2008年9月27日土曜日

ゲン@ 「第21回 東京国際映画祭」先行受付開始!

ゲンです。

10月18日~26日、六本木と渋谷で開催されます「第21回 東京国際映画祭」(通称:TIFF)の鑑賞チケットの先行受付が本日開始されました。

ちなみに僕は、特別招待作品を数本観に行く予定です。

『少年メリケンサック』(09年2月公開)
監督:宮藤官九郎
出演:宮﨑あおい、佐藤浩市


『ブーリン家の姉妹』(08年10月25日公開)
監督:ジャスティン・チャドウィック
出演:ナタリー・ポートマン、スカーレット・ヨハンソン、エリック・バナ


『WALL・E/ウォーリー』(08年12月公開)
監督:アンドリュー・スタントン


一般上映よりもかなり早く観られるのは勿論、作品によっては舞台挨拶もありますので、興味のある作品を観に行かれてはいかかでしょうか?

まぁ、チケットが取れればの話なんですけどねぇw
今年が初参戦なので、すごく楽しみです。

抽選先行は本日より、一般発売は来週10/4 10:00~、チケットぴあにて発売です。

梅太@ 劇場:『アイアンマン』

この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします

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●鋼鉄スーツのアンチ・ヒーロー:『アイアンマン
 監督は、日本では俳優としての顔の方が有名なジョン・ファブロー
 主演はロバート・ダウニー・Jr

 1~8月の全米興行収入では、まだ近場で上映しているならば是非とも劇場で観て欲しい『ダークナイト』に次いで堂々の第2位を獲得している『アイアンマン』。
 つまりそれは何を意味するかというと、核爆弾の脅威も冷蔵庫の中に避難してしまえば何のその!ということを証明した人気冒険シリーズの第4弾を抑えてのヒットということになります。


ストーリー:
 アメリカが誇る屈指の軍事産業企業スタークインダストリーズの社長で、女性とジョークをこよなく愛すトニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)。
 新製品の取引でアフガニスタンへ訪問するが、テロ組織に拉致され幽閉されてしまう。
 トニーは、「俺たちにも、新しい武器を作れ」という要求に応じるが、武器を作ると見せつつ、組織に隠れ鋼鉄のスーツを作り脱出をする。
 しかしその組織は報復として、スタークインダストリーズの製品を裏取引で入手し、罪のない人々を攻撃し始めた。
 かくしてトニーは、改良したアイアンスーツを身に纏い、世界を救うべく立ち上がるのだった。



 はてさて、その感想は・・・・

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 ビバ!トニー・スターク!!

 ということで、非常に面白かったです。

 
 ~~~ これまでのアメコミムービーとは一味違う要素が満載 ~~~

 僕らの身の回りには、様々な事件が起こっていますが、自分に関係ないことについては、ほとんど無関心であり、無責任です。
 それに気付いても、自分にはどうにもできないことが多いことも事実です。
 トニー・スタークも、自社の製品で人々が傷ついていくのを目の当たりにし、初めて「自分は無責任なシステムの一部にすぎない」ことに気付きます。
 
 この作品が他のアメコミムービーと違うところは、ヒーローになるまでの過程が、我々にとって非常に親身であること。
 トニー・スタークが人並みに成長していくからとても面白い。
 つまり、最初からヒーローというわけではないのです。我々と同じなのです。
 それが、立派なヒーローへと変心していくのです。

 自分の無責任さに気付いたとき、トニーには力がありました。その無責任さを打破する力。財力も・・・まぁ、含みます。
 僕たちにはトニー・スタークみたいに大きな力は無いかもしれないけど、何かしら出来るかもしれない。

 ド派手な映像とは裏腹に、控えめながら重要なメッセージが含まれているように感じました。

 また、突然変異で特殊能力を手に入れるわけでもなく、訓練によって強靭な肉体を手にするわけでもない。
 アイアンスーツはあくまでお手製ということろも、ユニーク。
 攻撃されれば破損するし、長時間使用でパワーもダウンする。
 カッコイイながらも、あまりにも人間的過ぎて愛着がわきます。

 あと、今までの作品と違う要素として・・・・

 マーベルが独自に映画製作部門を立ち上げたこともあり、作品間の垣根が低くなったので、作中に他作品の要素がトニーのジョークとして取り入れられてたりします。
 物語の最後、強敵との対決も終わり、世間では「あの鉄のスーツはいったい誰だったんだ?」という話題で持ちきりになります。
 記者会見の前、トニーは秘書のペッパー(グウィネス・パルトロウ)とこんな一言を。(うる覚えですが)
 「自分がヒーローということをバラしたら、強敵に立ち向かう僕のことを誇りに思ってくれたりするんじゃないの?」
 ・・・だよね! きっとわかる人はわかるかと。

 エンドロール後は、8月に公開された『インクレディブル・ハルク』同様、マーベル社関連での遊び要素が。
 きっと今後も、垣根がどんどん低くなっていくのでしょうね。

 
 ~~~ キャスト:ロバート・ダウニー・Jrという高齢の主人公 ~~~

 ストーリーと言うところであれば、前印象以上の収穫がありました。
 しかしロバート・ダウニー・Jrの配役は、予告編を観たときから、バッチリ合っているように感じていました。
 原作を知らないのに・・

 ロバートは、現在43歳。劇中のトニースタークも、恐らく30後半の設定ではないかと思います。
 いままでのアメコミムービーの主人公の中でも最高齢と言ってよいのでは?
 ただそのオジサンが、魅せてくれます。
 最初は、自社の兵器がもたらす影響なんて考えない遊び人。後半は、責任感の強い企業の社長。
 この転換を、ユーモアを交えて完璧に演じてくれました。

 ロバートでなければこの作品、ここまで面白くは無かったかと。
 ジョークの間も一級品でしたしね。

 ビバ!トニー・スターク!!

 あと、秘書のペッパー・ポッツ役、グウィネス・パルトロウ。相変わらず綺麗だった。それで十分。
 ・・・というわけにはいかず。

 女性をこよなく愛するトニー・スタークですが、秘書のペッパーに対しては、家族のような信頼を抱いているようです。
 一度、恋愛関係に発展するかという場面もありましたが、そのあたりの絶妙な演技が素晴らしかったです。


 ~~~ 最後に & その他 ~~~

 もちろん、アメコミムービーですので、映像的な迫力は絶大。
 アイアンスーツは三度改良されるのですが、初期型はノーCGです。その拘り、脱帽です。
 また、機械音・電子音なんかも大迫力で、このあたりは是非とも劇場で体感して頂きたいところ。
 男の子なら、心揺さぶられること間違いなし。

 そういうヒーロー物のエンターテインメント性というところをしっかりと抑えつつ、ストーリーや人物像をしっかりと築き上げていて、非常に堅実な作品でもありました。 
 『ダークナイト』に次ぐ成績というのも納得の一品です。

 実は、すでに続編が決定しています。
 僕の中では、「ヒーロー物の第二弾は神がかり的に面白い」法則がありまして、期待は高まります。

 あと、今回素晴らしいトニー・スタークを演じてくれたロバートの次回作としては、日本では11月に『トロピックサンダー』が待ち受けています。
 コメディ俳優ベン・スティラーがメガホンを取った作品です。
 でも僕はそれよりも・・・やっぱりジョー・ライト監督の『The soloist』に期待してしまいます。
 

2008年9月26日金曜日

ゲン@ 劇場:『落下の王国』

ゲンです。

■映画『落下の王国』@シネスイッチ銀座(9/22鑑賞)

超独特な映像美で話題になった『ザ・セル』のターセム監督の6年ぶりに新作。
自殺願望のあるスタントマンが幼い少女を操るために始めた虚構の物語が、やがて夢と希望を紡いでいく様子を丹念に映し出す、美しい美術品のような感動巨編。

『ザ・セル』自体は8年前の作品なんで、すでに細かいストーリーなんかは忘れてしまってますが、その独特な映像美や世界観の印象だけは強く残っていました。
今回の予告編を観ても、まるで絵画のような美しいカットに見惚れてしまったので、劇場まで観に行ってきました。

はぁ~・・・・ため息が出ちゃう・・・

構想26年・撮影期間4年という長期間に渡って制作された作品ですが、その映像美たるや息を飲みます。
世界遺産や名所名跡など、世界各地のロケーションで撮影されているんですが、CGに頼らない、空や大地の色だけで、ここまで鮮やかに出来るものなのかと、驚きの連続でした。

前作は映像だけでなく、「異常殺人犯の脳内世界に入り込む」というストーリー的にも非常に頭の痛くなるような話だっただけに、今回も若干心配だったんですが、そんな心配は全く必要なく、「男が少女の為に作ったおとぎ話」という設定で、現実世界と妄想が巧妙にリンクしていて、笑えるセリフや表現も沢山あって、非常に観やすかったです。
恐らく、この監督が本当に作りたいのは『ザ・セル』みたいなサイコサスペンスではなく、こういったファンタジーなんだろうと思います。

またロケーションだけではなく、衣装も非常に独創的でした。
『ザ・セル』に続き、日本人の石岡瑛子さんという方がコスチュームデザインを手がけているのですが、世界中の青い空や海、砂漠なんかに立つと非常に映える配色の衣装で、寒気がするほど美しかったです。


『ザ・セル』のストーリーではなく、映像で魅了された人は絶対に観た方が良いかと思います。

それと、映像にド素人の僕にでも分かるくらい、1カット1カットがこれ以上無いというくらいに恐ろしく拘った構図や配置で撮影されているので、写真やら映像やらに興味がある人にもオススメします。

2008年9月21日日曜日

梅太@ 劇場:『WANTED』

この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします

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 劇場へ行ってまいりました。
 思えば、僕の劇場作品感想は初ですね。

●アクション映画:『WANTED
 監督は、ロシア映画『ナイトウォッチ』『デイウォッチ』のティムール・ベクマンベトフ
 主演はジェームズ・マカヴォイ、アンジェリーナ・ジョリー他。
 『ナイトウォッチ』で主演を務めているコンスタンチン・ハペンスキーも友情出演しています。

 『マトリックス』で、ウォッシャウスキー監督は、映像とアクションの見事な融合で、このジャンルに革命を起こしました。
 その影響力は計り知れず、3部作が完結したあと、似たような効果を使う作品がちらほら。
 僕はアクション映画(アメコミ映画含む)離れしていた時期がありました。

 しかし、昨年の『グラインドハウス』のアクションはすごかった。それで目覚めた。
 以来、『シューテムアップ』や『HOT FUZZ』など、アツいアクション作品群に出会えています。

 さて、今回の『WANTED』。
 僕はアンジェリーナ・ジョリーがあまり好きでないからという理由だけでスルーしかけましたが、予告編等が公開されるなり、「見なくては!!」と思い始めた次第です。

 その理由としては、凄腕スナイパーが高層ビルの窓から猛スピードで飛び出し、向かいのビルの敵をなぎ倒すシーンがあるのですけど、そこでの窓ガラスの飛び散り様が綺麗だった。
 僕はどうやら、”舞い散るもの”フェチのようです。

 さて、気になる本編の感想は・・・・・?


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 はい。もうお腹いっぱい胸いっぱい!
 何がすごいって、それはもうアクションがすごいに決まってるわけですが、順を追って話していきましょう。

~~~ アクション:流動的で美しく、ありそうで無かったアイデア満載 ~~~

 この作品も、マトリックスの類にもれず、映像とアクションの融合で観客を魅了します。
 でも、最近の大作映画には無く、この『WANTED』にあるものが、他の作品との線引きをしています。

 まず一つがアイデア。

 腕を振りながら引き金を引けば、銃弾が曲がる。
  ありえん!
 助走をつければ、窓を突き破って、大型道路を飛び越え、向こうのビルまでいける。
  ありえん!
 タイミングを合わせれば、相手の打った銃弾に自分の銃弾を当てることができる。
  ありえん!

 映像技術という面では目新しいものはありません。
 しかしこの作品は、使い方がウマイのです。
 ありえん!と思うアクションでも、もう笑うしかない!という素晴らしいアクションに仕立て上げています。

 もう一つが流れるような美しいアクション。

 昔から使われている技術ではありますが、『マトリックス』のヒットによりワイヤーアクションはかなり使われるようになりました。
 『マトリックス』後の大作アクションで僕が嫌いなのは、人間にあり得ない不自然な動きがどうにも眼につくところです。

 ワイヤーを使ってド派手に演出するのももちろん良いのですけど、人体の不自然な静止やブレというのは、派手さでカモフラージュはできません。(僕は”動きのノイズ”と呼んでいるのですけど)
 人間の目はそんなにヤワではないです。
 マトリックスは、その辺がうまかったですけどね。

 さて、『WANTED』では、すべての動きが流動的で、動きのノイズを見せず、武器や車さえも体の一部のように働きます。
 その一連の流れの、美しいこと。

 この徹底した美しさがあるからこそ、先で挙げた突飛なアクションアイデアも、なぜか現実味を帯びてしまうのです。
 腕を振りながら引き金を引けば、銃弾はまが・・・・・るかもしれない!
 そんな気さえ起こさせてしまう。
 CGを多用したアクション映画で、ここまで説得力のあるアクションが観られるとは思いもしませんでした。


~~~ ストーリー:どこかでみたな & アクションとのバランス ~~~

 普通の青年サラリーマンであるウェスリー(ジェームズ・マカヴォイ)が、暗殺者フォックス(アンジェリーナ・ジョリー)に出会い、ある組織の内部闘争に巻き込まれる。

 ウェスリーは実はその組織と意外な関係があり、自分では自覚していなかった、すごい才能があることに気付きます。
 その才能を見出し、組織のボス、スローン(モーガン・フリーマン)に導かれていく。

 そして最後には、誰も適わない凄腕暗殺者となる。

 さて、この設定、どこかで・・・・・?
 はい。もちろん『マトリックス』です!

 ただ、観る人が観れば、後半のストーリー展開は『リベリオン』に近いのではないか?という事に気付くはずです。
 (あ、これ言ってしまうと、ちょっとネタばれかな)
 マカヴォイのラストバトルの激アツなアクションも、観る人が観れば「あ~、リベリオン(笑」となると思います。
 こっちの方が、上ですけど。

 ストーリーはシンプル。
 やはりアクション映画と言うのは、アクションが主体ですから、ストーリーは軸がずれないようにするだけで十分だと思います。
 ややこしくする必要はない。
 でも、単調なのは問題ですから、この作品は終盤の一転が絶妙なスパイスとして効いてきます。

 さて、この作品はストーリーとアクションのバランスが非常に良い
 然るべく場所に、然るべき長さで、然るべき派手さのアクションが配置されています。
 だからストーリーによって、アクションが妨げられることもなく、アクションによってストーリーが妨げられることもありません
 バランスよく、とても観やすい構造となっている印象を受けました。

 バランスと言う点でもう一つ。
 ウェスリーが暗殺者になる過程での訓練では、マカヴォイ君はボコボコに殴られます。切られて刺されます。
 見てるこちらとしても、同情するしかなく。いや、ウェスリーと同調しているのであれば、鬱憤すら溜まってしまうでしょうね。

 で・も。

 その分、マカヴォイのラストバトルの爽快感は尋常じゃありません
 溜めた鬱憤は無駄なく発散。そういう意味でも、非常にバランスが良い作品です。



~~~ まとめ & その他 ~~~

 映像技術やアクションという意味ではA級の作品ですが、アクションのアイデアという意味ではB級に近い。
 よく思いつくなと。バカではないかと。 (←褒め言葉です
 なので、最近『グラインドハウス』や『HOT FUZZ』でアツくなった人は、多分好きだと思います。

 また『ナイトウォッチ』を観ている人であれば、作品の始まり方(文章による語り)や蝿の使い方など、ベクマンベトフらしい演出もニヤリとしてしまうところ。

 配役も絶妙で、やはりマカヴォイは素晴らしかった。
 『ペネロピ』といい『つぐない』といい、今年はマカヴォイイヤーですね。
 アンジェリーナ・ジョリーやモーガン・フリーマンの配置の仕方も見事。これがあるから、ストーリーでだまされた。

 配役もそうですが、宣伝も非常に巧いように思いました。
 予告編、ポスター、CMなど、それだけの情報では、ストーリーの一転は予想できません。

 色々な意味で巧みな作品。
 いやはや、大満足でした。

2008年9月17日水曜日

ゲン@ 劇場:『パコと魔法の絵本』

ゲンです。
あんまり更新できなくてスイマセンでした。

■映画『パコと魔法の絵本』@有楽座(9/16鑑賞)

「大王」こと、後藤ひろひとさん原作の舞台『ガマ王子VSザリガニ魔人』を、『嫌われ松子の一生』『下妻物語』の中島哲也監督が映画化。

原作の舞台は、僕が今まで観た演劇作品の中で一番好きな作品で、演劇にハマるきっかけになった、とてつもなく思い入れのある作品なだけに、初めに映画化の話を聞いた時は、あの世界観が崩れてしまうのを懸念して本当に残念でした。
ただ、中島監督が撮ると聞いて、まだ映像作品としては観れるかなぁとは少しは希望を持つことが出来たのですが、キャストが豪華なだけに実際に観るまでは不安でした。

当方、映画の鑑賞数はそれなりですが、ほとんどが原作をよく知らずに観ていました。
そんな中で、原作をここまでよく知っていて、加えて思い入れもハンパなく強い作品なのは、今までで初めてです。
原作舞台のDVDは擦り切れるほど観て、セリフもほとんど覚えちゃってますからw

ですから、メインに関係無いどんな小さいエピソードが削られようが、「あぁ・・・そこ端折るんだ・・・」ってなるのは覚悟していました。

結果・・・

まぁ、十分に泣けたし、笑えたけども、
原作を知らなければもっと楽しめただろうなぁ・・・


これだけ大胆に映像を作られても決して折れない、大王さんの書いた原作の強さに驚かされました。
『嫌われ松子~』の中島監督だけあって、ド派手でドギツい超独特の世界観を持った映像ですが、そこにストーリーが負けておりません。
原作と同じ部分で笑えて、原作と同じ部分で泣けました。

ただ覚悟していた通り、脚色という部分では違和感を感じました。
でも、それは仕方が無いこと。
舞台と映画は全くの別物ですから。
特に大王さんは映画が大好きなだけに、舞台として自分で作品を作った時は、映像では決して伝わらないモノをこれでもかと込めてきますから、それが映画にしたときに無くなってしまうのは当然。

では、代わりに何があるのか。
それは映画として、映像として楽しめる面白さです。
原作と同じように、出演者たちは「劇中劇」としてあるお芝居をするのですが、その表現がまさに映画的。
CGや合成をふんだんに使い、大人も子どもも楽しめる“ファンタジー”として見事に表現されています。
このシーンが特に顕著に現れていましたが、全編通してそれを感じることが出来たのは素晴らしかったです。


そして、キャスト。
この原作は初演、再演と行われ、それぞれほとんどのキャストを入れ替えて上演されてきましたが、演者のイメージや演技力で言えば、それぞれに良し悪しがありました。
しかし、今回の配役は今までで一番と言ってもいいくらいに、ピッタリだったと思いました。

特にそれを感じたのは、主演のパコを演じたアヤカ・ウィルソン。
若干、11歳の子役ですが、ココが極めて重要。
作品上、この子の設定はまだ幼い女の子ですが、原作では舞台として上演するにあたり、上演時間や上演期間の問題であまり小さい子を使うのは非常に困難なことです。
過去に上演された舞台でも、この子の役は所謂“子役”というよりも、“若い女優”といった感じの人が演じてきたんですが、ストーリーから想像する人物像では、もっともっと小さい子が演じた方が良いとは、つくづく思っていました。
それが今回、映画として撮影するにあたり、この問題が解決されたワケですが、今までにパコを演じた中でも、最もイメージに合っていたのではないかと思いました。

他のキャストも、ただ豪華なだけではなく、映画としてこの作品の世界観を広げるには充分過ぎるほどにキャラの濃い人たちで、より一層“ファンタジー”として面白さを強めていたと思います。

個人的なことを言わせてもらえれば、初演・再演と舞台でも同じ役を演じた龍門寺役の山内圭哉さんのセリフは、原作とほぼ同じなんですが、映画になってもやっぱり変わらない面白さで、声を出して笑ってしまいましたw



何度も書いてますが、「映画として」面白い作品でした。
原作舞台には、とてもじゃないけど敵いません。

ただ、あくまで「良い意味で別物」「もうひとつの『ガマザリ』」として観れば、十分に面白い作品なんじゃないかと思いました。

それもこれも、「普通の映画」として撮らなかった中島監督の力量が大きかったと思うので、他の監督が撮っていたら、ここまで良い評価を僕は出来なかったと思います。

恐らく今後、大王さんには映画原作の以来が多くなると思いますが、ファンとしてのワガママな願いを言わせて頂けるなら、余計なほどに慎重に進めていただきたいですね。

まぁ、以前に久ヶ沢徹さんも出演した『止まれない12人』という、これも超々名作の舞台作品の映画化を以来された時に、「これは舞台として上演する為に書いたんだ!」とあっさり一蹴したことのある大王さんですから、余計な心配なのは分かってますがw


大王さんの脚本力は偉大だと、再確認するには十分な作品でした。

だから、原作を知らない人は絶対に損してますよ!

と、声を大にして言いたいのでした。

(いつもじゃ絶対言えない言葉だw)

2008年9月11日木曜日

梅太@ 予告編:『The soloist』

この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします

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今日は新作予告編の紹介です。

The soloist

→you tube予告編
→yahoo movie予告編 (ハイクオリティで観たい方はこちら)

 この作品は、『プライドと偏見』や『つぐない』で見事な人間ドラマを描いた新鋭ジョー・ライト監督の新作です。
 初公開日は、米で08年11月予定。
 『つぐない』の記憶がまだ新しいですが、ペース早いですね。
 ファンとしては嬉しい限りです!


 いつぞやの記事で『プライドと偏見』は僕の恋愛映画No.1という話をしました。
 この作品はライト監督の処女作でありながら、観て以来、僕は監督にベタ惚れしております。

 そんなライト監督の最新作が『The soloist』

 ウォルト・ディズニー・コンサートホールで演奏することを夢見る統合失調症の主人公(ジェイミー・フォックス)と、主人公に出会う記者(ロバート・ダウニー・Jr)の物語で、実話を元にした作品らしいです。

 ライト監督のこれまでの作品からすると、とても違和感を感じますね。
 それは無理もない話で、過去2作品はどちらも少し前のイギリスを舞台にしているのに対し、今回は現代でのお話。
 予告編を見たときも、最初の1分程は、本当にライト監督の作品か疑ってしまうほどでした。

 (参考:『プライドと偏見』予告編『つぐない』予告編)

 し・か・し!

 まったく・・・やってくれますね。
 予告編1分半を過ぎたあたりからのジェイミーとロバートが、魅せる魅せる。

 さすがライト監督だなぁ、と思える点は、この二人の演技の演出法ですね。
 ライト監督は、感情の起伏と言うのを非常に抑え目に演出してると僕は思うのです。

 例えば『つぐない』で言えば、ロビー(ジェームス・マカヴォイ)が、刑務所から出て久々にセシーリア(キーラ・ナイトレイ)に再会するシーンがあるのですが、マカヴォイが爆発しそうな感情を抑えに抑えて、嬉しさを表現するのですよ。

 感情を素直に表現すれば、見てる側にストレートに伝わります。
 逆に抑え目に演出すると、見てる側に想像する余地が与えられ、正しく汲み取ればストレートに表現するよりも登場人物の感情が伝わってきますね。
 もちろん、演じる役者さんの力量によるわけですけども。

 そんなライト監督の演出が、今回の作品でもキラリと光りそう。
 特にこの予告編の最後に見せるロバート・ダウニー・Jrの表情。これだけで、期待が膨らみます。

 そして演出法も去ることながら、俳優チョイスも素晴らしいと感じさせてくれる予告編でした。

 今から非常に楽しみです。
 来年の前半くらいには日本上陸してほしい。

2008年9月9日火曜日

ゲン@ 劇場:『イントゥ・ザ・ワイルド』

ゲンです。

『イントゥ・ザ・ワイルド』@シャンテシネ(9/8鑑賞)

裕福な家庭に育ち、有名な大学を卒業したにも関わらず、前途有望な未来を捨て、アラスカへと放浪の旅へ出た、実在した青年の心の軌跡を描いた人間ドラマ。

ノンフィクション小説「荒野へ」を原作に、アカデミー賞俳優:ショーン・ペンが監督したロードムービー。
主演が『スピード・レーサー』で主人公:スピードを演じていたエミール・ハーシュってコトも注目していたので観に行ってきました。

“イイ映画”だけど、“イイ話”では無かったかなぁ・・・

正直言って、あんまり主人公に共感できなかったです。
僕がスネカジラーで親依存なダメ人間、裏を返せば親への反抗なんて全く無かった人間だからなのかも知れませんが、そこまで頑固に突き進む意志がありませんでした。

主人公の青年は、両親への反発から、お金やモノへの執着を一切捨て去り、「ただ生きる事」だけを目指して、アラスカへと旅立ってしまいます。
しかし、誰への相談も無く出発してしまうため、両親への大きな心配をかけてしまいます。

これにはどうしても共感できなかったんですよねぇ・・・
大学卒業後の23歳って若さのせいもあるんでしょうが、意志の強さと言うよりも、「若気の至り」って感じが強くてどうも受け入れられませんでした。
結果的に彼は、両親の元へ帰郷することなく、アラスカの荒野で命を落とします。
それが自ら選んだ道であったとは言え、「自業自得」ってのが拭いきれず・・・

せっかく、滅多に出来ないいい経験を沢山しても、生きて帰らなければ意味が無いと思うので・・・ ただ、彼自身の生涯を抜きにして考えると、道中で関わる周りの人々に与えた影響ってのは大きいと思いました。
同じジプシー仲間や、偶然出会った身寄りの無い老人とのエピソードなんかは、彼が受けたのと同じくらいの影響をその人々に与えてた気がします。
そういった意味では、彼の旅の意味ってのはすでにあったのかも知れませんが。


主演のエミール・ハーシュですが、その力強い眼差しには圧巻されました。
一人で旅をする様子は当然セリフがほとんど無いのですが、主人公の心の強さが、表情によく表れていたと思います。
ヒゲを蓄え、徐々にやせ細り、過酷な状況に追い込まれた鬼気迫る演技も素晴らしいです。
『スピード・レーサー』での大抜擢で注目されましたが、これからも期待が持てる若手俳優の一人なのは間違いないですね。


主人公の行動事態の賛否、勇気なのか愚かなのかは別にして、映像としての強さ、周りに与えた影響、「生きる」とはどういう意味なのかを問う映画としては、非常に意味のある作品だと思いました。

そして何より、彼が死を目の当たりにして書き残した最後の言葉は、とんでもなく重く、説得力のある言葉に感じました。
彼は何と書き残したのか、それは劇場で確かめて下さい。

彼が荒野に生きた意味は、確かにあったと思います。

2008年9月7日日曜日

梅太@ 雑記:キャメロン・クロウ監督作について

この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします

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 05年に『エリザベスタウン』を観て、DVDを持っているのですが、以来クロウ監督の作品は他に見て無かったです。
 そして先日、クロウ監督作品をすべて観終えたので、まとめて感想を。。

対象:
セイ・エニシング』(89)
シングルス』(92)
ザ・エージェント』(96)
あの頃ペニー・レインと』(00)◎
バニラ・スカイ』(01)
エリザベスタウン』(05)

※『リッジモンドハイ』は監督作品でないので省きます。
  (レンタル屋になかっただけですが・・)
◎:大のお気に入り。レンタル後DVD即買い。

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  ~~~ 青春独特の”間”の表現 ~~~


 クロウ監督作品の根幹は、”恋愛・青春”、でしょう。
 そして女性向けか男性向けかどちらかと言えば、男性向けな作品ですね。

 恋愛に”青春”が絡んでくると、連想されるのは青臭さや甘すっぱさ。
 思わずニヤっとしてしまう、男女間のやりとりではないでしょうか。

 クロウ監督は、”青春”が成せる、間とでも言いましょうか。
 そういうものを表現するのが非常にうまいです。

 会話をするシーンでも、この独特の間を有効に使って、一見普通の男女の会話なのですけど、「あぁ、この先何か進展があるのか。無いのか」というドキドキ感を醸し出しています。


 あと、出会いと別れ。
 特に別れについて。

 前述した、青春の”間”。
 きっと誰もが経験したであろうあの雰囲気によって、クロウ監督の作品は感情移入がしやすい。

 と、書いておきつつトム・クルーズ主演2作品(『ザ・エージェント』『バニラ・スカイ』)は、僕はどうにもトム様の演技が好きでないので入り込めなかったのですけどね.

 話を戻しまして。

 
 登場人物に移入してしまう分、別れのシーンと言うのがココロに響いてしまうんですよね。
 例えば『あの頃ペニー・レインと』のこのシーン。(リンク:you tube)


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 『あの頃ペニー・レインと』は、クロウ監督がジャーナリストとして働いていた青年期の実体験を元にした作品。

STORY:
 主人公ウィリアムが厳粛な家柄の中、姉がひそかに集めていたロックのレコードにはまってしまう。
 成長してジャーナリストとして駆け出し始めた時、取材先でバンド:スティルウォーターと、音楽を愛する少女:ペニーレインと出会う。
 密着取材のため、ペニーレインと共にスティルウォーターのライブツアーに同行することになるのだが・・・


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 リンク先の動画は、ウィリアムとペニーレインの別れのシーン。
 二人の間にはちょっとしたことでいざこざがあったのですが、和解し、イイ感じになります。
 しかしペニーレインは旅先から帰郷することになる・・・という場面。

 この淡く切ない別れの感じ。これだけ巧く表現できる監督がいるだろうか。

 ”移入”というのも一つのポイントですので、当然ながら、この作品を始めから観ていただいたほうがシーンの良さはわかるのですけどね。

 かく言う僕は、す・・・っごい、このシーン好きなんですよね。
 あとで触れますが、バックで流れるギタースコアもたまらないじゃないですか。


 この項目の締めと致しまして。

 青春を通過してきた人ならどこか移入できる部分があり、また思わず胸がキュンとしてしまう部分がある。

 きっと、クロウ自身は今でも青春時代に非常に重きを置いていて、それが鮮明に頭に残っているのだと思います。
 だからあの甘すっぱさや青臭さ、そして間を、ここまで緻密に画として切り出すことが出来るのではないでしょうか。



  ~~~ 音楽 ~~~

 クロウ監督作品に欠かせないのは、やはり音楽。
 きっと彼のコレクションであろう洋楽が、これでもか!と、ふんだんに盛り込まれています。

 しかし、ここで語れるほど、僕は洋楽(特にロック)には詳しくない・・・ということで別の観点から。

 劇中で使われる音楽には、その映画用に作られる曲と、既存の曲を使用するパターンがあります。
 また、既存の曲を使用する場合も、単なるBGMとして使うのと、曲のリズムを元に編集作業を行うのとでは違ってきます。

 クロウ監督は、既存の曲を元に、シーンのリズム付けを行うタイプでしょうね。
 このタイプでは他に、タランティーノ監督もそうです。

 簡単に言ってしまえば、ゆっくりな曲ではシーンの流れもゆっくり。
 テンポが速ければ、そういう風に編集するといった具合です。
 これが見事にマッチしていると、見ていてとても気持ちがいいです。

 また、クロウ監督作品に度々登場するスコアは、奥さんであるナンシー・ウィルソンが提供しています。
 特に印象的なのは、『あの頃~』以降のギタースコアでしょうね。
 先ほどのウィリアムとペニー・レインの別れのシーンでも、ギタースコアが流れています。

 これらのギタースコアを聴いてて思ったのですけど、青春の淡い雰囲気を表現するのに、アコースティックなギターの音色はとても良く合いますよね。
 というより、これ以上、合う音色なんてあるんだろうか?と思うくらいです。

 映画は、五感のうち視覚と聴覚を刺激するものです。
 (ポップコーンがあれば、嗅覚と味覚も刺激されると思いますけど・・・)
 映像のほかに音楽の使い方がうまいと、思い出に残りやすいものとなりますよね。


  ~~~ 登場人物の過去を髣髴とさせる手法 ~~~

 変な話かもしれませんが、劇中の登場人物にも過去と現在と未来があるはずです。
 僕らは彼らのたった一区間を観ているに過ぎません。(その人の一生を追った作品は別として)

 しかし、それはなかなか意識できるものではないはずです。
 劇中で登場人物の経緯を知るには、回想シーンくらいしかない。
 でもそれも、回想が物語りに絡んでくるものでなければ、貴重な2時間の上映時間には入れ込みはしないですよね。

 クロウ監督の作品では、回想シーンが出てくるものは無い。
 僕らは本当に、登場人物の人生の、ある一区間しか見ていないのです。
 でも不思議と彼らの過去の人物像が見えてくるのですよね。

 注意して思い返してみると、クロウ監督は写真を多用しているように感じました。

 写真は、過去のある一点の記録です。
 例えばそこに、笑っている親子が写っていれば、「あぁきっと円満な家庭だったんだな」と汲み取ることが出来ます。
 先祖代々の写真が飾ってあれば「歴史の古いお家柄だったんだな」と汲み取ることが出来ます。

 台詞やナレーションでいちいち説明しなくても、たった一枚を見せることで登場人物の過去を、そして人物像を垣間見れる。
 写真を効果的に画面に映しこむことによって、作品に奥行きが増しているように思います。

 (特に『バニラ・スカイ』や『エリザベスタウン』ではこの手法を多用してます)



  ~~~ まとめ ~~~

 クロウ監督の作品は、何度も言うようですが青春時代の淡い恋を表現するのが巧く、
 20代それ以降の特に男性の方は、何かしら移入できるものがあると思います。

 洋楽の知識があったほうがもっと楽しめると思うのですが、無くてもOKです。
 僕も、無いですし。

 実際に観てみて、作品の好き嫌いはあるかと思いますが、上で書いたような点に着目してみると、評価できる点がきっとあるはずです。


 気になった方は、是非観てみてください。

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 作品の個別の感想を書くというよりは、監督の作品の作り方という面を自分なりに考察してみた今日の記事。
 いかがでしたでしょうか。

 書いた本人の感想としましては、いやもう、”淡い青春の雰囲気”なんて、文章でどう巧く表現してよいのやら・・・



 一人の監督の作品をすべて観てみると、毛色の違う作品でもどこか共通点があったり、監督独特の手法があったりします。
 「あ、この作品好きかも」と思う作品に出会ったら、パッケージ裏で監督名を確認し、その監督のほかの作品を観てみる。
 そして自分なりに考察を加えてみると、映画に対してまた違った楽しみが生まれると思いますよ。

2008年9月5日金曜日

ゲン@自己紹介

ども、ゲンです。

てっきり新作情報でも更新してくれるのかと思っていたら、梅太くんにまんまとフラれてしまったので、僕も自己紹介をしておきます。

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映画にハマったきっかけ

学生時代にゲームからの流れで『007 ゴールデンアイ』を観て、その世界観にハマってしまい、そこから色々な映画を主にDVDで観るようになりました。

本格的にハマりだしたのは4年前くらいでしょうか。
仕事の都合で休日が平日ばかりなので、一人でウマく時間を潰す方法が、映画館に通うことになりました。

それからは気になる作品はほとんど映画館で観るようになり、月1を目標にしていたはずが、段々と熱が入って、今では週1以上のペースで通っております。

劇場で観た映画の具体的な数を言えば、2006年が50本、2007年が35本、今年は今現在(9/4)で90本となかなかのハイペースで観れております。

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人生の数本!

沢山あり過ぎてしまって、ベスト1はなかなか決められないので、ここ数年の各年ベスト1とその他オススメ作品を数本紹介させていただきます。


『ヘアスプレー』(2007年1位)
ノリの良い音楽と、明るいビジュアル、常にハイテンションながら、人種差別の問題を見事に絡め、しっかりとしたメッセージ性の強い映画。
グランドフィナーレの盛り上がりは本当に最高です!
今でもサントラをよく聞いてノリノリになってます♪

『Vフォー・ヴェンデッタ』(2006年1位)
「何の映画が好き?」と聞かれたら、まずこの作品をはじめに挙げると思います。
『マトリックス』シリーズのウォシャウスキー兄弟が手がけた、とんでもなくアツい作品。
彼らの作品は映像表現ばかりが評価されますが、実は人間の自由や尊厳と言った力強いテーマが裏に隠されています。

『マトリックス』の完結編『レボリューションズ』は、そちらの方面が強くなってしまった為、結果的には失敗作だと思っているのですが、この作品は映像とのバランスが絶妙。

DVDでも何度も観てしまう作品です。

『ティム・バートンのコープスブライド』(2005年1位)
ティム・バートン監督の『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』に続く、スップモーションアニメ第二段。
『チャーリーとチョコレート工場』とほぼ続きで公開されましたが、個人的にはコチラの方が断然好きです。
『ナイトメア~』撮影後に制作を開始し、10年以上かかって完成した代物だけあって、そのクオリティたるや前作を越えるモノを感じました。

ジョニー・デップ演じる主人公:ヴィクターとバートンの奥さんであるヘレナ・ボナム・カーター演じるヒロイン:ブライドの切ない声がタマりません!

『スパイダーマン2』(2004年1位)
あえてココで取り上げる必要も無いない超大作の有名作品ですが、大好きなんで勘弁して下さいw

前作はそこまで好きではなかったんですが、ドラマ性・アクション性ともに前作を遥かに超える出来で、異常なまでの爽快感!
この作品のおかげで、前作の評価が5点満点中2点から4点に上がりましたw

ただこの作品が神作品過ぎて、続編の3は全く評価に値せず・・・
今後制作が決まっている続編も、これを超えるのは不可能だと思われます・・・

『007 トゥモロー・ネバー・ダイ』
007は最も好きなシリーズですが、その中でも一番好きな作品で、今でも最高傑作だと思っています。
僕の中で「スマートでオシャレでクレバーなボンド」というのを完全にイメージ付けた作品でした。

携帯電話で操縦できるボンドカーに乗り込み、敵の攻撃を避けながら後部座席に隠れて運転するシーンは、シリーズ至上最も好きなシーンです!

ちなみに一番好きなボンド俳優もピアース・ブロスナンです。
現在演じているダニエル・クレイヴはあんまり・・・

『運命じゃない人』
大泉洋さん主演『アフタースクール』で一気に名の知れ渡った、内田けんじ監督の長編初監督作品。
はじめは良く出来た群像劇くらいの印象だったのですが、後半に効いて来る“脚本的な仕掛け”が実に巧妙!
「全ての真相を知っているは、自分だけ」な感覚がタマりません!

僕の知ってる邦画の中では、最もよく出来た作品です!
そこまでメジャーな作品ではないですが、これを知っていると絶対に得した気分なれますw

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と、挙げればキリがないのでこの辺で。
好きな作品の感想は、劇場公開からの経過に関わらず、そのうちココにも載せていきたいと思っています。

感情が先立った感想で、あまりウマい事は言えませんが、これからヨロシクお願いします。

2008年9月4日木曜日

梅太@ 雑記:製作サイドも大変だ

この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします

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 今日は雑記とでもいいますか。

 映画は、観客の僕らとしては楽しみ、考え、感動できれば良いと思うのですが、製作者さんは、やはりお金を稼がないといけないわけですよね。

 先日『ハリーポッター』の最新作が、08年冬公開から急に09年夏に延期になりました。
 きっとハリポタファンはショックを受けたと思います。

・・・ちなみに 僕は、ハリポタファンではないのでショックも何もない ですけど。

 これには今年の春に起こった米脚本家団体のストが絡んできてるみたいですね。
 春にストが起きるとなると、その年に公開される映画には支障が無いですけど、その次の年の前半に公開される映画には途轍もないダメージがあるわけですよね。

 そして今、ストが原因で09年のサマームービーが不足気味なわけです。
 だ・か・ら ”ヒットすることが間違いない”ハリポタ最新作を延期にしたんだと、どこかのサイトで読んだ記憶があります。

 もちろん「興収の為です!」なんてワーナーさんが言ってるわけではないのですけど。

 しかしこのおかげで、リドリースコット監督の新作『BODY OF LIES』が08年内公開となり、楽しみにしていた僕としては嬉しい限りです。
BODY OF LIES 予告編

 運か不運か、キアヌ・リーブス主演作『地球が静止する日』と公開日が被ってますけど。。


 さて、なんだかんだありますが今年のワーナーさんは強いです。
 『ダークナイト』は、今更ここで言わなくても良いでしょうが大ヒットです。
 (『タイタニック』の興収には追いつけず、きっとレオ様もケイト様もご安心のことと思いますが)

 『ゲットスマート』は頑張りましたし、意外なところで『旅するジーンズと19歳の旅立ち』も2週ほどTOP10入り。etc.....

 あと、『スピードレーサー』。
 興収で目立たなかったために失敗作のレッテルを貼られつつある作品ですが、このブログの経営者である僕とゲンさんの中ではかなりの大ヒットでございます。

 COOL BEANS!!な、作品です。
 (このブログページの最下部に、予告編へのリンクがあります)


 そんなワーナーに、新たな危機が・・・

 新作アメコミムービー『ウォッチメン』。
 この作品の権利が原因で、20世紀FOXと裁判!?という事態になっております。

 もともと来年上半期に公開される予定の作品ですが、
 裁判が09年4月になるみたいで、そうなると09年内の公開が危ぶまれてまいります。

 ん~、製作サイドもいろいろ大変だ。


 結論として。

 冷静に考えると、お金を稼いでもらわないと、作品は作れないわけですから気長に見守りましょう。
 ま、これも僕がハリポタのファンでないから言える台詞だと思いますけど (笑
 これが僕が期待していた作品となると、激怒していたところ・・・

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 今日届くはずであった『ダージリン急行』のDVDが届かない様子ですので、今日はこんな雑記をお送りしました。
 書き始めたときは意識してなかったですが、終えてみるとワーナーの話題ばっかりでした。

2008年9月1日月曜日

梅太@ 自己紹介

この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします

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祝ブログ開設です。

このブログは高専時代の先輩であるゲンさんと共同で経営というスタンスをとってます。
上の「この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします」は、
どちらの記事かをハッキリさせるため、毎回書きますね。

どうかどうか、お見知りおきを。

右にある画像『管理人の関係(イメージ)』は、
クエンティン・タランティーノ初監督作品『レザボアドッグス』より。

本当にこの様な関係というわけではないです。
僕はMr.ホワイトだから情に熱く、ゲンさんはMr.ピンクだからチップをケチるとか、
そういうわけではないです (笑

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さて、初の記事の投稿です。

最初の記事は、やはりこれかなと思いまして、僕の自己紹介をしようと思います。
もちろん、映画に関することで。。

初めての記事なので、リンクやフォント、いろいろ試してみたいと思います。


映画にハマったキッカケ

本格的に映画にハマりだしたのは、2004年ですね。
キッカケとなった作品は『ビッグフィッシュ』と『ロストイントランスレーション』。

『ビッグフィッシュ』はティム・バートン監督作品です。
以前から『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』などで知ってはいたのですが、
”バートン作品”として意識し始めたのは、これが最初。

02,03年は、まったくと言っていいほど映画館に行っておらず、
本当に久々の劇場鑑賞となったわけですが・・・

忘れもしません。04年5月15日ヴァージンシネマズ六本木ヒルズの7番スクリーン。
映画館であれほど涙を流したのは、生まれて初めてでした。

映画に関するあらゆる要素(物語・演出)について興味を持ち始めるキッカケとなった。


『ロスト~』は、ソフィア・コッポラ監督作品です。
生まれて初めて観たミニシアター作品となりました。

「こういう類の映画もあるんだな~」と、すべてが新鮮で、とても印象深かったです。

以後、フランス映画などヨーロッパ諸国の映画に手をつけ始め、
もちろん映画大国アメリカの作品も沢山観るようになりました。

でも不思議と、日本の作品はあまり観ないんだな~・・・



人生の4本!

4本って・・・キリが悪いですけどね (笑
TOP4っていうところがキーポイントです。
僕はまだ21歳ですので、今後まだまだ沢山の名作に出会うと思います。

でもこの4本だけは、僕の中で不動の地位を獲得してるという作品ですね。

○『グーニーズ
 恐らく、一番多く観ている作品。今でも年に何回か観てます。
 何回観ても、好奇心・冒険心をくすぐられる名作です。

○『バックトゥザフューチャー』シリーズ
 何かと3部作が多い昨今ですが、ピンからキリまでここまで面白い3部作はやはりコレかと。
 3作あわせれば、『グーニーズ』より多く観てます。
 今でも年に何回か観てます。

○『ビッグフィッシュ』
 先ほども書きましたが、映画にハマるキッカケとなった作品。
 泣けたから良かった・・・ではなく、すばらしく良く出来てる作品だと思います。
 しつこいようですが、今でも年に何回か観てます。

○『プライドと偏見
 上に挙げた作品を含めればまだ新鋭でございます。
 ジョーライト監督の長編処女作。僕のなかで恋愛モノの頂点に君臨する作品です。
 いずれ、熱く語る予定。
 今でも年に・・・・って、もういいですね。


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さて、手始めとしてはこんなもので。


とにかく、映画は大好きなんです。
衣・食・住・映くらいな感じです。
食欲・睡眠欲・映画欲くらいな感じです。

どうか末永くよろしくお願いします。
共同経営者ゲンさんの記事も、是非合わせてチェックしてください。


次回からは、作品の感想・予告編・先取り情報などなどをお送りしていきたいと思ってます。

はじめに

ようこそ「映画好きの二人」へ。

“映画の変態”ゲンと梅太が、鑑賞レポから新作情報、はたまたウワサまで、映画に関することを何でもかんでも言いたい放題の場所です。

不束者たちでは御座いますが、宜しくお願いいたします。

2008年9月