この記事は 普段大見得を切っている 梅太 の名の下にお送りいたします
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昨日、初めての歌舞伎鑑賞に行って参りました。
事の経緯は、以前会社の同期の人と、
「そういえば、見たことのないものっていっぱいありますよね」
という会話から始まった。
その中の一つが、歌舞伎であった。
歌舞伎については、何一つわからなかったもので、少し調べてから行こうかと思いましたが、まっさらな状態で挑むことにした。
これが、とてもとても、面白かった。
以下、いくつかの項目にわけまして、感想を書いていきます。
~~~~ 動 ~~~~
”日本芸能”と聞いたとき、僕は”静”のイメージがあった。
動きが流麗で、おしとやかで。
そのイメージに間違いはなかったのだけれど、今回見た幕のクライマックスでは、いわゆる殺陣があり、それがものすごく激しいものであった。
こんなにも”動”があるとは、思わなかった。
その動きというものも、雑なものは何一つ無く、一つ一つピシっと決めるもので、立ち見であったにもかかわらず、疲れを忘れ、ただただ魅入ってしまった。
~~~~ 動きの誇張 ~~~~
なにぶん知識が無いもので。
まず思ったのが、「何ゆえ、あんな話し方や動きをするのだろう」ということ。
恐らく見たことのない人でも、台詞の言い方くらいは、想像がつくと思う。
「お~と~こ~が~、あ、た~た~ぬ~~~~~わ~~~~」
みたいな。
(文字にすると、「~」の伸ばし棒が良く似合うなぁ)
この「台詞の言い方」単体では、理由はわからなかったのだけど、「動き方」ということと一緒に考えてみると、見えてくるものがあった。
歌舞伎は、人間の”ある一つの行動”を強調・誇張しているのではないか。今でいうところの、パントマイムのような。
そう考えると、歌舞伎というものは非常にコミカル(漫画的な)なもののように思えてくる。
こんなシーンがある。
主人公が人を殺め、刀を鞘へ納めようとするが、動揺からか手が震え、なかなかうまくいかない。
ここでは、手の震えが誇張表現され、体全体の震え、そして刀や鞘までも、しなるほどにゆれていた。
普通では、手は震えるだろうが、そこまでは・・・。
しかし”普通の動き”では、見てる側には伝わらない。
「Better than Natural」という考え方。見てる側に普通と思わせるには、実は演じている側は、普通には行動していないという事。
そうやって誇張して、動きというものを伝えているのだと思う。
~~~~ 見得を切る ~~~~
つまりは、決めるところをビシっと決めること。
これは水戸黄門の「この紋所が・・・」とか、特撮モノへと継承されていかれた技法であると思う。
お決まりの台詞、決め台詞、みたいなものである。
そして、観客側も、その決めどころを承知であるというのが面白い。
(ここで、「中村屋!」とか、「よろず屋!」とか、合いの手が入ったりする)
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特撮モノで見得?イメージできない方は・・・・
例えば戦隊モノで、
・敵の登場
・変身道具を取り出す
・レッドが変身、ブルー、グリーン、イエロー、ピンクと変身していく
(ここのカラーは、勿論ものによって異なる)
・レッドの決め台詞、他のきめ台詞
・~~戦隊!~~レンジャー!
この流れは必ずあるもの、お決まりのものであるのは、ご理解いただけるであろう。
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その見得を切るところで拍手が沸くのだけれど、その拍手が、自然に出てしまう何かが、あの動きの中にはあると思う。
それは最後のポーズへ行くまでの、力の入れどころと抜きどころ(緩急)という一連の動きが、惚れ惚れするほど見事であるから、
決めた!!!!
というのがわかり、自然と手が動いてしまう。
~~~~ さて、映画と絡めまして ~~~~
このブログ上で、この鑑賞記を書いたとあれば、やはり映画と絡めて話を展開していかなければなりません。
上で書いた、見得を切るということ。
外国でいうと、ミュージカルが、それに近い。
一曲一曲の決めのところで、つまりは終わりのところで、バン!とポーズを決め、お客の拍手がある。
僕は一度、ミュージカルを見たことがあるけれど、そうせざるを得ないのですよね。
映画にも、時にはそういうことがあっていいと思うのですよね。
ミュージカル映画を見たときなんかは、僕は一曲一曲が終わったときに思わず拍手したくなりますし。
ホントに見事な動作、素晴らしい台詞、最高のシーンに出会ったときは、僕はいつも、ハンカチで口元を隠し、満面の笑みをこぼしている。
この感動を、内に秘めておくのは不可能だ!と言わんばかりに。
例えばこう、「この作品をみて騒ぎましょう上映」みたいなものがあったら、ぜひとも参加してみたいなと思う。
見得を切る・・・という表現とあっているかわからないですが、ココまで決められると「おぉ!」と言わざるを得ないようなシーンを、以下に掲載しておきます。
溜め、台詞、曲のかかるタイミング。
完璧だ。
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