2008年9月27日土曜日

梅太@ 劇場:『アイアンマン』

この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします

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●鋼鉄スーツのアンチ・ヒーロー:『アイアンマン
 監督は、日本では俳優としての顔の方が有名なジョン・ファブロー
 主演はロバート・ダウニー・Jr

 1~8月の全米興行収入では、まだ近場で上映しているならば是非とも劇場で観て欲しい『ダークナイト』に次いで堂々の第2位を獲得している『アイアンマン』。
 つまりそれは何を意味するかというと、核爆弾の脅威も冷蔵庫の中に避難してしまえば何のその!ということを証明した人気冒険シリーズの第4弾を抑えてのヒットということになります。


ストーリー:
 アメリカが誇る屈指の軍事産業企業スタークインダストリーズの社長で、女性とジョークをこよなく愛すトニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)。
 新製品の取引でアフガニスタンへ訪問するが、テロ組織に拉致され幽閉されてしまう。
 トニーは、「俺たちにも、新しい武器を作れ」という要求に応じるが、武器を作ると見せつつ、組織に隠れ鋼鉄のスーツを作り脱出をする。
 しかしその組織は報復として、スタークインダストリーズの製品を裏取引で入手し、罪のない人々を攻撃し始めた。
 かくしてトニーは、改良したアイアンスーツを身に纏い、世界を救うべく立ち上がるのだった。



 はてさて、その感想は・・・・

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 ビバ!トニー・スターク!!

 ということで、非常に面白かったです。

 
 ~~~ これまでのアメコミムービーとは一味違う要素が満載 ~~~

 僕らの身の回りには、様々な事件が起こっていますが、自分に関係ないことについては、ほとんど無関心であり、無責任です。
 それに気付いても、自分にはどうにもできないことが多いことも事実です。
 トニー・スタークも、自社の製品で人々が傷ついていくのを目の当たりにし、初めて「自分は無責任なシステムの一部にすぎない」ことに気付きます。
 
 この作品が他のアメコミムービーと違うところは、ヒーローになるまでの過程が、我々にとって非常に親身であること。
 トニー・スタークが人並みに成長していくからとても面白い。
 つまり、最初からヒーローというわけではないのです。我々と同じなのです。
 それが、立派なヒーローへと変心していくのです。

 自分の無責任さに気付いたとき、トニーには力がありました。その無責任さを打破する力。財力も・・・まぁ、含みます。
 僕たちにはトニー・スタークみたいに大きな力は無いかもしれないけど、何かしら出来るかもしれない。

 ド派手な映像とは裏腹に、控えめながら重要なメッセージが含まれているように感じました。

 また、突然変異で特殊能力を手に入れるわけでもなく、訓練によって強靭な肉体を手にするわけでもない。
 アイアンスーツはあくまでお手製ということろも、ユニーク。
 攻撃されれば破損するし、長時間使用でパワーもダウンする。
 カッコイイながらも、あまりにも人間的過ぎて愛着がわきます。

 あと、今までの作品と違う要素として・・・・

 マーベルが独自に映画製作部門を立ち上げたこともあり、作品間の垣根が低くなったので、作中に他作品の要素がトニーのジョークとして取り入れられてたりします。
 物語の最後、強敵との対決も終わり、世間では「あの鉄のスーツはいったい誰だったんだ?」という話題で持ちきりになります。
 記者会見の前、トニーは秘書のペッパー(グウィネス・パルトロウ)とこんな一言を。(うる覚えですが)
 「自分がヒーローということをバラしたら、強敵に立ち向かう僕のことを誇りに思ってくれたりするんじゃないの?」
 ・・・だよね! きっとわかる人はわかるかと。

 エンドロール後は、8月に公開された『インクレディブル・ハルク』同様、マーベル社関連での遊び要素が。
 きっと今後も、垣根がどんどん低くなっていくのでしょうね。

 
 ~~~ キャスト:ロバート・ダウニー・Jrという高齢の主人公 ~~~

 ストーリーと言うところであれば、前印象以上の収穫がありました。
 しかしロバート・ダウニー・Jrの配役は、予告編を観たときから、バッチリ合っているように感じていました。
 原作を知らないのに・・

 ロバートは、現在43歳。劇中のトニースタークも、恐らく30後半の設定ではないかと思います。
 いままでのアメコミムービーの主人公の中でも最高齢と言ってよいのでは?
 ただそのオジサンが、魅せてくれます。
 最初は、自社の兵器がもたらす影響なんて考えない遊び人。後半は、責任感の強い企業の社長。
 この転換を、ユーモアを交えて完璧に演じてくれました。

 ロバートでなければこの作品、ここまで面白くは無かったかと。
 ジョークの間も一級品でしたしね。

 ビバ!トニー・スターク!!

 あと、秘書のペッパー・ポッツ役、グウィネス・パルトロウ。相変わらず綺麗だった。それで十分。
 ・・・というわけにはいかず。

 女性をこよなく愛するトニー・スタークですが、秘書のペッパーに対しては、家族のような信頼を抱いているようです。
 一度、恋愛関係に発展するかという場面もありましたが、そのあたりの絶妙な演技が素晴らしかったです。


 ~~~ 最後に & その他 ~~~

 もちろん、アメコミムービーですので、映像的な迫力は絶大。
 アイアンスーツは三度改良されるのですが、初期型はノーCGです。その拘り、脱帽です。
 また、機械音・電子音なんかも大迫力で、このあたりは是非とも劇場で体感して頂きたいところ。
 男の子なら、心揺さぶられること間違いなし。

 そういうヒーロー物のエンターテインメント性というところをしっかりと抑えつつ、ストーリーや人物像をしっかりと築き上げていて、非常に堅実な作品でもありました。 
 『ダークナイト』に次ぐ成績というのも納得の一品です。

 実は、すでに続編が決定しています。
 僕の中では、「ヒーロー物の第二弾は神がかり的に面白い」法則がありまして、期待は高まります。

 あと、今回素晴らしいトニー・スタークを演じてくれたロバートの次回作としては、日本では11月に『トロピックサンダー』が待ち受けています。
 コメディ俳優ベン・スティラーがメガホンを取った作品です。
 でも僕はそれよりも・・・やっぱりジョー・ライト監督の『The soloist』に期待してしまいます。
 

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