GWを前に春の新作ラッシュ、大変です・・・
■『スラムドッグ$ミリオネア』@TOHOシネマズ シャンテ(4/23鑑賞)
※先に観た梅太くんの感想はコチラ
『トレインスポッティング』『28日後…』など多彩なジャンルで観客を魅了する、鬼才ダニー・ボイルの最高傑作といわれる感動的なヒューマン・ドラマ。
インドを舞台に、テレビのクイズ番組に出演して注目を集めたある少年が、たどってきた生い立ちと運命の恋をボリウッド風の持ち味を生かしながらつづっていく。
当初は劇場公開すら予定されずにビデオスルーしかけた作品が、あまりの評判で劇場公開、徐々に話題が広がり、ついには本年度アカデミー賞の作品賞をはじめ最多の8部門を獲得してしまった、まさに大成功の作品。
嫌でも期待が高まります。
スラムドッグがつかんだ、夢と希望が溢れる秀作!
インドのスラム街で育った青年:ジャマールは、世界最大のクイズショー「ミリオネア」で、ラスト1問まで辿り着く。
無学なはずの彼は、何故そこまで辿り着けたのか?
A:インチキした
B:ラッキーだった
C:天才だった
D:運命だった
どんなに難しい問題も難なく答え、順調に進んでいく青年:ジャマール。
最後の1問を残し生放送は終了、最後の1問は翌日に持ち越されるが番組を終えた直後、無学なはずの彼がインチキをしたのではないかと警察へと連行され、取調べを受ける。
そこで徐々に明らかになっていく、スラム街で育った厳しく辛い過去。
しかし、その人生の経験全てが、クイズの答えを導いていた・・・
言ってしまえば、非常に都合が良いです。
自分の人生の経験が、全てクイズの答えになっているなんて。
まずそこを認められるかどうかで、この作品の評価が変わってくるかと思いますが、僕は気にしてません。
だって、映画ですからねw
で、それを踏まえた上で、徐々に明らかになっていく彼の過去ってのが、本当に不憫で苦しく辛い・・・
普通、クイズをどんどん答えて進んでいけば、嫌でもテンションが上がって笑顔になっていくはず。
しかし彼にとっては、答える度に辛かった過去がフラッシュバックされので、観ているコチラも苦しくなっていきました。
両親との別れ、人売りからの逃亡・・・
クイズが進むにつれて上がる賞金と反比例するように、彼の辛い経験は積み重なります。
でも、そんな苦境に陥りながらも、彼が決してめげなかったのは、幼少期に分かれた幼なじみを何とかして見つけたかったから。
彼女を見つけたい、彼女を救いたい一心で生き抜いてきた人生の経験全てが、クイズの答えになり、彼を億万長者へと導きます。
非常にハリウッド的な展開ではありますが、ほとんどのシーンがインドロケ、カメラも手持ちのような生々しい映像が多く、音楽や画面の色使いもインド色の強いオリエンタルな空気で、外国(米国以外)の作品のような印象が強かったです。
とてもいい話ですし、夢と希望が溢れる素晴らしい作品だと思いましたが、文句無しの満点か?・・・と問われると、言いたいコトが幾つか・・・
まず一番気になるのは、やはりラスト。
結果から言うと彼は全問正解するのですが、最後は正解しなかった方が良いんじゃないのかと・・・
結局彼の目的は賞金では無かったのだし、そこまで勝ち進んだことで本当に手に入れたかったモノはつかんだワケだし、「全問正解=人生の成功」みたいな分かりやすい形にする必要はなかったのでは無いかと・・・
あとそういった流れでどうしても気になるのが、アメリカ的な目線。
米国人監督が撮ってるので仕方ないと言えば、仕方ないんでしょうが、全体から受ける印象がどうしてもインドを上から見てるような気がしたのが、どうしても気になりました。
いくらスラム街出身の青年だからと言って、TV番組の司会者や警察が過剰に偏見に満ちた目で描くのは、本国の人が見たら気持ち良い思いはしないんじゃないのかなぁ・・・
これが自国で作られた作品だっていうのなら、ある意味で自虐的というか、理解を踏まえた上で作られてると思うのですが、米国が作ることで意図的な悪要素が入れられてるんじゃないのかという疑心暗鬼に陥ってしまたのが、ちょっと残念でした。
なので、封切り前から大騒ぎしてた自分としては、非常に申し訳ないですが、非常に素晴らしいとは思いつつも、この作品には文句無しの5点満点はつけられないですね・・・
確かに数多くの映画祭で評価される理由は理解できますが、アカデミー賞の作品賞まで取ってしまうと、やっぱりアメリカ主義の作品なんじゃないのかさえ、思ってしまう自分が悔しい・・・
アカデミー賞にノミネートもされず、単館系でひっそりと公開されてたら、間違いなく5点満点だとは思うのですが・・・
うーん・・・ちょっと話題が大きくなり過ぎたかも・・・・
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