2009年6月26日金曜日

ゲン@ 劇場:『レスラー』

ゲンです。
ムシ暑いですね。

『レスラー』@TOHOシネマズ シャンテ(6/25鑑賞)

※先に観た梅太くんの感想はコチラ

自らの生き様を貫き通す中年プロレスラー役がミッキー・ロークのはまり役となり、数々の映画賞に輝いたエネルギッシュで感動的な人間ドラマ。

本年度アカデミー賞にて、ミッキー・ロークが主演男優賞にもノミネートされ、注目されていただけに楽しみにしておりました。

男だったら絶対に泣く! 燻し銀レスラーの雄姿!

いやー・・・ヤバかったなぁ・・・
ここ1~2年に観た劇場作品の中では、一番泣いたと思います・・・
鼻水までダラダラ出てきたのは、久しぶりでしたw

主人公:ランディは、全盛期はマジソン・スクエアガーデンも満杯にするほどの人気プロレスラーだったが、20年を経た今は、侘しい生活を送っている。
すでに身体はボロボロで、薬無しではまともに動かないほどになってしまっているが、スーパーでのバイトを続けながらも、週末には地方のどさ廻りの興行に出場し、未だに現役で選手を続けている。
そんな中、かつて大勝負を繰り広げたライバルとの再戦が企画され喜ぶ彼だったが、地方の試合後に心臓発作で突然倒れてしまう。
もうプロレスは出来ないと医者から止められる彼だったが、自分の居る場所はリングしかないと、輝ける舞台へ戻っていく・・・

もーさー、苦しすぎますよ・・・
肉体的にもすでに限界を超え、傷だらけになりながらも、流血するような激しいプロレスを続ける主人公に、ただただ唖然。
老眼鏡だって欠かせないし、補聴器もつけていないと、ウマく会話を聞き取れません。
よく「プロレスは、ガチンコじゃない」と言われ、いまでは総合格闘技に押されてしまっていますが、個人的にはプロレスは別に嫌いじゃないんですよね。
「スポーツ」って言うよりも、やはり「舞台」に近いものを感じていて、ある程度の流れが決まっていても、やはりそれを自らの肉体で血と汗をダラダラ流して実演するってのは、パフォーマンスとして完成されていると思うのですよ。

この作品でも、そんなプロレスの舞台裏の話はたくさん登場します。
控え室にて、これから対戦する2人の選手が「オレがあの技をやったら、お前がこうきて・・・」試合のおおまかな流れを相談し、リングの上ではお互い必死に戦いながらも、試合後の控え室では2人とも笑顔で「あそこは良かった!」と会話しているのを見ると、実際に試合を観ている以上に、プロレスというものが魅力的に感じてしまいました。
主人公:ランディもカミソリをサポーターの中に隠し持ち、相手から技をかけられた直後にスキを見て、自ら額を切って流血を演出します。
ハッキリ言って生々しいのですが、そうまでしても観客を盛り上げようとする様子に、哀愁と感動が入り混じったような何とも言えない感情が・・・

そんな生活を続けているもんですから、当然家族からは全く相手にされず、ただ一人の娘とも上手く行っていない。
しかし、心臓発作になってしまったのきっかけに、自分の最後を感じ始めた彼は、そんな娘との関係も修復しようと試みます。
初めは全く相手にしてくれなかった娘ですが、「今まで全く親らしいことはしてこなかったが、お前には嫌われたくない」と心のうちを明かします。


主人公:ランディを演じるミッキー・ロークですが、僕自身は『ドミノ』くらいしか出演作を劇場で観た事がなかったのですが、80年代に人気を博した俳優で90年代になり出演作に恵まれずに落ちぶれてしまったスターというくらいにしか思っていませんでした。
人気がなくなってしまった90年代は俳優業に見切りを付け、ボクサーとしても活動していたという彼だけに、この作品は自伝的作品であるかのようにハマリ役だったのだと思います。
確かにその傷ついた大きな身体というのは、演技なんかでは作れないものが溢れており、余計に魅力的に感じられました。
次回作は『アイアンマン2』の敵役に抜擢され、現在撮影中ですが、そちらでの活躍も楽しみですね♪


ストーリーも出演者も非常に素晴らしく、よく出来た作品であるとは思うのですが、あえて難点を言うのであれば、激しいプロレスがテーマになっているだけに、傷や流血なんかの生々しい表現が多いのと、一部露骨な性的表現が含まれていたのがちょっとオススメするのに気が引けるかなぁと思いました。
そこさえクリアできれば満点を上げたかったのですが、そういう部分まで含めてこの作品の魅力といえば魅力なので、そこまで大きく取り上げる部分じゃないのかも知れませんけど・・・

とにかく、男だったら、もしくは「プロレス」ってモノが好きだったら、拾えるモノが多すぎる作品だと思います。

ギリギリだからカッコイイ! ボロボロだからカッコイイ!

0 件のコメント: