この記事は ホラー映画で感動を覚えるとは・・・な 梅太 の名の下にお送りいたします
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みなさん、お久しぶりです。
そろそろ存在を忘れられている頃かと思います。
実は私、この度引越しをいたしまして、しばらくネットが使えない状況にありました。
やっと繋がったので、これからはバンバン更新していく所存でございます。
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●小さな誤解が、人生を破滅させる:『スペル』
監督はサム・ライミ。
主演にアリソン・ローマンと、ジャスティン・ロング。そして忘れてはいけないローナ・レイヴァーの強烈さ。
ホラー映画で感動するとは思わなかった。
素晴らしく良くできている。
脚本と、そして人を怖がらせることしか考えていないような徹底した演出。
思い出しても、未だに鳥肌が立ってしまう。
怖いといえば怖い。
でも、「面白かった」と素直にいえてしまう娯楽性もある。
なんともすっごいホラー映画に出会ったものだ・・・
※以下、若干のネタバレを含んでいますので、鑑賞後に読んでいただくのが良いかと
ストーリーは。
銀行で融資を担当する女性:クリスティン(ローマン)の元に、ある日一人の老婆(レイヴァー)が訪れる。その老婆は、家を差し押さえられ、支払い延期を頼みに来ていた。しかし昇進を考えていたクリスティンは、「冷静な決断を」がモットーである上司に気に入られるため、延期を断ってしまう。
その夜、帰り道で老婆に襲われる。
クリスティンのコートのボタンを引きちぎった老婆は、そのボタンを介してクリスティンに呪いをかけるのであった。
クリスティンは呪いを解くことができるのか。人生最悪の3日間の幕が上がる・・・
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人を怖がらせるのに一番良い方法は、”想像させる”ことだ。
まずは、人間の想像力をこれでもかと刺激する、影についての話をしたいと思う。
影と言うものは昔から、恐怖を煽ったりするのに使われているが、それはなぜかといえば、ホラーテラーは人間の想像の力を信じきっているからだと思う。
この作品に出てくるラミアという悪魔は、その全体像をあらわすことは無い。
影として、幾度か登場する程度である。
しかしその影から、僕達はとてつもなく恐ろしいものを想像してしまうのだ。
何を隠そう僕は影の描写フェチなのであるが、この作品の影は、満足度100%の描写であった。
次に、怖いものを見せることではなくて「怖がっている演者の表情を見せる」こと。
この作品は、アリソン・ローマンのクロース・アップがこれでもかと登場する。
ローマンファンとしては、これ以上に嬉しいことはない。
いや、話が逸れた。
やはり誰かが怖がっている表情を見ると「その視線の先に何があるの?」と思ってしまう。
それが、怖さを倍増させる。
想像力を刺激し、恐怖心を煽りに煽った上で訪れるホラーシーン。
怖いと思うと同時に、見事とさえ思ってしまう。
そして、これは僕が勝手に思っているだけなのだが、ホラー映画にはちょっとした笑いが必要だ。
それはコメディ的な笑いではなく、何だか常軌を逸しすぎていて、もう笑うしかない!というタイプの笑い。
その点において最大の見せ場は、終盤のラミア降霊シーン。
霊媒師の助手に乗り移ったラミアの、動きの滑稽さ(なんだかこの世に下りてきたことをすごく楽しんでいるような感じ)と、恐ろしくも綺麗で楽しげな旋律。
あれ、これホラー映画なんだけど?と自分に突っ込みを入れつつも、最高に楽しめたシーンだ。
もっともラミアが登場しなくとも、ホーンテット・マンションを思わせる大広間や、ゴシックな霊が出てくる場面など、かなり僕のツボをついている。
また、古いスプラッター映画を髣髴とさせるシーンも好きだ。
ちゃっちい故に笑えてしまう。
さて、そんなエンターテインメント性・・・失礼、ホラー性を遺憾なく発揮している本作で、やはり最大の見せ場はラストシーンであろう。
救いからどん底まで、一気に叩きつけられるラストは、富士急ハイランドも足元に及ばない絶叫だ。
そしてそのラストから思い返される脚本の見事さ。
僕の中では、ホラー映画No.1。
沈まない太陽も、想像すると何だか怖いけど、やはり太陽が沈んだ後の方が怖い。
怖くて楽しくて素晴らしくお見事なホラー映画です。
是非、しり込みせずに劇場へ。
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そうそう、この映画の原題は『Drag me to hell』である。
直訳すると、「私を地獄に連れて行って」となる。
朝倉南だって、そんなことは言わないであろう。
ただ、ラストシーンで、どうあっても呪いから逃れられないクリスティンの運命を思うと、何だかとても考えさせられる題名だ。
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ホラー映画を見て、心の隅まで満足してしまう僕は、きっと変態なんだ。
変態ついでに言わせてもらえば、僕が一番悶えたシーンは、アリソン・ローマンが墓穴の中で、老婆の死体に”あるもの”を手渡し、冷酷に見下しながら「GOOD BYE!」と言ってのけるシーンだ。
最高だった。
何故最高だったかは、僕にも分からない。
それこそが一番の恐怖か。
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