2009年10月30日金曜日

ゲン@ 劇場:『私の中のあなた』

ゲンです。
先日、デザインフェスタに行って来ました。
暑かったです。

『私の中のあなた』@TOHOシネマズ 錦糸町(10/16鑑賞)

白血病の姉のドナーとなるべく遺伝子操作によって生まれた妹が、姉への臓器提供を拒んで両親を提訴する姿を通し、家族のありかたや命の尊厳を問いかける。
出演はキャメロン・ディアス、『リトル・ミス・サンシャイン』のアビゲイル・ブレスリン。

「子ども×病気」の泣かせる系定番のお話ですが、海外での評価もまずまずだったのと、何よりキャメロンとアビゲイルの共演ってのが楽しみでした。

ま、泣くわなー・・・スッキリしたので文句は無いけどもw

やれ、子どもだー病気だーって王道の泣かせる要素をバッチリ使ってくるのはどうだろうと思ってましたが、テーマとして描いてるのが「子どもの成長と親からの独立」って部分だったのがとても好印象でした。

ストーリーはというと・・・
白血病の姉に臓器を提供する為、遺伝子を操作して生まれた妹が、いざ手術が近くなると妹は臓器の提供を拒み、かつ今まで姉のために多くの入院を強いた両親を提訴する。
自分が臓器を提供しなければ、姉が死んでしまうのは分かっているはずの妹は、何故そこまで拒み続けるのか・・・


僕は普段「こども」を漢字で書くときは、「子ども」と書くように意識してます。
それは「子供」「供」「従う」という意味があるからなんです。
「お供」「供」と同じ意味ですよね。
つまりは「親に従う」っていう意味になる気がして、あまり好きじゃないんです。

親は子どもを育て、守る立場ではあるけども、「従わせる」という関係であってはいけないと思ってます。
勿論、初めは理屈とかを考えさせるっていうレベルで話はできないですから、具体的に何歳とかいうんじゃなく、物心がついた頃としか線は引けませんが、どこかに子ども自身に考えさせる余地を与えなくては、絶対にいけないと思うんです。

この作品の中で、母親は妹に対して、姉のための医療行為を妹に半ば強要します。
それは「姉を助けるため」ではありますが、妹自身の意志はどこまであるのか、という問題が生じてきます。

ついに妹は親を提訴し、そのことにより家族の間に大きな溝が生まれてしまいます。
「姉の病気」だったはずが、いつかしか家族をバラバラにしてしまう・・・
果たして、これは姉が望んだ結果だったのか・・・

その答えが明かされる時、とても強い衝撃を受けました。


キャストですが、まずキャメロン・ディアス!
いよいよ彼女も母親を演じる歳になってきたんですね・・・
娘の病気を治すために全てを投げ出して奮闘し、時には家族の理解も得られない事もありますが、それも娘を思う気持ちあってこそ。
その母親としての強い愛情は、とても良く表現されていたと思います。

姉のドナーになることを拒む妹を演じたアビゲイル・ブレスリン!
『リトル・ミス~』で注目され、ダコタ・ファニングと並んで「天才子役」と称される彼女ですが、今回の役どころは相当難しかったと思います。
幼いながら「臓器提供を拒否する=姉の死」というのは理解できていますから、それをどこまで表現できるかが重要です。
単に大人っぽいというだけでなく、どこかに本心を隠しながらも、毅然とした態度でふるまうといった演技が、完璧に出来ていたと思います。

その病気の姉を髪を剃って演じた、ソフィア・ヴァジリーヴァの熱演も素晴らしかったです。


「子ども×病気」というと、病に犯された子を主人公に描いてしまいがちですが、その子を中心とする母親と妹の関係を描き、家族のあり方をテーマにした非常に良く出来た作品だと思います。

変にクサく感動させて泣かそうとする空気がなく、丁寧に描かれているのが好印象でした!

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