2009年8月15日土曜日

梅太@ 劇場:『ナイトミュージアム2』

この記事は 良い意味で予告編に裏切られた 梅太 の名の下にお送りいたします

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●今度はもっと、動き出す:『ナイトミュージアム2
 監督はショーン・レヴィ。
 出演はベン・スティラー、オーウェン・ウィルソンなど前作の出演陣に加え、エイミー・アダムス他。

 「09年度に公開される、エイミー・アダムス出演作は全て観よう」キャンペーンの第3弾。
 ベン・スティラーめ、アダムスの唇を3回も奪いやがって・・・

 『スーパー・バッド』が好きな僕としては、ビル・ハーダーやジョナ・ヒルの登場が非常にうれしかった。
 ジョナ・ヒルはもっと出てほしかったなぁ。


 ストーリーは。
 前回の事件後、自分の発明した製品が売れに売れ、ついにはCEOにまでなったラリー(スティラー)。
 久々に博物館へ行ってみると、箱詰めにされた展示物たちがお出迎え。
 彼らは明日、スミソニアン博物館の地下倉庫へ、永久保存されることになっていた。
 自宅へ帰り、落ち込みを隠せないラリーの元へ、一本の電話が入る。
 それはミニチュアカウボーイ:ジェデダイアから、助けを求める電話であった。
 いったい彼らに何があったのか。
 急遽、スミソニアン博物館へ訪れることになったラリーに待っていたのは・・・・


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 さて、この作品を観て思ったことは、エイミー・アダムスは、やはりカワイイ・・・ということでは決して無い。
 いや、決して無いわけではない。

 アダムスはきっと、”向こうの世界”の住人なのではないだろうか。
 今回の役どころは、すっかり僕を魔法にかけた『魔法にかけられて』のジゼルに似ている。
 そしてこういう役をやらせると、彼女は非常に活き活きとしてくる。
 展示物から生き返りたてのお転婆娘から、自分は朝が来ると・・・と、現実を受け止める泣き出しそうな表情まで、実に見事であった。

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 まず、イマイチと思った点から。

 今回は、会話のやりとりで笑わせようとしたシーンが非常に多く、そして長い。
 会話の始まりは面白いのだが、ずっと続くとやや飽きてきてしまう。

 また、小ネタが小ネタとしてしか扱われなかった点も、少し残念。
 その小ネタがまた多いので、大量生産大量消費感が、いなめなかった。

 あと、エンターテインメント性として観た時、盛りだくさんの今回の方が上手に見えるが、僕は前作の方が純粋に楽しめ、かつうまく纏め上げていたと思う。

 前回は、ある意味であの小規模さが良かった。
 テーマは、ダメ親父の再生・・・失敬、父子の復縁。
 敵はリストラへの腹いせ。
 展示物は、それぞれの出来る範囲以上のことは出来ない。
 しかしその分、みんなが力を合わせることで、個々の能力以上のパワーを発揮する・・・というクライマックスが活きて来る。また、「太陽光を浴びると・・・」という設定も、焦燥感を煽っていた。
 そして、最後の最後で回収される”指パッチン”の伏線の見事さよ。

 しかし今回、世界制服を豪語する敵が現れ、そして実際に、世界制服をする力をもってしまっている。つまり、”ただの展示物”の力の範囲を、優に超えてしまっている。
 冒険度としては、アップしているかもしれないが、前作の”肩すかし”感が非常に好きだった僕としては残念であった。
 そして、朝までがタイムリミットというのも、設定があるだけで、登場人物たちは焦ってる様子は見受けられない。

 十分面白かったけれど、そういう点で、イマイチかな・・と。


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 ここから、素晴らしかった点。

 前回は父子の復縁というテーマを持っていた。
 しかし思い返してみると、描いていそうで、描いていない事柄があった。
 それは、歴史の展示物というものを扱っていながら、”歴史”というもの自体には、特に触れていなかったということ。

 今回の作中、こんな台詞がある。

 騒動を終え、戦闘の指揮をとっていたカスター将軍(ビル・ハーダー)は、みんなに言う。
 「”スミソニアンの戦い”だ。歴史には残らないがな」

 これに対し、ラリーが言う。
 「僕らには残る」

 歴史とは何であろう。

 今回の戦いは、確かに教科書に載るような事柄ではない。しかしそれは、当事者達の間では、実際に起こったこととして、”歴史”として刻まれる。

 教科書に載るような史実も、スケールは、実はさほど関係ないと考える。
 現に、スミソニアン博物館に展示されている人達は、偉業を成し遂げた人として展示されているが、その偉業のスケールは、大小様々である。
 その偉業を目撃した人がそれを記憶し、それを大事だと思った人が、たまたま多かった故に、教科書に載ったまでである。

 
 歴史とはつまり、人の記憶である。


 なんだか、そんなことを考えさせられた。
 考えさせられたのはいいが、うまく言葉としてまとまってないような気もする。

 ただ、そういう事柄を、ドタバタの中でふと考えさせてくれた、ショーン・レヴィーに感謝。


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 総じて、面白かった。

 ちりばめられたネタも、面白いものも沢山あった。

 中でも、女性初の大西洋単独横断飛行に成功したアメリア(アダムス)が、ライト兄弟の飛行機に乗り込み、「お先に」と言ってのけるシーンは、見事とさえ思えた。

 あとやはり、ジェデダイア×オクタヴィウスのコンビは笑わせてくれた。

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