカワイさを紹介していきたいと思います。

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●登場
 アリソン(デシャネル)の登場は、上映開始から少し経ってから。
 つまりデシャネルファンにとっては、永遠とも感じられる時間をすごさねばならないわけである。

 カール(ジム・キャリー)は、友人の勧めで「YESMAN」セミナーへ出かける。
 そこで、「全てのことに対して"YES"と言う」という誓いを立てさせられたカールは、会場を出てると早速実践の場に恵まれる。

 ホームレス:
 車に乗せてくれ → イエス
 電話貸してくれ → イエス
 金貸してくれ → イエス

 これで、携帯の電池は切れるわ、車はガス欠するわ。
 徒歩でガソリンスタンドへ赴いたカールは、そこでアリソンと出会うわけである。

このヘルメットが似合うのは、世界でデシャネルしかいないでしょう







 「じゃ、車まで送るわ」と、アリソン。
 道中、運転しながら写真を撮ってしまったりもする。




say, cheese!




 無事、車まで着くことができた二人。
 「もう大丈夫?」とアリソン。
 「大丈夫、ついでにキスしてくれたらもっといいんだけど」とカール。

そんな、すごくうらやましい展開がこの世に存在するとは・・・







●ミュンヒハウゼン症候群

 ある日、カールが立ち寄ったライブハウス。
 そこでは、インディーズバンドのライブが行われていた。

 宇宙系バンド:ミュンヒハウゼン症候群。(完璧だ・・・このネーミング)

 そこでボーカルとして登場したのは・・・・なんとアリソンであった。






良い。良い。こんなのデシャネルしかできないよ・・



 


 そしてこのシーンに拍車をかけるのが、ファンの皆々様。


このローカル具合、たまらないです。







 ライブが終了。
 カウンターで再開するカールとアリソン。
 「一杯どう?」とカール。
 「私は飲まないの」とアリソン。がっかりするカール。しかし、
 「スクーターまで送ってくれる?」



それはもう・・・送りますとも。






●コスプレパーティー

 上司:ノーマン(この人もまた、良い味出してるんだ)に、コスプレパーティーに誘われたカール。
 せっかくだからと、アリソンも誘う。
 何のコスプレ?
 ワーナーで、魔法で・・・・・そう、ハリーポッター!



本家(エマ・ワトソン)を超えた!






●行き当たりばったり旅行

 さて、良いカンジの仲になってきた二人は、「今ちょうど乗れる飛行機に乗る」という旅行を実行する。
 空港でカールを待つアリソンの元へ、後ろから迫ってきた男は・・・そう、カール。
 カールはアリソンを抱きかかえ、受付へ。

 
彼女は手荷物です。






 旅行先、クレー射撃をする二人。
 初めてのアリソンは、戸惑いながらも銃を構える。
 


命中!





 命中して興奮するアリソンは、銃を振り回す。
 当然避ける、周りの人々。



そんな天然っぷりもツボ。





 突然の雨に見舞われ、近くの建物に非難する二人。
 そこへ、アリソンの突然の告白。

 「愛しちゃったみたい。前から好きだったけど、今、愛に変わったわ」
 そして抱き合う二人。

この、直角三角形な体制も、ツボ。








●ラスト

 


もはや、何も言うことは無い。







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 DVD販売は、それに乗じて様々なキャンペーンが催されたりします。
 例えば、監督、主演俳優の関連作品。
 ジャンルとしての関連作品。
 こういうキャンペーンは、見識を広げる意味でも、僕は結構活用していたりします。

 さて、このイエスマン。
 どんなキャンペーンが組まれていたかと言うと・・・・

 こんなのとか
 こんなのとか

 思わず、ウマイ!と唸ってしまいました。
 本編を観た人なら、分かると思います。



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 と、デシャネル中心でお送りした今回の感想。
 ただこれは、あくまで僕のデシャネル論でありますので、各自で自論を持てば良いと思います。


 ・・・・いや、そこを言いたいわけではなくて。

 コメディとして満点の出来ですし、なんだか元気も貰える作品であります。
 笑って笑って、そして萌えて。
 そんな、今年オススメの一本でございます。
 是非。

梅太@ 劇場:『G.I.ジョー』

この記事は 夏の戦隊モノは、アメリカの勝ち!・・・な 梅太 の名の下にお送りいたします

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●ハイテク装置で世界を守れ!アメリカ戦隊!:『G.I.ジョー
 監督はスティーブン・ソマーズ。
 出演にチャニング・テイタム、シエナ・ミラー、レイチェル・ニコルズ。あと、イとか。

 ゲンさんの感想はコチラ

 やっと鑑賞。
 夏の戦隊モノ合戦(仮面ライダー&シンケンジャーvsG.I.ジョー)は、アメリカの勝ちということで。

 ストーリーは、世界を滅ぼせるほどの威力を持つナノマシンを、取って取られての大合戦といったところで。
 ”ハリソンもどき”ことデニス・クエイド率いる「G.I.ジョー」と、クリストファー・エクルストン率いる「コブラ」が激突します。

 本作の見所は、最新兵器のオンパレードなアクション・シーン。
 以下、燃えた点、どうかなぁ・・という点に分けて、書きたいと思います。

▼▼▼ どうかなぁ・・・ ▼▼▼

 『ハムナプトラ』シリーズで、あんなに必死に頑張って砂の描写をしていたのに、本作は、「あれ・・・」と思うほど、CGがちゃっちぃところが多々あった。
 特に終盤の海中戦。
 
 アクションシーンというところでいうと、「G.I.ジョー」基地内での肉弾戦が、手持ちカメラでグワングワン揺れすぎていて、正直何が起こっているのかわからない部分が多かった。
 カメラ距離も近かった。
 イ・ビョンホンvsレイ・パークの肉弾戦は、引きで撮って、全身のアクションを魅せても十分通用するだろうと感じたのに、なんだか勿体無いような気がしたなぁ。

 ただ、あの肉弾戦で、唯一見せ場があった。
 それはシエナ・ミラーvsレイチェル・ニコルズのファイト。
 透明スーツの使い捨てっぷりには大爆笑。


▼▼▼ 燃えた ▼▼▼

 と、若干アクションに期待はずれを感じていたのですが、パリのチェイスシーンには燃えましたね。
 パリは燃えていたかと聞かれれば、燃えていましたよ。

 このシーンは、シエナ・ミラーとイが乗り込んでいるバンと、「G.I.ジョー」特性のパワードスーツのチェイスになっているわけですが、ここは素晴らしかったですね。
 見せ場に次ぐ見せ場。
 燃えました。何度もガッツ・ポーズをしました。

 これが観たかったんだよ、これが。

 どうだかなぁ・・・という点は、この作品は確かにあったのですが、このチェイスシーンでチャラですね。

 あと、シエナ・ミラー。
 好きさ加減で言えば、レイチェル・ニコルズの方が好きなのですけど、この人の・・・というより監督の?メガネへの拘りが素晴らしかった。
 (シエナは、今回の役どころでは、終始メガネをかけています)

 上に書いた、パリのチェイスシーンで、シエナとイが乗るバンが横転する。
 車から脱出。
 地上に降り立ったイは、「G.I.ジョー」から奪ったナノマシンの安否を確認。
 そしてシエナは・・・・

 メガネを探していた!

 いやはや、このシーンは笑わせてもらいました。
 そこかよ!・・・と。
 そして、わかってるじゃないか!・・・と。
 こういうバカみたいな拘りは、大好きです。


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 燃えさせてもらった分、『仮面ライダー』よりコチラのほうが断然面白かったです。 
 チェイスシーンだけなら、もう一回劇場で観てもいいですね。

2009年8月24日月曜日

ゲン@ 劇場:『南極料理人』

ゲンです。
実家に戻ってから、休日はやたら両親と外食してるので、個人的な食費が浮いて助かりますw

『南極料理人』@TOHOシネマズ 錦糸町(8/24鑑賞)

南極観測隊に料理人として参加した、西村淳原作のエッセー「面白南極料理人」を映画化した癒し系人間ドラマ。
南極の基地内で単身赴任生活を送る8人の男性たちの喜怒哀楽を、数々のおいしそうな料理とともに見せる。
主演は『ジェネラル・ルージュの凱旋』の堺雅人。

主演の堺さんもですが、共演の生瀬さんやきたろうさんも楽しみで観に行ってきました。

何もない極寒の地でも、美味しいものが食べられる喜び♪ そして堺さんの笑顔♪

やーやーいい雰囲気の作品でした!
『ジェネラル~』に続いて、堺さんの当たり役を観た気がします。

まず「人間ドラマ」と謳ってますが、別にストーリーらしいモノはありませんでした。
実体験を元に書かれたエッセーが原作なので、短いエピソードが淡々と綴られている感じなのですが、どれもがクスッと笑えてちょっと温かくなれるような話でした。

舞台になっているのは南極にある「ドームふじ基地」という場所で、沿岸にある昭和基地からさらに1000キロも内陸にあり、ペンギンやアザラシはおろか、ウイルスでさえ生存できない-54度の極寒地。
そこで1年半もの間、共同生活を続けた8人の話ですが、集められた8人は学者ばかりではなく、民間の通信社や自動車メーカーから派遣された人もいて、年齢も境遇もバラバラ。

泣きたい時もあれば、笑いたい時もある。
外に出てどこかに遊びに行けるワケもなく、とにかく長い時間を同じ場所で同じ人達を生活しなければいけない。
その辛さは計り知れません。

でも、おいしい食べ物があれば、元気が出る。

みんなで食べると、仲良くなれる。


もの凄くシンプルな事ですが、その一言がこの映画を物語っていると感じました。
特別に美味しいものや、南極特有のものがあるワケでもなく、食卓に上がるのは日本でも普通に食べられるお刺身やおにぎり、たまには豪華に中華やステーキ。
でも、そんな辺鄙な土地だからこそ、普通のモノが食べられるという喜びが大きいのではないかと思いました。


キャストですが、主人公の料理人を演じる堺雅人さん!
普段の優しい笑顔と、料理中に見せる真剣な表情、どちらも魅力!
さらに1年半という長い期間をへき地で過ごす為、隊員の皆さんはドンドン髪とヒゲが伸びて、ワイルドになっていきますw
で、この堺さんのムサーい感じがスゲーイイ!w
女子じゃなくても、あの姿は惚れるなぁ・・・

共演の生瀬勝久さんきたろうさんの独特の空気感は、やはり最高!
何か衝撃的な事件が起こるわけでもない、何もない話なのですが、結果としてコメディとしても成立しているのは、この2人の力が大きいのではないかと思いました。


そして俳優やロケーション以上に、もしかするとこの作品の一番の功績かも知れないのが、登場する料理。
何度も言うようにすんごいご馳走なんてモノでもなく、全てが冷凍可能なモノで作られていて、新鮮な生野菜や果物は使われていないのですが、そのどれもがホントに美味しそうでした♪
実際に南極に持っていかれた食材を参考にして作られたそうですが、極寒の地であんな料理を出されたら、余計に美味しく感じられるのにも納得できます。


何もない南極、美味しい食事。

それでも画になる素敵な作品。

ゲン@ 劇場:『ホッタラケの島 ~遥と魔法の鏡~』

ゲンです。
夕方になると涼しい風が吹いてきて気持ちいいですね。

『ホッタラケの島 ~遥と魔法の鏡~』@TOHOシネマズ 錦糸町(8/24鑑賞)

今や忘れ去られた数々の品々で作られた“ホッタラケの島”に、偶然迷い込んだ少女の大冒険を描く。
監督・脚本は『県庁の星』佐藤信介。

予告編で観た「ホッタラケの島」の世界観とディティールの細かさがツボにハマってしまい魅了されておりましたが、ストーリーもなかなか良さそうな感じだったので、下手したら泣くんじゃないかっつーくらいに期待してました。

うーん・・・惜しい・・・世界観は素晴らしいけど、脚本が甘いなぁ・・・

まず良かった点をいくつか・・・
期待してた「ホッタラケの島」のディティールの細かさはかなり良かったです。
人間界で使われなくなったり、忘れ去られたモノで作られた島は、建物や乗り物など、全てが“何か”になっています。
よくよく見ると看板だったり、本だったり、機械だったり、ガラクタで作られていて、かなり細かい部分まで精巧に作りこまれた世界観は、圧倒されました。

そもそも基になっているのが「お稲荷さん」「キツネ」といった要素なので、日本人の感覚に馴染みやすいってのも理由かと思います。


ただ反面、その世界観をストーリーに活かしきれてませんでした。
せっかくキツネがいっぱい登場するのに、タイトルにも入ってる「魔法」の要素が後半にならないと全然登場しなかったり、泣かせるエピソードがあからさまだったり、そもそも一番重要なはずの主人公:遥のホッタラケにしていた「鏡」が、何故そんなにも重要だったのかという必要性が全く感じられず、伏線の張り方がいい加減で汚かったです。

それと島や乗り物のディティールに拘るのはいいんですが、やたらと爆発や破壊の演出にも迫力を求めていて、ファミリー向けの映画のクセに描写が残酷・・・
クライマックスには、完全に子どものトラウマになるようなシーンがあり、劇場の子ども達は泣くのを通り越して、若干カオスな雰囲気にまで落ちてましたw

あと主人公の遥が着ている制服のミニスカートが、常にヒラヒラしていて、大きいお友達の方は別の意味でハラハラしてたり・・・
まぁ、そこはあえて“触れるような場所”でもないんだけども(2つの意味で)、この作品には必要ない要素でしたね・・・


「ガラクタで作られた島」という世界観は素晴らしいですが、それに負けないくらいの魅力的なストーリーではなく、脚本が足を引っ張ってしまっている残念な作品。

激しいCGと残酷な演出のおかげで、子どもにも勧められず、見せるべき対象がハッキリとしてません。

初めから子どもを無視した、大人向けの完全なるダークファンタジーとかだったら、恐ろしく面白くなると思いますが、そんな作品は今の日本じゃ作れないだろうなぁ・・・

ゲン@ 劇場:『96時間』

ゲンです。
サマームービーもいよいよ終盤戦って感じでしょうか?

『96時間』@TOHOシネマズ 錦糸町(8/23鑑賞)

リュック・ベッソン脚本・製作最新作。
96時間というタイムリミットの中、娘を誘拐された父親が警察の助けを借りず、たった一人で異国の敵からの奪還を試みる。
主演は『スター・ウォーズEP1』クワイ=ガン・ジンのリーアム・ニーソン。

ベッソン・プロデュースの最新作はサスペンスアクション!
先日公開された『トランスポーター3』があまりに残念だっただけに、今回は余計に期待して観に行ってきました。

敵に同情?w お前は俺を怒らせた! 最強オヤジの容赦無い鉄拳制裁!

あーーーめさくさ面白かった!!!
ベッソン関連作を劇場で観て、久しぶりに本気で面白いと思いました!!!

ストーリーはというと・・・
米国のCIAを引退していた主人公。
離婚した女房が引き取った娘が旅行先での電話中、何者かによって誘拐されてしまう。
主人公は、今まで自分が“仕事”で培ってきた盗聴・捜索・潜入・拷問・格闘術など、ありとあらゆる能力を使って娘を探し出し、誘拐犯に復讐していくというお話。


とにかくこのオジサン、娘を助けるためなら、どんなことでもしますw
自分の行く手を阻むヤツは全員敵!
邪魔するヤツは即排除!
情報を聞き出したら、生かしておく必要はナシ!
「娘を助けるためなら、エッフェル塔でも壊わしてみせる!」(名言w)

笑ってしまうほどにやり過ぎな感じはするのですが、根本にあるのが「娘を助けたい」という一心で、全ての行動に迷いがなく、ある意味でとても筋が通っていて、軸がブレないのがとても気持ち良かったです。

何より、あらゆる特殊能力を操る主人公の手際の良さがイイ!
銃を使ったアクションや、接近戦でのナイフや殴り合いの激しいバトルは勿論、敵陣に潜入した時に情報を聞き出す巧みな会話術もいっぱいで、まるでボンド映画を観ているかのような感覚!


主人公の元諜報員を演じるリーアム・ニーソン!
かつて、ここまで頼もしい父親がいたでしょうか?
『ダイ・ハード』のジョン・マクレーンに負けないくらいの男ですよ!w
どちらかと言えば演技派という印象のあるリーアム・ニーソンですが、本人と監督の希望で、ほとんどのアクションシーンを自分で演じたそうです。
その甲斐あってか、迫力が犠牲になりがちな細かいカットの続くシーンでも、スピード感と力強さのバランスが上手く取れていて、とても興奮できました。

リュック・ベッソン製作という面から見てみると、彼の地元であるパリが舞台になっているだけあり、街の撮り方も綺麗で、ロケーションの活かし方も素晴らしいと感じました。
また、彼の十八番であるカーアクションも当然ありましたが、今回は珍しくオフロードでのカーアクションに挑戦しているのも見所ではないかと思います。


ベッソン製作でここまで興奮したのは『トラポ』の一作目以来です!

『TAXi』シリーズのように笑いも一切なく、ハードなアクションとサスペンスが90分に凝縮された、久しぶりの大傑作!

是非とも劇場で!


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ベッソン大好き!とは言ってるモノの、最近のプロデュース作品はどれもイマイチで、本気で面白いと思える作品は少なかっただけに、今回の力強い作品が劇場で観れたのは嬉しかったですね。

今後は監督引退作の『アーサー』シリーズが2本予定されてますが、1作目が微妙だったので、あんまり期待してないんですよねぇ・・・

まぁ、とにかくまだベッソンは死んじゃいねぇ!ってを確認できて安心でしたw

2009年8月19日水曜日

ゲン@ 劇場:『3時10分、決断のとき』

ゲンです。
まだまだ期待作ラッシュが続きますね。

『3時10分、決断のとき』@新宿ピカデリー(8/17鑑賞)

※先に観てる梅太くんの感想はコチラ

1957年公開の異色西部劇『決断の3時10分』のリメイク。
刑務所に連行される強盗団のボスと彼を護送する牧場主との男同士の絆を描く西部劇。
出演は『グラディエーター』のラッセル・クロウ、『ダークナイト』のクリスチャン・ベイル。

夢のような共演ですが、実は作品自体は『3:10 TO YUMA』というタイトルで2007年に米国公開され、初登場1位も獲得していて当時からかなり観たかったのですが、日本で公開の情報が全く無くて、半ば諦めておりました。
さすがに2年間待ち続けておったので、期待もさらに大きくなってました。

2年待ったかいがあった! 男と男の熱い物語!

もーすげー良かったです!
激アツな展開で、ちょっと泣いちゃいました!
恥ずかしながら、今までちゃんとした西部劇なんてものは観た事が無く、『ワイルド・ワイルド・ウエスト』『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3』、三池監督の『ジャンゴ』くらいしか観てなかったので、本格的な西部劇は今回が初めて。

ストーリーはというと・・・
数々の列車強盗を犯した大悪党:ウェイド(ラッセル)がついに御用となったが、多くの手下を従える彼を護送しようとするモノがなかなか現れない。
そんな中、かつて南北戦争に出兵した経験を持つ牧場主で、生活に苦しむダン(ベイル)が名乗りを挙げる。
目的地はユマ、3時10分発の列車に乗せること、報酬は200ドル。
命をも危険に晒す任務だが、彼の目的は金ではなかった・・・


とにかく、主演の2人のぶつかり合いってのが見事!
冷酷で無慈悲、正義なんてモノは一切無い極悪人:ウェイドを演じるラッセル・クロウ!
悪人ではあるのですが、唯一つ認めるのは、自分のプライドや強い意志をしっかりと持っている男。
これが単なる悪役とは違って、非常に魅力的な部分で、それを演じてるラッセルにとても似合っていて、『グラディエーター』以来の当たり役なのではないかと思いました。

彼を護送する牧場主:ベンを演じるクリスチャン・ベイル!
貧しい生活を抜け出す為、命がけの任務を引き受けますが、物語が進んでいくと、単なる金目当てではなく、彼が背負っているモノというのが徐々に明らかになります。


この作品の見所は、何と言ってもラスト。
一緒に護送していた仲間たちが次々と減り、最後に残ったウェイドとベンが、隠れていたホテルから列車へと向かうシーン。

自分を逃がす代わりに、雇われた報酬の5倍以上のお金を渡すことをウェイドから提案されますが、彼は一切聞こうとしません。
真面目で要領の悪い父親を蔑視する息子のため、父親という存在を見返さすため、彼はこの任務を引き受けたことを語ります。

これがウェイドの心を強く惹きつけ、それは護送される犯人と警護という関係を超え、共感や友情以上の強い思いになっていきます。

必死で敵の銃弾をかいくぐり、列車に乗り込んだ瞬間、一発の銃声が・・・

もーね・・・震えますよ・・・

今まで西部劇って、アクション映画の一つのジャンルだと思っていたのですよ。
オートマチックの拳銃では出せない、生々しいリアクションのリボルバー銃だとか、現在のアクション映画とは違ったリアルさがある映画だと思っていたんですよ。

ところが、違うんですね。
ドラマなんですよ、完全に。


ストーリーの展開は勿論、キャラクタのつけ方とか、人間関係だとか、アクションも含めて、全てがバランス良く配置されたドラマなんだと、初めて気づきました。


いや、ホントに素晴らしい作品ですよ。
主演2人目当てで期待してましたが、それ以上にストーリーが魅力的で驚きました。

西部劇って今撮っても、こんなにも面白い作品が出来るんですね。

ゲン@ 劇場:『ナイトミュージアム2』

ゲンです。
少し過ごしやすくなってきましたね。

『ナイトミュージアム2』@TOHOシネマズ 錦糸町(8/17鑑賞)

※先に観てる梅太くんの感想はコチラ

夜の博物館で、ひとりでに動き出した展示物たちによる騒動を描いた『ナイト ミュージアム』の続編。
世界最大の博物館・スミソニアンを舞台に、ナポレオンやアインシュタイン、深海に住む巨大なダイオウイカまで、歴史や自然界の遺産たちが次々と動き出す。
出演は引き続きでベン・スティラーに加え、『魔法にかけられて』のエイミー・アダムス。

前作もそこまで絶賛する内容ではなかったので、続編の企画が出た時もあんまり興めず。
しかし、エイミー・アダムスが出演するってことで俄然観る気に超期待!w
リークされた写真を先に観て、そのキュートさに悶えてました♪

おい! ベン・スティラー! エイミーと3回もキスするってどういうことだよ!!!

もーね、許せないですよ、ホントに!
世界中のエイミーファンをドコまで敵に回せばいいのかと!w


ストーリーは、前回の続き。
主人公:ラリーは、あのあと発明家として大成功、今では大企業のCEOにまで上っていたが、自然史博物館に収容されてたみんなが、ワシントンのスミソニアン博物館の地下に移動になってしまうと聞いて、愕然とする。
さらに、残るはずだった魔法の石版も一緒に移送されてしまい、それを手にしたファラオ:アクンメラーの兄:カームンラーの手に渡り、どんどんヤバい展開に!


まぁ、ハッキリ言ってしまえば、前回の設定を無理やり規模を大きくしたような感じで、そこまでの内容はありませんでした。
前作であった「父と子の絆」みたいなモノは一切無く、ただ単に「面白いでしょ?」な展開はどーでも良かったです。
しかも、前回では結構シビアだった「朝日に当たってしまうと砂になる」という設定もイマイチ活きておらず、焦燥感も全く無く、ただやりたい放題・・・
キャラクタ設定も結構いい加減だと思いました。

あと笑いの質もちょっと微妙・・・
いや、前作のようなファミリー向けの分かりやすい笑いも嫌いではないんですが、今回は何故か小規模作品のような乾いた笑いが多いのが疑問でした。
改めて考えると、内容の全く無いどうでもいい会話とかをダラダラ続けたりするシーンが幾つかあり、それは主演のベン・スティラーが元々得意とする笑いに近い感じはするので、観ていて面白いのは確かなんですが、ファミリー向けの作品でやるような笑いの質では無いので、少し浮いてたのが微妙でした。


ただ良い点もいくつかあり、特に目を引くのが展示数が増えたことで、「動く」という発想に幅が広がったこと。
単に動物の剥製や蝋人形ばかりだったのが、絵画や写真の世界にも広がったのは、なかなか面白かったです。
一番素晴らしいのは、第二次世界大戦の終戦にNYで撮られたキスする男女の写真。
ただ写真が動くだけでなく、その写真の中に入ると白黒の世界になってしまうってのは面白く、さらにそこでも落としてしまった携帯電話が・・・という展開は観ていてニヤッとしました。
それが繋がってるエンディングは見事ですw


あと素晴らしいのは、もう全てエイミー・アダムスですよ!
女性初の大西洋横断飛行をしたアメリア・イヤハートを演じているのですが、もーこれがスゲーお転婆でキュートで魅力的過ぎるキャラクタ♪
エイミーって、顔立ちが整っていてホントに綺麗だし、指先の動きとか声とかも見事で、ある意味で「作り物」みたいな存在だと思うんですよ。
それが活きてたのが『魔法にかけられて』でアニメの世界から抜け出してきたジゼル姫だったんですが、今回はそれにも負けないくらいに素晴らしい演技だったと思います。
実際のアメリアが世界一周の冒険中に消息を絶ったエピソードを踏まえてなのか、ラストの去り際がちょっと切ないのもイイ♪

そして前作に続いて、ミニチュアのジェデダイアとオクタヴィウスのコンビの掛け合いも笑えてよかったです。
元々親友である主演のベン・スティラーとジェデダイア演じるオーウェン・ウィルソンとの絡みも、前作と比べて増えていたのも嬉しかったですね。

あと個人的にロビン・ウィリアムスが久々にスクリーンで観れたのが良かったです。
ここ数年、彼の主演する作品がことごとくDVDスルーされてばかりなので悲しいです・・・

他にも、飛び回ってはやたらとラブソングを歌いつづける天使の役を、ジョナスブラザーズが演じてるだとか、細かいネタを挙げればキリがないほどに沢山詰め込まれてました。


ずっと安定したラインには乗ってるので、ファミリー向けとしては成功してると思います。

登場する歴史上の人物とかのエピソードを知ってるとより笑える部分が多いので、その辺を理解してる大人もそこそこ楽しめるかと。

何より、エイミー・アダムスが可愛い! それで十分!

2009年8月15日土曜日

梅太@ 劇場:『縞模様のパジャマの少年』

この記事は 何ていったらいいんだ・・・な 梅太 の名の下にお送りいたします

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●彼は何故、パジャマを着てるの?:『縞模様のパジャマの少年
 監督はマーク・ハーマン。
 出演に、エイサ・バターフィールド、ジャック・スキャンロン。

 実を言うと、特に観る気はなかった。
 何故観に行ったかというと、時間が合ったというのが、正直な理由か。
 おかげで、特に前情報もなく、観に行ったわけであるが。

 ・・・・今年はどうして、こう、僕を打ちのめすような作品が出てくるんだ。

 『チェンジリング』を観た時、今年はこれ以上、打ちのめされることは無いと思った。
 (それ以上に評価が高い『グラン・トリノ』は、来月見る予定)

 こういう作品が出てきたことは、素直に、うれしいと思う。
 映画ファンをやっていて、良かったとも、思う。


 ストーリーは。
 第二次大戦下のドイツ。
 ベルリンで過ごす少年:ブルーノは、将校である父の任務により、郊外へ引っ越すこととなる。
 最初は退屈な毎日であったが、親の目を盗み、家の裏の森へと足を踏み入れる。
 森の先には、フェンスに囲まれた敷地の中で、沢山の人が働いていた。
 そこで知り合った同齢の少年:シュムールと、友情を深める。
 「何故彼らは、同じパジャマを着ているのだろう。何故ここは、フェンスで囲まれてるんだろう」
 その真実を、少しずつ知り、しかし仲良くなったシュムールとの関係を壊すことは出来ない。
 そんな無垢な少年に待ち受ける結末とは・・・・


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 ”友情”と、先には書いた。
 しかしこの映画で描かれるのは、もっと、もっと、幼いものである。
 ”仲良し”と書いたほうが、この二人の少年の関係性を、うまく表していると思う。

 何故そう思うかというと、彼らは”友情”とか”絆”とか、そういう言葉を覚える前の、まだ世間に毒されていない、純粋無垢な少年達であるからである。

 でも僕は、世間に毒された大人であるから、友情という言葉を、ここでは使わせてもらう。

 映画の出だしは、ジョン・ベチェマンの句の引用から始まる。
 「子供時代とは分別という暗い世界を知る前に、音と匂いと自分の目で事物を確かめる時代である」

 ブルーノは、「何故彼らは、同じパジャマを着ているのだろう。何故ここは、フェンスで囲まれてるんだろう」ということについて、少しずつ理解していく。分別を得ていく。
 しかしそれは、およそ8歳の少年に理解されるものではない。
 彼は、自分の目で見、耳で聞き、匂いで察知したシュムールとの友情と、得た分別の間で揺れ動く。
 それは、フェンスの中にいるシュムールも同じである。
 彼は、何故自分が働かされているかの、本当の理由を、まだ知らないでいる。

 8歳の少年達に、それを強要せざるを得ない、戦争というものの悲惨さ。


 ・・・・悲惨さ、と書いたけれど、これも違う。
 なんだろう。この作品のラストを形容するうまい言葉が見当たらない。


 ”友情”というものの輝きと、ラストの救いの無さの対比が、僕の心を締め付けて離さない。
 日差しが強ければ強いほど、影が濃く、黒く、くっきりと映るような。


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 ホロコーストを題材としているから、ものすごく現実的なお話ではあるのだが、どこか寓話的なものも感じさせられるのは、やはり主演の子役2人の無垢さと、背景や衣装の配色の、戦争を感じさせない綺麗さからくるのかもしれない。 

 特に意識していなかったが、これを、8/15、つまり終戦記念日に観たというのは、何かの巡り会わせなのかもしれない。

梅太@ 劇場:『3時10分、決断のとき』

この記事は 心の奥底で何かを共有するということの素晴らしさよ・・・とつくづく思う 梅太 の名の下にお送りいたします

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●最後に魅せる、男達の決断:『3時10分、決断のとき
 監督はジェームズ・マンゴールド。
 主演にラッセル・クロウとクリスチャン・ベイル。

 クラシック西部劇のリメイク。
 この作品、実は2007年9月にはアメリカで公開された。
 作品の存在を知り、密かに楽しみにしていたが、なんやかんやで、2年も待ったのか。

 ストーリーは。
 人里離れた牧場に住むダン(ベイル)は、南北戦争の名誉兵でありながら、貧困な生活を送っていた。
 そんな彼はある日、偶然にも馬車強盗を目撃する。
 その馬車強盗のリーダーは、巷で有名なベン(クロウ)。
 二人は対峙しながらも、事なきを得る。
 数時間後、ベンは町の娼婦と過ごしているところを捕らえられてしまう。
 彼は、絞首刑を宣告され、刑務所のあるユマへと護送されることとなった。
 その現場に、またもや偶然居合わせたダンは、報酬目当てでベンの護送を引き受けることにする。
 3:10発のユマ行きの汽車に、無事に護送することが出来るのであろうか・・・
 

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 一昨年であったか、無性に西部劇を見たくなった僕は、数本の映画を観た。
 僕は当時の、町や服の配色や、まったく抑えようとしない凄まじい銃音が非常に好きだ。

 本作は、そんな僕をこれでもかと刺激する。

 銃声は体を振動させるほどであるし。
 特にベンと、ベンの右腕:チャーリーの銃裁きは惚れ惚れする。

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 以下、ネタバレを若干含みます。
 なぜかといえば、ラストこそ、この映画最大の見せ場であるから、それを書かずして、語れないわけである。


 ラッセル・クロウ演じるベンは、自分の中に一本芯を持っている男。
 敵・見方問わず、確固たる信念を持っている人には、素直に敬意を表する男である。

 なので、一見悪役と見える風貌や態度であるが、純粋にカッコよい。
 コチラがうれしくなるくらい、もう、カッコよい。

 クリスチャン・ベイル演じるダンは、今回の護送の任務に、ただならぬ決意を持って挑んでいた。
 その決意が何かは分からないが、そんな雰囲気を感じ取ってか、ベンは、敵意を示しながらも、ダンに興味を持つ。

 クライマックス。
 汽車が出る街までの護送に成功したダン一行は、汽車が来るまで、ホテルで待機することにする。
 しかしそこに、ベンの部下も駆けつける。
 「うちのリーダーを捕らえているものを殺せば、報酬をやる」
 チャーリーのこの一言で、ダン一行は町全体を敵に回すことになってしまう。
 次々に、任務をドロップアウトしていく一行であるが、ダンだけは、絶望的な状況にも関らず、この任務に固執する。

 運命の時間がやってきた。
 残る道のりは、ホテルから駅までの800m。

 ここで繰り広げられる銃撃戦の最中、ベンは、ダンが何故、ここまでこの任務に固執するかの真意を聞くことになる。
 ダンは、戦争時の負い目からくる全ての負の連鎖を払拭するため、そして何より、息子に「自分は誇りをもって生きている」ことを見せたいがために、この任務に挑んでいたのだ。

 彼は、単なる責任感から任務を引き受けたわけでない。
 男として、そして親としての生き様を示すためであった。

 そこに、ベンは、漢を観た。

 依然敵同士ではあるが、2人は心の奥底で、漢にしか分かり合えないものを共有したのであった。

 ここからの展開が、もう涙なしには観れない。

 同行していた息子:ウィリアムの協力もあり、ダンは無事、ベンを護送列車へと乗り込ませた。
 ベンは、捕まったわけではあるのだが、ダンの「誇り」獲得を、素直に喜ぶ。
 しかし。
 一瞬の安堵の内、ダンはチャーリーの手によって殺される。

 その生き様に惚れこんだ男の、死。

 心のそこから憎悪を剥き出し、ベンは部下を手にかける。
 (このときにクロウの見せる表情の、なんと恐ろしく、なんと素晴らしいことか・・・)
 (そしてこのシーンの早撃ちの、もう、涙が出るくらいのカッコよさといったら・・・)

 立ち尽くす、隙だらけのベンに、父の元へ駆け寄ったウィリアムが、銃口を向ける。
 このとき恐らく、ベンは、殺されても良いと、思ったと思う。

 しかしウィリアムは、父とベンとの間の、まだ自分には形容しがたい絆に気付いたのであろう。
 そっと、銃口を下ろす。

 護送人は全ていなくなった。自由の身になれる。
 しかし「父の誇り」に華を添えるため、ベンは自ら汽車に乗る。


 この一連の流れの、何とも素晴らしいことよ。


 あぁ、良い映画を観た。
 素直にそう思える。

梅太@ 劇場:『ナイトミュージアム2』

この記事は 良い意味で予告編に裏切られた 梅太 の名の下にお送りいたします

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●今度はもっと、動き出す:『ナイトミュージアム2
 監督はショーン・レヴィ。
 出演はベン・スティラー、オーウェン・ウィルソンなど前作の出演陣に加え、エイミー・アダムス他。

 「09年度に公開される、エイミー・アダムス出演作は全て観よう」キャンペーンの第3弾。
 ベン・スティラーめ、アダムスの唇を3回も奪いやがって・・・

 『スーパー・バッド』が好きな僕としては、ビル・ハーダーやジョナ・ヒルの登場が非常にうれしかった。
 ジョナ・ヒルはもっと出てほしかったなぁ。


 ストーリーは。
 前回の事件後、自分の発明した製品が売れに売れ、ついにはCEOにまでなったラリー(スティラー)。
 久々に博物館へ行ってみると、箱詰めにされた展示物たちがお出迎え。
 彼らは明日、スミソニアン博物館の地下倉庫へ、永久保存されることになっていた。
 自宅へ帰り、落ち込みを隠せないラリーの元へ、一本の電話が入る。
 それはミニチュアカウボーイ:ジェデダイアから、助けを求める電話であった。
 いったい彼らに何があったのか。
 急遽、スミソニアン博物館へ訪れることになったラリーに待っていたのは・・・・


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 さて、この作品を観て思ったことは、エイミー・アダムスは、やはりカワイイ・・・ということでは決して無い。
 いや、決して無いわけではない。

 アダムスはきっと、”向こうの世界”の住人なのではないだろうか。
 今回の役どころは、すっかり僕を魔法にかけた『魔法にかけられて』のジゼルに似ている。
 そしてこういう役をやらせると、彼女は非常に活き活きとしてくる。
 展示物から生き返りたてのお転婆娘から、自分は朝が来ると・・・と、現実を受け止める泣き出しそうな表情まで、実に見事であった。

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 まず、イマイチと思った点から。

 今回は、会話のやりとりで笑わせようとしたシーンが非常に多く、そして長い。
 会話の始まりは面白いのだが、ずっと続くとやや飽きてきてしまう。

 また、小ネタが小ネタとしてしか扱われなかった点も、少し残念。
 その小ネタがまた多いので、大量生産大量消費感が、いなめなかった。

 あと、エンターテインメント性として観た時、盛りだくさんの今回の方が上手に見えるが、僕は前作の方が純粋に楽しめ、かつうまく纏め上げていたと思う。

 前回は、ある意味であの小規模さが良かった。
 テーマは、ダメ親父の再生・・・失敬、父子の復縁。
 敵はリストラへの腹いせ。
 展示物は、それぞれの出来る範囲以上のことは出来ない。
 しかしその分、みんなが力を合わせることで、個々の能力以上のパワーを発揮する・・・というクライマックスが活きて来る。また、「太陽光を浴びると・・・」という設定も、焦燥感を煽っていた。
 そして、最後の最後で回収される”指パッチン”の伏線の見事さよ。

 しかし今回、世界制服を豪語する敵が現れ、そして実際に、世界制服をする力をもってしまっている。つまり、”ただの展示物”の力の範囲を、優に超えてしまっている。
 冒険度としては、アップしているかもしれないが、前作の”肩すかし”感が非常に好きだった僕としては残念であった。
 そして、朝までがタイムリミットというのも、設定があるだけで、登場人物たちは焦ってる様子は見受けられない。

 十分面白かったけれど、そういう点で、イマイチかな・・と。


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 ここから、素晴らしかった点。

 前回は父子の復縁というテーマを持っていた。
 しかし思い返してみると、描いていそうで、描いていない事柄があった。
 それは、歴史の展示物というものを扱っていながら、”歴史”というもの自体には、特に触れていなかったということ。

 今回の作中、こんな台詞がある。

 騒動を終え、戦闘の指揮をとっていたカスター将軍(ビル・ハーダー)は、みんなに言う。
 「”スミソニアンの戦い”だ。歴史には残らないがな」

 これに対し、ラリーが言う。
 「僕らには残る」

 歴史とは何であろう。

 今回の戦いは、確かに教科書に載るような事柄ではない。しかしそれは、当事者達の間では、実際に起こったこととして、”歴史”として刻まれる。

 教科書に載るような史実も、スケールは、実はさほど関係ないと考える。
 現に、スミソニアン博物館に展示されている人達は、偉業を成し遂げた人として展示されているが、その偉業のスケールは、大小様々である。
 その偉業を目撃した人がそれを記憶し、それを大事だと思った人が、たまたま多かった故に、教科書に載ったまでである。

 
 歴史とはつまり、人の記憶である。


 なんだか、そんなことを考えさせられた。
 考えさせられたのはいいが、うまく言葉としてまとまってないような気もする。

 ただ、そういう事柄を、ドタバタの中でふと考えさせてくれた、ショーン・レヴィーに感謝。


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 総じて、面白かった。

 ちりばめられたネタも、面白いものも沢山あった。

 中でも、女性初の大西洋単独横断飛行に成功したアメリア(アダムス)が、ライト兄弟の飛行機に乗り込み、「お先に」と言ってのけるシーンは、見事とさえ思えた。

 あとやはり、ジェデダイア×オクタヴィウスのコンビは笑わせてくれた。

2009年8月12日水曜日

ゲン@ 劇場:『HACHI 約束の犬』

ゲンです。
朝の地震は爆睡してて、全く気づきませんでした・・・

『HACHI 約束の犬』@丸の内ピカデリー(8/11鑑賞)

渋谷駅で毎日仕事帰りの主人を迎え、亡くなってからも待ち続けるハチという名の実在した犬の物語を舞台を日本からアメリカに移し映画化した感動物語。
一人の大学教授と彼に育てられた飼い犬の心温まる愛ときずなを描く。
主演はリチャード・ギア。

日本人なら誰もが知っている「ハチ公物語」がまさかのハリウッド!
予告編でリチャード・ギアが「ハチ~♪」と呼ぶのを観るだけで笑ってしまっていましたが、封切った評判を見てみると意外と良さそうだったので、劇場まで行ってきました。

ハリウッドらしからぬ謙虚さ! 日本人の感覚が理解された!

舞台がアメリカになっているだとか、設定が現代になってしまっているだとか、観る前の懸念要素を挙げればキリが無かったのですが、驚くほどに綺麗に納まっていました。

リチャード・ギア演じる主人公の大学教授が、ある日駅で見つけた迷子の子犬を飼い始め、段々と交流を深めていくという、基本的な流れはほぼ原作通りなんだと思われます。
教授を駅へ送り迎えを毎日していたハチが、突然教授が亡くなってしまった後も駅に通い続け、彼の帰りを待ち続けるという展開も同じです。

そんな分かりきっているストーリーですが、地味ながらもそういったエピソードが日本人の感覚に訴えかけ、長く親しまれているのだと思いますが、舞台がアメリカになってしまっても、この感覚が見事に引き継がれているのに驚きました。

一番の大きいのは、ハチをアメリカの犬ではなく、日本古来の「秋田犬」という設定を貫き通したことにあるかと思います。
飼い主を慕う従順さやひたむきさってのは、外来種ではなく、日本人に古くから親しまれている秋田犬でしか出せない空気感。
また、それを受け取る側の観客からしても、自然と土台が出来ているので、感情移入も自然に出来ました。

確かに「良い話エアー」を漂わせてるのは分かるのですが、実話がベースになっていますし、「あざとい」というような感覚は一切ありませんでした。
ハリウッドが作るとどうしても序盤はコミカルに描いて、その後のしっとりした展開でのギャップってのが、感動やら涙に変わるんでしょうが、そういった要素はほとんどなく、ひたすら地味な展開なのが潔いです。
普段、「動物良い話モノ」を観ても、全く感動しない自分ですら、クライマックスではちょっと泣きそうになりましたw


もう一つ重要なのが、スポットをハチだけに当てるのでなく、あくまで主人公は教授(リチャード・ギア)に向いているというトコ。
ハリウッドの動物モノといえば、最後には動物が死んでしまうというお決まりの展開。
しかし、ご存知のようにこの作品は先に主人公が死んでしまいます。
実話なのでどうこうということは言えませんが、これがかなり重要な展開で、普通にハリウッドが考えたストーリーでは絶対に作れないだろうと思いました。
主人公が亡くなってから、改めてハチの方に軸が移るってのは、まさに日本人的な感覚であると感じました。


そんな主人公の教授を演じるリチャード・ギアの名演技!
優しくてダンディなイメージの彼ですが、子犬とじゃれ合い、子どものように一緒に遊ぶ様子は、ホントに微笑ましいです。
どんだけイメージアップすれば、気が済むのかとw

そして同じくらいに素晴らしいハチの名演技!w
もーね、何ですか、あの潤んだ瞳は・・・
小首を傾げられて見上げられたひにゃ、あーた、大変ですよ!
基本ネコ派の僕ですが、秋田犬や柴犬とかには弱いですw
万が一、イタズラで眉毛とか書かれてたら泣くね!可愛くて!(関係ない)


日本原作の作品がハリウッドで映画化されるコトはたまにありますが、ここまでの作品になるのは滅多に無いだろうと思います。
感動ストーリーが嫌いな人でも、これなら受け入れられるんじゃないでしょうか?

予想外に謙虚で、大人でも十分に耐えうる、叩きどころのない素晴らしい完成度!

劇場で観ても損はナシ!

2009年8月10日月曜日

ゲン@ 劇場:『G.I.ジョー』

ゲンです。
台風来てますね。

『G.I.ジョー』@TOHOシネマズ 錦糸町(8/10鑑賞)

人気フィギュアから派生した1980年代のテレビアニメ「地上最強のエキスパート・チームG.I.ジョー」をベースにした実写作品。
国際機密部隊“G.I.ジョー”と悪の組織“コブラ”の激しい攻防が展開する。
監督は『ハムナプトラ』シリーズのスティーヴン・ソマーズ。

はじめに映画化の話を聞いた時は、まさかと驚きました。
しかし公開された映像を観て、意外なほどにSFアクションでさらにビックリw
映像的にも盛り上がってる作品ですから、一応劇場で観ておこうと行ってきました。

おいしいアクション全部乗せ! お、意外と食べられる♪

いやいや、こういう使い古されたようなアクションでも、まだまだ観れる作品って作れるのですねw

ストーリーはというと、金属を破壊しつくすナノマシンを手に入れて世界征服を企む悪の組織と、それを阻止する超人的な戦闘集団っつー、いかにもなハリウッドなお話。
意外な仕掛けがあるわけでもなく、勧善懲悪なお決まりな展開です。

しかし、夏に劇場でド派手なアクション映画を観る分には、ストーリーなんてもんは二の次、三の次でOKでしょう!

オモチャが原作だった同じく「トイムービー」『トランスフォーマー』に倣えとばかりに、戦う理由さえあればいいのです!w


見所は、何と言ってもド派手なアクションシーン。
CGを駆使した空中&水中戦は、お決まりな展開ながらスクリーンで観てしまうと、十分にニヤける面白さ。
単に派手でなく、編集も結構上手いので、空中→水中へと戦闘シーンが気づかないうちに変化してるのも、なかなか面白かったです。

それに加えて、パリの街中が舞台の市街戦では、凱旋門やエッフェル塔など有名な建造物が登場し、そこでの大爆破なんてものしっかりと作りこまれていて見応えは十分ありました。

さらにSFアクションではおなじみになりつつある、一瞬をスローで延ばしたような所謂「バレットタイム」を上手く織り交ぜ、スピード感と迫力のバランスも実に見事に取れていると思いました。


キャストですが、主演のチャニング・テイタムのアクションもいいですが、個人的に魅力的だったのは、イ・ビョンホンレイ・パークのニンジャバトル!
刀や手裏剣、トンファーまで持ち出した、展開の早い戦闘シーンはかなり熱かったです!

特に『スター・ウォーズ EP1』ダース・モールを演じていたレイ・パークは、ずっとマスクを被っているのでセリフもなく、表情も読み取れませんが、あの機敏な動きを見れただけで劇場に来た意味はありました。

あとヒロインのシエナ・ミラーのメガネ姿が、ヤバかったですが、これに燃えた人間は、僕だけじゃないだろうなぁ・・・w

さらに、監督つながりでしょうが、『ハムナプトラ』で主人公を演じていたブレンダン・ブレイザーが、指導教官としてカメオ出演したのも、ちょっとおいしいトコだと思いました。
お互い『ハムナプトラ』で有名になっただけに、感謝の意味もあるのかも知れませんね。


アメコミ原作のアクションが量産されるなかで、新たに確立しつつある「トイムービー」ですが、面白さのツボさえ押さえればまだまだ頑張れるジャンルではありそうですね。
続編を匂わせるラストで、今後の展開にも期待したいです。


全部乗せ、ご馳走様でした!

おかわりは?・・・・あ、いただきます♪


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そんな感じですが、悔しいけど意外と面白かったですw

ハリウッド・ハリウッドし過ぎてるアクションって、2000年前後にも量産されてたと思いますが、その頃と比べても最近の作品ってのは、格段にクオリティが上がってきたと思います。
映像技術だけではない、エンタメ性の追求を強く感じます。

もしかするとアメコミ原作ブームと、同じような流れがあるのかも知れないですね。

2009年8月8日土曜日

梅太@ 劇場:『劇場版仮面ライダーディケイド:オールライダー 対 大ショッカー』

この記事は 落ち込みを隠せない 梅太 の名の下にお送りいたします

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●かつて、そして今、全てのライダーファンに送る:『劇場版仮面ライダーディケイド:オールライダー 対 大ショッカー

 コチラでお送りしたとおり、僕は仮面ライダーが大好きです。
 特に平成ライダーは、一応全部観ております。

 今年の1月から放送されているTVシリーズ:ディケイドは、平成ライダー放映10年を迎えたことから製作された記念碑的作品。

 前シリーズ:キバは、びっくりするほど面白くなくて、終盤は、この僕をして「もう仮面ライダーいいや・・・」と思わされる程の展開。
 その流れから受け継がれたディケイドは、正直言いますと、序盤はリアルタイムでは観ていませんでした。

 後に、少し時間が出来たときに、弟が録画していたのを借りて観て見ると・・・

 開始15分で、見事に打ち破ってくれた。
 素晴らしいまでに、ライダーしてくれているではないか。

 そんなこんなで夢中になって観ているディケイドの、劇場版。

 題して、『オールライダー 対 大ショッカー』。
 こんな胸躍るタイトル。見逃すわけがありません。

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 仮面ライダーディケイドについて、少し触れておきたいと思います。

 主人公:士は、過去の記憶を失った青年。
 写真屋の娘:夏美の元でお世話に(というか、お騒がせに)なる日々が続いていた。
 そんな時、士の目の前に、(もう全然面白くなかった)キバの主人公:渡が現れる。
 渡は言う。「あなたは、9つの世界(9つの平成ライダーの世界)を回って、世界を救わなければなりません。」
 記憶喪失の青年に、突如として突きつけられた命題。
 それ以来、士は9つの世界を旅していくことになるのだが・・・・


 全体のストーリーとしては、このような感じ。

 つまりは、9つのライダーの世界をグルグル回って、ファンにしか分からないようなネタを盛り込みつつ、ストーリーを進めていく。
 完璧に、ファンのためのシリーズといったところでありまして。
 しかしそれだけなら、僕が夢中になるはずもなく。

 このディケイドは、しっかりとライダーしてるのです。
 つまり、特撮的なカッコよさを遺憾なく発揮していて、恐らくは平成ライダーを観ていない人でも、(ある程度は)楽しめる作品となっている・・・ような気がします。

 (特撮的なカッコよさに関する自論は、コチラの記事で)

 その流れでの、劇場版。
 期待は高まる。

 以下、やっと劇場版の感想。

▼▼▼▼▼▼

 一言:通りすがらないライダーなんか、ディケイドじゃないよ!!

 ストーリーは。
 TVシリーズにて、9つの世界を旅していた士。
 世界を救うため・・・と教えられていたが、真実は違った。
 9つの世界を旅したことで出来てしまった、世界を繋ぐ橋。
 これを作ることこそ、失われた記憶の中にあった、士の目的であった。
 そしてそれを利用し、各世界の悪組織が手を組み、大ショッカーを作り上げてしまった。
 士は、本当の意味で、世界を救うことが出来るのか。


 感想を短く纏めますと。
 無駄が多かった。散乱してた。故に、面白くはなかった。

 TVシリーズの見事さはどこへいったのやら。
 変にストーリーを組み上げることにより無駄が増え。
 変に”その他キャラ”を登場させることにより散乱し。
 そして、劇場版キバ並の、アッサリ感。(ムカつきはしなかったから、まだマシですが) 

 いやでも、まだそれは許せるのです。

 一番許せなかったのは、士の決め台詞:通りすがりの仮面ライダーだ。覚えておけ!
 が、無かったこと。
 恐らくこの”決め~~”こそが、ディケイドを(そして特撮というものを)面白くしている由縁ではないかと、僕は思っています。
 (~~は、”台詞”とか”ポーズ”とか、”展開”とか。色々入ります)
 
 TVの尺30分のクライマックスで、この台詞が出ることはみんなわかっていることですが、それでも期待してしまう。
 それこそが”決め台詞”の魅力である。

 しかしそれをなくしてしまったら、それはもう、面白さ半減である。

 想像してみてほしい。
 例えば水戸黄門で、水戸光圀候が印籠を出さなかったら・・・・


 だから、正直ストーリー自体は面白くなくて、中盤あたりはゲンナリしていたのですが、劇場でこの決め台詞が聞けたら、それだけで許そうと、思っていたのです。

 それがない!
 
 そのガッカリ感が強く、それにより作品の粗い部分が全て思い出されて。
 加えて、同時上映:侍戦隊シンケンジャーのあまりにも面白くない加減。

 全てが合わさって、もう、面白くなかった。

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 TV版がしっかりと纏めてくれることを願いつつ。 

 負の評価を人前ですることはしない・・・という(ぼんやりとした)ポリシーがあるのですが、今回はちょっと、書かずにはいられなかった・・・・

 
 

2009年8月7日金曜日

梅太@ 劇場:名画座日記-7

この記事は やっと”らしく”なってきた気がする 梅太 の名の下にお送りいたします

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 名画座日記-7

 渋谷はシネマヴェーラにて。

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シネマヴェーラ

 ホテル街にあったりなかったり。
 渋谷シアターTSUTAYAと建物は同じです。

 クーラーがかかりすぎてて、凍えるほど寒かったです。

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 やっと名画座巡りらしくなってきました。
 今回は、シネマヴェーラで今月いっぱい行われている『映画史上の名作2』にて、『バルカン超特急』と『ラブ・パレイド』を観てきました。

 僕は最近、双葉十三郎さんの著書『○○映画、ぼくの○○本』という本を読んでました。
 これは1900年代初期から最近のものまで、双葉さんの簡潔かつ面白い論評が読めるというものです。
 当然ながら僕が生まれてない時代の作品の方が多く、これを読むたびに、「いつか機会があれば観たいなぁ・・・」と思わされるのでした。

 そんな僕には、うってつけの企画。
 シネマ・ヴェーラさん、どうもありがとうございます。

●列車(密室)で人が消える!?:『バルカン超特急』
 ご存知、サスペンスの神様:アルフレッド・ヒッチコックの作品。

 雪山のホテル。
 令嬢アイリスは、隣室の老婆フロイと知り合う。
 イギリスへ向かう列車の中、二人は親交を深めるが、アイリスが昼寝から起きてみると、フロイは消えていた。
 同室の客に聞いてみると、「そんな人は知らない」と、まるで最初から彼女がいなかったような事を言う。
 果たしてフロイの行方は。そもそもフロイという女性は存在していたのかどうか・・・

 雰囲気作りが、見事。
 フロイ消失によって、和気藹々とした雰囲気が、サスペンス映画へ、文字通り一変する。

 また、要所要所で「あれはもしや?」というヒントや伏線をしっかりと与え、全てが繋がっていく様は、観ていてとても気持ちが良い。

 いつかはヒッチコック全作鑑賞をやろうと、常々思っていたのですが、良い滑り出しになったと思います。

 あと、捜査の協力者:ギルバートが時計を見て、「うむ、今はティータイム。イギリス人は必ず食堂にいる」というジョーク(というか名推理)は、笑った。


●シネ・オペレッタの金字塔:『ラヴ・パレイド』
 エルンスト・ルビッチが描く、後にシネ・オペレッタと位置づけられるジャンルの作品。

 不貞を行った伯爵:アルフレッドは、祖国へ戻り、女王からじきじきに罰を受けることになる。
 しかし女王は、そんなアルフレッドに惚れてしまう。
 二人は結婚するが、それが騒動の始まりで・・・・

 普通のミュージカルとは違い、台詞の流れから徐々にリズムをとっていき、いつの間にか歌になっているという手法。
 どんどんノってくる様は、観ていて楽しい。

 また、女王の御付のメイドと、伯爵の御付の男の二人が魅せるパフォーマンスが、とにかく素晴らしい。
 犬の使い方もお見事。



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 あと、22日の回も行くつもりです。
 今度は何か、一枚羽織れるものを持って・・・・
 

2009年8月5日水曜日

ゲン@ 劇場:『ハウエルズ家のちょっとおかしなお葬式』

ゲンです。
今年も夏休みはありません、全部仕事です・・・

『ハウエルズ家のちょっとおかしなお葬式』@シネマート六本木(8/4鑑賞)

父親の葬式をめぐり、主人公の男とその個性的な家族らが嫉妬、秘密、恋心に彩られた人間模様を織り成すヒューマン・コメディー。

2007年に米国で公開された小規模作品ですが、日本では先週公開になり
ました。
「お葬式×コメディ」というシチュエーションですが、予告編がなかなか面白かったので、劇場まで観に行ってきました。

おー面白い! 笑ってホッとできる、優秀コメディ♪

いやー、普通に面白かったです。

主人公の父親が亡くなり、葬儀の日の朝に遺体が届くシーンから始まるのですが、届いた棺を開けると、

「この人、誰?」

なんと棺を間違えてた!

という、もう始めからクスッと笑えるOPでした。

そして、彼の元に集まってくる親戚一同が個性豊か、というかクセの強すぎる面倒な人たちばかりw
恋愛、嫉妬、秘密、脅迫、幻覚?などなど、様々の人間達の様々な思惑によって引き起こるたくさんの問題によって、お葬式はメチャクチャな展開にw

「いや、お葬式の日に、そんな事わざわざ言わんでも!」

と、全く空気の読めない人達に、もう笑いっぱなしだったのですが、ラストに主人公が読み上げる父親への弔辞が、とても温かい愛情に溢れていて、思わずホロリ・・・

散々馬鹿馬鹿しく笑わされていただけに、ストレートな言葉で語られると、反動で余計に心に響いてきました。


有名な俳優さんが出ていなくても、設定と脚本だけで十分に笑ってホッコリ出来る素敵な作品!

オススメです!

ゲン@ 劇場:『ボルト』[字幕版]

ゲンです。
今月は「早め早めの消化」を心がけてます。

『ボルト』[字幕版]@TOHOシネマズ みゆき座(8/4鑑賞)

ディズニー製作、大人気のテレビショーで活躍中のスター犬、ボルトが迷子になり、アメリカ横断の大冒険を繰り広げるCGアニメ。
出演は、ジョン・トラボルタ、マリー・サイラス。

元々ディズニー製作のCGアニメはあまり興味がなかったのですが、一昨年の『ルイスと未来泥棒』に続いて、今回もピクサーの大天才:ジョン・ラセターが製作総指揮を務め、なかなか面白い作品になりそうだと思い、期待しておりました。
しかも主役の犬:ボルトを演じるのがジョン・トラボルタってコトで、少ない字幕版での劇場で観てきました。

やはりジョン・ラセターは天才! ディズニーを救えるのは彼しかない!

前作の『ルイス~』を実はまだ観ていないので分かりませんが、ディズニーだけの力ではここまでの作品には仕上がってないと思いました。
ディズニーって、ファンタジーは得意ではあるけど、こういった現代モノでのストーリーの運び方ってのは、まだまだ未熟であると思うんですよ。
変に子どもに媚びたような、愛だの夢だのを連呼するだけの作品が一時期続いていたように思うのですが、ストーリーのしっかりしたドラマ性の強いピクサーの要素を加えることで、非常にバランス取れた作品に仕上がっているよ感じました。


今回の物語になっているのが、特撮ドラマで飼い主の女の子:ペニーを助ける特殊能力を身につけたスーパードッグ:ボルト。
ボルトに最高の演技をさせるため、ドラマが現実だと信じ込まされて育てられた彼は、外の世界に飛び出して、初めて自分がただの犬であることを知ってしまう・・・というお話。

じゃ、ずっと育ててきてくれたペニーが自分を愛してくれていたのも、実は全部演技だったの?

・・・という疑念に駆られて、愕然とするボルトですが、こういう展開って、あまりディズニーがやってこなかったコトだと思うんですよね。
「作られた世界」みたいのを怖がってるディズニーとしては、あまり得意な展開ではないように思います。

しかし、そこはピクサーの十八番。
大人でも唸ってしまうようなエピソードが織り込まれ、中盤はドラマチックでグッと来る展開に・・・
「人間と、他の世界の繋がり」を散々描き続けてきた彼らにとっては、その辺のまとめ方が非常に上手いですから、ちゃんとドラマを描きつつ、ファンタジーの要素をしっかりと表現してるのは、実に素晴らしいと思います。
また映像技術的にもかなり綺麗なCGでして、その辺もピクサーの協力が、少なからずあったのではないかと思いました。


主人公:ボルトの声を演じているジョン・トラボルタですが、優しさと力強さが共存する深みのある声が印象的で、とても素晴らしかったです。
『ヘアスプレー』『団塊ボーイズ』と、また最近面白い作品への出演が増えてきてるだけに、今後も楽しみですね。

ボルトの飼い主:ペニーを演じているマリー・サイラスのハスキーな声もなかなか良かったです。
『ハンナ・モンタナ』とか、まだ観たことはないんですが、実はスゲー観たいんですよねぇ・・・

またエンディングでこの2人が一緒に歌を歌っていて、その曲がゴールデングローブ賞にもノミネートされていたのですが、普通にいい曲でした♪


ピクサーにも負けない、ディズニーの新境地!

3D上映もいいですが、出来れば字幕で観てもらいたいなぁ~♪w

2009年8月2日日曜日

ゲン@ 劇場:『トランスポーター3 アンリミテッド』[試写会]

ゲンです。
久しぶりに試写会なんぞに当たりました。

『トランスポーター3 アンリミテッド』[試写会]@曳舟文化センター(8/2鑑賞)

ジェイソン・ステイサム主演、リュック・ベッソンがプロデュースするアクション・シリーズ、『トランスポーター』シリーズの第3弾。

僕の大大大好きな「世界一カッコいいハゲ」こと、ジェイソン・ステイサムの出世作『トラポ』シリーズも遂に3作目。
1をDVDで観て、あまりのカッコよさとアクションのセンスに惚れ込み、SFでないアクション映画の中では、トップクラスに入る面白さだと思っていたのですが、2があまりにCGに頼りすぎていてガッカリ・・・
同じスタッフなのに、何でこんなにダメな作品になってしまったのかとうな垂れていましたが、3作目になり監督も交代して、一体どんなモノになってしまうのかと思っていましたが・・・・

シリーズ史上、最低の作品!!! こんなの『トラポ』じゃねぇよ!!!

基本的に「映画は自腹を切ってこそ、感想が言える」と言うのが僕のモットーで、試写会なりで自分のお金を使わずに観た作品は叩かないと言うのが信条なのですが、今回はそれを破ります・・・
ジェイソンと1作目があまりに好き過ぎるのと、2作ともDVD持ってるから許してw


前作まで監督を務めていたルイ・レテリエから、オリヴィエ・メガトンという人に代わったのですが、この交代は想像以上に影響が大きかったですね・・・
作風というか、画面の撮り方が全く違ってました・・・

アクションシーンというアクションシーンに、とにかく早回しを使いまくっていて、不自然なほどにアクションのスピードを上げまくっていて、ありえないほどにカット数が多く、画面に全く迫力と説得力が無く、非常に雑なシーンばかりでした。

肉弾戦なアクションシーンだけならまだしも、トラポシリーズの大きな魅力の一つでもあるカーチェイスのシーンですら、早回しと細かいカット割りを多用し、スピードばかりを追い求めていて、力強さがこれっぽっちも感じられませんでした。

ハッキリ言って、最悪です。

こんなアクション映画、観たくない。



それに加えて、ヒロインとのロマンスも中途半端で脈略がない。
1作目でも濃ゆいラブシーンはありましたが、流れ的にも綺麗だし、アクションシーンの繋ぎとしては、必要であったように思います。
CGに頼りすぎて駄作になってしまった2作目ですら、あえてヒロインという存在を排除した結果、流れ的にはスムーズになっていたとも思っています。

しかし今回、ヒロインのポジションが中途半端。
大した魅力を感じられないままに、無理やりな展開でロマンスされても、引くだけですよ。
まぁ、ジェイソンが裸になれば、ムキムキの肉体が見れるという美味しさは否定しませんけどもw


主演のジェイソンですが、スーツをビシッと着こなし、黒光りしたアウディを乗り回して、敵をバッタバッタと倒していく様子は、相変わらず素敵♪
ただ、前作で魅せていたような、任務を遂行する上で自分に科したルールに拘る様子が若干弱まり、ちょっと都合よくなってしまっていたのには残念・・・
その分、人間的な魅力はあるんですが、やはりある程度の冷酷さを持っていた方が、カッコイイと思うんですけどねぇ・・・


ただでさえ、アクション映画としての魅力が薄いのに、これを大好きな「『トラポ』の第3弾です!」と言われたひにゃ、ハラワタが煮えくり返る思いです。

こんなん『トラポ』じゃねぇよ!

ベッソンよ・・・貴方は神じゃなかったのか?・・・

~~~~~~~~~~~~~~~

そんなワケで、強い憤りを感じております・・・

あぁ・・・2作目はまだ何とか許せたけど、コレは無いなぁ・・・


ベッソンの次回作(製作)は、8/22公開の『96時間』というアクション・サスペンス。
海外ではなかなか評価が高かった作品ですので、コチラに期待しておきます。

ジェイソンの次回作は、『アドレナリン』の続編で9/26公開『アドレナリン:ハイ・ボルテージ』というノンストップアクション。

ジェイソンには申し訳ないけど、『アドレナリン』はテンションが高すぎて、ちょっと引きましたw
どんなに元気な時に観ても、絶対疲れるような作品なんだよなぁ・・・
まぁ、劇場に観に行くつもりですけどw

2009年8月1日土曜日

ゲン@ 劇場:『サマーウォーズ』

ゲンです。
今月はサマームービーの公開ラッシュですね♪

『サマーウォーズ』@TOHOシネマズ 西新井(8/1鑑賞)

『時をかける少女』の細田守監督が放つ劇場アニメーションの最新作。
ふとしたことから片田舎の大家族に仲間入りした天才数学少年が、突如世界を襲った危機に戦いを挑むことになる。

前作『時を~』を劇場で観て、その画の綺麗さとストーリーの甘酸っぱさに心を奪われてしまっておりました細田監督の最新作ってコトで、非常に楽しみにしておりました。
普段は仕事の中日で映画を観に行くことは滅多に無いんですが、この作品だけは早めに観ておきたかったので、ハードスケジュールながら初日に行ってきました。

あーもー最高です! この感じ、タマらん!

いやー快挙!
まー満点取っちゃうよなぁ・・・良かったなぁ・・・最高だったなぁ・・・
過去5年間に劇場で観た実写でない邦画作品では、初めての満点です!
今年観た邦画の中でも、もちろん最高の作品ですよ!


まだまだ初日なので、あんまり詳しい内容には触れたくないのですが、舞台になっているのが長野県の片田舎にある由緒正しいお屋敷。
今では珍しく、親戚や家族の繋がりが非常に強い人々ばかりが登場するのに、そこで巻き起こるのは「OZ(オズ)」と呼ばれる仮想現実空間での出来事。
その仮想空間では、PCや携帯を使った友人や知人とのコミュニケーションはもちろん、電気や水道といったライフラインの管理から、行政機関や地方自治体の窓口など、ありとあらゆるモノと繋がっていて、世界中で10億人以上が登録しているという、登録していなければ生活できないほど現実世界に密着した超巨大な仮想空間。

そこで発生した「サイバーテロ事件」って感じなのですが、このSF感が超絶妙!
コンピューターの中の世界を視覚化した作品といえば、『マトリックス』なんかが有名ですが、この作品の視覚化具合ってのが、すんごく素敵!
とってもカラフルで可愛らしいキャラクタで作られていて、複雑な世界観ながら、見ている感覚は凄くシンプルで、とっても受け入れやすい!
さらに、その仮想空間の中で自分の代わりになるアバター(キャラクタ)!

この「アバター」ってのが、ストーリー上でも非常に重要でして、現実世界でのその人の性格を反映していて、非常に個性的なキャラクタがたくさん登場します。


つまりは、コンピューター用語が常に飛び交うような、もの凄くSFな物語なんですが、舞台になってるのが風景も美しい田舎の旧家。
登場人物も人付き合いが良く、都会の人々が忘れていたような田舎の人達そのもので、人と人との関わりが濃く非常に人間くさい。

「コンピューターの中での繋がり」という印象の強いSFの中で描かれる「家族や親戚の絆」というこのギャップ!

この感覚を味わったことは、かつて無かったです!

SFなんだけど、これでもかというほどに人間の温もりを感じます!




また映像って言う面で観ても、非常に素晴らしいです。
仮想世界はCGで作られ非常に鮮やかで、ゴチャゴチャしていながらも、細部までとても細かく作られていて、その緻密さには息を飲みます。
また現実世界のほとんどのシーンはコンピューターで描かれてるんでしょうが、背景は日本のアニメ特有の美しい手書きの画が使われています。
エンドロールを観てて気づきましたが、ジブリで長年背景を描き続けてきた、男鹿和雄さんも参加されてましたね。


アニメ映画を推す事は、僕はあまり無いんですが、この作品だけは別格で素晴らしいです!
個人的にも今年観た邦画では最高の作品で、年間でもトップ10に入るでしょう。

そんなコトよりも、まず観て欲しい!

「観ないと損」というレベルの面白さ!

この夏、見逃せない最高のアニメ!

梅太@ 劇場:『そんな彼なら捨てちゃえば?』

この記事は ”そんな彼”に分類されるであろう 梅太 の名の下にお送りいたします

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・

●彼の行動の意味?彼はあなたに、それ程興味が無いのです:『そんな彼なら捨てちゃえば?
 監督はケン・クワピス。
 出演には、女優陣はドリュー・バリモア、スカーレット・ヨハンソン、ジェニファー・コネリー、ジェニファー・アニストン、ジニファー・グッドウィン。
 男優陣にはベン・アフレック、ジャスティン・ロング、ブラッドリー・クーパー、ケビン・コノリー。

 ・・・・主演キャストが多い。

 「彼が電話をかけてこない」
 「彼が結婚を申し込んでくれない」
 「彼がデートに誘ってくれない」etc...
 何故?
 それはつまり、彼はそんなにあなたのことが好きではない。
 様々なケースの恋愛模様を、複数のカップルを事例にお送りする恋愛群像劇。

 
 原作を手にとってみました。
 原作は、『SEX and the CITY』のスタッフの一人:グレッグが、寄せられた恋愛questionに対して答えていくもので、映画版とは違い、一つ一つのエピソードに関連性があるわけではありません。
 それをどのように、一つの物語として纏め上げるのか。
 非常に楽しみでありました。

 また監督が、もはや単なるガーリー・ムービーではない、私大絶賛の作品『旅するジーンズと16歳の夏』のケン・クワピスというのも、期待の一つでありました。
 (続編も、クワピスが監督してれば、面白くなったろうのに・・・)


 あぁ・・・うまい!
 クワピスうますぎる。


 物語としてまとめたのは、脚本:アビー・コーン、マーク・シルバースタインの手腕でありますが、それを映像詩として素敵に表現したのは、やはりクワピスの実力。

 『旅する~』は、ずっと仲良しの4人の女性が、夏休みに離れ離れに過ごすことになるというもので、一人一人のエピソードがオムニバス的に進行してしまうかと思いきや、ジーンズという媒体を介して、とてもうまく繋げていました。

 今回は、そういった象徴的なアイテムが無いため、どういう風につなげていくのかなと思っていたら・・・

▼▼▼▼▼▼▼

 僕が見事だと思ったのは冒頭。

■ジニファー・グッドウィン×ケビン・コノリー
 のデートから始まる。
 デートが終わり、ケビン・コノリーは電話をかける。
■ケビン・コノリー×スカーレット・ヨハンソン
 の電話トーク。
 スカーレット・ヨハンソンは、買い物に来ていて、ある男性に会計の順番を譲られる。
■スカーレット・ヨハンソン×ブラッドリー・クーパー
 ブラッドリー・クーパーは、スカーレット・ヨハンソンに一目ぼれ。
 だが彼は既婚。何事もなく、車に戻る。
■ブラッドリー・クーパー×ベン・アフレック
 ベン・アフレックが、「今の女性は?」と聞く。「新しい顧客候補だよ」とクーパー。
 ベン・アフレック帰宅。家には長年同棲した彼女が。
■ベン・アフレック×ジェニファー・アニストン
 「妹が結婚するんだって。なんであたしたちは結婚しないの?」そう聞くアニストン。
 アフレックは、彼女が好きであるが、結婚という道は選びたくないと主張。

 と、一見入れ替わりが激しく思えますが、映像としてものすごく考えられて繋げられている流れが、とても素晴らしかったです。
 ここに後々、ジャスティン・ロングやジェニファー・コネリー、ドリュー・バリモアが絡んでくるわけです。

 先にポロっと言ってしまったとおり、主演キャストが多すぎる本作ですが、しっかりばっちり纏めています。
 それぞれが、それぞれの結末を迎えていく終盤も、お見事の一言。

 群像劇の名手と称しても、十分通用する監督であると思います。

▼▼▼▼▼▼▼

 演技面での話。

 誰より僕の心をつかんだのは、ジジを演じるジニファー・グッドウィン。恐らくこの作中、一番印象に残る女性では無いでしょうか。
 彼女が、アレックス(ロング)の助言を元に、過去の自分の事例を振り返り、出した結論を、同僚ベス(アニストン)とジャニーン(コネリー)に、早口でまくし立てるシーンがあるのですが、そこのハシャギ様が実に見事で、僕はニヤニヤしっぱなし。
 電話を待つ様もかわいすぎる。
 ラスト。○○○(ネタバレになるので伏せます)とのキスシーンで、背伸びをする様も実にカワイイ。
 (そしてその様をしっかりと捕らえるクワピス監督も素晴らしい)

 男優では、ベン・アフレックの一人勝ちでしょうね。
 今まで見た作品の中でも、最高の皿洗いシーン。
 あんなことされたらもう・・・

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 原題:『He's just not that into you』は、「彼はそんなにあなたのことが好きではない」という意味。
 それを意訳した、「そんな彼なら捨てちゃえば?」という邦題が、お見事。
 
 男子禁制?
 関係ないです。

 今年一番のラブ・ロマンス。
 是非ご賞味あれ。