2009年3月31日火曜日

ゲン@ 劇場:『ワルキューレ』

ゲンです。
3月ももう終わりですね。

『ワルキューレ』@MOVIX亀有(3/26鑑賞)

第二次世界大戦時に実際にあったヒトラー暗殺計画を題材に、トム・クルーズが主演を務める戦争サスペンス。
監督は『ユージュアル・サスペクツ』『スーパーマン リターンズ』『X-MEN』のブライアン・シンガー。

出演するだけで話題作になってしまうトムは、『大いなる陰謀』『トロピック・サンダー』と3作続けての戦争映画ですが、どれも全く毛色の違う作品ですねw

おーなかなか面白い! やっぱりナチス関連の映画はハズしにくいなぁ・・・

正直、そこまで期待していたワケじゃないんですが、普通によく出来ていたと思います。

考えたら、トムの出演作は『コラテラル』から全部劇場で観てますね。
名前ばっかりが先に歩いてしまい、作品の内容以前に怪しげなプライベートばかりが取り上げられてしまうトムですが、個人的には表現力もキチンとあるし、どんな役でも全力で打ち込める素晴らしい俳優だと思ってます。

ですが、今回は戦争映画。
それもナチス・ドイツを描いた作品と聞いて、そこまでのドラマを演じられるのかと少し不安でした。
しかも、予告編が公開されて早速観てみたら、全編英語だったし・・・
監督がエンタメ色の強い作品の多いブライアン・シンガー監督と聞いて、さらに不安は大きくなっておったのですが、過度の演出を抑えていて非常に丁寧に作られてると感じました。

まず英語ですが、オープニングのナレーションがドイツ語で、それが徐々に英語に入れ替わっていく形で始まり、最初のうちは少し違和感を感じていたのですが、意外なほどスグに慣れました。
やはりハリウッド製作で、出演者もアメリカ系の俳優さんが中心なので、馴染んだんだろうと思います。


物語は、ドイツ軍の大佐として務めながらも、あくまで自分は「ヒトラーの為ではなく、ドイツの為に戦っている」と意識を持っている主人公が、同じくナチスに違和感を抱いている軍の幹部と共に、ヒトラーの暗殺を計画・実行していくという話で、実話を基に描かれています。

僕は戦争映画はそこまで得意ではないので、ナチスの話もあまり詳しく知らないのですが、軍内部での暗殺計画があって、実際にヒトラーの元まで爆弾を持ち込んだっていう話は全く知りませんでした。
なので、ストーリー自体には凄くリアリティを感じましたし、緊張感ってのもスクリーンから十分に伝わってきました。

ただ歴史的な事実っていうのは分かってるワケで、暗殺計画が実行されるも失敗に終わるオチが読めてしまうっていう部分は、仕方ないかと思います。
ただ、その失敗になってしまう過程ってのもなかなかドラマチックだし、要はそのクーデターが発覚して、「実はヒトラーは死んでない」っていう事実が明らかになった後、計画を知らないで任務を行っていた他の軍人達がどういう行動をしたのかっていうのが、かなり面白かったです。


主人公のドイツ軍大佐を演じるトムですが、やっぱり彼は一つの強い信念みたいなのを持った人物を演じる時に出るオーラは、素晴らしいと思いますね。
大作ばかりに出演して、名前ばかりがドンドン売れちゃってるから、もう細かい演技力なんかはいちいち評価されない俳優になってしまいましたが、アクションエンタメだけじゃなくて、こういったドラマにもちゃんと力を入れて出演できるんだから、まだまだしっかりと評価されるべきだよなぁって、つくづく思います。
特に去年出演した『大いなる陰謀』と『トロピック・サンダー』は全く両極端な役を演じてるだけに、幅と深さを両方兼ね備えてるんだと分かって頂きたいです。


ハリウッド製作だとか、トムが主演だとかで、いろいろ叩ける部分や弱い部分もあるんですが、それ以前に「ナチスの幹部が起こしたヒトラー暗殺計画で、この計画が失敗してからは全く計画が実行されなかった」という当時のドイツ国内でも大きな影響を及ぼした事件だけに、そのストーリー自体が非常に興味深いもので、ドラマチックで面白いです。

意外と踏み外してない、劇場で観て損は無い作品かと思います。

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