ゲンです。
去る12月28日、東京に帰省中の梅太君にわざわざウチに出向いていただき、2008年の映画をまとめるべく「2008年座談会」を行いました。
ここで度々「年末企画」と言っていたのはこの企画のことで、当日に出来るだけスムーズに進行できるようにあらかじめ話したい内容をお互いにまとめておりました。
当日は3時間半以上の長時間に渡って語りつくしまして、その模様を収録・編集しました。
とにかく長時間になってしまったので、出来るだけ負荷かけないようにするため、ファイルの分割や軽量化をしてみましたが、見づらかったらスイマセン。
気になった項目の音声だけでもいいので、聞いていただけると嬉しいです。
~~~~~~~~~~~~~~~~
2008年12月30日火曜日
2008年12月24日水曜日
ゲン@ 劇場:『ワールド・オブ・ライズ』
ゲンです。
年末企画のための資料を、現在必死にまとめてます。
個人的な趣味とは言え、自分の頭にある内容を改めて文章に出すのは大変ですね・・・
■『ワールド・オブ・ライズ』@TOHOシネマズ錦糸町(12/20鑑賞)
『アメリカン・ギャングスター』のリドリー・スコット監督最新作、レオナルド・ディカプリオ、ラッセル・クロウ共演。
CIAに雇われた元ジャーナリストの男が、ヨルダンで大規模なテロ組織を追跡する姿を描くサスペンス・ドラマ。
まさかリドリー監督作が一年に2本観れるとは思ってなかったんで、それだけで小躍りですw
しかもまたまたラッセル出演、ディカプリオが共演と来れば嫌でも期待が高まります。
ただ、米国での成績は意外と悪く、この秋公開された大作の中では失敗作のレッテルを貼られていただけに、若干心配ではありましたが・・・
いやいやいや、十分面白いじゃないですか!
まずですね、予告編を観てすでに唸ってしまってたんですが、やはりリドリー・スコットってただもんじゃないですよ・・・
いや、今更巨匠に対してそんな事言うなって話なんですけど、あえて言わせてもらいますよ。
今年で71歳ですよ? おじいさんですよ?
何でこんなにも画が新鮮なのかなぁ・・・
どんなにキャリアがあっても、確かな腕があっても、それだけ経験を積めば絶対に“安全なカット”を撮るもんだと思うんですよ。
でも、リドリー・スコットが凄いと思うのは、どの映画でも、でのシーンでも、カットがもの凄く活き活きしてるんですよね。
何にも知らないで観たら、新進気鋭の30代くらいのアクション映画の監督とかが撮りそうなカットを平気で使うんですよ。
その“鈍らない感覚”ってのを71歳の監督が持ってるっていうのに、驚かされるんですよねぇ・・・
特に今回は「テロとの戦い」にスポットを当ててるワケなんで、CIAの最新技術を駆使した捜査シーンなんかが沢山出てくるんですが、そういう演出も難なくこなして、ちゃんとエンタメ要素のたっぷりある作品に仕上げてくれるってのは、流石だと思いました。
キャストですが、『グラディエーター』『プロヴァンスの贈りもの』『アメリカン・ギャングスター』とリドリー監督作品常連のラッセル・クロウ!
毎度の如く、今回も役作りで体重を28kgも増やしての素晴らしい熱演でした。
今回は冷酷で嫌味ったらしい、安全な場所から電話で指示を出すだけの指揮官で、ラッセルらしいドスの効いた役でした。
そんな指揮官の指示に傷だらけになって従う現場主義のエージェントにレオナルド・ディカプリオ!
中東に馴染むスパイの役柄なので、たっぷりとアゴ髭を蓄えての熱演でしたが、やはり彼の演技力ってのはもー格段に上がってきてますよねぇ・・・
単にビジュアルだけで持てはやされるだけではない、演技派の素晴らしい俳優だと思います。
リドリーらしいスピード感と緊迫感のあるカット、そして過激な暴力描写で十分に楽しめる作品なんですが、あえて苦言を呈するならば、やはり脚本。
テーマとなってる「テロとの戦い」なんていう散々やりつくされたジャンルだっただけに、今更感ってを感じずにはいられませんでした。
まぁ、リドリーがそのテーマを取り上げたらこんな感じになるよっていう意味では、作った意義はあるのかも知れませんが・・・
ストーリーに関しての“新鮮さ”は特に感じませんでした。
それに加えて、中盤からラストにかけて恋愛臭を漂わせてまとめられたのも残念・・・
せっかくラッセルが出てるのだから、もっと男クサイ重厚なストーリーでガッチリ固められていたら、もっと楽しめたけどなぁ・・・
まぁ、何だかんだ言って、結局リドリーには甘々ですので、十分合格点w
リドリー監督自身の政治論では無いと本人はコメントしていますが、「事件は現場で起きてんだ!」ってのは、どこの国でも同じようですねw
ところでタイトルや謳い文句にもなってる「世界を救うための嘘」ですが、ストーリー的にはそこまで「嘘」重視に作られていないような気が・・・
年末企画のための資料を、現在必死にまとめてます。
個人的な趣味とは言え、自分の頭にある内容を改めて文章に出すのは大変ですね・・・
■『ワールド・オブ・ライズ』@TOHOシネマズ錦糸町(12/20鑑賞)
CIAに雇われた元ジャーナリストの男が、ヨルダンで大規模なテロ組織を追跡する姿を描くサスペンス・ドラマ。
まさかリドリー監督作が一年に2本観れるとは思ってなかったんで、それだけで小躍りですw
しかもまたまたラッセル出演、ディカプリオが共演と来れば嫌でも期待が高まります。
ただ、米国での成績は意外と悪く、この秋公開された大作の中では失敗作のレッテルを貼られていただけに、若干心配ではありましたが・・・
いやいやいや、十分面白いじゃないですか!
まずですね、予告編を観てすでに唸ってしまってたんですが、やはりリドリー・スコットってただもんじゃないですよ・・・
いや、今更巨匠に対してそんな事言うなって話なんですけど、あえて言わせてもらいますよ。
今年で71歳ですよ? おじいさんですよ?
何でこんなにも画が新鮮なのかなぁ・・・
どんなにキャリアがあっても、確かな腕があっても、それだけ経験を積めば絶対に“安全なカット”を撮るもんだと思うんですよ。
でも、リドリー・スコットが凄いと思うのは、どの映画でも、でのシーンでも、カットがもの凄く活き活きしてるんですよね。
何にも知らないで観たら、新進気鋭の30代くらいのアクション映画の監督とかが撮りそうなカットを平気で使うんですよ。
その“鈍らない感覚”ってのを71歳の監督が持ってるっていうのに、驚かされるんですよねぇ・・・
特に今回は「テロとの戦い」にスポットを当ててるワケなんで、CIAの最新技術を駆使した捜査シーンなんかが沢山出てくるんですが、そういう演出も難なくこなして、ちゃんとエンタメ要素のたっぷりある作品に仕上げてくれるってのは、流石だと思いました。
キャストですが、『グラディエーター』『プロヴァンスの贈りもの』『アメリカン・ギャングスター』とリドリー監督作品常連のラッセル・クロウ!
毎度の如く、今回も役作りで体重を28kgも増やしての素晴らしい熱演でした。
今回は冷酷で嫌味ったらしい、安全な場所から電話で指示を出すだけの指揮官で、ラッセルらしいドスの効いた役でした。
そんな指揮官の指示に傷だらけになって従う現場主義のエージェントにレオナルド・ディカプリオ!
中東に馴染むスパイの役柄なので、たっぷりとアゴ髭を蓄えての熱演でしたが、やはり彼の演技力ってのはもー格段に上がってきてますよねぇ・・・
単にビジュアルだけで持てはやされるだけではない、演技派の素晴らしい俳優だと思います。
リドリーらしいスピード感と緊迫感のあるカット、そして過激な暴力描写で十分に楽しめる作品なんですが、あえて苦言を呈するならば、やはり脚本。
テーマとなってる「テロとの戦い」なんていう散々やりつくされたジャンルだっただけに、今更感ってを感じずにはいられませんでした。
まぁ、リドリーがそのテーマを取り上げたらこんな感じになるよっていう意味では、作った意義はあるのかも知れませんが・・・
ストーリーに関しての“新鮮さ”は特に感じませんでした。
それに加えて、中盤からラストにかけて恋愛臭を漂わせてまとめられたのも残念・・・
せっかくラッセルが出てるのだから、もっと男クサイ重厚なストーリーでガッチリ固められていたら、もっと楽しめたけどなぁ・・・
まぁ、何だかんだ言って、結局リドリーには甘々ですので、十分合格点w
リドリー監督自身の政治論では無いと本人はコメントしていますが、「事件は現場で起きてんだ!」ってのは、どこの国でも同じようですねw
ところでタイトルや謳い文句にもなってる「世界を救うための嘘」ですが、ストーリー的にはそこまで「嘘」重視に作られていないような気が・・・
2008年12月23日火曜日
ゲン@ 劇場:『地球が静止する日』
ゲンです。
そろそろ僕も年末企画の準備を始めないといけませんね・・・
言いだしっぺのクセに行動が遅い管理人です・・・
■『地球が静止する日』@日劇PLEX(12/21鑑賞)
1951年に公開された『地球の静止する日』をベースにしたSFアクション。
キアヌ・リーヴスふんする宇宙からの使者の到来とともに、地球最後の日へのカウントダウンが始まるというストーリーが展開する。
原作は白黒時代の古典SF、それもカルト・クラシックと呼ばれる類の作品で当時はかなり評価が高かったそうです。
実際に今回のリメイクを観る前に、DVDで予習してみたのですが、確かに面白かったです。
ただ、『宇宙戦争』や『アイ・アム・レジェンド』のように古典SFの名作と呼ばれていたような作品のリメイクは、どれも全く面白くない作品ばかりだったので、今回も規模から考えても大コケするんじゃないかと非常に心配でした・・・
うーん・・・まだ観れるかなぁ?・・・オリジナルありきの話だけどw
まず主演のキアヌ云々と言うよりも、オリジナルで50年代当時の映像技術で表現されていた現象が、2008年の技術を使うとこういう風に表現できるのか・・・っつー関心のようなモノの方が多かったですw
オリジナルだと、今の感覚からすると笑っちゃうような銀色の円盤とか、宇宙人が着てる服装だとか、そういう表現がいくつも出てくるんですが、流石にそれを21世紀にやってしまうワケにはいきませんからねw
CGを駆使しまくって、世界観を広げて、ストーリーに奥行きを持たせるって意味では、成功してると思います。
ただね、ストーリーがね、ハッキリ言ってしまうと、オリジナルと全然違うんですよ。
まぁ、オリジナルが作られたのが第二次世界大戦直後、冷戦に突入した時代なんで、その時に通用したストーリーをそのまんま直さずに使ってくるとは思ってませんでしたが、核心の部分は現代でも十分に通用するテーマだと思っていただけに、ここまで大きく変更されるとは意外でした。
で、その「変更された脚本」ってのが、やはり・・ツマ・・ら・ない・・・
面白くないの
その原因なのがキアヌが演じてる「クラトゥ」っていう宇宙からの使者の人柄のせいなんですが、オリジナル版では非常に優しく温厚で人間味溢れる人柄で描かれているんですよ。
ところが今回キアヌが演じてるクラトゥは、感情を一切表に出さず、常に冷静で淡々とした役なので、謎に満ちたキャラクタではあるけど、全く魅力的ではないんですねぇ・・・
そのおかげで、結局人間ドラマとして魅せたい部分である周りの人間との関わりが希薄になってしまい、クライマックスになっていざ盛り上がろうって時になって急に「地球人も捨てたもんじゃない」みたいな事をあっさり抜かしやがるんで、そのふり幅に全く着いて行けませんでした・・・
そういった意味で、オリジナルと違う部分がかなり沢山あるんで、こういう展開があっても良いのかなぁ・・・って思うんですが、これはオリジナルを観てるから言えるんで、今回のリメイクだけ観てもそこまで拾える部分は無いでしょうね・・・
ここで何を言っても、誰も観てくれないと思いますが、オリジナル版の方が遥かに面白かったです。
それを観たうえでだったら、リメイク版もそこそこ楽しめるかと思われます。
あとキアヌに罪は無い。
とりあえず、来年2月公開『フェイクシティ』に期待しときます。
米国ではコチラの方が先に公開されてたんで、てっきり日本でもその順番だと思ってただけにガッカリだよ・・・
ハードなクライムアクションって、あんまりキアヌっぽくないジャンルなのでスゲー観たいっす・・・
そろそろ僕も年末企画の準備を始めないといけませんね・・・
言いだしっぺのクセに行動が遅い管理人です・・・
■『地球が静止する日』@日劇PLEX(12/21鑑賞)
キアヌ・リーヴスふんする宇宙からの使者の到来とともに、地球最後の日へのカウントダウンが始まるというストーリーが展開する。
原作は白黒時代の古典SF、それもカルト・クラシックと呼ばれる類の作品で当時はかなり評価が高かったそうです。
実際に今回のリメイクを観る前に、DVDで予習してみたのですが、確かに面白かったです。
ただ、『宇宙戦争』や『アイ・アム・レジェンド』のように古典SFの名作と呼ばれていたような作品のリメイクは、どれも全く面白くない作品ばかりだったので、今回も規模から考えても大コケするんじゃないかと非常に心配でした・・・
うーん・・・まだ観れるかなぁ?・・・オリジナルありきの話だけどw
まず主演のキアヌ云々と言うよりも、オリジナルで50年代当時の映像技術で表現されていた現象が、2008年の技術を使うとこういう風に表現できるのか・・・っつー関心のようなモノの方が多かったですw
オリジナルだと、今の感覚からすると笑っちゃうような銀色の円盤とか、宇宙人が着てる服装だとか、そういう表現がいくつも出てくるんですが、流石にそれを21世紀にやってしまうワケにはいきませんからねw
CGを駆使しまくって、世界観を広げて、ストーリーに奥行きを持たせるって意味では、成功してると思います。
ただね、ストーリーがね、ハッキリ言ってしまうと、オリジナルと全然違うんですよ。
まぁ、オリジナルが作られたのが第二次世界大戦直後、冷戦に突入した時代なんで、その時に通用したストーリーをそのまんま直さずに使ってくるとは思ってませんでしたが、核心の部分は現代でも十分に通用するテーマだと思っていただけに、ここまで大きく変更されるとは意外でした。
で、その「変更された脚本」ってのが、やはり・・ツマ・・ら・ない・・・
面白くないの
その原因なのがキアヌが演じてる「クラトゥ」っていう宇宙からの使者の人柄のせいなんですが、オリジナル版では非常に優しく温厚で人間味溢れる人柄で描かれているんですよ。
ところが今回キアヌが演じてるクラトゥは、感情を一切表に出さず、常に冷静で淡々とした役なので、謎に満ちたキャラクタではあるけど、全く魅力的ではないんですねぇ・・・
そのおかげで、結局人間ドラマとして魅せたい部分である周りの人間との関わりが希薄になってしまい、クライマックスになっていざ盛り上がろうって時になって急に「地球人も捨てたもんじゃない」みたいな事をあっさり抜かしやがるんで、そのふり幅に全く着いて行けませんでした・・・
そういった意味で、オリジナルと違う部分がかなり沢山あるんで、こういう展開があっても良いのかなぁ・・・って思うんですが、これはオリジナルを観てるから言えるんで、今回のリメイクだけ観てもそこまで拾える部分は無いでしょうね・・・
ここで何を言っても、誰も観てくれないと思いますが、オリジナル版の方が遥かに面白かったです。
それを観たうえでだったら、リメイク版もそこそこ楽しめるかと思われます。
あとキアヌに罪は無い。
とりあえず、来年2月公開『フェイクシティ』に期待しときます。
米国ではコチラの方が先に公開されてたんで、てっきり日本でもその順番だと思ってただけにガッカリだよ・・・
ハードなクライムアクションって、あんまりキアヌっぽくないジャンルなのでスゲー観たいっす・・・
2008年12月22日月曜日
梅太@ DVD:『ダークナイト』
この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
さて、08年を象徴するこの作品。
劇場で観たときは、ラストシーンの強さに潰されそうになった。(そう、”強さ”という言葉が良く似合う)
DVDを観て、改めて考えてみる。この作品の強さは、どこから来るのだろう。
と、前フリをしておきながら、少し脱線を。
~~~ すべては計算のうちなのか? ジョーカーの行動 ~~~
本作のジョーカーには、「狂っている」という言葉が良く似合う。
予告編を見る限りでも、その狂い様が気持ちよくて爽快であった。
しかし初めて本編を見ると、「彼は本当に狂っているのか?」と、ふと思った。
外見の狂い様とは違い、彼の言動・行動は実によく計画されている。理に適っている。
ジョーカーの楽しみは唯一つ。「人が、そして世界が狂っていくのをみる。」
彼は、銃創に弾を込めているだけなのだ。引き金を引くかどうかは、その人・その世界次第。
でも銃の点検は怠らない。
どのように整備すれば、弾詰まりを起こさずに対象のど真ん中を撃ち抜けるのかを、ジョーカーは知っている。
では何故、狂ったような振る舞いをしているのか。
きっと、”狂う”というのも計算の内であるからだと思う。
それは、説得力というのにも少し似ている。
例えばプレゼンをするとき、内容は同等として、スーツを着てしっかりと話している人と、ダボダボのシャツを着て発表している人、どちらが説得力があるだろうか。
ジョーカーの場合もそう。
人を狂わせるのであれば、自分が狂っていたほうが説得力がある。
メイク・外装・話し方。どれもメチャクチャなのだけれど、彼の持つ唯一無二の楽しみと、行動信念。
彼を目の前にして、狂わないほうがおかしいのだ。
ジョーカーはすごい。
ここから今日語りたいこと。
~~~ なぜ、リアルに徹したのか ~~~
今年を象徴するアクションものとして、この作品と『スピードレーサー』が挙げられると思う(※梅太基準)。
『スピードレーサー』はオールCG。そして『ダークナイト』は実物を用いたリアルさ。
手法は違えど、共通項は”徹底していること”。だからどちらも大好き。
前作『ビギンズ』では、まだどこかにファンタジー色というか、コミカルなところが伺えた。
ウェインタワー(だっけ?)とか、CGで描くモノレールとか。
なぜCG全盛期の中、続編である『ダークナイト』は実物を使用することに徹底したのか。
実物を用いた迫力。重み。そう、この作品は、アクションに重みがある。
視覚的にも音響的にも、そして役者陣の殺陣にも。
でもなにも、そういう迫力を持たせるためだけに、リアルに拘ったはずはない。
やはり、それは前節でも少し触れたけれど”説得力”を持たせるためだと思う。
何に説得力を持たせるかといえば、それはテーマに、である。
「英雄として死ぬか、悪として生き残るか」
気高い精神を見せ付けるか。泥にまみれても、構わず意地で生き続けるか。
この選択は、今後のバットマンの運命を示唆する重要なものである。
ブルースがどちらを選ぼうが、そのチョイスについて、観客が納得できるだけの何かが必要である。
その何かが、”現実の重み”。これがなければ、ラストが生きてこない。
それこそが、実物に拘った理由であると思う。
あのラストは、それ以前の2時間20分で見せ付けた、徹底的な現実感があってこそ。
だから、ラストが重い。重いのだ。
鳥肌が立つほど、そして思わず涙ぐむほど素晴らしいのだ。
ハーヴィ・デントがあんなことになってしまう。ジョーカーに感化され、デントが人知れず犯した罪は重い。
でもデントが掲げた精神や生粋さは、ゴッサムに、そしてゴッサムの町民たちの心に光を差し込む。
彼は、犯罪者であってはいけないのだ。ゴッサムを照らすためには。
「私が背負う。私はヒーローではないから」
痺れた。このシーンには本当に痺れた。
ゴードン警部は言う。
「彼は街に必要な人間だ。でも今は”時”が違う」
ダメ押し。ここでも痺れた。
人の才能というものは不憫なもので、例えば素晴らしい芸術作品を作り上げても、生きている間は評価されないこともある。
それは”時”が違うから。周りが必要としていないから。
そういうことを全部含めたゴードンの素晴らしい台詞。
それでは、ブルースに救いはないの?
いや、それは違う。ブルースは幸せものである。
ゴードン警部の息子は言う。「彼は悪くないのに」。泣いた。
そしてレイチェルの本心が記された手紙を、ブルースに渡さずに燃やすアルフレッド。その優しさ。泣いた。
もう、この作品すごいよ。
--------------------------------------------------------
と、色々なことを考えてしまった本作。
悲しきかな。映画は一度上映が終わると、スクリーンで拝めることは滅多にない。
もう一度、観たい。劇場で。大スクリーンで。あの迫力を味わいたい。
シネコンなんて、夜は客が入らないじゃないか。特に地方のシネコンは。(現在、佐賀に住む僕が言うのだから、間違いはない)
リクエストを募って、こういう作品を上映すればいいのではないか。
余程稼げると思うけど。
上で述べたような細かいことは置いておいて、ただただ迫力に酔うのももちろんアリ。
トラクターがワイヤーで吊られて縦転するところなんて、意味なく「ヨッシャ!」と思ったし。
病院の爆破シーンもそう。
バットポット出撃シーンなんて、燃えた燃えた。
何と言っても一番好きなのが、ジョーカーのパーティー会場襲撃シーン。
警察のお偉いさんと、判事のおばさん、パーティー会場のシーンを細かく細かく繋ぎ、曲の音量も徐々に上がる。
お偉いさん毒死。判事爆死。
「good evening. ladies and gentleman!」
このシーンだけ、もう何度みたことか。
あ、いけない。まとめなきゃ。
みんな、これを観て狂喜してしまえばいいのだよ。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
さて、08年を象徴するこの作品。
劇場で観たときは、ラストシーンの強さに潰されそうになった。(そう、”強さ”という言葉が良く似合う)
DVDを観て、改めて考えてみる。この作品の強さは、どこから来るのだろう。
と、前フリをしておきながら、少し脱線を。
~~~ すべては計算のうちなのか? ジョーカーの行動 ~~~
本作のジョーカーには、「狂っている」という言葉が良く似合う。
予告編を見る限りでも、その狂い様が気持ちよくて爽快であった。
しかし初めて本編を見ると、「彼は本当に狂っているのか?」と、ふと思った。
外見の狂い様とは違い、彼の言動・行動は実によく計画されている。理に適っている。
ジョーカーの楽しみは唯一つ。「人が、そして世界が狂っていくのをみる。」
彼は、銃創に弾を込めているだけなのだ。引き金を引くかどうかは、その人・その世界次第。
でも銃の点検は怠らない。
どのように整備すれば、弾詰まりを起こさずに対象のど真ん中を撃ち抜けるのかを、ジョーカーは知っている。
では何故、狂ったような振る舞いをしているのか。
きっと、”狂う”というのも計算の内であるからだと思う。
それは、説得力というのにも少し似ている。
例えばプレゼンをするとき、内容は同等として、スーツを着てしっかりと話している人と、ダボダボのシャツを着て発表している人、どちらが説得力があるだろうか。
ジョーカーの場合もそう。
人を狂わせるのであれば、自分が狂っていたほうが説得力がある。
メイク・外装・話し方。どれもメチャクチャなのだけれど、彼の持つ唯一無二の楽しみと、行動信念。
彼を目の前にして、狂わないほうがおかしいのだ。
ジョーカーはすごい。
ここから今日語りたいこと。
~~~ なぜ、リアルに徹したのか ~~~
今年を象徴するアクションものとして、この作品と『スピードレーサー』が挙げられると思う(※梅太基準)。
『スピードレーサー』はオールCG。そして『ダークナイト』は実物を用いたリアルさ。
手法は違えど、共通項は”徹底していること”。だからどちらも大好き。
前作『ビギンズ』では、まだどこかにファンタジー色というか、コミカルなところが伺えた。
ウェインタワー(だっけ?)とか、CGで描くモノレールとか。
なぜCG全盛期の中、続編である『ダークナイト』は実物を使用することに徹底したのか。
実物を用いた迫力。重み。そう、この作品は、アクションに重みがある。
視覚的にも音響的にも、そして役者陣の殺陣にも。
でもなにも、そういう迫力を持たせるためだけに、リアルに拘ったはずはない。
やはり、それは前節でも少し触れたけれど”説得力”を持たせるためだと思う。
何に説得力を持たせるかといえば、それはテーマに、である。
「英雄として死ぬか、悪として生き残るか」
気高い精神を見せ付けるか。泥にまみれても、構わず意地で生き続けるか。
この選択は、今後のバットマンの運命を示唆する重要なものである。
ブルースがどちらを選ぼうが、そのチョイスについて、観客が納得できるだけの何かが必要である。
その何かが、”現実の重み”。これがなければ、ラストが生きてこない。
それこそが、実物に拘った理由であると思う。
あのラストは、それ以前の2時間20分で見せ付けた、徹底的な現実感があってこそ。
だから、ラストが重い。重いのだ。
鳥肌が立つほど、そして思わず涙ぐむほど素晴らしいのだ。
ハーヴィ・デントがあんなことになってしまう。ジョーカーに感化され、デントが人知れず犯した罪は重い。
でもデントが掲げた精神や生粋さは、ゴッサムに、そしてゴッサムの町民たちの心に光を差し込む。
彼は、犯罪者であってはいけないのだ。ゴッサムを照らすためには。
「私が背負う。私はヒーローではないから」
痺れた。このシーンには本当に痺れた。
ゴードン警部は言う。
「彼は街に必要な人間だ。でも今は”時”が違う」
ダメ押し。ここでも痺れた。
人の才能というものは不憫なもので、例えば素晴らしい芸術作品を作り上げても、生きている間は評価されないこともある。
それは”時”が違うから。周りが必要としていないから。
そういうことを全部含めたゴードンの素晴らしい台詞。
それでは、ブルースに救いはないの?
いや、それは違う。ブルースは幸せものである。
ゴードン警部の息子は言う。「彼は悪くないのに」。泣いた。
そしてレイチェルの本心が記された手紙を、ブルースに渡さずに燃やすアルフレッド。その優しさ。泣いた。
もう、この作品すごいよ。
--------------------------------------------------------
と、色々なことを考えてしまった本作。
悲しきかな。映画は一度上映が終わると、スクリーンで拝めることは滅多にない。
もう一度、観たい。劇場で。大スクリーンで。あの迫力を味わいたい。
シネコンなんて、夜は客が入らないじゃないか。特に地方のシネコンは。(現在、佐賀に住む僕が言うのだから、間違いはない)
リクエストを募って、こういう作品を上映すればいいのではないか。
余程稼げると思うけど。
上で述べたような細かいことは置いておいて、ただただ迫力に酔うのももちろんアリ。
トラクターがワイヤーで吊られて縦転するところなんて、意味なく「ヨッシャ!」と思ったし。
病院の爆破シーンもそう。
バットポット出撃シーンなんて、燃えた燃えた。
何と言っても一番好きなのが、ジョーカーのパーティー会場襲撃シーン。
警察のお偉いさんと、判事のおばさん、パーティー会場のシーンを細かく細かく繋ぎ、曲の音量も徐々に上がる。
お偉いさん毒死。判事爆死。
「good evening. ladies and gentleman!」
このシーンだけ、もう何度みたことか。
あ、いけない。まとめなきゃ。
みんな、これを観て狂喜してしまえばいいのだよ。
梅太@ 雑記:作品に対する先入観、他
この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
●先入観
映画を見るにあたり、先入観は少なからずある。
・製作側における宣伝(チラシ、予告編etc)によるもの。これが主ではあると思う。
・口コミ。「これよかったよ~」「これダメだったね~」。これも結構、影響する。
とりあえずパっと浮かぶ2点を挙げさせてもらった。
今と昔で決定的に違うことは、これら2点が行われるにあたり、インターネットが普及したことだと思う。
でも1点目に関しては、僕はそこに文句はない。
映画大国アメリカの作品はともかくとしても、それ以外の諸外国の作品の情報を仕入れるのは、なかなか難しい。
特に今年公開が危ぶまれた『HOT FUZZ』にしたって、本国イギリスで予告編が解禁されたときは、日本のサイトはどこも触れていなかったように記憶している。
(個人のブログなどは別)
僕が、「working title」社のHPをブックマークしていて、逐一チェックしていなければ得られなかった情報だ。
ネットのおかげで、宣伝の幅が広がった例もある。
今年の夏公開された『ダークナイト』は、公式とは別のスピンオフサイト(?)が多く設立され、ファンの期待を煽った。
反面、予告編の種類が多く「あの予告編はいったい何番目のやつだ?」とややこしくなってしまう時もあるのだけれど。
予告編大好きな僕としては、うれしい悩みではあるのですけどね。
さて2点目。
ネットの普及により、口コミはものすごいレベルにまで達したなと先日思った。
個人の映画感想ブログはもちろんながら、「yahoo!映画」などで誰でも書き込める掲示板などもある。
僕はといえば、この「yahoo!映画」のレビューが好きじゃない。
以前「STAR WARS ep3」のレビューで、論争がかなり激化していた為である。
いや、好き故の激化は別にいいと思うけど、そこに誹謗中傷があるのがいただけない。
あと、あぁいう場で生まれてくる、集団に反発するような感想の書き方も好きじゃない。
「みんなはあぁ言ってますが」とか、「これまでのレビューでの評価とは違いますが」とか。
(それは「誰がなんと言おうと、この作品はNo.1だぜ!」というのとは、少し意味合いが違う)
「そんな前置きはいりません」と、時々そう思う。というより、誰もそこは気にしてないよ、と。
えと、書きたいのはそこじゃないです。すいません。
諸事情(*1)により「yahoo!映画:レビュー」を見ていて、ちょっと驚いたことがあった。
「レビューでどういう作品かは知っていたので、その部分については考えずに観たら、結構楽しめました。」
すごいところまできたな。
この「どういう作品か」というのはストーリー云々ということではなく、この「作品のどこが良くてどこが悪いか」ということであると思う。
つまりこの人は「この作品の悪い部分は知っていたので、その部分を抜きにして見たら楽しめた」と、こういう風に言っているのだと思う。僕の推測だけど。
なぜこんなことを書いたかというと、別に立派なことを言うためではない。
そういう感想が、僕の大好きな作品に対して行われたという、なんとも稚拙な理由のためである。
いやぁ、子供だねぇ僕も。
先入観や、先に得ている情報、そしてそれらによる期待というのは、決して悪いことではない。
本当に素晴らしい作品とは、そういうものをプラス方向に裏切ってくれるものであると、映画を信じている僕は、自信をもって言える。
時々「過剰かな?」と思えるような期待をかけてしまうこともある。でもいいじゃない。期待したって。
というより、期待しないほうが無理だって。
ただ期待というのとは違い、「先に得られた悪評=それはつまらない作品」という結びつき。これは違うのではないかと思う。
今年公開したとある映画では、そういうレビューが沢山見られたように感じる。
「アメリカではヒットしてない」から、つまらなかったの?
「オールCG」という情報と、印象が薄っぺらいのとの結びつきは?
無意識のうちに、先に得ていた情報のせいにしている気がする。ちょっとね。
書いている本人が、どう考えているかはわからないけれど。それが文字のみの世界のジレンマ。
*1:ゲンさんと僕とで計画しているある企画のため。近日公開予定。
●マイナス面での一言で済ませる
先入観のお話はおしまいで、でも感想掲示板とは関係ある。
僕の感想は、自分で言うのもなんだけど、クドイ。
自分が面白いと思った(もしくは逆も)細かい部分について、ストーリーや場面背景をつらつらと持ち出してしまうから。
そして言いたいことは、たったの一言だったりする。
でもそれを読んだ人に、自分が感じたことを「文字のみ」で伝える方法が、それ以外見当たらないのだ。
修行が足らんティーノ。
ゲンさんは、そういう部分がウマイから、時々羨ましく感じる。
掲示板というのは、便利なのだかなんなのだか良くわからない。
ジョークも何も無く、本気で「つまらなかった。クソ映画だな」の一言で済ませているのを見ると、ちょっと悲しくなる。
それは、大衆の目に晒すようなことではないだろうと。
そんなことを言われるために、製作側は映画をつくったわけじゃないだろう。多分。
つまらないならつまらないで一向に構わないし、合わない映画というのは、僕ももちろんある。
でもせめて、「こういう理由から僕には合わなかった」としっかり書いておかないと、製作陣に失礼な気がするのだ。
(それは、ダメな部分を指摘・採点しているのとは違う)
では逆に、「面白かった!」というプラス面の一言はどうか。
うん、素晴らしいと思う。
『崖の上のポニョ』を見たとき、劇場から出る際に前にいた小さな女の子が、係員に向かって「ポニョポニョ面白かった」と言っていた。
僕はそれだけで、なんだかすごくうれしくなったし、「宮崎さん、あなたはやはりすごい人だ」とも思った。
ただ、その係員がそれをスルーしていたのが、なんとも寂しい。
プラス面での一言というのはそれだけの力がある。
それをネットという文字だけの世界でやるとなると、どうにも表現はしづらいのですけれど。
その表現のしづらさ故、僕の感想はグドくなる。うぅ・・悪循環。
-----------------------------------------------------
ふと考えてしまったことをつらつらと。
長文駄文失礼しました。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
●先入観
映画を見るにあたり、先入観は少なからずある。
・製作側における宣伝(チラシ、予告編etc)によるもの。これが主ではあると思う。
・口コミ。「これよかったよ~」「これダメだったね~」。これも結構、影響する。
とりあえずパっと浮かぶ2点を挙げさせてもらった。
今と昔で決定的に違うことは、これら2点が行われるにあたり、インターネットが普及したことだと思う。
でも1点目に関しては、僕はそこに文句はない。
映画大国アメリカの作品はともかくとしても、それ以外の諸外国の作品の情報を仕入れるのは、なかなか難しい。
特に今年公開が危ぶまれた『HOT FUZZ』にしたって、本国イギリスで予告編が解禁されたときは、日本のサイトはどこも触れていなかったように記憶している。
(個人のブログなどは別)
僕が、「working title」社のHPをブックマークしていて、逐一チェックしていなければ得られなかった情報だ。
ネットのおかげで、宣伝の幅が広がった例もある。
今年の夏公開された『ダークナイト』は、公式とは別のスピンオフサイト(?)が多く設立され、ファンの期待を煽った。
反面、予告編の種類が多く「あの予告編はいったい何番目のやつだ?」とややこしくなってしまう時もあるのだけれど。
予告編大好きな僕としては、うれしい悩みではあるのですけどね。
さて2点目。
ネットの普及により、口コミはものすごいレベルにまで達したなと先日思った。
個人の映画感想ブログはもちろんながら、「yahoo!映画」などで誰でも書き込める掲示板などもある。
僕はといえば、この「yahoo!映画」のレビューが好きじゃない。
以前「STAR WARS ep3」のレビューで、論争がかなり激化していた為である。
いや、好き故の激化は別にいいと思うけど、そこに誹謗中傷があるのがいただけない。
あと、あぁいう場で生まれてくる、集団に反発するような感想の書き方も好きじゃない。
「みんなはあぁ言ってますが」とか、「これまでのレビューでの評価とは違いますが」とか。
(それは「誰がなんと言おうと、この作品はNo.1だぜ!」というのとは、少し意味合いが違う)
「そんな前置きはいりません」と、時々そう思う。というより、誰もそこは気にしてないよ、と。
えと、書きたいのはそこじゃないです。すいません。
諸事情(*1)により「yahoo!映画:レビュー」を見ていて、ちょっと驚いたことがあった。
「レビューでどういう作品かは知っていたので、その部分については考えずに観たら、結構楽しめました。」
すごいところまできたな。
この「どういう作品か」というのはストーリー云々ということではなく、この「作品のどこが良くてどこが悪いか」ということであると思う。
つまりこの人は「この作品の悪い部分は知っていたので、その部分を抜きにして見たら楽しめた」と、こういう風に言っているのだと思う。僕の推測だけど。
なぜこんなことを書いたかというと、別に立派なことを言うためではない。
そういう感想が、僕の大好きな作品に対して行われたという、なんとも稚拙な理由のためである。
いやぁ、子供だねぇ僕も。
先入観や、先に得ている情報、そしてそれらによる期待というのは、決して悪いことではない。
本当に素晴らしい作品とは、そういうものをプラス方向に裏切ってくれるものであると、映画を信じている僕は、自信をもって言える。
時々「過剰かな?」と思えるような期待をかけてしまうこともある。でもいいじゃない。期待したって。
というより、期待しないほうが無理だって。
ただ期待というのとは違い、「先に得られた悪評=それはつまらない作品」という結びつき。これは違うのではないかと思う。
今年公開したとある映画では、そういうレビューが沢山見られたように感じる。
「アメリカではヒットしてない」から、つまらなかったの?
「オールCG」という情報と、印象が薄っぺらいのとの結びつきは?
無意識のうちに、先に得ていた情報のせいにしている気がする。ちょっとね。
書いている本人が、どう考えているかはわからないけれど。それが文字のみの世界のジレンマ。
*1:ゲンさんと僕とで計画しているある企画のため。近日公開予定。
●マイナス面での一言で済ませる
先入観のお話はおしまいで、でも感想掲示板とは関係ある。
僕の感想は、自分で言うのもなんだけど、クドイ。
自分が面白いと思った(もしくは逆も)細かい部分について、ストーリーや場面背景をつらつらと持ち出してしまうから。
そして言いたいことは、たったの一言だったりする。
でもそれを読んだ人に、自分が感じたことを「文字のみ」で伝える方法が、それ以外見当たらないのだ。
修行が足らんティーノ。
ゲンさんは、そういう部分がウマイから、時々羨ましく感じる。
掲示板というのは、便利なのだかなんなのだか良くわからない。
ジョークも何も無く、本気で「つまらなかった。クソ映画だな」の一言で済ませているのを見ると、ちょっと悲しくなる。
それは、大衆の目に晒すようなことではないだろうと。
そんなことを言われるために、製作側は映画をつくったわけじゃないだろう。多分。
つまらないならつまらないで一向に構わないし、合わない映画というのは、僕ももちろんある。
でもせめて、「こういう理由から僕には合わなかった」としっかり書いておかないと、製作陣に失礼な気がするのだ。
(それは、ダメな部分を指摘・採点しているのとは違う)
では逆に、「面白かった!」というプラス面の一言はどうか。
うん、素晴らしいと思う。
『崖の上のポニョ』を見たとき、劇場から出る際に前にいた小さな女の子が、係員に向かって「ポニョポニョ面白かった」と言っていた。
僕はそれだけで、なんだかすごくうれしくなったし、「宮崎さん、あなたはやはりすごい人だ」とも思った。
ただ、その係員がそれをスルーしていたのが、なんとも寂しい。
プラス面での一言というのはそれだけの力がある。
それをネットという文字だけの世界でやるとなると、どうにも表現はしづらいのですけれど。
その表現のしづらさ故、僕の感想はグドくなる。うぅ・・悪循環。
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ふと考えてしまったことをつらつらと。
長文駄文失礼しました。
ゲン@ 劇場:『ラースと、その彼女』
ゲンです。
年の瀬に来ても、まだまだ秀作はありますね。
■『ラースと、その彼女』@シネクイント(12/22鑑賞)
アカデミー賞脚本賞にノミネートされた、ハートウォーミングな人間ドラマ。
インターネットで注文した等身大のリアルドールとの恋愛関係に没頭する青年と、彼を取り巻く町の人々の人間模様が展開する。
まず設定からして面白すぎるんだけども、昨年度のアカデミー賞脚本賞にノミネートされてしまうなど、ストーリーが面白いのは確かなようでしたし、何より予告編が面白かったので期待して観に行きました。
おかしいけどちょっぴり切ない、心温まるドラマ♪
田舎町に暮らす青年:ラースは、温厚で心優しいが、とってもシャイで周りとの付き合いを極端に嫌っている。
そんな彼が急に、「彼女を紹介したい」と兄夫婦を部屋に招待する。
そこにいたのは等身大のリアルドール、彼女の名前はビアンカ。
とうとう気が狂ってしまったと医者に相談する兄夫婦だったが、徐々にラースと、その彼女に周囲も魅かれていく・・・
というストーリーなんですが、まーこれが暖かいです♪
初めは周りの人達は、ラースの事を変人扱いしているんですが、ラースの話に合わせる様に、その人形を「彼女」として接していくうちに、段々とコミュニケーションの輪が広がって行き、ついには町全体をひっくるめた暖かい関係が築かれます。
その過程が実に丁寧で、愛と笑いに溢れ、本当に幸せでした♪
主人公のラースを演じるライアン・ゴズリングは、激しい人見知りながらも不思議な魅力に溢れ、周りの人々を暖かくする非常に素晴らしい演技でした。
何も話さず、全く動かない彼女との対話も、初めは奇妙で引いてしまうんですが、段々その様子を観ていると心が温かくなりました。
人形相手にずっと演技し続けるっていうのは、かなり大変だっただろうなぁw
で、そんなヒロイン?のビアンカですが、等身大のリアルドール!
まぁ、所謂ダッチ○イフ的なアレなんですけども、ブラジル人とデンマーク人のハーフで、内気なベジタリアン、修道院で育った元宣教師、看護師の資格も持っていて子どもの面倒をみるのも好き・・・とか、やたらと設定が細かいですw
当然ですがセリフも動きも表情も無いんですが、ずっとラースと共にいる彼女を見ていると、不思議と人間に見えてきてしまうんですよねぇ♪
素晴らしい演技力ですw
で、そんな奇妙な設定で心温まるストーリーですが、一番のポイントになっているのが、後半に明かされる「なぜ、ラースが内向的になってしまったのか」という理由。
これが非常に切なく、涙ながらに語るラースを観ているとコチラも自然と涙が・・・
うーん・・・やはり脚本賞にノミネートされるだけの力がありますね・・・
ラースの笑顔と、彼女の笑顔?にとっても心が温まりました♪
オススメです♪
年の瀬に来ても、まだまだ秀作はありますね。
■『ラースと、その彼女』@シネクイント(12/22鑑賞)
インターネットで注文した等身大のリアルドールとの恋愛関係に没頭する青年と、彼を取り巻く町の人々の人間模様が展開する。
まず設定からして面白すぎるんだけども、昨年度のアカデミー賞脚本賞にノミネートされてしまうなど、ストーリーが面白いのは確かなようでしたし、何より予告編が面白かったので期待して観に行きました。
おかしいけどちょっぴり切ない、心温まるドラマ♪
田舎町に暮らす青年:ラースは、温厚で心優しいが、とってもシャイで周りとの付き合いを極端に嫌っている。
そんな彼が急に、「彼女を紹介したい」と兄夫婦を部屋に招待する。
そこにいたのは等身大のリアルドール、彼女の名前はビアンカ。
とうとう気が狂ってしまったと医者に相談する兄夫婦だったが、徐々にラースと、その彼女に周囲も魅かれていく・・・
というストーリーなんですが、まーこれが暖かいです♪
初めは周りの人達は、ラースの事を変人扱いしているんですが、ラースの話に合わせる様に、その人形を「彼女」として接していくうちに、段々とコミュニケーションの輪が広がって行き、ついには町全体をひっくるめた暖かい関係が築かれます。
その過程が実に丁寧で、愛と笑いに溢れ、本当に幸せでした♪
主人公のラースを演じるライアン・ゴズリングは、激しい人見知りながらも不思議な魅力に溢れ、周りの人々を暖かくする非常に素晴らしい演技でした。
何も話さず、全く動かない彼女との対話も、初めは奇妙で引いてしまうんですが、段々その様子を観ていると心が温かくなりました。
人形相手にずっと演技し続けるっていうのは、かなり大変だっただろうなぁw
で、そんなヒロイン?のビアンカですが、等身大のリアルドール!
まぁ、所謂ダッチ○イフ的なアレなんですけども、ブラジル人とデンマーク人のハーフで、内気なベジタリアン、修道院で育った元宣教師、看護師の資格も持っていて子どもの面倒をみるのも好き・・・とか、やたらと設定が細かいですw
当然ですがセリフも動きも表情も無いんですが、ずっとラースと共にいる彼女を見ていると、不思議と人間に見えてきてしまうんですよねぇ♪
素晴らしい演技力ですw
で、そんな奇妙な設定で心温まるストーリーですが、一番のポイントになっているのが、後半に明かされる「なぜ、ラースが内向的になってしまったのか」という理由。
これが非常に切なく、涙ながらに語るラースを観ているとコチラも自然と涙が・・・
うーん・・・やはり脚本賞にノミネートされるだけの力がありますね・・・
ラースの笑顔と、彼女の笑顔?にとっても心が温まりました♪
オススメです♪
ゲン@ 劇場:『永遠のこどもたち』
ゲンです。
今年の鑑賞数は現在131本、いよいよラストスパートです。
■『永遠のこどもたち』@シネカノン有楽町1丁目(12/21鑑賞)
『パンズ・ラビリンス』のギレルモ・デル・トロをプロデューサーに迎え製作されたスペイン発のホラー映画。
孤児院で育ったラウラは、長らく閉鎖されていたその孤児院を買い取り、障害を持つ子どもたちのホームとして再建しようと夫と息子とともに移り住んでいた。
だが、息子は遊び相手のいない寂しさから空想上の友だちを作って遊ぶようになり、その姿にラウラは不安を覚える。
そして入園希望者を集めたパーティーの日、息子はこつ然と姿を消してしまう・・・
たまたま単館系の劇場で予告編を観てしまい、あまりのデル・トロ・テイストに完全にやられ、その場で前売りを買いましたw
『ヘルボーイ2』公開を前に、デル・トロ・テイストをお先に頂いてしまうとワクワクしとりました。
やっべーーーー!!!! 何これーーーー!!!! スゲーーーー!!!!
まさか、まさか、まさか、まさか、まさか、まさかですよ!
こんなにも面白くて、こんなにも切なくて、こんなにも悲しくて、こんなにも怖い作品だったとは、夢に思いませんでした!
デル・トロが脚本に惚れ込んで、自ら製作総指揮を買って出ただけの作品ですよ!
もーもーもーもーもーもーもー素ん晴らしい!!!
ジャンル的には「ホラー」なんですけど、ハリウッド作品のようにデカい音と突然の出現で怖がらせるでもなく、デル・トロお得意のおどろおどろしいクリーチャーで怖がらせるでもなく、薄暗いカットやロケーションで展開されるストーリーを観ることで観客の内面から湧き出る恐怖心を見事に煽っています。
しかもそのカットやロケーションってのが、『パンズ・ラビリンス』でも魅せたようなスペインの片田舎・古い屋敷という、まさにデル・トロお得意の「ダークファンタジー」の要素がこれでもかと入れられてるワケですよ!
もーさ、完璧じゃね?
怖いとかさ、恐ろしいとかさ、そんなレベルじゃないの。
辛いの・・・痛いの・・・苦しいの・・・
だからって、別に我慢して観てるワケじゃないんですよね。
演出としては「ホラー」だけど、ストーリーは「ダークファンタジー」なの。
しかもガッツリ大人向けの。
『パンズ・ラビリンス』もそうだったけど、バッドエンドなのに、救いがあるの。
それがスゴい・・・完璧ですよ・・・
とにかくとにかく、ギレルモ・デル・トロ監督が好きな人は絶対に観たほうがイイです!
いや、観ないと絶対損!
僕は今日から、この作品を観ずに『パンズ・ラビリンス』を語る人は相手にしませんw
そんくらい素晴らしい!
当然、5点満点!
いやいや、まさかここに来て満点作品に出会うとは予想してなかった・・・
今年の上位ランキングは、また大きく変動しそうです・・・
~~~~~~~~~~~~~~~~
まさかコレほどまでの作品だったとは全くの予想外だったので、自分でも驚きを隠せません。
むしろ、「デル・トロ製作って言ってるけどさー!」くらいのテンションで帰ってくるだろうと密かに思ってた自分を殴りたいですw
あぁ・・・デル・トロ監督ってどんだけ恐ろしい人間何だか・・・
『ヘルボーイ2』も無事にハマれば、僕の中ではウォシャウスキーやら、バートンやら、タランティーノらと並んで、「神」になるかも知れません・・・
恐らく出会ってから最速だろうな・・・w
いや、マジでオススメですんで。
『パンズ・ラビリンス』が好きな方は是非とも劇場に観に行って下さいまし。
うーん・・・スペイン映画・・・侮れない・・・
今年の鑑賞数は現在131本、いよいよラストスパートです。
■『永遠のこどもたち』@シネカノン有楽町1丁目(12/21鑑賞)
孤児院で育ったラウラは、長らく閉鎖されていたその孤児院を買い取り、障害を持つ子どもたちのホームとして再建しようと夫と息子とともに移り住んでいた。
だが、息子は遊び相手のいない寂しさから空想上の友だちを作って遊ぶようになり、その姿にラウラは不安を覚える。
そして入園希望者を集めたパーティーの日、息子はこつ然と姿を消してしまう・・・
たまたま単館系の劇場で予告編を観てしまい、あまりのデル・トロ・テイストに完全にやられ、その場で前売りを買いましたw
『ヘルボーイ2』公開を前に、デル・トロ・テイストをお先に頂いてしまうとワクワクしとりました。
やっべーーーー!!!! 何これーーーー!!!! スゲーーーー!!!!
まさか、まさか、まさか、まさか、まさか、まさかですよ!
こんなにも面白くて、こんなにも切なくて、こんなにも悲しくて、こんなにも怖い作品だったとは、夢に思いませんでした!
デル・トロが脚本に惚れ込んで、自ら製作総指揮を買って出ただけの作品ですよ!
もーもーもーもーもーもーもー素ん晴らしい!!!
ジャンル的には「ホラー」なんですけど、ハリウッド作品のようにデカい音と突然の出現で怖がらせるでもなく、デル・トロお得意のおどろおどろしいクリーチャーで怖がらせるでもなく、薄暗いカットやロケーションで展開されるストーリーを観ることで観客の内面から湧き出る恐怖心を見事に煽っています。
しかもそのカットやロケーションってのが、『パンズ・ラビリンス』でも魅せたようなスペインの片田舎・古い屋敷という、まさにデル・トロお得意の「ダークファンタジー」の要素がこれでもかと入れられてるワケですよ!
もーさ、完璧じゃね?
怖いとかさ、恐ろしいとかさ、そんなレベルじゃないの。
辛いの・・・痛いの・・・苦しいの・・・
だからって、別に我慢して観てるワケじゃないんですよね。
演出としては「ホラー」だけど、ストーリーは「ダークファンタジー」なの。
しかもガッツリ大人向けの。
『パンズ・ラビリンス』もそうだったけど、バッドエンドなのに、救いがあるの。
それがスゴい・・・完璧ですよ・・・
とにかくとにかく、ギレルモ・デル・トロ監督が好きな人は絶対に観たほうがイイです!
いや、観ないと絶対損!
僕は今日から、この作品を観ずに『パンズ・ラビリンス』を語る人は相手にしませんw
そんくらい素晴らしい!
当然、5点満点!
いやいや、まさかここに来て満点作品に出会うとは予想してなかった・・・
今年の上位ランキングは、また大きく変動しそうです・・・
~~~~~~~~~~~~~~~~
まさかコレほどまでの作品だったとは全くの予想外だったので、自分でも驚きを隠せません。
むしろ、「デル・トロ製作って言ってるけどさー!」くらいのテンションで帰ってくるだろうと密かに思ってた自分を殴りたいですw
あぁ・・・デル・トロ監督ってどんだけ恐ろしい人間何だか・・・
『ヘルボーイ2』も無事にハマれば、僕の中ではウォシャウスキーやら、バートンやら、タランティーノらと並んで、「神」になるかも知れません・・・
恐らく出会ってから最速だろうな・・・w
いや、マジでオススメですんで。
『パンズ・ラビリンス』が好きな方は是非とも劇場に観に行って下さいまし。
うーん・・・スペイン映画・・・侮れない・・・
2008年12月14日日曜日
Blogtitle更新:『The Dark Knight』(08/12/14)

タイトル部画像、更新させて頂きました。
画像元は、2008年を代表する作品となった『The Dark Knight』より。
先週DVDが発売となったので、その記念として更新させて頂きました。
挿入している台詞は、作中から抜粋。
バットマンは「Bat man has no limit.(バットマンに限界は無い)」。
ラストシーンで見せるブルースの強さ。バットマンに、限界はありません。
ジョーカーは、僕が一番好きなパーティー会場のシーンより抜粋。
「we are tonight's entertainment.(私たちが今夜の主役だ!)」
キャラクターの強烈さからすると、この作品自体の主役と言っても良いのでは。
デントは「you either die a hero, or you live long enough to see yourself become the villain.(英雄として死ぬか、悪として生き延びるか)」
この『ダークナイト』のテーマであり、バットマンの生き様を象徴する台詞。
大好きです。
見ごたえたっぷりの映画です。
米ではアカデミー授賞式にあわせ、再度劇場で上映されるみたいですが、日本でもそういうことしてくれないだろうか・・・
2008年12月13日土曜日
梅太@ 劇場:『WALL・E』
この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
お掃除ロボットの、たった一つの願い。
●地球で暮らす孤独なロボットの物語『WALL・E』
ディズニー/ピクサー最新作。
監督はアンドリュー・スタントン。
最寄のシネコンでは吹き替え版しかやっておらず、遠出して字幕版を観にいってきました。
二回目以降は吹き替え版でも良いのですが、「最初はその国の言語で」がモットーですので。
先に鑑賞済のゲンさんの感想はコチラ。
--------------------------------------------------
鑑賞したのは先週。
な~に書こうかなぁ・・・と一週間散々迷った挙句、以下の点に絞りました。
~~~ たった一つの願い ~~~
主人公:ウォーリーは、地球のお掃除を任された清掃ロボットの唯一の生き残り。
清掃ロボットがゴミを一掃したら、人間は宇宙ステーションから戻ってくる・・・というシステム。
でも、片しても片しても、ゴミは一向に減らない。
ウォーリーには、他のロボットとは違うところが一つあった。
それは、人間が残したゴミをコレクションしているうちに芽生えてしまった、感情。
彼のコレクションの一番のお気に入りは、20世紀に公開されたミュージカル映画のVHS。
劇中描かれる男女の恋愛模様を繰り返し見ているうちに、彼には唯一にして最大の望みが出来てしまった。
それは、「誰かと手をつなぐこと」。
そんなある日、地球に謎の探査艇が舞い降ります。その船から排出された流線型のロボット、それが本作のヒロイン:イヴ。
「望みが叶えられる!」意気込んだウォーリーであるが、イヴには人類の未来に関わる極秘任務が・・・・
地球に関する”ある調査”に成果を出したイヴはシャットダウンする。
そして数日後、ウォーリーのお掃除中に突如戻ってきた探査艇がイヴを格納。宇宙へ飛び立ってしまう。
船へ一歩のところで乗り込めなかったウォーリーは、外壁にしがみつき、未知なる宇宙の旅が始まります。
船の行き先は、宇宙ステーション。
ここでウォーリーは、地球の、そして人類の未来を変えてしまうほどの騒動を起こすことになる。
・・・まずは、ストーリーをつらつらと書かせていただきました。
ゴミに埋め尽くされた地球、宇宙空間の旅、そして人類の未来。
物語の舞台は、とてつもなく壮大です。
でも。
この物語は、700年間孤独に過ごしたロボットの、とても小さな願いを原動力として進行します。
キスでもない。抱きしめることでもない。
「手をつなぐ」。これだけ。
ウォーリーには、人類の未来を決めた!なんて認識はありません。
周りを巻き込むだけ巻き込んで、散々ドンチャン騒ぎを繰り広げますが、彼はただ、好きになった女の子と「手をつなぎたい」だけなのです。
舞台の壮大さと、主人公の望みの小ささと純粋さ。
・・・・・・・・・・・もう、大好きだ!
こういうの大好きだ!
そして僕の感想の前置きの長さと、言いたいことはたったの2行という短さ。
・・・・・・・・・・・・もう、ちょっと修行します。
ウォーリーが700年かけて、ただ、手をつなぐことしか望まなかったのですもの。
たった22年しか生きていない僕が、いろいろ望むのはもう、贅沢としか言いようが無い・・・
大好き。
~~~ パロディって、こういうことか ~~~
この作品では「2001年宇宙の旅」のパロディを、あるシーンで組み込んでいます。
「ツラトゥストラはかく語りき」が流れて初めて「あ、パロディか」と気付きましたが、そういえば操縦ロボット:オートはHALに似ています。
人間に氾濫するところも、電源を切られてしまうところも。
ネタのわかる人にはそれで面白いでしょうが、わからない人にも、キャラクターのカワイさと曲の壮大さのギャップで笑ってしまうでしょう。
あのシーンを見たとき、僕は思ったのです。
パロディとは、こういうことか。と。
今年は、印象的なパロディ(オマージュ?)映画がありました。『魔法にかけられて』や『HOT FUZZ』等。
どちらの作品も、元ネタがわからない部分はもちろんありましたけど、それを抜きにしても面白い。
パロディを組み込む場合は、「わかる人がわかれば良い」で作ってはいけないのだ。
わかる人は笑えて、わからない人にも楽しみ方を提供する。
老若男女、みんなを置き去りにしない。さすがピクサー。
~~~ 夢のある映像って、こういうことだよね ~~~
僕がこの作品の中で、最も好きなシーンがコチラ。
↓↓1:40くらいのところ↓↓
一番素晴らしいと思ったシーン。
最高。
-------------------------------------------------
この作品で言いたいことは、どんなに地球を離れても、アメリカ人は結局「ピザ」に落ち着くということ。いや、違うか。
ピクサーは、来年は『Up』という作品を作るのだそう。
本年度、これだけの作品を作り上げてしまったのだから、かかる期待は大きいでしょう。
・・・毎度のことか。
来年も期待!
最後に:
僕は終始、イヴに萌え萌えでした。
機械に恋をする日も近いな。いえ、冗談です。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
お掃除ロボットの、たった一つの願い。
●地球で暮らす孤独なロボットの物語『WALL・E』
ディズニー/ピクサー最新作。
監督はアンドリュー・スタントン。
最寄のシネコンでは吹き替え版しかやっておらず、遠出して字幕版を観にいってきました。
二回目以降は吹き替え版でも良いのですが、「最初はその国の言語で」がモットーですので。
先に鑑賞済のゲンさんの感想はコチラ。
--------------------------------------------------
鑑賞したのは先週。
な~に書こうかなぁ・・・と一週間散々迷った挙句、以下の点に絞りました。
~~~ たった一つの願い ~~~
主人公:ウォーリーは、地球のお掃除を任された清掃ロボットの唯一の生き残り。
清掃ロボットがゴミを一掃したら、人間は宇宙ステーションから戻ってくる・・・というシステム。
でも、片しても片しても、ゴミは一向に減らない。
ウォーリーには、他のロボットとは違うところが一つあった。
それは、人間が残したゴミをコレクションしているうちに芽生えてしまった、感情。
彼のコレクションの一番のお気に入りは、20世紀に公開されたミュージカル映画のVHS。
劇中描かれる男女の恋愛模様を繰り返し見ているうちに、彼には唯一にして最大の望みが出来てしまった。
それは、「誰かと手をつなぐこと」。
そんなある日、地球に謎の探査艇が舞い降ります。その船から排出された流線型のロボット、それが本作のヒロイン:イヴ。
「望みが叶えられる!」意気込んだウォーリーであるが、イヴには人類の未来に関わる極秘任務が・・・・
地球に関する”ある調査”に成果を出したイヴはシャットダウンする。
そして数日後、ウォーリーのお掃除中に突如戻ってきた探査艇がイヴを格納。宇宙へ飛び立ってしまう。
船へ一歩のところで乗り込めなかったウォーリーは、外壁にしがみつき、未知なる宇宙の旅が始まります。
船の行き先は、宇宙ステーション。
ここでウォーリーは、地球の、そして人類の未来を変えてしまうほどの騒動を起こすことになる。
・・・まずは、ストーリーをつらつらと書かせていただきました。
ゴミに埋め尽くされた地球、宇宙空間の旅、そして人類の未来。
物語の舞台は、とてつもなく壮大です。
でも。
この物語は、700年間孤独に過ごしたロボットの、とても小さな願いを原動力として進行します。
キスでもない。抱きしめることでもない。
「手をつなぐ」。これだけ。
ウォーリーには、人類の未来を決めた!なんて認識はありません。
周りを巻き込むだけ巻き込んで、散々ドンチャン騒ぎを繰り広げますが、彼はただ、好きになった女の子と「手をつなぎたい」だけなのです。
舞台の壮大さと、主人公の望みの小ささと純粋さ。
・・・・・・・・・・・もう、大好きだ!
こういうの大好きだ!
そして僕の感想の前置きの長さと、言いたいことはたったの2行という短さ。
・・・・・・・・・・・・もう、ちょっと修行します。
ウォーリーが700年かけて、ただ、手をつなぐことしか望まなかったのですもの。
たった22年しか生きていない僕が、いろいろ望むのはもう、贅沢としか言いようが無い・・・
大好き。
~~~ パロディって、こういうことか ~~~
この作品では「2001年宇宙の旅」のパロディを、あるシーンで組み込んでいます。
「ツラトゥストラはかく語りき」が流れて初めて「あ、パロディか」と気付きましたが、そういえば操縦ロボット:オートはHALに似ています。
人間に氾濫するところも、電源を切られてしまうところも。
ネタのわかる人にはそれで面白いでしょうが、わからない人にも、キャラクターのカワイさと曲の壮大さのギャップで笑ってしまうでしょう。
あのシーンを見たとき、僕は思ったのです。
パロディとは、こういうことか。と。
今年は、印象的なパロディ(オマージュ?)映画がありました。『魔法にかけられて』や『HOT FUZZ』等。
どちらの作品も、元ネタがわからない部分はもちろんありましたけど、それを抜きにしても面白い。
パロディを組み込む場合は、「わかる人がわかれば良い」で作ってはいけないのだ。
わかる人は笑えて、わからない人にも楽しみ方を提供する。
老若男女、みんなを置き去りにしない。さすがピクサー。
~~~ 夢のある映像って、こういうことだよね ~~~
僕がこの作品の中で、最も好きなシーンがコチラ。
↓↓1:40くらいのところ↓↓
一番素晴らしいと思ったシーン。
最高。
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この作品で言いたいことは、どんなに地球を離れても、アメリカ人は結局「ピザ」に落ち着くということ。いや、違うか。
ピクサーは、来年は『Up』という作品を作るのだそう。
本年度、これだけの作品を作り上げてしまったのだから、かかる期待は大きいでしょう。
・・・毎度のことか。
来年も期待!
最後に:
僕は終始、イヴに萌え萌えでした。
機械に恋をする日も近いな。いえ、冗談です。
2008年12月7日日曜日
梅太@ 劇場:『恋愛上手になるために』
この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
●パッとしない男の夢物語『恋愛上手になるために』
監督はグウィネス・パルトロウの弟であるジェイク・パルトロウ。
主演にグウィネス・パルトロウ、ペネロペ・クルス、マーティン・フリーマン。
題名からするとラブ・ストーリーのように思えてしまいますが、蓋を開けてみると果たしてそう分類してよいものやら・・・と思います。
筋書きとしては、実生活があまり思うように進んでいないゲリー(マーティン・フリーマン)が、ある日ふと見た夢の中に出てくる美女:アンナ(ペネロペ・クルス)に恋をし、その夢を継続的に、そして支配的に見られないものかと画策するというもの。
ラストの一瞬のシーンで笑えるかどうかで、作品の印象はガラっと変わるでしょう。
せっかく自分にとって本当に大事な女性は誰かに気付いたのに・・・
ストーリーをしっかり追っていれば、この究極に皮肉なオチは笑わずにはいられない。
僕は、このオチはかなり好きです。
サブキャラとして、ゲリーの友人ポール役でサイモン・ペグや、夢の制御法について教えてくれる先生としてダニー・デヴィート(これがまたインチキ臭くてなんとも好き)等が出演していて、その面々を見ているだけで僕としては満足でしたけどね。
あと、ゲリーが見る夢のシーンで、ペネロペが5人も6人も出てくる場面があるのですが、それはいったいどんなハーレムかと。
うらやましいを通り越して、怖い。ちょっと『マルコヴィッチの穴』を思い出してしまった。
---------------------------------------
すべてはオチに集約されている作品だと思うので、これ以上書くことがない・・・
強いていうなれば。
何を狙ってこの邦題をつけたのだろう。
恋愛の方法如何について描いている作品ではないと思うのですけど。
かといって僕に良い案があるかといえば・・・すいません、無いです。
でも『恋愛上手になるために』という題名に縛られると、わかったようなわからないような作品になってしまう気がしますね。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
●パッとしない男の夢物語『恋愛上手になるために』
監督はグウィネス・パルトロウの弟であるジェイク・パルトロウ。
主演にグウィネス・パルトロウ、ペネロペ・クルス、マーティン・フリーマン。
題名からするとラブ・ストーリーのように思えてしまいますが、蓋を開けてみると果たしてそう分類してよいものやら・・・と思います。
筋書きとしては、実生活があまり思うように進んでいないゲリー(マーティン・フリーマン)が、ある日ふと見た夢の中に出てくる美女:アンナ(ペネロペ・クルス)に恋をし、その夢を継続的に、そして支配的に見られないものかと画策するというもの。
ラストの一瞬のシーンで笑えるかどうかで、作品の印象はガラっと変わるでしょう。
せっかく自分にとって本当に大事な女性は誰かに気付いたのに・・・
ストーリーをしっかり追っていれば、この究極に皮肉なオチは笑わずにはいられない。
僕は、このオチはかなり好きです。
サブキャラとして、ゲリーの友人ポール役でサイモン・ペグや、夢の制御法について教えてくれる先生としてダニー・デヴィート(これがまたインチキ臭くてなんとも好き)等が出演していて、その面々を見ているだけで僕としては満足でしたけどね。
あと、ゲリーが見る夢のシーンで、ペネロペが5人も6人も出てくる場面があるのですが、それはいったいどんなハーレムかと。
うらやましいを通り越して、怖い。ちょっと『マルコヴィッチの穴』を思い出してしまった。
---------------------------------------
すべてはオチに集約されている作品だと思うので、これ以上書くことがない・・・
強いていうなれば。
何を狙ってこの邦題をつけたのだろう。
恋愛の方法如何について描いている作品ではないと思うのですけど。
かといって僕に良い案があるかといえば・・・すいません、無いです。
でも『恋愛上手になるために』という題名に縛られると、わかったようなわからないような作品になってしまう気がしますね。
梅太@ 劇場:『ヤング@ハート』
この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
●元気な高齢合唱隊を追ったドキュメンタリー『ヤング@ハート』
監督はスティーブン・ウォーカー。
実在する平均年齢80歳の合唱隊を追ったドキュメンタリ映画です。
ゲンさんにオススメをしておきながら、自分が観にいかないでどうする!ということで観てまいりました。
ゲンさんの感想はコチラ。
~~~ ロック ~~~
僕は音楽に精通しているわけではないので、「ロック」というものの定義というか意味合いと言うか、そういうのは深くは知りませんが、少し前に観たキャメロン・クロウ監督作品『あの頃ペニーレインと』を引用させてもらうと、「ロックは考え方」だそうです。
(『あの頃~』については、パンフの記事で映画評論家:町山智浩さんも引用していましたね。ちょっと嬉しい)
「ヤング@ハート」というのは合唱隊の名称で、このチームが歌うのは既存の曲。つまりカバーという事になるのでしょうが、曲のチョイスが「ロック」に分類されるものというのが面白い。
僕は音楽に疎いので、「ロック=激しい」という先入観があり、その激しい曲をお年寄りの方が歌うというギャップからして面白い・・・という印象を予告編の時は受けたのですが、「ロック=考え方」というのを意識すると、捉え方がガラっと変わった。
歌詞というのは媒体に過ぎないのだなと思う。
考え方や思いを伝えるための媒体。
歌う人が違くても、紙面に書いてある文字自体はもちろん変わらないけれど、そこに込められる思いというのは千差万別。
この作品の最後を締めくくるコンサートで一番印象に残ったのが、フレッドさんの歌うコールド・プレイの『Fix you』。
これはラブソングなのだそうですが、フレッドさんは先立たれた友への思いを込めて歌う。
僕が先日書いた『I'm not there』の感想では、歌詞の捉え方は受け手によって千差万別ということを書きました。
でも今回、歌い手によってこうも歌詞の意味が違ってくるのか・・・と、その衝撃とフレッドさんの歌声で感極まって、僕は泣いてしまった。
いやぁ、ロックってすごい。
またここで、『I'm not there』を引用しますけれど、この作品ではケイト・ブランシェット演じるボブ・ディランが、こんなことを言う。
「歌詞の無意味さこそ崇高なのに」
歌詞は媒体であり、それ自体には意味が無い。
ロックは考え方、”歌う人の”考え方を伝えるものである。歌詞自体が意味を主張してしまっては、それはロックではないのだと。
誰もが歌えるように、その人独自の意味が込められるように、歌詞は無意味であるべきなのだと。
うん。歌詞の無意味さは、崇高だ。
だから、ビートルズが解散して40年も経つのに『アクロス・ザ・ユニバース』という作品が生まれるわけですね。
「ロックは考え方」、最初にこの言葉を聞いたときは真意は掴めなかったけれど、『ヤング@ハート』を通じてちょっと理解できたかと思います。
またロック好きの人の気持ちは、今まであまり理解できなかったけれど、それもちょっと理解できたかと思います。
----------------------------------------------------
この作品には、ゲンさんの感想の方で書いてますが、沢山の素晴らしいことが詰まっています。
まだ付近の劇場で上映しているならば、是非観にいってください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
●元気な高齢合唱隊を追ったドキュメンタリー『ヤング@ハート』
監督はスティーブン・ウォーカー。
実在する平均年齢80歳の合唱隊を追ったドキュメンタリ映画です。
ゲンさんにオススメをしておきながら、自分が観にいかないでどうする!ということで観てまいりました。
ゲンさんの感想はコチラ。
~~~ ロック ~~~
僕は音楽に精通しているわけではないので、「ロック」というものの定義というか意味合いと言うか、そういうのは深くは知りませんが、少し前に観たキャメロン・クロウ監督作品『あの頃ペニーレインと』を引用させてもらうと、「ロックは考え方」だそうです。
(『あの頃~』については、パンフの記事で映画評論家:町山智浩さんも引用していましたね。ちょっと嬉しい)
「ヤング@ハート」というのは合唱隊の名称で、このチームが歌うのは既存の曲。つまりカバーという事になるのでしょうが、曲のチョイスが「ロック」に分類されるものというのが面白い。
僕は音楽に疎いので、「ロック=激しい」という先入観があり、その激しい曲をお年寄りの方が歌うというギャップからして面白い・・・という印象を予告編の時は受けたのですが、「ロック=考え方」というのを意識すると、捉え方がガラっと変わった。
歌詞というのは媒体に過ぎないのだなと思う。
考え方や思いを伝えるための媒体。
歌う人が違くても、紙面に書いてある文字自体はもちろん変わらないけれど、そこに込められる思いというのは千差万別。
この作品の最後を締めくくるコンサートで一番印象に残ったのが、フレッドさんの歌うコールド・プレイの『Fix you』。
これはラブソングなのだそうですが、フレッドさんは先立たれた友への思いを込めて歌う。
僕が先日書いた『I'm not there』の感想では、歌詞の捉え方は受け手によって千差万別ということを書きました。
でも今回、歌い手によってこうも歌詞の意味が違ってくるのか・・・と、その衝撃とフレッドさんの歌声で感極まって、僕は泣いてしまった。
いやぁ、ロックってすごい。
またここで、『I'm not there』を引用しますけれど、この作品ではケイト・ブランシェット演じるボブ・ディランが、こんなことを言う。
「歌詞の無意味さこそ崇高なのに」
歌詞は媒体であり、それ自体には意味が無い。
ロックは考え方、”歌う人の”考え方を伝えるものである。歌詞自体が意味を主張してしまっては、それはロックではないのだと。
誰もが歌えるように、その人独自の意味が込められるように、歌詞は無意味であるべきなのだと。
うん。歌詞の無意味さは、崇高だ。
だから、ビートルズが解散して40年も経つのに『アクロス・ザ・ユニバース』という作品が生まれるわけですね。
「ロックは考え方」、最初にこの言葉を聞いたときは真意は掴めなかったけれど、『ヤング@ハート』を通じてちょっと理解できたかと思います。
またロック好きの人の気持ちは、今まであまり理解できなかったけれど、それもちょっと理解できたかと思います。
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この作品には、ゲンさんの感想の方で書いてますが、沢山の素晴らしいことが詰まっています。
まだ付近の劇場で上映しているならば、是非観にいってください。
ゲン@ DVD:『地球の静止する日』
ゲンです。
風邪をひきました。
■DVD『地球の静止する日』
12/19より全国公開されるキアヌ・リーブス主演のリメイク版『地球が静止する日』じゃなくて、1951年に公開されたオリジナル版ですw
普段は滅多にやらない予習の意味を込めて、わざわざセル版を買ってまでして鑑賞してみました。
OK! これで心構えは出来たぜ!w
まぁ、別に赤字(優評価)にするほどでもないんだけども・・・
古典SFの名作、それもカルト・クラシックと言われている作品ですが、デジタル・リマスター技術のおかげで非常に観やすく、ストーリーも分かりやすかったです。
当時の特撮技術なんてものは、今の自分から観るとチープとも言えてしまいますが、たまにはこういうノスタルジックな作品もいいですね。
SFと言っても、そこまで映像拘った作品といった印象ではなく、むしろストーリーに重点を置いた作品だと思いました。
時代的にも第二次世界大戦後、冷戦に突入した時代背景を絶妙に反映していて、リアルタイムでこれを観ていたとしたら、なかなか社会派のSFだったんじゃないかと思います。
いや、今観ても十分に拾える部分が多い良作ですね。
で、これがリメイクされるワケですか・・・キアヌ主演で・・・
うーん・・・どうだろう・・・
どこまで脚本が書き直されているか分かりませんが、正直言ってズッコケる要素は十分にあると思いました。
『宇宙戦争』や『アイ・アム・レジェンド』と言った様な、古典SFの名作といわれる作品のリメイクは最近も多かったですが、どれも同じ印象なんです。
今の技術で作り直しても、面白いワケじゃない。
いくら当時、画期的な作品であったとしても、今の時代背景にそぐわなければ、全く面白くないワケですよ。
確かにCGのおかげで映像的には迫力があって、よりリアルに緊迫感を演出できるでしょうが、ストーリーではなくそこに重点を置いてしまった時点でその作品は死にます。
だって、「SF」ってそもそも映像技術じゃないでしょ?
魅力的なストーリー展開でイマジネーションを膨らませたモノであって、実際に映像にする事はまた別の次元の話だと思うのですよね。
いくら夢だったとしても、それをスピルバーグみたいな巨匠が、トム・ルーズ主演で商業映画にしちゃマズいだろうと・・・
何つかー、あの作品はスピルバーグのエゴに全世界が巻き込まれてしまった気がしました。
まぁ、そういう意味で『宇宙戦争』(原題:War of the worlds)ってのは言いえて妙だけどもw
その流れから考えての『地球の静止する日』のリメイク『地球が静止する日』
今回は脚本が現代に合うようにだいぶ練り直されてるとの事ですが、オチに関しては恐らく変わらないんではないのかなぁと予想しています。
テーマ的には十分に現在でも通用すると思うので、その辺は一貫してるのではないかと。
ただ、そうなってくると「VFXを駆使した壮大なお説教映画」に なってしまう気もするんで、それはそれで心配ですが・・・
キアヌ主演の名に恥じぬ作品であるよう、強く願いますw
風邪をひきました。
■DVD『地球の静止する日』
12/19より全国公開されるキアヌ・リーブス主演のリメイク版『地球が静止する日』じゃなくて、1951年に公開されたオリジナル版ですw
普段は滅多にやらない予習の意味を込めて、わざわざセル版を買ってまでして鑑賞してみました。
OK! これで心構えは出来たぜ!w
まぁ、別に赤字(優評価)にするほどでもないんだけども・・・
古典SFの名作、それもカルト・クラシックと言われている作品ですが、デジタル・リマスター技術のおかげで非常に観やすく、ストーリーも分かりやすかったです。
当時の特撮技術なんてものは、今の自分から観るとチープとも言えてしまいますが、たまにはこういうノスタルジックな作品もいいですね。
SFと言っても、そこまで映像拘った作品といった印象ではなく、むしろストーリーに重点を置いた作品だと思いました。
時代的にも第二次世界大戦後、冷戦に突入した時代背景を絶妙に反映していて、リアルタイムでこれを観ていたとしたら、なかなか社会派のSFだったんじゃないかと思います。
いや、今観ても十分に拾える部分が多い良作ですね。
で、これがリメイクされるワケですか・・・キアヌ主演で・・・
うーん・・・どうだろう・・・
どこまで脚本が書き直されているか分かりませんが、正直言ってズッコケる要素は十分にあると思いました。
『宇宙戦争』や『アイ・アム・レジェンド』と言った様な、古典SFの名作といわれる作品のリメイクは最近も多かったですが、どれも同じ印象なんです。
今の技術で作り直しても、面白いワケじゃない。
いくら当時、画期的な作品であったとしても、今の時代背景にそぐわなければ、全く面白くないワケですよ。
確かにCGのおかげで映像的には迫力があって、よりリアルに緊迫感を演出できるでしょうが、ストーリーではなくそこに重点を置いてしまった時点でその作品は死にます。
だって、「SF」ってそもそも映像技術じゃないでしょ?
魅力的なストーリー展開でイマジネーションを膨らませたモノであって、実際に映像にする事はまた別の次元の話だと思うのですよね。
いくら夢だったとしても、それをスピルバーグみたいな巨匠が、トム・ルーズ主演で商業映画にしちゃマズいだろうと・・・
何つかー、あの作品はスピルバーグのエゴに全世界が巻き込まれてしまった気がしました。
まぁ、そういう意味で『宇宙戦争』(原題:War of the worlds)ってのは言いえて妙だけどもw
その流れから考えての『地球の静止する日』のリメイク『地球が静止する日』
今回は脚本が現代に合うようにだいぶ練り直されてるとの事ですが、オチに関しては恐らく変わらないんではないのかなぁと予想しています。
テーマ的には十分に現在でも通用すると思うので、その辺は一貫してるのではないかと。
ただ、そうなってくると「VFXを駆使した壮大なお説教映画」に なってしまう気もするんで、それはそれで心配ですが・・・
キアヌ主演の名に恥じぬ作品であるよう、強く願いますw
2008年12月6日土曜日
ゲン@ DVD:『PIXAR SHORT FILMS』
ゲンです。
日付が変わってしまいましたが、12/5よりピクサーの新作映画『WALL・E/ウォーリー』が公開されました。
金曜が封切りだったワケですが、仕事が午後からだったので、午前中にさっそく劇場に観に行ってきました。
時間の関係で日本語吹き替え版での鑑賞でしたが、また同じシーンで泣いてしまいたw
新作の公開に合わせて、ピクサーの原点とも言える短編作品を完全収録したDVD『PIXAR SHORT FILMS』が先月発売になりました。
■DVD『PIXAR SHORT FILMS』
ピクサーの経歴を紹介する時に度々取り上げられ、ピクサー短編の代表作とも言える作品『ルクソーJr.』をはじめ、これまで製作した全ての短編が収録されております。
知らない人も多いかと思うので、まずはつべこべ言わず『ルクソーJr.』をご覧下さいw
これはピクサーの初期の短編作品で、ほんの数分(紹介してるのは作品の冒頭だけ)の作品ですが、ピクサーの目指さんとする内容が見事に凝縮されているモノ凄い作品です。
登場するのは主人公は電気スタンドの親子。
ボールで遊ぶ子どもと、それを見守る親。
セリフは無く、電気スタンドの物理的な動作は実際のモノと同じ制限をされているはずなのに、この親子の感情が手に取るように伝わってきます。
日本では『トイ・ストーリー』や『ファインディング・ニモ』のキャラクタの愛可さでウケている感の強いピクサーですが、彼らの真骨頂はまさにこのスバ抜けた「表現力」です。
単に動きやセリフを与えることだけでなく、感情も感じさせることが「命を吹き込む」という事なのだと、改めて感じさせる作品であると思います。
そしてこの表現の発展させた結果であり、ピクサー長編作品の最高傑作であるのが『ウォーリー』です。
『ルクソーJr.』の数分・数秒で面白い!と思った人は、この感動が2時間続くと思ってくださいw
鼻水が出るほど泣きますw
収録作品
・アンドレとウォーリーB.の冒険
☆ルクソーJr.
・レッド・ストリーム
★ティン・トイ
・ニック・ナック
★ゲーリーじいさんのチェス
★フォー・ザ・バーズ
☆マイクとサリーの新車でGO!
☆バウンディン
・ジャック・ジャック・アタック!
・メーターと恐怖の火の玉
☆ワン・マン・バンド
☆リフテッド
(★:アカデミー賞受賞、☆:アカデミー賞ノミネート)
DVDは2枚組みで1枚目が短編集、2枚目はピクサーを立ち上げた天才アニメーター「ジョン・ラセター」を中心とした、ピクサーの歴史が収録されています。
ジョン・ラセターは、ディスニーの設立したアニメーション学校で基礎を学び、ディズニーのアニメーターとして就職しますが、以前から夢だったCGでの長編アニメを企画したところ、幹部から全く相手にされず、ディズニーを去ります。
しかし彼は、その後も夢をあきらめず、コンピューター会社として「ピクサー」を立ち上げ、そのソフトウェアの宣伝としてCGアニメを次々と生み出していきます。
(『ルクソーJr.』はその頃の作品)
そして徐々にその功績が認められ、ついには彼を突き放していたディズニーからオファーを受け、『トイ・ストーリー』を製作することになります。
・・・とまぁ、こんな書き方をすると何の苦労も無いあっさりとしたサクセスストーリーに思えてしまいますが、実際にはとんでもない苦労と努力を積み重ねて現在の成功があります。
詳しくはDVDを買って下さいw
アニメーターであるジョン・ラセターが主役なのは間違いないですが、会社設立当初から彼をサポートし続けたプログラマーのアルヴィ・レイ・スミスや、資金や経営面でピクサーを発展させた元Apple社のスティーブ・ジョブスらの功績が、いかに大きいものだったのかを改めて感じました。
またDVDの中では2006年に問題になったディズニーとの提携問題にも触れられ、2Dアニメ業界の業績悪化で疑心暗鬼になっていた関係が回復した経緯も語られており、映画通としても非常に興味深い内容になっておりました。
双方にとって、お互いがいかに必要不可欠な存在であるのかと、強く感じました。
単に短編集として楽しめるのは勿論、ピクサーの歴史を知るにも非常に面白い内容でした!
ピクサーファンは絶対に買い!
日付が変わってしまいましたが、12/5よりピクサーの新作映画『WALL・E/ウォーリー』が公開されました。
金曜が封切りだったワケですが、仕事が午後からだったので、午前中にさっそく劇場に観に行ってきました。
時間の関係で日本語吹き替え版での鑑賞でしたが、また同じシーンで泣いてしまいたw
新作の公開に合わせて、ピクサーの原点とも言える短編作品を完全収録したDVD『PIXAR SHORT FILMS』が先月発売になりました。
■DVD『PIXAR SHORT FILMS』
ピクサーの経歴を紹介する時に度々取り上げられ、ピクサー短編の代表作とも言える作品『ルクソーJr.』をはじめ、これまで製作した全ての短編が収録されております。
知らない人も多いかと思うので、まずはつべこべ言わず『ルクソーJr.』をご覧下さいw
これはピクサーの初期の短編作品で、ほんの数分(紹介してるのは作品の冒頭だけ)の作品ですが、ピクサーの目指さんとする内容が見事に凝縮されているモノ凄い作品です。
登場するのは主人公は電気スタンドの親子。
ボールで遊ぶ子どもと、それを見守る親。
セリフは無く、電気スタンドの物理的な動作は実際のモノと同じ制限をされているはずなのに、この親子の感情が手に取るように伝わってきます。
日本では『トイ・ストーリー』や『ファインディング・ニモ』のキャラクタの愛可さでウケている感の強いピクサーですが、彼らの真骨頂はまさにこのスバ抜けた「表現力」です。
単に動きやセリフを与えることだけでなく、感情も感じさせることが「命を吹き込む」という事なのだと、改めて感じさせる作品であると思います。
そしてこの表現の発展させた結果であり、ピクサー長編作品の最高傑作であるのが『ウォーリー』です。
『ルクソーJr.』の数分・数秒で面白い!と思った人は、この感動が2時間続くと思ってくださいw
鼻水が出るほど泣きますw
収録作品
・アンドレとウォーリーB.の冒険
☆ルクソーJr.
・レッド・ストリーム
★ティン・トイ
・ニック・ナック
★ゲーリーじいさんのチェス
★フォー・ザ・バーズ
☆マイクとサリーの新車でGO!
☆バウンディン
・ジャック・ジャック・アタック!
・メーターと恐怖の火の玉
☆ワン・マン・バンド
☆リフテッド
(★:アカデミー賞受賞、☆:アカデミー賞ノミネート)
DVDは2枚組みで1枚目が短編集、2枚目はピクサーを立ち上げた天才アニメーター「ジョン・ラセター」を中心とした、ピクサーの歴史が収録されています。
ジョン・ラセターは、ディスニーの設立したアニメーション学校で基礎を学び、ディズニーのアニメーターとして就職しますが、以前から夢だったCGでの長編アニメを企画したところ、幹部から全く相手にされず、ディズニーを去ります。
しかし彼は、その後も夢をあきらめず、コンピューター会社として「ピクサー」を立ち上げ、そのソフトウェアの宣伝としてCGアニメを次々と生み出していきます。
(『ルクソーJr.』はその頃の作品)
そして徐々にその功績が認められ、ついには彼を突き放していたディズニーからオファーを受け、『トイ・ストーリー』を製作することになります。
・・・とまぁ、こんな書き方をすると何の苦労も無いあっさりとしたサクセスストーリーに思えてしまいますが、実際にはとんでもない苦労と努力を積み重ねて現在の成功があります。
詳しくはDVDを買って下さいw
アニメーターであるジョン・ラセターが主役なのは間違いないですが、会社設立当初から彼をサポートし続けたプログラマーのアルヴィ・レイ・スミスや、資金や経営面でピクサーを発展させた元Apple社のスティーブ・ジョブスらの功績が、いかに大きいものだったのかを改めて感じました。
またDVDの中では2006年に問題になったディズニーとの提携問題にも触れられ、2Dアニメ業界の業績悪化で疑心暗鬼になっていた関係が回復した経緯も語られており、映画通としても非常に興味深い内容になっておりました。
双方にとって、お互いがいかに必要不可欠な存在であるのかと、強く感じました。
単に短編集として楽しめるのは勿論、ピクサーの歴史を知るにも非常に面白い内容でした!
ピクサーファンは絶対に買い!
2008年12月4日木曜日
ゲン@ 劇場:『デス・レース』
ゲンです。
今年も残すところ1ヶ月を切りましたが、まだまだ観たい作品は尽きません。
■『デス・レース』@有楽座(11/29鑑賞)
『バイオハザード』シリーズのポール・W・S・アンダーソン監督最新作は、脱獄不可能の刑務所で繰り広げられる“死のレース”へ出場を決意する男の試練を描く、1975年に公開されたカルト的なSF映画『デス・レース2000年』のリメイク。
主演は『トランスポーター』シリーズのジェイソン・ステイサム。
『トランスポーター』を観て以来、ジェイソン・ステイサムは大好きなんですが、ポール・W・S・アンダーソンも大好きなので、このコンビは夢のタッグw
内容が内容だけに、どんだけアツくなるものかと期待しておりました。
これぞポール・W・S・アンダーソンの底力! 目にモノ魅せてやるぜ!
まずはじめに言っておきましょう・・・・
満 点 だ !
誰 が 何 と 言 お う と 、 満 点 だ !
分かってるねぇ・・・やっぱりこの人は分かってるよ・・・
『バイオ』でミラ・ジョボビッチを自分の女にしただけあるわ・・・
ストーリーとかは二の次、三の次なんだけども、アクションシーンの一つ一つのとんでもない迫力と、スピーディーな展開で全く飽きさせずハラハラ・ドキドキのハイテンションを継続させる映像技術と編集能力は、同年代のハリウッド監督の中でもズバ抜けた監督だと思います。
『バイオ』の2,3作目はとりあえず置いといて、1作目に関しては原作ゲームの流れとか、ゾンビ云々の前に、まずアクションシーンの迫力と編集でしょう!
それこそがこの監督の持ち味だと思いますが、『エイリアン VS プレデター』を経て、今作が4年ぶりの製作・脚本・監督だったワケですが、見事にその良かった部分・面白かった部分を発展させた大傑作に仕上がっております!
アクション映画において、非常に重要なファクターなのが「カット数」です。
カット数が多ければ多いほど、スピード感は出ますが、逆に多すぎると迫力を感じなくなってしまいます。
このバランスを取るのが実に難しく、ハリウッドの巨匠の作品ですら、このバランスがウマく取れている作品は多くはありません。
で、この作品はと言うと、カット数はかなり多いです。
レースシーンで言うと、レースの引きの画とドライバーの表情のカットが常に入り乱れ、スピード感はかなりのものです。
では、スピード感を出した反面、欠けてしまった迫力はどこで補っているのか・・・
爆破シーンですw
全てのアクションシーンと言っていいほど、アクションのオチに爆破がありますw
車がクラッシュするたびに爆破!
攻撃するたびに爆破!
これが気持ちいい!
いたるところで、ドッカン! バッカン! やりたい放題!
アクションシーンへの拘りたるや生半可なものではなく、その証拠にレースシーンでは一切CGを使っていないそうですw
実際に車を時速120Kmで走らせ、コンクリートにぶつけまくったそうですw
監督曰く、「僕は『スピードレーサー』には全然スリルを感じない」そうですw
うーん、ウォシャウスキーに真っ向勝負かけてきやがったw
あと面白い要素としては、レース中に武器や防具といったアイテムを使用可能にするのに、コース上に点在する「アイテムゾーン」を踏むといった仕掛けがありますw
何と言うリアル・マリオカート!w
キャストですが、主演のジェイソン・ステイサムはやっぱり最高!
無実の罪で刑務所に入れられ、そこで「死のレース」への参加を余儀なくされるワケですが、鍛え上げられた素晴らしい肉体と天性の悪人顔のおかげで、バッチリとハマッた当たり役w
運転技術は勿論、車を降りての肉弾戦も難なくこなしておりましたw
そして、車と言えば美女!w
レースでジェイソンの車をナビするナタリー・マルティネスも良いんですが、何と言っても女性刑務所長を演じるジョアン・アレンのビッチ女っぷりが最高!w
どんなに凶悪な囚人を前にしても、決して揺るがない毅然とした振る舞い!
冷たい目線で感情も感じさせず、サラッとドギツい事をいう巨悪女!
まさにビッチ! ビッチ女!
何と言いましょうか、過大評価かも知れませんが、
この監督からは「さらにエンタメ性に特化したタランティーノ」みたいなニオイがするんですよねぇ・・・
良い意味でハリウッドの型にハマりきっていない、やんちゃなアウトローアクションをこれからも作り続けて欲しいと思います。
『スピードレーサー』とは違った面から仕掛ける、リアルで大迫力のカーレース!
ガトリングも搭載、15センチの鋼鉄装甲にカスタムされた“耐死仕様”のマスタングも最高にカッコイイ!
って、ある意味究極の『デス・プルーフ』か?w
意外なほどに面白いです!
今年も残すところ1ヶ月を切りましたが、まだまだ観たい作品は尽きません。
■『デス・レース』@有楽座(11/29鑑賞)
『バイオハザード』シリーズのポール・W・S・アンダーソン監督最新作は、脱獄不可能の刑務所で繰り広げられる“死のレース”へ出場を決意する男の試練を描く、1975年に公開されたカルト的なSF映画『デス・レース2000年』のリメイク。
主演は『トランスポーター』シリーズのジェイソン・ステイサム。
『トランスポーター』を観て以来、ジェイソン・ステイサムは大好きなんですが、ポール・W・S・アンダーソンも大好きなので、このコンビは夢のタッグw
内容が内容だけに、どんだけアツくなるものかと期待しておりました。
これぞポール・W・S・アンダーソンの底力! 目にモノ魅せてやるぜ!
まずはじめに言っておきましょう・・・・
満 点 だ !
誰 が 何 と 言 お う と 、 満 点 だ !
分かってるねぇ・・・やっぱりこの人は分かってるよ・・・
『バイオ』でミラ・ジョボビッチを自分の女にしただけあるわ・・・
ストーリーとかは二の次、三の次なんだけども、アクションシーンの一つ一つのとんでもない迫力と、スピーディーな展開で全く飽きさせずハラハラ・ドキドキのハイテンションを継続させる映像技術と編集能力は、同年代のハリウッド監督の中でもズバ抜けた監督だと思います。
『バイオ』の2,3作目はとりあえず置いといて、1作目に関しては原作ゲームの流れとか、ゾンビ云々の前に、まずアクションシーンの迫力と編集でしょう!
それこそがこの監督の持ち味だと思いますが、『エイリアン VS プレデター』を経て、今作が4年ぶりの製作・脚本・監督だったワケですが、見事にその良かった部分・面白かった部分を発展させた大傑作に仕上がっております!
アクション映画において、非常に重要なファクターなのが「カット数」です。
カット数が多ければ多いほど、スピード感は出ますが、逆に多すぎると迫力を感じなくなってしまいます。
このバランスを取るのが実に難しく、ハリウッドの巨匠の作品ですら、このバランスがウマく取れている作品は多くはありません。
で、この作品はと言うと、カット数はかなり多いです。
レースシーンで言うと、レースの引きの画とドライバーの表情のカットが常に入り乱れ、スピード感はかなりのものです。
では、スピード感を出した反面、欠けてしまった迫力はどこで補っているのか・・・
爆破シーンですw
全てのアクションシーンと言っていいほど、アクションのオチに爆破がありますw
車がクラッシュするたびに爆破!
攻撃するたびに爆破!
これが気持ちいい!
いたるところで、ドッカン! バッカン! やりたい放題!
アクションシーンへの拘りたるや生半可なものではなく、その証拠にレースシーンでは一切CGを使っていないそうですw
実際に車を時速120Kmで走らせ、コンクリートにぶつけまくったそうですw
監督曰く、「僕は『スピードレーサー』には全然スリルを感じない」そうですw
うーん、ウォシャウスキーに真っ向勝負かけてきやがったw
あと面白い要素としては、レース中に武器や防具といったアイテムを使用可能にするのに、コース上に点在する「アイテムゾーン」を踏むといった仕掛けがありますw
何と言うリアル・マリオカート!w
キャストですが、主演のジェイソン・ステイサムはやっぱり最高!
無実の罪で刑務所に入れられ、そこで「死のレース」への参加を余儀なくされるワケですが、鍛え上げられた素晴らしい肉体と天性の悪人顔のおかげで、バッチリとハマッた当たり役w
運転技術は勿論、車を降りての肉弾戦も難なくこなしておりましたw
そして、車と言えば美女!w
レースでジェイソンの車をナビするナタリー・マルティネスも良いんですが、何と言っても女性刑務所長を演じるジョアン・アレンのビッチ女っぷりが最高!w
どんなに凶悪な囚人を前にしても、決して揺るがない毅然とした振る舞い!
冷たい目線で感情も感じさせず、サラッとドギツい事をいう巨悪女!
まさにビッチ! ビッチ女!
何と言いましょうか、過大評価かも知れませんが、
この監督からは「さらにエンタメ性に特化したタランティーノ」みたいなニオイがするんですよねぇ・・・
良い意味でハリウッドの型にハマりきっていない、やんちゃなアウトローアクションをこれからも作り続けて欲しいと思います。
『スピードレーサー』とは違った面から仕掛ける、リアルで大迫力のカーレース!
ガトリングも搭載、15センチの鋼鉄装甲にカスタムされた“耐死仕様”のマスタングも最高にカッコイイ!
って、ある意味究極の『デス・プルーフ』か?w
意外なほどに面白いです!
2008年12月1日月曜日
梅太@ 2008年まとめ:『予告編』 編
この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
師走です。今年も残すところあと一ヶ月ですね。
そろそろ今年一年を振り返る時期。
2008年のまとめ第一弾は、予告編についてです。
どんなに良い作品であっても、宣伝されなければ誰も存在を知ることはありません。
宣伝には、チラシ、新聞記事、CM、今の時代ではネットの口コミだったり。
そんな中でも僕は予告編が大好きで、劇場に行く楽しみの半分くらいは、予告編だったりします。
・・・言い過ぎかな?
ただ海外の予告編サイトは、毎日かかさずチェックしています。
予告編は、短い時間の中に作品の魅力を詰め込まなければなりません。
構成要素は、シーン、音楽、カット割、ナレーション・・・・様々です。
================= 余談 =================
僕は音楽や効果音に惹かれることが多いですね。
音楽は作中の曲を使うものもあれば、その監督の作品関連で曲を選ぶときもあります。
また、作品とは直接関係ないけれど、作品のテーマ性をちゃんと考えて、既存の曲を選ぶ場合もあります。
カット割やシーン選びというものも、音楽・効果音と合わせているものがあったりしますね。
そういう予告編はテンポがよく、面白いです。
=======================================
前置きが長いですが、結局のところ構成要素なんていうのは後で振り返ってわかることで。
要は、「グッ!」とくるものが一番なのです。
ではでは、今年の予告編を振り返ってみたいと思います。
対象は以下の通り。
・今年日本国内で上映された作品
・洋画の場合、国内版・海外版の違いも考慮に入れる
・インターネットやTVCM、つまり”映像媒体”の宣伝は含む
ではお付き合いの程を・・・
-----------------------------------------------------------------------
※印象に残った予告編を挙げ、最後に今年のNo.1を発表
~~~ 2008年、印象に残った予告編 ~~~
●『スウィーニートッド』: 海外版、1st trailer
バートン作品は05年に2作品が上映されました。
3年振りの新作は、ミュージカル作品。
デップの狂い様が、この2:30にギッシリ詰まっています。やはりバートン×デップはいいですね。
ぐっと抑えた色使いも素敵で。
そして、ホラー映画か!?と言いたくなる2:12あたりのシーン。
隙間からのぞくカミソリがなんとも恐ろしく。でも僕はワクワク。
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
●『ダージリン急行』: 海外版、1st trailer
ウェス・アンダーソン監督最新作は、インドを舞台にした兄弟の旅。
何が面白いかと言うと、観ただけで「あ、アンダーソンの作品だ」とわかってしまうほど、予告編に監督の作風が反映されていること。
曲然り、予告編最初のカメラワーク然り。
きっと今までの作品と同じように、ラストは、この兄弟は少しだけ良い方向に向かっていくのだと思う。
それも予告編から滲み出ている。
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
●『ダークナイト』: 海外版、3rd trailer
世界的にみて2008年の代表作と言っていいであろう本作。
『バットマンビギンズ』は、僕の中ではそんなにヒットしてなかったですが、予告編が公開され、ジョーカーが画面に映った瞬間、「いや、これは絶対面白いだろ」と確信しました。
さて、これほどの大きな作品になると、何verか予告編が公開されます。
一番有名なのはコチラでしょうが、僕はこの第三弾が好き。
「バットマンでなくジョーカーでなく、実は主役はこの人?」と作品を観た人ならわかると思いますが、重要な役回りをしているアーロン・エッカート。僕の大好きな俳優。
アーロンが出ているから・・・・というのもあるといえばありますが、この作品のテーマでもある、
「正義として死ぬか。悪として生き延びるか」
という重要な台詞が含まれていて、この作品を象徴するような予告編となっていると思います。
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
●『スピードレーサー』: 海外版、4th trailer
自分的にみて、2008年の代表作と言っていいであろう本作。
衝撃度という面で言えば、第一弾のコチラの方が大きいのですけど、作品のカッコよさを前面に押し出したこの第四弾を選びました。
後半部分で使われている曲は、celldwellerのbirthrightという曲で、これがカッコイイのなんの。
そして忘れてはいけない、GP後のキスシーン。
『スピードレーサー』という作品は、アニメ愛に溢れた作品です。
その一番象徴的なところが、予告編の冒頭で流れるパラパラ漫画だと思います。
アニメーションの原点って、”描いた絵が動く”、これなのですよね。
アニメーション発展の歴史を見ているかのような予告編で、すごく好きです。
アニメーションの原点と、CGという発展形。この二つを見事に融合させた超傑作。アニメへの愛があるからこそできる作品です。
もう一度言います。超・傑・作!
観ようよ。ホント。
多分、今言ったことを今年の最後にも言うと思います。
~~~ 2008年 BEST予告編 ~~~
さて、栄えある(?)2008年のNo.1予告編は・・・・?
●『ペネロピ』: 海外版、2nd trailer
これです。『ペネロピ』。
何故でしょう。何故にこれ?
きっと豚鼻のクリスティーナ・リッチがカワイすぎたんだなぁ。
・・・マジメに話しますと。
上の「余談」のところで話しましたように、予告編に使用される曲と言うのは色々と種類があります。
本予告編の場合は、作品とはまったく関係ないタイプの曲。
(ちなみに曲は、Everlifeのfind yourself in you)
曲のテンポ、歌声が僕の感性と合ったというのもあります。
でもそれが作品のテンポともマッチしていましたし、何より「find yourself in you(自分自身を見つけ出そう)」という曲題は、この作品のテーマとも完璧にマッチしています。
(養老 孟司氏曰く、自分は探すものではなく”作る”ものであって、僕もその意見には大いに賛同ですが、ここではそれは置いておきましょう)
この予告編作った人は、この作品を良く理解している。
何より、やはりクリスティーナ・リッチがカワイ.....
内容をよく理解し、センスをキラリと光らせたこの予告編は、今年のNo.1でございます。
-----------------------------------------------------------------------
いかがでしたでしょうか。
今年は素晴らしい作品が多かったですが、素晴らしい予告編も多かったです。
ここに載せていない予告編も、良いものばかりでした。
ついでなので、過去年度のお気に入り予告編もご紹介。
お時間あれば、お付き合いくださいませ。
-----------------------------------------------------------------------
~~~ 2007 ~~~
●『machete』
・・・えぇっと、冗談です。
ホントはこちら。
●『グラインドハウス』
『machete』は、『グラインドハウス』プロジェクトの際に作られたフェイク予告編です。
フェイク予告編は計4本あるのですが、僕は『machete』が一番好きでした。
『グラインドハウス』の予告編は、熱い!の一言。
~~~ 2006 ~~~
●『RENT』
劇場で予告編を観るまで存在すら知らなかったミュージカル映画。
予告編で、泣くとは思わなかった。
この予告編を超える作品は、今のところありません。
~~~ 2005 ~~~
●『エリザベスタウン』
インパクトはあまり強くありませんが、後半に流れる曲がすごく好きなのですよね。
作品の雰囲気もよくあらわしていると思います。
何より、僕の大好きキルスティン・ダンストが魅力的。
そういえば2005年は、『エターナルサンシャイン』『ウィンブルドン』そして『エリザベスタウン』と、キルスティン・ダンストを3回も劇場で観られたという幸せな年でもありましたね。
-----------------------------------------------------------------------
以上。
2008年のまとめ第一弾は、クリスティーナ・リッチを褒め称えると共に、豚鼻をもってしてもそのキュートさは隠せないということを再認識した記事でした。
・・・失礼。
予告編は、今後も欠かさずチェックしていきますよ!
最後に、2009年に公開される映画のうち、今最も期待している作品の予告編を。
『The soloist』
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
師走です。今年も残すところあと一ヶ月ですね。
そろそろ今年一年を振り返る時期。
2008年のまとめ第一弾は、予告編についてです。
どんなに良い作品であっても、宣伝されなければ誰も存在を知ることはありません。
宣伝には、チラシ、新聞記事、CM、今の時代ではネットの口コミだったり。
そんな中でも僕は予告編が大好きで、劇場に行く楽しみの半分くらいは、予告編だったりします。
・・・言い過ぎかな?
ただ海外の予告編サイトは、毎日かかさずチェックしています。
予告編は、短い時間の中に作品の魅力を詰め込まなければなりません。
構成要素は、シーン、音楽、カット割、ナレーション・・・・様々です。
================= 余談 =================
僕は音楽や効果音に惹かれることが多いですね。
音楽は作中の曲を使うものもあれば、その監督の作品関連で曲を選ぶときもあります。
また、作品とは直接関係ないけれど、作品のテーマ性をちゃんと考えて、既存の曲を選ぶ場合もあります。
カット割やシーン選びというものも、音楽・効果音と合わせているものがあったりしますね。
そういう予告編はテンポがよく、面白いです。
=======================================
前置きが長いですが、結局のところ構成要素なんていうのは後で振り返ってわかることで。
要は、「グッ!」とくるものが一番なのです。
ではでは、今年の予告編を振り返ってみたいと思います。
対象は以下の通り。
・今年日本国内で上映された作品
・洋画の場合、国内版・海外版の違いも考慮に入れる
・インターネットやTVCM、つまり”映像媒体”の宣伝は含む
ではお付き合いの程を・・・
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※印象に残った予告編を挙げ、最後に今年のNo.1を発表
~~~ 2008年、印象に残った予告編 ~~~
●『スウィーニートッド』: 海外版、1st trailer
バートン作品は05年に2作品が上映されました。
3年振りの新作は、ミュージカル作品。
デップの狂い様が、この2:30にギッシリ詰まっています。やはりバートン×デップはいいですね。
ぐっと抑えた色使いも素敵で。
そして、ホラー映画か!?と言いたくなる2:12あたりのシーン。
隙間からのぞくカミソリがなんとも恐ろしく。でも僕はワクワク。
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●『ダージリン急行』: 海外版、1st trailer
ウェス・アンダーソン監督最新作は、インドを舞台にした兄弟の旅。
何が面白いかと言うと、観ただけで「あ、アンダーソンの作品だ」とわかってしまうほど、予告編に監督の作風が反映されていること。
曲然り、予告編最初のカメラワーク然り。
きっと今までの作品と同じように、ラストは、この兄弟は少しだけ良い方向に向かっていくのだと思う。
それも予告編から滲み出ている。
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●『ダークナイト』: 海外版、3rd trailer
世界的にみて2008年の代表作と言っていいであろう本作。
『バットマンビギンズ』は、僕の中ではそんなにヒットしてなかったですが、予告編が公開され、ジョーカーが画面に映った瞬間、「いや、これは絶対面白いだろ」と確信しました。
さて、これほどの大きな作品になると、何verか予告編が公開されます。
一番有名なのはコチラでしょうが、僕はこの第三弾が好き。
「バットマンでなくジョーカーでなく、実は主役はこの人?」と作品を観た人ならわかると思いますが、重要な役回りをしているアーロン・エッカート。僕の大好きな俳優。
アーロンが出ているから・・・・というのもあるといえばありますが、この作品のテーマでもある、
「正義として死ぬか。悪として生き延びるか」
という重要な台詞が含まれていて、この作品を象徴するような予告編となっていると思います。
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●『スピードレーサー』: 海外版、4th trailer
自分的にみて、2008年の代表作と言っていいであろう本作。
衝撃度という面で言えば、第一弾のコチラの方が大きいのですけど、作品のカッコよさを前面に押し出したこの第四弾を選びました。
後半部分で使われている曲は、celldwellerのbirthrightという曲で、これがカッコイイのなんの。
そして忘れてはいけない、GP後のキスシーン。
『スピードレーサー』という作品は、アニメ愛に溢れた作品です。
その一番象徴的なところが、予告編の冒頭で流れるパラパラ漫画だと思います。
アニメーションの原点って、”描いた絵が動く”、これなのですよね。
アニメーション発展の歴史を見ているかのような予告編で、すごく好きです。
アニメーションの原点と、CGという発展形。この二つを見事に融合させた超傑作。アニメへの愛があるからこそできる作品です。
もう一度言います。超・傑・作!
観ようよ。ホント。
多分、今言ったことを今年の最後にも言うと思います。
~~~ 2008年 BEST予告編 ~~~
さて、栄えある(?)2008年のNo.1予告編は・・・・?
●『ペネロピ』: 海外版、2nd trailer
これです。『ペネロピ』。
何故でしょう。何故にこれ?
きっと豚鼻のクリスティーナ・リッチがカワイすぎたんだなぁ。
・・・マジメに話しますと。
上の「余談」のところで話しましたように、予告編に使用される曲と言うのは色々と種類があります。
本予告編の場合は、作品とはまったく関係ないタイプの曲。
(ちなみに曲は、Everlifeのfind yourself in you)
曲のテンポ、歌声が僕の感性と合ったというのもあります。
でもそれが作品のテンポともマッチしていましたし、何より「find yourself in you(自分自身を見つけ出そう)」という曲題は、この作品のテーマとも完璧にマッチしています。
(養老 孟司氏曰く、自分は探すものではなく”作る”ものであって、僕もその意見には大いに賛同ですが、ここではそれは置いておきましょう)
この予告編作った人は、この作品を良く理解している。
何より、やはりクリスティーナ・リッチがカワイ.....
内容をよく理解し、センスをキラリと光らせたこの予告編は、今年のNo.1でございます。
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いかがでしたでしょうか。
今年は素晴らしい作品が多かったですが、素晴らしい予告編も多かったです。
ここに載せていない予告編も、良いものばかりでした。
ついでなので、過去年度のお気に入り予告編もご紹介。
お時間あれば、お付き合いくださいませ。
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~~~ 2007 ~~~
●『machete』
・・・えぇっと、冗談です。
ホントはこちら。
●『グラインドハウス』
『machete』は、『グラインドハウス』プロジェクトの際に作られたフェイク予告編です。
フェイク予告編は計4本あるのですが、僕は『machete』が一番好きでした。
『グラインドハウス』の予告編は、熱い!の一言。
~~~ 2006 ~~~
●『RENT』
劇場で予告編を観るまで存在すら知らなかったミュージカル映画。
予告編で、泣くとは思わなかった。
この予告編を超える作品は、今のところありません。
~~~ 2005 ~~~
●『エリザベスタウン』
インパクトはあまり強くありませんが、後半に流れる曲がすごく好きなのですよね。
作品の雰囲気もよくあらわしていると思います。
何より、僕の大好きキルスティン・ダンストが魅力的。
そういえば2005年は、『エターナルサンシャイン』『ウィンブルドン』そして『エリザベスタウン』と、キルスティン・ダンストを3回も劇場で観られたという幸せな年でもありましたね。
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以上。
2008年のまとめ第一弾は、クリスティーナ・リッチを褒め称えると共に、豚鼻をもってしてもそのキュートさは隠せないということを再認識した記事でした。
・・・失礼。
予告編は、今後も欠かさずチェックしていきますよ!
最後に、2009年に公開される映画のうち、今最も期待している作品の予告編を。
『The soloist』
2008年11月29日土曜日
梅太@ DVD:『ビッグフィッシュ』
この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
~~~~~~ ストーリー ~~~~~~~~~
エドワード・ブルームは、大の話好き。彼の語る話は面白く、自然と人が彼を取り巻く。
そんな父を持つウィル・ブルーム。子供の頃はエドワードのワクワクするような話が大好きだった。
しかし、大人になったウィルは一つの疑問を持つ。「いったい何が真実なんだろう」
エドワードにまつわる何千何万という話は聞いてきたが、その荒唐無稽さ故、エドワードの本質が見えないことに気付く。
ウィルの婚礼の日、ついにその思いを伝えるが、それがキッカケで父子は断絶する。
数年の後、エドワードは病に倒れる。残された日は少ない。
実家に戻ったウィルは、エドワードの口から真実を引き出そうとする。
そしてエドワードが語ってきた空想と現実を摺り合わせようとするのだが・・・
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
このブログを立ち上げ、一番最初に書いた自己紹介の記事で、この『ビックフィッシュ』は僕の思い出の作品であることに触れました。
今現在、こんなにも映画が好きなのは、この作品があったからです。
以来、何かの節目の時には必ず鑑賞している作品で、僕は数日前誕生日を迎えたので、その折に。
ティム・バートン作品の中でも最も好きな作品でありまして・・・・
--------------------------- 思い出 ------------------------------
昔から映画は好きだったのですが、高専に入学し2年間くらいは、勉強(いや、ホントか?)と部活(これはホント)に精を出していて、映画館にあまり行ってなかったのです。
3年生になって少し落ち着いてきた頃、ふと、この作品の宣伝に惹かれました。
TOHOシネマズ六本木ヒルズ(当時はまだ「ヴァージンシネマ」だったっけ)に行き、超巨大スクリーン(8.4×20.2)で初日初回に鑑賞。
久々の映画館というだけでワクワクしてたのもありますが、上映開始直後から世界観に惹きこまれる。
エドワードが語るサーカスのお話で、「運命の女性に出会うと、本当に時が止まる」というシーン。
この辺りでは、もうどっぷり浸かってました。
そして庭いっぱいに広がる水仙畑。
戦争からの帰還。
映画ってすごいなぁ・・・
そして最後。エドワードの死に際に、ウィルが語る”エドワードの最後”の話。
そのあまりの素晴らしさに、涙が止まらなかったのを覚えてます。
座席予約制・完全入れ替え制の劇場ですから、上映終了後はすぐに劇場を出ないといけないわけですが、しばらくは出たくなかった。
映画ってこんなにすごかったっけ・・・
-----------------------------------------------------------------
今日は作品の感想というより、作品を観てきて僕が考えたこと・・・というコンセプトでいこうと思います。
長々しくなりますので、お時間があるときにでも。
~~~ 1. 永遠に繰り返される物語 ~~~
現実と空想をすり合わせようと、エドワードが辿ってきた道を探るウィルは、スペクターという街に住むエドワードの旧友:ジェニーに会う。
そこでジェニーに聞かされる話は、エドワードが歩んできた時系列とはチグハグな部分が多い。
困惑するウィルに、ジェニーはこんな一言を放つ。
「お父様の頭で考えるのよ」
さて僕も、エドワードの頭で考えてみる。
すると、この『ビッグフィッシュ』という作品は、オープニングとラストが繋がるお話であるということに気付いた。
つまりは輪廻というものかな。
オープニングは、街の伝説的な存在である怪魚、誰にも捕まえられない大きな魚の話から始まる。
どんなエサをもってしても捕まえられず、ある日エドワードは、純金の婚約指輪をエサにすればどうかと思いつく。
釣り上げたはいいものの、その魚に指輪を飲み込まれてしまうが、死闘(いや、そんなに壮絶ではないが)の末、指輪を取り戻す。
この話は、釣り上げるのが困難である魚と、高嶺の花である人(妻:サンドラ)を掛けて、それらを手に入れるには指輪をあげるのが一番だというジョーク。
またこの話は、ウィルが生まれた日に起こった事件という設定である。
「この話はウケるんだ」という台詞から、恐らく最も語られてきた冒険譚であろう。
ラストは、エドワードが今まで終ぞ語らなかった”エドワードの最後”の話を、ウィルに作らせ語らせて、幕を閉じる。
ウィルが作った話のオチは、「父さんの本当の姿は、実は大きな魚だったんだ」というものである。
この”大きな魚”にまつわる話は、エドワードがウィルに聞かせてきた幾千もの話の、おそらく原点であると僕は思います。
つまりウィルの視点からみると、”エドワードの辿ってきた人生”の原点です。
ウィルが語った”エドワードの最後”の話で、その原点は同時に、エドワードの終着点となったのです。
そして怪魚となったエドワードは、やはり誰にも捕まえることは出来ず、誰かが指輪を河に放り込むまで、街の伝説として語られていく。
ここで、映画のラストとオープニングが繋がるのです。
・・・・という風に、”大きな魚”にまつわる話は、永遠に繰り返され、語り継がれていくのですね。
~~~ 2. My Girl in the river... ~~~
1節と少しリンクした話です。
ウィルが語る”エドワードの最後”の話では、エドワードは妻サンドラに、純金の婚約指輪を託します。そこで放つ一言が、
「My Girl in the river」
このシーンの意味。
これが長らくつかめなかったのですが、今回なんとなく掴めた気がします。
推測①:
エドワードは、指輪をエサに魚(♀)を釣り上げますが、指輪は飲み込まれ、闘争の末に取り戻す。
自分が死ぬという時になり、その魚(Girl=サンドラ)に、あのとき力ずくで取り戻した指輪を渡す・・・という意味。
推測②:
ウィルが語る話のオチは、「父さんは、本当は大きな魚だったんだ」。
この魚は後に、誰も捕まえられない街の伝説となる(1節参照)。
この魚を捕まえる唯一の方法は、指輪をエサにすること。
そしてこの魚を誰かが捕まえたとき、新たな物語が紡がれていくのです。
それを考えると、「誰かがこの指輪を使って、僕を捕まえてくれる日まで・・・」という意味で、サンドラに指輪を託したのかな。
推測①は、台詞を意識した解釈。
推測②は、指輪を託すという行為を意識した解釈。
原作の方に、ヒントが隠されてたように思ったのですが、以前読んでからかなり経つので、内容をすっかり忘れてしまいました。
このシーンの意味について考えたことがある方、ぜひご一報を。
~~~ 3. 御伽話に込められた真実 - 「The very Big Fish」~~~
「You become what you always were. The very big fish. And that's how it happens.」
ウィルが作りエドワードに聞かせる”エドワードの最後”の話。
そのオチの部分です。直訳すれば、
「とても大きな魚、つまり父さんが常にそうであったものになった。それが父さんに起こったこと」
という感じになるのでしょうか。
映像ではこの後、エドワードが魚に転身するところで話が終わります。
視覚的な情報のみで捕らえるならば、1節で述べたエドワードの原点である”大きな魚”の話に掛けて、「あなたの最後は、あなたが今まで散々語ってきた”大きな魚”になりました」という具合ですね。
さて、「Big Fish」とは”大きな魚”という意味ですが、実は「ホラ吹き」という意味もあるそうです。
この意味を考えると、先の英文はもっと深い言い回しであることに気付きます。
「あなたは、あなたが今まで散々人に語ってきた”ホラ(ジョーク)”になってしまいました」
つまり、映画の最後でウィルのナレーションとして流れる「お話を語りすぎて、父さん自体が”お話”になってしまった」という台詞と繋がるわけです。
あなたが死んでも、あなたは”お話”として生き続ける。
人に散々ジョークを語ってきたエドワードにとって、これほど素晴らしい最後は無かったのではないだろうか。
思考は巡って。もう一つの解釈。
子供の頃、誰でも御伽話を聞かされたことはあると思います。
あれは、何の意味があるのでしょうか。
御伽話やジョークの根底には、読む人に対して作者が込めた思いや教訓が眠っていると思います。
例えば児童書の分野ではあまりにも有名であるロアルド・ダール。その著書の『チャーリーとチョコレート工場』は、「良い子は報われる」というその一言が根底にあり、それを伝えるためウンパ・ルンパの楽しげ歌や、奇人ウィリー・ウォンカのへんてこな発言で盛り上げます。
絵本や児童書には、まず楽しさがある。その楽しさが頭に残り、後々、その本に込められた本当の意味がわかってきます。
エドワードが語る話・ジョークも、同じ部分があると思います。
一度聞いた限りではその話の楽しさが印象的ですが、エドワードの話の中には実は、エドワードという存在の本質が沢山散りばめられています。
今までメチャクチャだと思っていたお話。でもエドワードが語るジョークの中に、エドワードの本質が込められている。真実をそのまま伝えることだけが、良い方法とは限らない。
エドワードの死期が迫り、空想と現実を摺り合わせていたウィルは、最後にこのことに気付いたのです。
エドワードがジョークに徹した意味・精神。
最後の「The very Big Fish(この大ホラ吹きめ)」には、そういうことを理解したウィルの気持ちが込められているのだと思います。
-------------------------- まとめ -------------------------------
以上。
もう何度目になるかわからない今回の鑑賞ですが、実を言うと、今までこの作品に対して、ちゃんと文章化したことってないのですよね。
何故かと聞かれるとわからないのですけど、スティーブン・キングの言葉を借りれば、
「頭の中で考えているときは無限に思えることでも、いざ口にしてしまうと、実物大の広がりしかなくなってしまう」
というのがあったからかもしれません。
ただ今回文章化することによって、整理整頓が出来たようにも思います。
映画の最後、ウィルのナレーションで流れるこんな一言。
「聞きすぎたジョークは、時が経てばまた笑える」
この作品は、感動的で暖かいという第一印象があった。
でも時が過ぎ、何度か観ているうちに、色々な意味が込められていることに気付く。
(もしくは、色々な解釈が出来ることに気付く)
『Big Fish』という、ティムバートンが放った”盛大なるホラ話”(「The very Big fish」)。
僕はまた、何かの節目にこの作品を観るのだと思います。
最後まで読んでくださった方、長々とお付き合いありがとうございました♪
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
~~~~~~ ストーリー ~~~~~~~~~
エドワード・ブルームは、大の話好き。彼の語る話は面白く、自然と人が彼を取り巻く。
そんな父を持つウィル・ブルーム。子供の頃はエドワードのワクワクするような話が大好きだった。
しかし、大人になったウィルは一つの疑問を持つ。「いったい何が真実なんだろう」
エドワードにまつわる何千何万という話は聞いてきたが、その荒唐無稽さ故、エドワードの本質が見えないことに気付く。
ウィルの婚礼の日、ついにその思いを伝えるが、それがキッカケで父子は断絶する。
数年の後、エドワードは病に倒れる。残された日は少ない。
実家に戻ったウィルは、エドワードの口から真実を引き出そうとする。
そしてエドワードが語ってきた空想と現実を摺り合わせようとするのだが・・・
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
このブログを立ち上げ、一番最初に書いた自己紹介の記事で、この『ビックフィッシュ』は僕の思い出の作品であることに触れました。
今現在、こんなにも映画が好きなのは、この作品があったからです。
以来、何かの節目の時には必ず鑑賞している作品で、僕は数日前誕生日を迎えたので、その折に。
ティム・バートン作品の中でも最も好きな作品でありまして・・・・
--------------------------- 思い出 ------------------------------
昔から映画は好きだったのですが、高専に入学し2年間くらいは、勉強(いや、ホントか?)と部活(これはホント)に精を出していて、映画館にあまり行ってなかったのです。
3年生になって少し落ち着いてきた頃、ふと、この作品の宣伝に惹かれました。
TOHOシネマズ六本木ヒルズ(当時はまだ「ヴァージンシネマ」だったっけ)に行き、超巨大スクリーン(8.4×20.2)で初日初回に鑑賞。
久々の映画館というだけでワクワクしてたのもありますが、上映開始直後から世界観に惹きこまれる。
エドワードが語るサーカスのお話で、「運命の女性に出会うと、本当に時が止まる」というシーン。
この辺りでは、もうどっぷり浸かってました。
そして庭いっぱいに広がる水仙畑。
戦争からの帰還。
映画ってすごいなぁ・・・
そして最後。エドワードの死に際に、ウィルが語る”エドワードの最後”の話。
そのあまりの素晴らしさに、涙が止まらなかったのを覚えてます。
座席予約制・完全入れ替え制の劇場ですから、上映終了後はすぐに劇場を出ないといけないわけですが、しばらくは出たくなかった。
映画ってこんなにすごかったっけ・・・
-----------------------------------------------------------------
今日は作品の感想というより、作品を観てきて僕が考えたこと・・・というコンセプトでいこうと思います。
長々しくなりますので、お時間があるときにでも。
~~~ 1. 永遠に繰り返される物語 ~~~
現実と空想をすり合わせようと、エドワードが辿ってきた道を探るウィルは、スペクターという街に住むエドワードの旧友:ジェニーに会う。
そこでジェニーに聞かされる話は、エドワードが歩んできた時系列とはチグハグな部分が多い。
困惑するウィルに、ジェニーはこんな一言を放つ。
「お父様の頭で考えるのよ」
さて僕も、エドワードの頭で考えてみる。
すると、この『ビッグフィッシュ』という作品は、オープニングとラストが繋がるお話であるということに気付いた。
つまりは輪廻というものかな。
オープニングは、街の伝説的な存在である怪魚、誰にも捕まえられない大きな魚の話から始まる。
どんなエサをもってしても捕まえられず、ある日エドワードは、純金の婚約指輪をエサにすればどうかと思いつく。
釣り上げたはいいものの、その魚に指輪を飲み込まれてしまうが、死闘(いや、そんなに壮絶ではないが)の末、指輪を取り戻す。
この話は、釣り上げるのが困難である魚と、高嶺の花である人(妻:サンドラ)を掛けて、それらを手に入れるには指輪をあげるのが一番だというジョーク。
またこの話は、ウィルが生まれた日に起こった事件という設定である。
「この話はウケるんだ」という台詞から、恐らく最も語られてきた冒険譚であろう。
ラストは、エドワードが今まで終ぞ語らなかった”エドワードの最後”の話を、ウィルに作らせ語らせて、幕を閉じる。
ウィルが作った話のオチは、「父さんの本当の姿は、実は大きな魚だったんだ」というものである。
この”大きな魚”にまつわる話は、エドワードがウィルに聞かせてきた幾千もの話の、おそらく原点であると僕は思います。
つまりウィルの視点からみると、”エドワードの辿ってきた人生”の原点です。
ウィルが語った”エドワードの最後”の話で、その原点は同時に、エドワードの終着点となったのです。
そして怪魚となったエドワードは、やはり誰にも捕まえることは出来ず、誰かが指輪を河に放り込むまで、街の伝説として語られていく。
ここで、映画のラストとオープニングが繋がるのです。
・・・・という風に、”大きな魚”にまつわる話は、永遠に繰り返され、語り継がれていくのですね。
~~~ 2. My Girl in the river... ~~~
1節と少しリンクした話です。
ウィルが語る”エドワードの最後”の話では、エドワードは妻サンドラに、純金の婚約指輪を託します。そこで放つ一言が、
「My Girl in the river」
このシーンの意味。
これが長らくつかめなかったのですが、今回なんとなく掴めた気がします。
推測①:
エドワードは、指輪をエサに魚(♀)を釣り上げますが、指輪は飲み込まれ、闘争の末に取り戻す。
自分が死ぬという時になり、その魚(Girl=サンドラ)に、あのとき力ずくで取り戻した指輪を渡す・・・という意味。
推測②:
ウィルが語る話のオチは、「父さんは、本当は大きな魚だったんだ」。
この魚は後に、誰も捕まえられない街の伝説となる(1節参照)。
この魚を捕まえる唯一の方法は、指輪をエサにすること。
そしてこの魚を誰かが捕まえたとき、新たな物語が紡がれていくのです。
それを考えると、「誰かがこの指輪を使って、僕を捕まえてくれる日まで・・・」という意味で、サンドラに指輪を託したのかな。
推測①は、台詞を意識した解釈。
推測②は、指輪を託すという行為を意識した解釈。
原作の方に、ヒントが隠されてたように思ったのですが、以前読んでからかなり経つので、内容をすっかり忘れてしまいました。
このシーンの意味について考えたことがある方、ぜひご一報を。
~~~ 3. 御伽話に込められた真実 - 「The very Big Fish」~~~
「You become what you always were. The very big fish. And that's how it happens.」
ウィルが作りエドワードに聞かせる”エドワードの最後”の話。
そのオチの部分です。直訳すれば、
「とても大きな魚、つまり父さんが常にそうであったものになった。それが父さんに起こったこと」
という感じになるのでしょうか。
映像ではこの後、エドワードが魚に転身するところで話が終わります。
視覚的な情報のみで捕らえるならば、1節で述べたエドワードの原点である”大きな魚”の話に掛けて、「あなたの最後は、あなたが今まで散々語ってきた”大きな魚”になりました」という具合ですね。
さて、「Big Fish」とは”大きな魚”という意味ですが、実は「ホラ吹き」という意味もあるそうです。
この意味を考えると、先の英文はもっと深い言い回しであることに気付きます。
「あなたは、あなたが今まで散々人に語ってきた”ホラ(ジョーク)”になってしまいました」
つまり、映画の最後でウィルのナレーションとして流れる「お話を語りすぎて、父さん自体が”お話”になってしまった」という台詞と繋がるわけです。
あなたが死んでも、あなたは”お話”として生き続ける。
人に散々ジョークを語ってきたエドワードにとって、これほど素晴らしい最後は無かったのではないだろうか。
思考は巡って。もう一つの解釈。
子供の頃、誰でも御伽話を聞かされたことはあると思います。
あれは、何の意味があるのでしょうか。
御伽話やジョークの根底には、読む人に対して作者が込めた思いや教訓が眠っていると思います。
例えば児童書の分野ではあまりにも有名であるロアルド・ダール。その著書の『チャーリーとチョコレート工場』は、「良い子は報われる」というその一言が根底にあり、それを伝えるためウンパ・ルンパの楽しげ歌や、奇人ウィリー・ウォンカのへんてこな発言で盛り上げます。
絵本や児童書には、まず楽しさがある。その楽しさが頭に残り、後々、その本に込められた本当の意味がわかってきます。
エドワードが語る話・ジョークも、同じ部分があると思います。
一度聞いた限りではその話の楽しさが印象的ですが、エドワードの話の中には実は、エドワードという存在の本質が沢山散りばめられています。
今までメチャクチャだと思っていたお話。でもエドワードが語るジョークの中に、エドワードの本質が込められている。真実をそのまま伝えることだけが、良い方法とは限らない。
エドワードの死期が迫り、空想と現実を摺り合わせていたウィルは、最後にこのことに気付いたのです。
エドワードがジョークに徹した意味・精神。
最後の「The very Big Fish(この大ホラ吹きめ)」には、そういうことを理解したウィルの気持ちが込められているのだと思います。
-------------------------- まとめ -------------------------------
以上。
もう何度目になるかわからない今回の鑑賞ですが、実を言うと、今までこの作品に対して、ちゃんと文章化したことってないのですよね。
何故かと聞かれるとわからないのですけど、スティーブン・キングの言葉を借りれば、
「頭の中で考えているときは無限に思えることでも、いざ口にしてしまうと、実物大の広がりしかなくなってしまう」
というのがあったからかもしれません。
ただ今回文章化することによって、整理整頓が出来たようにも思います。
映画の最後、ウィルのナレーションで流れるこんな一言。
「聞きすぎたジョークは、時が経てばまた笑える」
この作品は、感動的で暖かいという第一印象があった。
でも時が過ぎ、何度か観ているうちに、色々な意味が込められていることに気付く。
(もしくは、色々な解釈が出来ることに気付く)
『Big Fish』という、ティムバートンが放った”盛大なるホラ話”(「The very Big fish」)。
僕はまた、何かの節目にこの作品を観るのだと思います。
最後まで読んでくださった方、長々とお付き合いありがとうございました♪
2008年11月25日火曜日
ゲン@ 劇場:『トロピック・サンダー 史上最低の作戦』
ゲンです。
昨日11/24に25歳になりました。
本日11/25は梅太くんの誕生日です。
2日連続で管理人の誕生日なのです。
仲が良いですね。
■『トロピック・サンダー 史上最低の作戦』@丸の内ピカデリー(11/24鑑賞)
『ナイトミュージアム』のベン・スティラーが監督・脚本・主演を手がける、自己中心的な役者たちがアクション映画の撮影で東南アジアへ赴き、本物の戦争に巻き込まれてしまうサバイバル・コメディー。
共演は『スクール・オブ・ロック』のジャック・ブラック、『アイアンマン』のロバート・ダウニー・Jr。
今年の夏、全米で4週連続No.1を獲得し続けたモンスター映画『ダークナイト』を、5週目にして頂点の座から引き摺り下ろしたオバカコメディが、いよいよ日本上陸。
メインキャストの3人に加え、トム・クルーズをはじめとする超豪華な俳優たちがカメオ出演するとのことで、そちらも楽しみにしていました。
バカー! くだらねぇー! 最低ー! 面白ぇー!
まず確実に言えるのは、どんな映画なのかよく知らないで観に行こうかと思ってるヤツは、絶対に観に行っちゃダメよ!w
ベン・ティラーもジャック・ブラックも、あとロバート・ダウニー・Jrもですが、それなりに知名度のある俳優なので、一般的に知られてる出演作は多いですが、そういった「一般ウケ作品」ばかりを観て彼らを知った気でいる人は、必ず返り討ちに遭いますよ!w
落ち目のアクションスター、お下劣コメディアン、やり過ぎ演技派俳優が出演する新作の戦争映画の撮影。
人気だけで集められた全く息の合わないキャストとスタッフたちに、監督もお手上げ。
そこで監督は、彼らを実際の戦場に放り出し、そこで本気で生き延びようとする様子を撮影してしまおうと企む。
というストーリーなんですが、「実際の戦場に放り出す」なんていう無茶さえ除けば、現在のハリウッド映画の体質への完全な皮肉w
「そこまで言うか!w」って程の強烈なセリフがこれでもかと登場します。
人種差別や下ネタなどなど、全く遠慮ナシに飛び交うセリフ。
こんなの全国公開しちゃっていいのかよ!w
な感じなんですが、ある程度映画を沢山観てて、メインキャスト3人の状況なんかもよく知ってるような人にとっては、面白くて仕方がないです!
おまけにハリウッド体質への絶妙な皮肉も盛りだくさんとくれば、文句なしに笑えます!
勿論、B級アクションや戦争映画のパロディなんかも笑いどころですが、そんなモノでは済まないネタがいっぱい仕掛けられておりました。
監督・脚本・主演を務めるベン・スティラー!
『ナイト・ミュージアム』でファミリー層にもウケて、演技派のコメディ俳優としても知名度のある彼ですが、際どいギリギリなコメディ表現ってのも彼の大きな魅力。
今回はまさにそこを表現していて、ハリウッド体質に鋭く切り込む様子は、ある意味カッコイイですw
お下劣コメディアン役のジャック・ブラック!
下品な下ネタといい、テンションの高さといい、彼にしかできないキャラクタw
ヒューマンドラマに出れば、感動で涙も誘う俳優ですが、今回は全くそんな要素はありません!
どーしょーもないバカ!w
やり過ぎ演技派俳優役にロバート・ダウニー・Jr!
この映画(劇中の戦争映画)のために、白人から黒人になる手術を受けてしまうほど、役に入れ込む役者バカですが、私生活ではやりたい放題のお騒がせ俳優!
・・・という、ロバート自身の経歴をも匂わせるような設定に苦笑いしてしまいますが、その確かな役作りは流石w
『アイアンマン』で魅せたダンディでシブい演技は完全に封印され、どギツい差別的な発言を繰り返す、とんでもないバカを熱演しております!
そして、本当に豪華なカメオ出演者!
何としても褒めなければいけないのは、トム・クルーズでしょう!
彼がカメオ出演する事は当初からかなりの話題になっていましたが、作品が作品だけに、ほんの少し出演シーンだと思っておりました。
ところがところが、意外なほどストーリーに密接に絡んでくるキャラクタでして、メインキャスト3人に次ぐくらいの重要な役じゃないですか!
しかも、その演じるキャラクタたるや、ヒドい!w 黒過ぎる!w
頑張りすぎだよ! トム! あんた最高だよ!w
今回出演した俳優の中で、誰を一番褒めたいかと問われれば、間違いなくトム・クルーズでしょう!w
前回トムを観たのが『大いなる陰謀』で、次回の出演作が第二次世界大戦にてヒトラー暗殺計画を描いた『ワルキューレ』ってのを考えると、ますます褒めたくなりますw
3作連続で戦争映画出演、お疲れ様ですw
他にも『スパイダーマン』ピーター・パーカー役のトビー・マグワイアやら、ジョン・ボイドやら、笑っちゃうくらいに豪華な俳優が一瞬だけ登場しておりました。
「ちょっと面白そう」くらいのノリで観に行くと絶対に返り討ちに遭います!
逆にベンやジャック、ハリウッド体質をよく知ってる人は、かなり面白いことになっておりますんで、是非とも劇場に行くことをオススメいたします!
いずれにしろ、観に行く方はそれなりの覚悟を!
~~~~~~~~~~~~~~~~
そんな感じですが、予想通りハチャメチャな作品で大満足でしたw
残念な点を挙げるとすれば、当初出演予定だったベン・スティラーの大親友のオーウェイン・ウィルソンが自殺未遂事件のために、降板してしまったことですかね・・・
彼の代役を務めたマシュー・マコノヒーの演じた、落ち目のアクションスター(ベン・スティラー)の唯一の理解者であるエージェントの役を、本当はオーウェンが演じる予定だったのかと思うと、非常に残念です・・・
あの役こそ、完全にオーウェインのために描かれたキャラクタだったので、彼に演じてもらいたかったなぁ・・・
あと、この作品が米国でウケてしまったってことは、きっとベン・スティラーは今後、アカデミー賞を受賞できないだろうなぁーっていう懸念がありますねw
昨日11/24に25歳になりました。
本日11/25は梅太くんの誕生日です。
2日連続で管理人の誕生日なのです。
仲が良いですね。
■『トロピック・サンダー 史上最低の作戦』@丸の内ピカデリー(11/24鑑賞)
共演は『スクール・オブ・ロック』のジャック・ブラック、『アイアンマン』のロバート・ダウニー・Jr。
今年の夏、全米で4週連続No.1を獲得し続けたモンスター映画『ダークナイト』を、5週目にして頂点の座から引き摺り下ろしたオバカコメディが、いよいよ日本上陸。
メインキャストの3人に加え、トム・クルーズをはじめとする超豪華な俳優たちがカメオ出演するとのことで、そちらも楽しみにしていました。
バカー! くだらねぇー! 最低ー! 面白ぇー!
まず確実に言えるのは、どんな映画なのかよく知らないで観に行こうかと思ってるヤツは、絶対に観に行っちゃダメよ!w
ベン・ティラーもジャック・ブラックも、あとロバート・ダウニー・Jrもですが、それなりに知名度のある俳優なので、一般的に知られてる出演作は多いですが、そういった「一般ウケ作品」ばかりを観て彼らを知った気でいる人は、必ず返り討ちに遭いますよ!w
落ち目のアクションスター、お下劣コメディアン、やり過ぎ演技派俳優が出演する新作の戦争映画の撮影。
人気だけで集められた全く息の合わないキャストとスタッフたちに、監督もお手上げ。
そこで監督は、彼らを実際の戦場に放り出し、そこで本気で生き延びようとする様子を撮影してしまおうと企む。
というストーリーなんですが、「実際の戦場に放り出す」なんていう無茶さえ除けば、現在のハリウッド映画の体質への完全な皮肉w
「そこまで言うか!w」って程の強烈なセリフがこれでもかと登場します。
人種差別や下ネタなどなど、全く遠慮ナシに飛び交うセリフ。
こんなの全国公開しちゃっていいのかよ!w
な感じなんですが、ある程度映画を沢山観てて、メインキャスト3人の状況なんかもよく知ってるような人にとっては、面白くて仕方がないです!
おまけにハリウッド体質への絶妙な皮肉も盛りだくさんとくれば、文句なしに笑えます!
勿論、B級アクションや戦争映画のパロディなんかも笑いどころですが、そんなモノでは済まないネタがいっぱい仕掛けられておりました。
監督・脚本・主演を務めるベン・スティラー!
『ナイト・ミュージアム』でファミリー層にもウケて、演技派のコメディ俳優としても知名度のある彼ですが、際どいギリギリなコメディ表現ってのも彼の大きな魅力。
今回はまさにそこを表現していて、ハリウッド体質に鋭く切り込む様子は、ある意味カッコイイですw
お下劣コメディアン役のジャック・ブラック!
下品な下ネタといい、テンションの高さといい、彼にしかできないキャラクタw
ヒューマンドラマに出れば、感動で涙も誘う俳優ですが、今回は全くそんな要素はありません!
どーしょーもないバカ!w
やり過ぎ演技派俳優役にロバート・ダウニー・Jr!
この映画(劇中の戦争映画)のために、白人から黒人になる手術を受けてしまうほど、役に入れ込む役者バカですが、私生活ではやりたい放題のお騒がせ俳優!
・・・という、ロバート自身の経歴をも匂わせるような設定に苦笑いしてしまいますが、その確かな役作りは流石w
『アイアンマン』で魅せたダンディでシブい演技は完全に封印され、どギツい差別的な発言を繰り返す、とんでもないバカを熱演しております!
そして、本当に豪華なカメオ出演者!
何としても褒めなければいけないのは、トム・クルーズでしょう!
彼がカメオ出演する事は当初からかなりの話題になっていましたが、作品が作品だけに、ほんの少し出演シーンだと思っておりました。
ところがところが、意外なほどストーリーに密接に絡んでくるキャラクタでして、メインキャスト3人に次ぐくらいの重要な役じゃないですか!
しかも、その演じるキャラクタたるや、ヒドい!w 黒過ぎる!w
頑張りすぎだよ! トム! あんた最高だよ!w
今回出演した俳優の中で、誰を一番褒めたいかと問われれば、間違いなくトム・クルーズでしょう!w
前回トムを観たのが『大いなる陰謀』で、次回の出演作が第二次世界大戦にてヒトラー暗殺計画を描いた『ワルキューレ』ってのを考えると、ますます褒めたくなりますw
3作連続で戦争映画出演、お疲れ様ですw
他にも『スパイダーマン』ピーター・パーカー役のトビー・マグワイアやら、ジョン・ボイドやら、笑っちゃうくらいに豪華な俳優が一瞬だけ登場しておりました。
「ちょっと面白そう」くらいのノリで観に行くと絶対に返り討ちに遭います!
逆にベンやジャック、ハリウッド体質をよく知ってる人は、かなり面白いことになっておりますんで、是非とも劇場に行くことをオススメいたします!
いずれにしろ、観に行く方はそれなりの覚悟を!
~~~~~~~~~~~~~~~~
そんな感じですが、予想通りハチャメチャな作品で大満足でしたw
残念な点を挙げるとすれば、当初出演予定だったベン・スティラーの大親友のオーウェイン・ウィルソンが自殺未遂事件のために、降板してしまったことですかね・・・
彼の代役を務めたマシュー・マコノヒーの演じた、落ち目のアクションスター(ベン・スティラー)の唯一の理解者であるエージェントの役を、本当はオーウェンが演じる予定だったのかと思うと、非常に残念です・・・
あの役こそ、完全にオーウェインのために描かれたキャラクタだったので、彼に演じてもらいたかったなぁ・・・
あと、この作品が米国でウケてしまったってことは、きっとベン・スティラーは今後、アカデミー賞を受賞できないだろうなぁーっていう懸念がありますねw
2008年11月22日土曜日
梅太@ DVD:『スピード・レーサー』
この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
11月19日にDVDが発売となった『スピード・レーサー』
映画の公開日は7月5日で、僕は初日の初回に最寄のシネコンに行きました。
観客は・・・・なんと僕と中年のおじ様の二人のみ。
(きっとこのおじ様は『マッハGO!GO!GO!』のアニメのリアルタイム世代だろうなぁ)
本国アメリカでは興行収入が芳しくなく、日本でも早々に打ち切りという結果になってしまいました。
でも僕は、08年の最高傑作であると思っています。
~~~~~~~~~~~
ストーリー:
レース界期待の新星スピード・レーサーは、レーサー一家が経営する個人経営の車会社:レーサー・モーターズに所属する青年。
スピードのもとには連日スカウトの電話がかかってくるが、彼はそれを拒み続ける。
そこには、過去に起こった兄:レックスの事故が関係する。
ある日、大手企業のロイヤルトン・インダストリーからオファーがかかるが、悩んだ末に、家族にとってレースとは何かを再認識したスピードはこれを拒否。
しかしそこで、レースに絡むビジネスや裏社会の事情を聞かされる。その日からスピードとレーサー一家にはレース界から多大なる重圧がかかり始め・・
~~~~~~~~~~~
さて、この作品の魅力って、いったいどこにあるのだろう。
まず目を引くのは、やはり映像。
そして、カッコよさを超え、もやはアートとも言える流れるようなカーアクション(カンフーならぬカー・フー)。
一回目鑑賞の際は、やはりこれらに注目してもらいたいです。
二回目鑑賞の際・・・も、やはりこれらに酔いしれてほしいですね。
三回目鑑賞の際は是非、脚本家ウォシャウスキーの手腕に着目してみてください。
==========「脚本」と一口に言ってみても=========
少し本筋から逸れまして、脚本というものはいったいなんだろうかというのを考えてみたいと思います。
脚本と一口に言いましても、様々な要素があります。
・物語、テーマ性
・アイデア
・構成力
(他にもあるかもしれませんが)
まず第一に「物語、テーマ性」。
小説なり映画なり、これはやはり柱の部分ですので、一番意識されるものだと思います。
また普段良く言われる「脚本が良かった(悪かった)」というのも、「ストーリーが良かった」ということを指して使われる言葉かと思います。
次に「アイデア」。
やはり映画には、普段の生活では想像もしえないような世界観や出来事を期待してしまいます。
また、今までの作品にはなかった斬新な発想も求めるでしょう。
そして「構成力」。
上二つの要素からすると、普段は一番意識されない要素でしょう。
しかしどんなに優れた「物語」も、どんなに奇抜な「アイデア」でも、その作品に初めて接する観客にわかるように説明しないと意味がありません。
そこで重要になってくるのが、ストーリーを如何にして伝えるかという「構成力」。
時系列に従って語るもよし、回想を挿入するもよし、顛末を先に伝えてからというのもよし。
ある意味で、脚本家=ストーリーテラーの力量が一番発揮されるところではないでしょうか。
====================================
革命とも言われた『マトリックス』は、「アイデア」に優れていました。
メガホンを置き、脚本に徹した『V for Vendetta』は、「テーマ性」に優れてしました。
そして本作『スピードレーサー』は、「構成力」が抜群に優れています。
初めて作品に触れる人にとってみれば、その作品の登場人物、舞台背景の説明は必須。
これらがきちんと行われなければ、これから展開される世界に入り込めるはずがありません。
かといってその説明を延々としていたのでは、お客さんも退屈してしまいます。
例えば小説でいえば、表紙の折込などに、以下のような紹介があったりします。
スピード・レーサー ・・・ 作品の主人公。レースの天才
トリクシー ・・・ スピードの幼馴染
パパ・レーサー ・・・ スピードの父。レーサー・モーターズの経営者
(以下略)
こういうの、みたことありませんか?
映画で言えば、これを冒頭部分で如何にして伝えきるかが重要になってきますね。
ここで発揮されるのがウォシャウスキーの「構成力」です。
現在行われているスピードのレースシーンで興奮させているうちに、スタイリッシュな場面転換と共に挿入される回想シーンで、兄に対するスピードの憧れ・尊敬(←このシーンだけで泣きそうになった)や歴史(トリクシーとの出会い、レックスの死亡事故など)といった、この作品の世界観を実はしっかりと伝えきっている・・・という、その手腕!
DVDを購入して4日が経ちますが、僕はこの冒頭部分をすでに3回は観ています。
何回見ても「う~ん・・・見事だ」と思ってしまいます。
近年、これだけ見事な冒頭部分は無かったと思いますよ。
------------------------------------------------------------
特典映像では、この作品の解説を行っています。それは主に、映像の作り方という観点からです。
かなり面白い手法を用いているので、CGを使用した映画が主流となっていく今後、これはきっと応用されていく技術だと思っています。
その時「あぁ、『スピード・レーサー』は実はすごい作品だったのではないか」という方向に、世間の目が向けられるといいなと切に願っています。
最後に:
この作品の、映像に関するレビューは、書くだけ無粋かなと思いました。
なので、今回は脚本家ウォシャウスキーの手腕という面から『スピード・レーサー』の素晴らしさについて紐解いてみました。
もちろんこれは、作品のほんの一要素に過ぎません。
脚本の構成力に加え、興奮を抑えきれないカッコいい映像、その他もろもろ。
初鑑賞時に、あれだけの感動を味わえたのは、やはり個々の要素の素晴らしさと、組み合わせることによる相乗効果があってこそのものだと思います。
最高にCool beans!(イカしてる!)な作品です!!
最後の最後に:
クリスティーナ・リッチがキュートすぎる。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
11月19日にDVDが発売となった『スピード・レーサー』
映画の公開日は7月5日で、僕は初日の初回に最寄のシネコンに行きました。
観客は・・・・なんと僕と中年のおじ様の二人のみ。
(きっとこのおじ様は『マッハGO!GO!GO!』のアニメのリアルタイム世代だろうなぁ)
本国アメリカでは興行収入が芳しくなく、日本でも早々に打ち切りという結果になってしまいました。
でも僕は、08年の最高傑作であると思っています。
~~~~~~~~~~~
ストーリー:
レース界期待の新星スピード・レーサーは、レーサー一家が経営する個人経営の車会社:レーサー・モーターズに所属する青年。
スピードのもとには連日スカウトの電話がかかってくるが、彼はそれを拒み続ける。
そこには、過去に起こった兄:レックスの事故が関係する。
ある日、大手企業のロイヤルトン・インダストリーからオファーがかかるが、悩んだ末に、家族にとってレースとは何かを再認識したスピードはこれを拒否。
しかしそこで、レースに絡むビジネスや裏社会の事情を聞かされる。その日からスピードとレーサー一家にはレース界から多大なる重圧がかかり始め・・
~~~~~~~~~~~
さて、この作品の魅力って、いったいどこにあるのだろう。
まず目を引くのは、やはり映像。
そして、カッコよさを超え、もやはアートとも言える流れるようなカーアクション(カンフーならぬカー・フー)。
一回目鑑賞の際は、やはりこれらに注目してもらいたいです。
二回目鑑賞の際・・・も、やはりこれらに酔いしれてほしいですね。
三回目鑑賞の際は是非、脚本家ウォシャウスキーの手腕に着目してみてください。
==========「脚本」と一口に言ってみても=========
少し本筋から逸れまして、脚本というものはいったいなんだろうかというのを考えてみたいと思います。
脚本と一口に言いましても、様々な要素があります。
・物語、テーマ性
・アイデア
・構成力
(他にもあるかもしれませんが)
まず第一に「物語、テーマ性」。
小説なり映画なり、これはやはり柱の部分ですので、一番意識されるものだと思います。
また普段良く言われる「脚本が良かった(悪かった)」というのも、「ストーリーが良かった」ということを指して使われる言葉かと思います。
次に「アイデア」。
やはり映画には、普段の生活では想像もしえないような世界観や出来事を期待してしまいます。
また、今までの作品にはなかった斬新な発想も求めるでしょう。
そして「構成力」。
上二つの要素からすると、普段は一番意識されない要素でしょう。
しかしどんなに優れた「物語」も、どんなに奇抜な「アイデア」でも、その作品に初めて接する観客にわかるように説明しないと意味がありません。
そこで重要になってくるのが、ストーリーを如何にして伝えるかという「構成力」。
時系列に従って語るもよし、回想を挿入するもよし、顛末を先に伝えてからというのもよし。
ある意味で、脚本家=ストーリーテラーの力量が一番発揮されるところではないでしょうか。
====================================
革命とも言われた『マトリックス』は、「アイデア」に優れていました。
メガホンを置き、脚本に徹した『V for Vendetta』は、「テーマ性」に優れてしました。
そして本作『スピードレーサー』は、「構成力」が抜群に優れています。
初めて作品に触れる人にとってみれば、その作品の登場人物、舞台背景の説明は必須。
これらがきちんと行われなければ、これから展開される世界に入り込めるはずがありません。
かといってその説明を延々としていたのでは、お客さんも退屈してしまいます。
例えば小説でいえば、表紙の折込などに、以下のような紹介があったりします。
スピード・レーサー ・・・ 作品の主人公。レースの天才
トリクシー ・・・ スピードの幼馴染
パパ・レーサー ・・・ スピードの父。レーサー・モーターズの経営者
(以下略)
こういうの、みたことありませんか?
映画で言えば、これを冒頭部分で如何にして伝えきるかが重要になってきますね。
ここで発揮されるのがウォシャウスキーの「構成力」です。
現在行われているスピードのレースシーンで興奮させているうちに、スタイリッシュな場面転換と共に挿入される回想シーンで、兄に対するスピードの憧れ・尊敬(←このシーンだけで泣きそうになった)や歴史(トリクシーとの出会い、レックスの死亡事故など)といった、この作品の世界観を実はしっかりと伝えきっている・・・という、その手腕!
DVDを購入して4日が経ちますが、僕はこの冒頭部分をすでに3回は観ています。
何回見ても「う~ん・・・見事だ」と思ってしまいます。
近年、これだけ見事な冒頭部分は無かったと思いますよ。
------------------------------------------------------------
特典映像では、この作品の解説を行っています。それは主に、映像の作り方という観点からです。
かなり面白い手法を用いているので、CGを使用した映画が主流となっていく今後、これはきっと応用されていく技術だと思っています。
その時「あぁ、『スピード・レーサー』は実はすごい作品だったのではないか」という方向に、世間の目が向けられるといいなと切に願っています。
最後に:
この作品の、映像に関するレビューは、書くだけ無粋かなと思いました。
なので、今回は脚本家ウォシャウスキーの手腕という面から『スピード・レーサー』の素晴らしさについて紐解いてみました。
もちろんこれは、作品のほんの一要素に過ぎません。
脚本の構成力に加え、興奮を抑えきれないカッコいい映像、その他もろもろ。
初鑑賞時に、あれだけの感動を味わえたのは、やはり個々の要素の素晴らしさと、組み合わせることによる相乗効果があってこそのものだと思います。
最高にCool beans!(イカしてる!)な作品です!!
最後の最後に:
クリスティーナ・リッチがキュートすぎる。
2008年11月21日金曜日
Blogtitle更新:『Speed Racer』(08/11/21)

タイトル部、更新させてもらいました。
画像元は、今年の初夏に公開された『スピード・レーサー』より。
11月19日にDVDが発売となったので、その記念として更新しました。
最初は↓↓の画像にしようと思ってたのですが、男二人が運営するブログのタイトルにはちょっと・・・と思ったのでとりやめ。
でも最高に良いシーンです。

この作品は、アメリカで公開され、興行的には失敗作と位置づけられてしまっていますが、作品の出来は、決して失敗などではございません!
よく観てください。ホント。
今年これを越える興奮が果たしてあるのか!?と、僕達は声を大にして言いたいですね。
でも大声を出したら近所迷惑なのでそこは控えます。
2008年を代表する作品といえば、歴史的な大ヒットを飾っている『ダークナイト』でしょうけど、僕達は断然『スピードレーサー』を推していきたいと思っています。
確かに稼げなかったけど、そこは『ダークナイト』の興収があるから許してあげてくださいよ、ワーナーさん。
『ゲットスマート』だってヒットしたし、『旅するジーンズと19歳の旅立ち』も、TOP10圏内に何週間か入るという意外な頑張りがあったじゃないですか、ワーナーさん。
あと、『ハリーポッター』が来年に控えてるじゃないですか、ワーナーさん。
目くじら立てずに・・・・ね。
DVDを観た感想は、また別の日に。
2008年11月20日木曜日
梅太@ 予告編:『CORALINE』
この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
今日は、ヘンリー・セリック監督(『NBC』『ジャイアントピーチ』等)のストップ・モーションアニメ最新作『CORALINE』の予告編をご紹介。
ヘンリー・セリックはストップ・モーション界の神とも言われる人でありまして、有名な『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』は、もちろんティム・バートンの原案が無ければ誕生はしませんでしたが、ヘンリー・セリックがいなければ、あそこまでクオリティの高い作品には仕上がらなかったであろうと思います。
最近で言えば、ウェス・アンダーソン監督作品『ライフ・アクアティック』にて、海中生物の造型やストップ・モーションを担当していました。
さて、今回の『CORALINE』ですが、まずは予告編を見ていただきましょう。
こちらが第一予告編
こちらが第二予告編 : 観ていて5回くらい鳥肌が立ちました
ストーリーとしては、主人公の少女が、新しく越してきた家で謎のドアを発見し、そのドアをくぐると、自分の住んでいる世界と似ているようで似ていない世界が広がっていた!というファンタジー。
キャラクター造型というところでいえば、『ジャイアントピーチ』に近いところがありますね。
ティムバートンの『コープス・ブライド』を見たときは、「ストップモーションもここまできたか・・・」と思いました。
でも『CORALINE』はそれとはまた違った魅力があります。
パペットの材質なども関係してくるのでしょうが、ヘンリー・セリックの作るパペットは温かみを感じますね。
そして、人間のさりげない動きというも良く観察しているのだと思います。
特に第二予告編でのお母さんの動き(1:00くらいのところ)なんていうのは、人間かと一瞬本気で思ったほど。
技術的なところはもちろん素晴らしいですけれど、やはりセリック監督の描くファンタジックな世界がたまらなく魅力的でありまして、僕はもう、予告編だけで5回くらい鳥肌が立ちましたよ。
これはもう公開が楽しみです!
日本公開・・・・・されますよね?
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
今日は、ヘンリー・セリック監督(『NBC』『ジャイアントピーチ』等)のストップ・モーションアニメ最新作『CORALINE』の予告編をご紹介。
ヘンリー・セリックはストップ・モーション界の神とも言われる人でありまして、有名な『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』は、もちろんティム・バートンの原案が無ければ誕生はしませんでしたが、ヘンリー・セリックがいなければ、あそこまでクオリティの高い作品には仕上がらなかったであろうと思います。
最近で言えば、ウェス・アンダーソン監督作品『ライフ・アクアティック』にて、海中生物の造型やストップ・モーションを担当していました。
さて、今回の『CORALINE』ですが、まずは予告編を見ていただきましょう。
こちらが第一予告編
こちらが第二予告編 : 観ていて5回くらい鳥肌が立ちました
ストーリーとしては、主人公の少女が、新しく越してきた家で謎のドアを発見し、そのドアをくぐると、自分の住んでいる世界と似ているようで似ていない世界が広がっていた!というファンタジー。
キャラクター造型というところでいえば、『ジャイアントピーチ』に近いところがありますね。
ティムバートンの『コープス・ブライド』を見たときは、「ストップモーションもここまできたか・・・」と思いました。
でも『CORALINE』はそれとはまた違った魅力があります。
パペットの材質なども関係してくるのでしょうが、ヘンリー・セリックの作るパペットは温かみを感じますね。
そして、人間のさりげない動きというも良く観察しているのだと思います。
特に第二予告編でのお母さんの動き(1:00くらいのところ)なんていうのは、人間かと一瞬本気で思ったほど。
技術的なところはもちろん素晴らしいですけれど、やはりセリック監督の描くファンタジックな世界がたまらなく魅力的でありまして、僕はもう、予告編だけで5回くらい鳥肌が立ちましたよ。
これはもう公開が楽しみです!
日本公開・・・・・されますよね?
2008年11月18日火曜日
梅太@ DVD:『ステイ』
この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
この記事はネタバレを含んでいますのでご注意を
全世界に先駆けイギリスで公開され、先週末に全米公開。見事一位を獲得した『007慰めの報酬』。
007シリーズでは異例となる続編作品の監督を務めるのはマーク・フォースターです。
そして先週、フォースター監督の『ステイ』を久々に見ました。
『ステイ』は05年に公開され、僕は公開日に観にいったのですが、そのなんとも不思議な世界観が魅力的でした。
ただストーリーという部分においては理解できない部分が多かったのを覚えています。
結局は自分なりに肉付けをして、一段落させていましたね。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ストーリー:
精神科医として確かな実績をもつサム(ユアン・マクレガー)は、ある日不思議な青年ヘンリー(ライアン・ゴズリング)に出会う。
その日の天気は晴天であったが、ヘンリーは「今日は雹が降るね」と言い残し、サムのもとを去る。その予言はあたる。
その日以降、ヘンリーの奇怪な行動にサムは驚くばかり。
またそれに伴い、サムの周囲の人物にも異変がおきはじめる。
それはヘンリーのせいなのか。ヘンリーとはいったい何者なのか。
なぜヘンリーは、サムのもとへ訪れたのか。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
この作品はあまりにも謎の要素が多いため、上映終了後にスクリーンに映し出されるキーワードをHPで入力すると、数々のヒントを与えてくれるという面白いことをやっていました。
そのヒントを改めて見てみると、「なるほど!」と思うこともあれば、「いや、それはちがうんじゃ・・・」と思うこともあります。
しかしあくまで一つの見方として、見ておくのも良いのかもしれません。
HPはコチラ。
キーワードはさすがに公表できないですが、ヒントは「米国でもっとも古い吊り橋」です。劇中にも登場します。
まずこの作品で魅了されるところは、マーク・フォースターの独特なカメラワークと流麗なシーン切り替えでしょう。
フォースター監督作『ネバーランド』では、劇中登場するシアター内でのカメラワークが綺麗でした。
この作品では綺麗というよりも、面白いと言う方が合っているように思います。
(例えば交通事故の車の横転を、その車のタイヤの目線で捕らえたりなど)
改めて見ると、かなり面白いことをやっているので、ストーリーのすべてが理解できなくとも観る価値は十分にあると思います。
このカメラワークが、『007』というスパイアクションで活用されるとなると、それだけで期待してしまいますね。
僕はといえば、『慰めの報酬』の予告編で「おぉ!」と思ってしまうカメラワークがあったので、ここでご紹介。
↓↓↓↓↓↓ 1:15くらいのところです ↓↓↓↓↓↓
ストーリーというところで言うと、前述したように難解です。
ですが、ある一つのキーワードをもとに場面をおさらいしていくと、案外すんなりと受け入れられる作品でもあります。
そのキーワードは、
「何が現実で、何が夢なのか」
ラストを明かしてしまいますと、上映時間中の約90分間は、実は交通事故にあったヘンリーの、死に際に見た夢であることがわかります。
また、この夢の中に出てくる人物は、その事故現場を見に来ていた人たち。
特にサムとライラ(ナオミ・ワッツ)は、事故にあったヘンリーを介抱してくれた人物(一番近くにいた人物)ということで、ヘンリーが見る夢の中でも重要な人物として位置づけられています。
さて、夢だから不思議なことばかりおきてたのか・・・と片付けてしまえばそれまでなのですが、ヘンリーが息を引き取り、事故現場も一段落した後、サムはある奇妙な感覚に襲われるのです。
サムとライラは、ヘンリーの夢の中では恋人同士として描かれていますが、現実世界では事故現場に偶然居合わせただけで、初対面。
しかしサムには、ライラを見た瞬間に、ヘンリーが見ていたはずの映像(夢)が自分の頭の中にフラッシュバックしてくるのです。
恐らく『ステイ』で一番難解であり、一番観客を困惑させた要素は、このラストシーンであると思います。
現実と夢の違いとは何でしょうか。
起きている間に感じているのが現実で、寝ているときに感じるのが夢。
しかし現実というものは、結局は脳の中で都合の良いように構成されている世界で、夢というものと別段違いは無いのかもしれません。
夢を見ていて、時には「これは夢だ」と認識する場合もありますが、大抵は夢だと気付きません。
怖い夢を見ていると、本当にその体験をしているように感じてしまいます。
いくら夢といえど、観ている最中は、それが現実と認識してしまうかもしれません。
現実と夢。はっきりとした線引きはできません。
その曖昧さを描いたのがこの『ステイ』であり、現実世界で生きているということを疑ったことも無いサムが見た最後のフラッシュバックは、
「では果たして、ヘンリーが今まで見ていたのは夢だ、とはっきり言い切れますか?」
という意味が含まれているように思います。
------------------------------------------
以上。
マーク・フォースター監督が作る映画は、今まで体験したことの無いような感覚にさせてくれるものが多いですね。
『君のためなら千回でも』は未見ですけど、『慰めの報酬』が公開される前にはチェックしておきたいです。
では『ステイ』での面白いシーン切り替えについて、予告編内の一例を挙げることで、今日の締めとしたいと思います。
↓↓↓↓↓↓ 1:30くらいのところです ↓↓↓↓↓↓
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
この記事はネタバレを含んでいますのでご注意を
全世界に先駆けイギリスで公開され、先週末に全米公開。見事一位を獲得した『007慰めの報酬』。
007シリーズでは異例となる続編作品の監督を務めるのはマーク・フォースターです。
そして先週、フォースター監督の『ステイ』を久々に見ました。
『ステイ』は05年に公開され、僕は公開日に観にいったのですが、そのなんとも不思議な世界観が魅力的でした。
ただストーリーという部分においては理解できない部分が多かったのを覚えています。
結局は自分なりに肉付けをして、一段落させていましたね。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ストーリー:
精神科医として確かな実績をもつサム(ユアン・マクレガー)は、ある日不思議な青年ヘンリー(ライアン・ゴズリング)に出会う。
その日の天気は晴天であったが、ヘンリーは「今日は雹が降るね」と言い残し、サムのもとを去る。その予言はあたる。
その日以降、ヘンリーの奇怪な行動にサムは驚くばかり。
またそれに伴い、サムの周囲の人物にも異変がおきはじめる。
それはヘンリーのせいなのか。ヘンリーとはいったい何者なのか。
なぜヘンリーは、サムのもとへ訪れたのか。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
この作品はあまりにも謎の要素が多いため、上映終了後にスクリーンに映し出されるキーワードをHPで入力すると、数々のヒントを与えてくれるという面白いことをやっていました。
そのヒントを改めて見てみると、「なるほど!」と思うこともあれば、「いや、それはちがうんじゃ・・・」と思うこともあります。
しかしあくまで一つの見方として、見ておくのも良いのかもしれません。
HPはコチラ。
キーワードはさすがに公表できないですが、ヒントは「米国でもっとも古い吊り橋」です。劇中にも登場します。
まずこの作品で魅了されるところは、マーク・フォースターの独特なカメラワークと流麗なシーン切り替えでしょう。
フォースター監督作『ネバーランド』では、劇中登場するシアター内でのカメラワークが綺麗でした。
この作品では綺麗というよりも、面白いと言う方が合っているように思います。
(例えば交通事故の車の横転を、その車のタイヤの目線で捕らえたりなど)
改めて見ると、かなり面白いことをやっているので、ストーリーのすべてが理解できなくとも観る価値は十分にあると思います。
このカメラワークが、『007』というスパイアクションで活用されるとなると、それだけで期待してしまいますね。
僕はといえば、『慰めの報酬』の予告編で「おぉ!」と思ってしまうカメラワークがあったので、ここでご紹介。
↓↓↓↓↓↓ 1:15くらいのところです ↓↓↓↓↓↓
ストーリーというところで言うと、前述したように難解です。
ですが、ある一つのキーワードをもとに場面をおさらいしていくと、案外すんなりと受け入れられる作品でもあります。
そのキーワードは、
「何が現実で、何が夢なのか」
ラストを明かしてしまいますと、上映時間中の約90分間は、実は交通事故にあったヘンリーの、死に際に見た夢であることがわかります。
また、この夢の中に出てくる人物は、その事故現場を見に来ていた人たち。
特にサムとライラ(ナオミ・ワッツ)は、事故にあったヘンリーを介抱してくれた人物(一番近くにいた人物)ということで、ヘンリーが見る夢の中でも重要な人物として位置づけられています。
さて、夢だから不思議なことばかりおきてたのか・・・と片付けてしまえばそれまでなのですが、ヘンリーが息を引き取り、事故現場も一段落した後、サムはある奇妙な感覚に襲われるのです。
サムとライラは、ヘンリーの夢の中では恋人同士として描かれていますが、現実世界では事故現場に偶然居合わせただけで、初対面。
しかしサムには、ライラを見た瞬間に、ヘンリーが見ていたはずの映像(夢)が自分の頭の中にフラッシュバックしてくるのです。
恐らく『ステイ』で一番難解であり、一番観客を困惑させた要素は、このラストシーンであると思います。
現実と夢の違いとは何でしょうか。
起きている間に感じているのが現実で、寝ているときに感じるのが夢。
しかし現実というものは、結局は脳の中で都合の良いように構成されている世界で、夢というものと別段違いは無いのかもしれません。
夢を見ていて、時には「これは夢だ」と認識する場合もありますが、大抵は夢だと気付きません。
怖い夢を見ていると、本当にその体験をしているように感じてしまいます。
いくら夢といえど、観ている最中は、それが現実と認識してしまうかもしれません。
現実と夢。はっきりとした線引きはできません。
その曖昧さを描いたのがこの『ステイ』であり、現実世界で生きているということを疑ったことも無いサムが見た最後のフラッシュバックは、
「では果たして、ヘンリーが今まで見ていたのは夢だ、とはっきり言い切れますか?」
という意味が含まれているように思います。
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以上。
マーク・フォースター監督が作る映画は、今まで体験したことの無いような感覚にさせてくれるものが多いですね。
『君のためなら千回でも』は未見ですけど、『慰めの報酬』が公開される前にはチェックしておきたいです。
では『ステイ』での面白いシーン切り替えについて、予告編内の一例を挙げることで、今日の締めとしたいと思います。
↓↓↓↓↓↓ 1:30くらいのところです ↓↓↓↓↓↓
2008年11月16日日曜日
ゲン@ 劇場:『DISCO ディスコ』
ゲンです。
本日(11/15)公開の新作を3本連続で鑑賞してきました。
■『DISCO ディスコ』@シャンテ・シネ(11/15鑑賞)
フランスの港町に暮らす中年3人組が、ダンス大会を目指し悪戦苦闘する大人向けのコメディー。
一人息子とのバカンスのため、今は見る影もない元・ディスコキングが仲間たちと一念発起する。
現在24歳の僕ですが、実は80年代のディスコサウンドが大好きです♪
「恋のナイトフィーバー」とか「セプテンバー」とか大好きなんですw
それに加えて、いい歳したオヤジさんの青春カムバック映画も大好きなんで、予告編のBGMを聞いただけで、初日に観に行くのを決意!
無事に初日の初回に観に行ってきました。
最高にクールなオヤジたち! 彼らの青春は終わらない!
もー分かりきってたことですが、BGMがイイですわー♪
ずっとディスコサウンドでノリノリ♪
気づくと、身体がリズムを刻んでますw
それだけで十分に合格点です!
ストーリーですが、離婚をし、仕事にも失敗して、何もかも失ったオヤジさんが、息子との海外旅行を目当てに、ディスコで開かれるダンス大会にかつての仲間達と挑戦していく、オヤジ青春コメディ。
この主人公の「オヤジ具合」ってのが絶妙!
髪型もリーゼント風で、青春の輝きを全く捨て切れてない人w
端から若いヤツに負ける気なんてさらさらなく、身体だってまだまだ十分に動けますw
そんなリーダーの頼みに負け、始めは消極的だったかつてのメンバーも、徐々にやる気を見せ、ダンス大会の予選に挑戦します。
若いダンサーに負けないくらいに激しいダンスを披露する彼らですが、審査員の口から出て来た言葉は「時代遅れ」
そんな言葉にも負けない彼らは、新しいダンスの振り付けを覚えるため、女性のインストラクターを雇います。
この振り付けの先生役の女優さんが凄くキュート!!!
パンフで確認したら、すでに40歳を越えてるみたいなんですが、全く年齢を感じさせない可愛らしさで、アヒル口が激ツボ!w
予告編で観たときは、『アメリ』『プライスレス』のオドレイ・トトゥかと思いましたw
新しい振り付けを身につけ、いよいよダンス大会決勝の舞台へ。
そのダンスシーンの盛り上がりがホントに最高!!!
ギラギラの衣装を身に纏ったオヤジさんたちが、フロア狭しと暴れまわっております!
展開は言ってしまえば、かなりベタです。
しかししかし、分かってるんだけど「頑張れ!」って応援したくなってしまいます!
今年2月に観た『団塊ボーイズ』にも通じるモノがありますが、アチラがハーレーや喧嘩とワイルドだったのに対し、コチラはノリノリでクール♪
「オヤジ青春モノ」ってのは、僕の中で鉄板のようですw
青春をあきらめきれないオヤジたち!
でも、そこがクール! そこがカッコイイ!
ディスコサウンドが大好きな方にもオススメです!
本日(11/15)公開の新作を3本連続で鑑賞してきました。
■『DISCO ディスコ』@シャンテ・シネ(11/15鑑賞)
フランスの港町に暮らす中年3人組が、ダンス大会を目指し悪戦苦闘する大人向けのコメディー。
一人息子とのバカンスのため、今は見る影もない元・ディスコキングが仲間たちと一念発起する。
現在24歳の僕ですが、実は80年代のディスコサウンドが大好きです♪
「恋のナイトフィーバー」とか「セプテンバー」とか大好きなんですw
それに加えて、いい歳したオヤジさんの青春カムバック映画も大好きなんで、予告編のBGMを聞いただけで、初日に観に行くのを決意!
無事に初日の初回に観に行ってきました。
最高にクールなオヤジたち! 彼らの青春は終わらない!
もー分かりきってたことですが、BGMがイイですわー♪
ずっとディスコサウンドでノリノリ♪
気づくと、身体がリズムを刻んでますw
それだけで十分に合格点です!
ストーリーですが、離婚をし、仕事にも失敗して、何もかも失ったオヤジさんが、息子との海外旅行を目当てに、ディスコで開かれるダンス大会にかつての仲間達と挑戦していく、オヤジ青春コメディ。
この主人公の「オヤジ具合」ってのが絶妙!
髪型もリーゼント風で、青春の輝きを全く捨て切れてない人w
端から若いヤツに負ける気なんてさらさらなく、身体だってまだまだ十分に動けますw
そんなリーダーの頼みに負け、始めは消極的だったかつてのメンバーも、徐々にやる気を見せ、ダンス大会の予選に挑戦します。
若いダンサーに負けないくらいに激しいダンスを披露する彼らですが、審査員の口から出て来た言葉は「時代遅れ」
そんな言葉にも負けない彼らは、新しいダンスの振り付けを覚えるため、女性のインストラクターを雇います。
この振り付けの先生役の女優さんが凄くキュート!!!
パンフで確認したら、すでに40歳を越えてるみたいなんですが、全く年齢を感じさせない可愛らしさで、アヒル口が激ツボ!w
予告編で観たときは、『アメリ』『プライスレス』のオドレイ・トトゥかと思いましたw
新しい振り付けを身につけ、いよいよダンス大会決勝の舞台へ。
そのダンスシーンの盛り上がりがホントに最高!!!
ギラギラの衣装を身に纏ったオヤジさんたちが、フロア狭しと暴れまわっております!
展開は言ってしまえば、かなりベタです。
しかししかし、分かってるんだけど「頑張れ!」って応援したくなってしまいます!
今年2月に観た『団塊ボーイズ』にも通じるモノがありますが、アチラがハーレーや喧嘩とワイルドだったのに対し、コチラはノリノリでクール♪
「オヤジ青春モノ」ってのは、僕の中で鉄板のようですw
青春をあきらめきれないオヤジたち!
でも、そこがクール! そこがカッコイイ!
ディスコサウンドが大好きな方にもオススメです!
2008年11月15日土曜日
梅太@ DVD:『インベーション』
この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
今日の記事ははネタバレを含みますのでご注意を。
ご紹介するのは、SFサスペンス『インベーション』。
監督は『es』のオリヴァー・ヒルシュビーゲル。
主演はニコール・キッドマンとダニエル・グレイグです。
以前調べたところによると、ウォシャウスキー兄弟が関わっているという事なのでレンタルしてみましたが、あまり公には関わっていないようですね。
製作会社(ワーナー)側からの要請で、すこし絡んだ程度らしいです。
そこはさておきまして、『es』で緊張感溢れる作品を提供したオリヴァー監督らしく、上映時間99分間かなりドキドキさせられました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ストーリー:
NASAの打ち上げたスペースシャトルが地球へ帰還中、事故により大気圏内で爆発をおこしてしまう。
スペースシャトルの破片は散り散りになり、破片からは新種のウィルスが発見される。
精神科医のキャロル(ニコール・キッドマン)は、暴力亭主による被害を受けている患者の診察を行っていたが、その患者から「夫がまるで別人になってしまった」ということを耳にする。
その日からキャロルの身の回りの人々にも、異変がおきはじめ・・・
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
いきなりネタバレですが、結局のところ、シャトルの破片に付着した新種のウィルスによって街の人々に異変がおきるわけです。
タイトルである「インヴェーション-invasion」とは「侵入」という意味で、人々の体内にこのウィルスが侵入することで、どういう影響が出てしまうのかというのが、話の筋であります。
そこは、誰でも推測できてしまうところでありまして・・・
しかし先にも書いたように、この映画は、劇中の緊張感が非常に高いのです。
感染者の特徴は、感情を出さないこと。何に関しても無関心であること。
日に日に感染者は増えていくのですが、感染者は次の感染者を常に狙っています。
主人公であるキャロルは、自分が非感染者であることを隠すため、感染者を装いますが、街を歩いていると常に感染者から監視の目が注がれます。
そんな街の描写がとても恐ろしく、緊張感を煽る演出となっています。
努力もむなしく、キャロルもウィルスに感染してしまいますが、このウィルスは感染されただけでは別段問題はなく、レム睡眠に入ることで、突如活発に動き出します。
眠らなければ、発症は防げるわけです。
その事実が判明した後、キャロルは睡魔との熾烈な闘いを繰り広げます。
寝てはいけない・・・寝てはいけない・・・・その心境もまた、緊張感を煽ります。
恋人であり、ウィルス抑制のワクチンを作成する手助けをしてくれるベン(ダニエル・グレイグ)ですが、彼もまた、終盤でウィルスに感染します。
そこで、ウィルス感染による人類への影響について、一つの見解を示します。
このウィルスに感染すると、人々は感情を表に出しません。
しかし同時に、他者との衝突、争いもおきない。
世界各地で争いがあり、無駄な死傷者を出している現在からすれば、ありがたいことではないか!怖がることはない。君も仲間に!
そう説くベンに、キャロルは必死に抵抗をします。
なんやかんやあって(適当ですいません)、結局はワクチンが生成され、世界中に配布され、ウィルスもなりを潜めます。
約90分引っ張ってきたわりに、ラストがあっけない印象を受けましたが、最後にこんなナレーションが入ります。
「争いがなくなったら、それは果たして人間と言えるのだろうか」
過去におきた世界大戦や、最近のイラク紛争。人間の歴史には、争いが耐えません。
地球上に存在する生物のなかで、こんな争いをしているのは、人間だけです。
このナレーションは、争いをしよう!それが人間たる由縁だ!と、そういうことを言っているわけではなく、人間の争いの歴史を痛烈に批判しているわけです。
なるほど、なかなかうまいことをおっしゃるね。
結局あのウィルスはなんだったのか。(意思をもってるとかなんとか前半で言ってたような・・・?)
政府に隔離された人々はどうなったのか。
キャロルに銃殺されたコンビニの店員は無駄死にじゃないか。
というよりキャロルはただの精神科医なのに、なぜそんなにも銃の扱いや車の運転がうまいんだ。
それらが頭の隅から離れませんが、最後のナレーションを頼りに紐解くと、この作品の言いたいことはわかってくるように思います。
逆に言えば、最後のナレーションがなければ、何を意味しているのかよくわからない、ただのドタバタパニックです。
というわけで、映画は最後まで観ましょうね!というのが今日のまとめです。
いえ、ウソです。
サスペンス映画というのは、時に難解すぎたり、伏線を気にしすぎて意識が散漫し、意味がわからなくなってしまうときがあります。
そんな時は劇中のある一言から読み解くと、意外にも筋が通った作品であることがわかったりします。
でもその一言を見つけるためには、意識を集中させていなければならないし、製作者側は、観客が集中を維持できるような演出をしなければならないものです。
その点、オリヴァー監督の演出は満点かな。と、思いました。
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今日の記事ははネタバレを含みますのでご注意を。
ご紹介するのは、SFサスペンス『インベーション』。
監督は『es』のオリヴァー・ヒルシュビーゲル。
主演はニコール・キッドマンとダニエル・グレイグです。
以前調べたところによると、ウォシャウスキー兄弟が関わっているという事なのでレンタルしてみましたが、あまり公には関わっていないようですね。
製作会社(ワーナー)側からの要請で、すこし絡んだ程度らしいです。
そこはさておきまして、『es』で緊張感溢れる作品を提供したオリヴァー監督らしく、上映時間99分間かなりドキドキさせられました。
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ストーリー:
NASAの打ち上げたスペースシャトルが地球へ帰還中、事故により大気圏内で爆発をおこしてしまう。
スペースシャトルの破片は散り散りになり、破片からは新種のウィルスが発見される。
精神科医のキャロル(ニコール・キッドマン)は、暴力亭主による被害を受けている患者の診察を行っていたが、その患者から「夫がまるで別人になってしまった」ということを耳にする。
その日からキャロルの身の回りの人々にも、異変がおきはじめ・・・
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いきなりネタバレですが、結局のところ、シャトルの破片に付着した新種のウィルスによって街の人々に異変がおきるわけです。
タイトルである「インヴェーション-invasion」とは「侵入」という意味で、人々の体内にこのウィルスが侵入することで、どういう影響が出てしまうのかというのが、話の筋であります。
そこは、誰でも推測できてしまうところでありまして・・・
しかし先にも書いたように、この映画は、劇中の緊張感が非常に高いのです。
感染者の特徴は、感情を出さないこと。何に関しても無関心であること。
日に日に感染者は増えていくのですが、感染者は次の感染者を常に狙っています。
主人公であるキャロルは、自分が非感染者であることを隠すため、感染者を装いますが、街を歩いていると常に感染者から監視の目が注がれます。
そんな街の描写がとても恐ろしく、緊張感を煽る演出となっています。
努力もむなしく、キャロルもウィルスに感染してしまいますが、このウィルスは感染されただけでは別段問題はなく、レム睡眠に入ることで、突如活発に動き出します。
眠らなければ、発症は防げるわけです。
その事実が判明した後、キャロルは睡魔との熾烈な闘いを繰り広げます。
寝てはいけない・・・寝てはいけない・・・・その心境もまた、緊張感を煽ります。
恋人であり、ウィルス抑制のワクチンを作成する手助けをしてくれるベン(ダニエル・グレイグ)ですが、彼もまた、終盤でウィルスに感染します。
そこで、ウィルス感染による人類への影響について、一つの見解を示します。
このウィルスに感染すると、人々は感情を表に出しません。
しかし同時に、他者との衝突、争いもおきない。
世界各地で争いがあり、無駄な死傷者を出している現在からすれば、ありがたいことではないか!怖がることはない。君も仲間に!
そう説くベンに、キャロルは必死に抵抗をします。
なんやかんやあって(適当ですいません)、結局はワクチンが生成され、世界中に配布され、ウィルスもなりを潜めます。
約90分引っ張ってきたわりに、ラストがあっけない印象を受けましたが、最後にこんなナレーションが入ります。
「争いがなくなったら、それは果たして人間と言えるのだろうか」
過去におきた世界大戦や、最近のイラク紛争。人間の歴史には、争いが耐えません。
地球上に存在する生物のなかで、こんな争いをしているのは、人間だけです。
このナレーションは、争いをしよう!それが人間たる由縁だ!と、そういうことを言っているわけではなく、人間の争いの歴史を痛烈に批判しているわけです。
なるほど、なかなかうまいことをおっしゃるね。
結局あのウィルスはなんだったのか。(意思をもってるとかなんとか前半で言ってたような・・・?)
政府に隔離された人々はどうなったのか。
キャロルに銃殺されたコンビニの店員は無駄死にじゃないか。
というよりキャロルはただの精神科医なのに、なぜそんなにも銃の扱いや車の運転がうまいんだ。
それらが頭の隅から離れませんが、最後のナレーションを頼りに紐解くと、この作品の言いたいことはわかってくるように思います。
逆に言えば、最後のナレーションがなければ、何を意味しているのかよくわからない、ただのドタバタパニックです。
というわけで、映画は最後まで観ましょうね!というのが今日のまとめです。
いえ、ウソです。
サスペンス映画というのは、時に難解すぎたり、伏線を気にしすぎて意識が散漫し、意味がわからなくなってしまうときがあります。
そんな時は劇中のある一言から読み解くと、意外にも筋が通った作品であることがわかったりします。
でもその一言を見つけるためには、意識を集中させていなければならないし、製作者側は、観客が集中を維持できるような演出をしなければならないものです。
その点、オリヴァー監督の演出は満点かな。と、思いました。
ゲン@ 劇場:『ヤング@ハート』
ゲンです。
『マルタのやさしい刺繍』に続きまして、またまた元気なお年寄りの映画です。
■『ヤング@ハート』@有楽町シネカノン2丁目(11/14鑑賞)
米国で活躍する平均年齢80歳のコーラス隊“ヤング@ハート”の活動を追った音楽ドキュメンタリー。
年に1度のコンサートに向けて、ソニック・ユースやボブ・ディランの曲を練習するメンバーたちの様子を、ドキュメンタリー作家として活躍するスティーヴン・ウォーカー監督が映し出す。
予告編を観てずっときになってましたが、先日観た『マルタのやさしい刺繍』の素晴らしさに、そして梅太くんにw、背中を押される形で劇場に行ってきました。
号泣! 鼻水ジュックジュク! 生きることって素晴らしい!
いんやー泣いた泣いたw
評判は聞いてましたし、どう転んでも素晴らしい作品なのは分かってましたけど、案の定ヤラれましたよ・・・
そもそも「ドキュメンタリー」ってジャンルは、どちらかというと苦手なんです。
取り上げられているテーマに興味がないと、どんなに素晴らしい事実でもあんまり心が動かないんで・・・
ですが、この作品で取り上げられているのは、誰でも経験があるであろう「合唱」、それも平均年齢80歳にもなるお年寄りのコーラス隊です。
しかも歌う曲は、賛美歌やクラシックなんじゃなく、デビッド・ボウイ、ボブ・ディラン、コールドプレイといった、ロックやポップスの曲ばかりw
そんなノリのいい曲を、一生懸命に練習して歌い上げます。
コーラス隊のメンバーは、元々舞台や音楽関係の出身者が多いとは言え、80歳にもなるので声質や声量が十分にあるワケでもなく、決して「上手」という感じではありません。
しかし、哀愁のある表情から発せられる少しカスレた歌声には、とんでもなく強いエネルギーを確かに感じました。
彼らには若い人達にも負けない明るさと元気、何より老いてなお、仲間と共に一つの事をやり遂げようとする気力がみなぎっていました。
コーラス隊の主催者であり指揮者・指導者でもボブ・シルマンは、相手がお年寄りだからといって、コーラス指導の手を緩めることは一切ありません。
リズムや音程が合っていなければ厳しく指導し、何度も繰り返しても進歩が見られなければ、「もうこの曲はやらなくてもいいんだぞ!」と強い口調で檄を飛ばします。
そんな厳しい指導にもメンバーは一切ひるむ事無く、全力で自分の力を発揮していきます。
そして徐々にですが、歌詞を覚え、リズムを覚え、音程を覚え、最後には完璧に歌い上げられるまでに成長していきます。
その過程が凄く素晴らしいのは当然なんですが、何よりどんなに厳しい事を言われようと、笑顔で乗り越えていくメンバーが本当に素敵でした。
何度も驚かされるのが、メンバーの明るさと力強さ。
年に一度のコンサートの本番一週間前、そして本番の2日前に苦楽を共にしてきた2人のメンバーが病気で亡くなりますが、悲しみに浸る間もなく、残ったメンバーは本番に向けて練習を続けます。
「悲しんでるんじゃなく、本番に向けて頑張って欲しいと彼らも天国で思ってるはず・・・だって、私もそうして欲しいもの!」
と、笑顔で語るメンバー。
本当に強いなぁって思いました。
それ以外でも、ふとした瞬間にとてつもない深い意味の言葉を語られ、歌っていない時でもメンバーの魅力を常に感じられました。
過去に何度も辛い別れを経験してきたと語る主催者のボブ。
確かにメンバーがメンバーだけに、長年続けていればこんなことは沢山あるだろうけど、だとするとそれでも毎日本番に向けて練習しているメンバーってのは、恐ろしく心が強く、元気なんじゃないのかと思いました。
また歌われる曲ですが、ロックな曲調ですが、メンバーは皆、歌詞をとても重要視していて、意味を自分達なりに理解し、しっかりと心を込めて歌っているのがとても印象的でした。
同じ歌詞でも、「人生はまだまだ長いんだ」なんて歌詞を80歳を超えたお年寄りに言われると、意味がちょっと変わってきて、とても感慨深かかったです。
ドキュメンタリーなので、本番までの7週間の事実を追っていくのですが、途中途中で「ヤング@ハート」の歌に合わせてメンバーが出演する「プロモーションビデオ」のような映像が何度も入ります。
これもなかなか良かったです・・・
ビージーズ「ステイン・アライブ」のビデオなんかは、少しテンポを落とした(お年寄り仕様w)のディスコサウンドに合わせて、メンバーがノリノリで踊っていて、とても可愛らしかったですw
泣いて、笑って、感動して・・・
世界で一番カッコいい、イカしたロック・コーラス隊!
彼らに元気をもらえます!
『マルタのやさしい刺繍』に続きまして、またまた元気なお年寄りの映画です。
■『ヤング@ハート』@有楽町シネカノン2丁目(11/14鑑賞)
米国で活躍する平均年齢80歳のコーラス隊“ヤング@ハート”の活動を追った音楽ドキュメンタリー。
年に1度のコンサートに向けて、ソニック・ユースやボブ・ディランの曲を練習するメンバーたちの様子を、ドキュメンタリー作家として活躍するスティーヴン・ウォーカー監督が映し出す。
予告編を観てずっときになってましたが、先日観た『マルタのやさしい刺繍』の素晴らしさに、そして梅太くんにw、背中を押される形で劇場に行ってきました。
号泣! 鼻水ジュックジュク! 生きることって素晴らしい!
いんやー泣いた泣いたw
評判は聞いてましたし、どう転んでも素晴らしい作品なのは分かってましたけど、案の定ヤラれましたよ・・・
そもそも「ドキュメンタリー」ってジャンルは、どちらかというと苦手なんです。
取り上げられているテーマに興味がないと、どんなに素晴らしい事実でもあんまり心が動かないんで・・・
ですが、この作品で取り上げられているのは、誰でも経験があるであろう「合唱」、それも平均年齢80歳にもなるお年寄りのコーラス隊です。
しかも歌う曲は、賛美歌やクラシックなんじゃなく、デビッド・ボウイ、ボブ・ディラン、コールドプレイといった、ロックやポップスの曲ばかりw
そんなノリのいい曲を、一生懸命に練習して歌い上げます。
コーラス隊のメンバーは、元々舞台や音楽関係の出身者が多いとは言え、80歳にもなるので声質や声量が十分にあるワケでもなく、決して「上手」という感じではありません。
しかし、哀愁のある表情から発せられる少しカスレた歌声には、とんでもなく強いエネルギーを確かに感じました。
彼らには若い人達にも負けない明るさと元気、何より老いてなお、仲間と共に一つの事をやり遂げようとする気力がみなぎっていました。
コーラス隊の主催者であり指揮者・指導者でもボブ・シルマンは、相手がお年寄りだからといって、コーラス指導の手を緩めることは一切ありません。
リズムや音程が合っていなければ厳しく指導し、何度も繰り返しても進歩が見られなければ、「もうこの曲はやらなくてもいいんだぞ!」と強い口調で檄を飛ばします。
そんな厳しい指導にもメンバーは一切ひるむ事無く、全力で自分の力を発揮していきます。
そして徐々にですが、歌詞を覚え、リズムを覚え、音程を覚え、最後には完璧に歌い上げられるまでに成長していきます。
その過程が凄く素晴らしいのは当然なんですが、何よりどんなに厳しい事を言われようと、笑顔で乗り越えていくメンバーが本当に素敵でした。
何度も驚かされるのが、メンバーの明るさと力強さ。
年に一度のコンサートの本番一週間前、そして本番の2日前に苦楽を共にしてきた2人のメンバーが病気で亡くなりますが、悲しみに浸る間もなく、残ったメンバーは本番に向けて練習を続けます。
「悲しんでるんじゃなく、本番に向けて頑張って欲しいと彼らも天国で思ってるはず・・・だって、私もそうして欲しいもの!」
と、笑顔で語るメンバー。
本当に強いなぁって思いました。
それ以外でも、ふとした瞬間にとてつもない深い意味の言葉を語られ、歌っていない時でもメンバーの魅力を常に感じられました。
過去に何度も辛い別れを経験してきたと語る主催者のボブ。
確かにメンバーがメンバーだけに、長年続けていればこんなことは沢山あるだろうけど、だとするとそれでも毎日本番に向けて練習しているメンバーってのは、恐ろしく心が強く、元気なんじゃないのかと思いました。
また歌われる曲ですが、ロックな曲調ですが、メンバーは皆、歌詞をとても重要視していて、意味を自分達なりに理解し、しっかりと心を込めて歌っているのがとても印象的でした。
同じ歌詞でも、「人生はまだまだ長いんだ」なんて歌詞を80歳を超えたお年寄りに言われると、意味がちょっと変わってきて、とても感慨深かかったです。
ドキュメンタリーなので、本番までの7週間の事実を追っていくのですが、途中途中で「ヤング@ハート」の歌に合わせてメンバーが出演する「プロモーションビデオ」のような映像が何度も入ります。
これもなかなか良かったです・・・
ビージーズ「ステイン・アライブ」のビデオなんかは、少しテンポを落とした(お年寄り仕様w)のディスコサウンドに合わせて、メンバーがノリノリで踊っていて、とても可愛らしかったですw
泣いて、笑って、感動して・・・
世界で一番カッコいい、イカしたロック・コーラス隊!
彼らに元気をもらえます!
2008年11月13日木曜日
ゲン@ 劇場:『センター・オブ・ジ・アース』
ゲンです。
今週は早番なので朝3時半に起きてるんですが、ものすごく寒いですね・・・
■『センター・オブ・ジ・アース』@TOHOシネマズ六本木(10/26鑑賞)
ジュール・ヴェルヌ原作の有名冒険小説「地底旅行」を、『ハムナプトラ』シリーズのブレンダン・ブレイザー主演で映画化。
しかもこの作品は、大作系の実写映画としては過去最大規模の3D上映。
ちなみに、同原作を元に作られたTDSのアトラクションが有名ですが、この作品自体にディズニーは全く絡んでおりません。
作品が作品だけに、内容よりも3D上映を楽しみに観に行ってきました。
うーん・・・これで座席が動けばもっともっと楽しいでしょうねw
まず3D上映についてですが、よくテーマーパークなんかで使われるメガネをかけて作品を観ます。
まぁ、これに関しては特に違和感は感じず、確かに飛び出してるよなぁくらいの感想ですw
テーマパークとかに行きなれてる人なら、そこまでの感動は感じないかもw
よくあるような「ボールが目の前に飛んでくる!」みたいな、3D上映を意識したカットが数多くありますが、そこまでウザったくもならない程度だったかと。
あまりそういうカットが多いとイライラしますから、その辺の度合いはちょうど良かったと思います。
むしろ「飛び出してくる」という表現よりも、「奥行きを感じる」っていうカットの方が良かったと思います。
特に地底の大きく広々とした空間や、深い谷底や高い崖を見上げるシーンでの演出がより強調され、迫力のある映像になっていたと思います。
俳優ですが、主演のブレンダン・ブレイザーはやっぱり良いですね。
『クラッシュ』を観てから、コメディだけでなくドラマも演じられる好きな俳優の一人ですが、今回も名に恥じぬシッカリとした演技力はありました。
ただ、観たのが吹き替え版だったのですよ・・・
字幕を表示する関係があるのだと思うんですが、3D上映をしてる劇場のほとんどが吹き替え版なんですよね・・・
普段は洋画の吹き替えなんて、絶対に劇場では観ない人間なんですが、3D上映のために泣く泣く吹き替えで観てきました。
で、ブレンダンの声を当ててるのが、沢村一樹さん・・・
いや、沢村さん自体は好きな俳優だけど(セクスィー部長とかw)、ブレンダンの声にしてはちょっと高めでして、ものすごく違和感を感じました・・・
合ってない上に、テンションの起伏の表現もド下手で、芸の細かいブレンダンの演技に当てるには、酷すぎる配役だったと思います・・・
ただ、意外だったのが、ヒロインの声を当てていた矢口真里。
吹き替えの配役を聞いた時には、沢村さん以上に疑問を感じていましたが、キャラクタとしての表現がしっかりとされていて、ほとんど違和感を感じませんでした。
うーん・・・こんなこともあるんだな・・・
3D上映ありきの作品ですので、ストーリーに質を求めてませんでしたが、つまらない!と一蹴するほどでもないので、一応合格点かと。
だからと言って、飛び出して見えるのが90分も続けば、後半は慣れてきちゃって感動はドンドン薄くなると思いますけどw
ハリウッドの流れとしては、今後も3D上映を想定した撮影は、どんどん増えていく予定だそうです。
ただ「3Dありき」で作られた映画が、ヒットし続けるとは到底思えませんので、ひとつの映像技術として抑えていてもらいたいですかね?
『ダークナイト』くらいのレベルの作品が、3Dで観れたら感動するだろうけどw
同時に日本の配給会社としては、吹き替え問題も同時に考え直していただきたいですね。
日本の観客も、そこまでバカじゃないですからね。
余談ですが、個人的に一番感動した3Dのカットは、「ニューシネマラインのロゴ」でしたw
アレが飛び出して見えたのは、ちょっと嬉しいですw
今週は早番なので朝3時半に起きてるんですが、ものすごく寒いですね・・・
■『センター・オブ・ジ・アース』@TOHOシネマズ六本木(10/26鑑賞)
しかもこの作品は、大作系の実写映画としては過去最大規模の3D上映。
ちなみに、同原作を元に作られたTDSのアトラクションが有名ですが、この作品自体にディズニーは全く絡んでおりません。
作品が作品だけに、内容よりも3D上映を楽しみに観に行ってきました。
うーん・・・これで座席が動けばもっともっと楽しいでしょうねw
まず3D上映についてですが、よくテーマーパークなんかで使われるメガネをかけて作品を観ます。
まぁ、これに関しては特に違和感は感じず、確かに飛び出してるよなぁくらいの感想ですw
テーマパークとかに行きなれてる人なら、そこまでの感動は感じないかもw
よくあるような「ボールが目の前に飛んでくる!」みたいな、3D上映を意識したカットが数多くありますが、そこまでウザったくもならない程度だったかと。
あまりそういうカットが多いとイライラしますから、その辺の度合いはちょうど良かったと思います。
むしろ「飛び出してくる」という表現よりも、「奥行きを感じる」っていうカットの方が良かったと思います。
特に地底の大きく広々とした空間や、深い谷底や高い崖を見上げるシーンでの演出がより強調され、迫力のある映像になっていたと思います。
俳優ですが、主演のブレンダン・ブレイザーはやっぱり良いですね。
『クラッシュ』を観てから、コメディだけでなくドラマも演じられる好きな俳優の一人ですが、今回も名に恥じぬシッカリとした演技力はありました。
ただ、観たのが吹き替え版だったのですよ・・・
字幕を表示する関係があるのだと思うんですが、3D上映をしてる劇場のほとんどが吹き替え版なんですよね・・・
普段は洋画の吹き替えなんて、絶対に劇場では観ない人間なんですが、3D上映のために泣く泣く吹き替えで観てきました。
で、ブレンダンの声を当ててるのが、沢村一樹さん・・・
いや、沢村さん自体は好きな俳優だけど(セクスィー部長とかw)、ブレンダンの声にしてはちょっと高めでして、ものすごく違和感を感じました・・・
合ってない上に、テンションの起伏の表現もド下手で、芸の細かいブレンダンの演技に当てるには、酷すぎる配役だったと思います・・・
ただ、意外だったのが、ヒロインの声を当てていた矢口真里。
吹き替えの配役を聞いた時には、沢村さん以上に疑問を感じていましたが、キャラクタとしての表現がしっかりとされていて、ほとんど違和感を感じませんでした。
うーん・・・こんなこともあるんだな・・・
3D上映ありきの作品ですので、ストーリーに質を求めてませんでしたが、つまらない!と一蹴するほどでもないので、一応合格点かと。
だからと言って、飛び出して見えるのが90分も続けば、後半は慣れてきちゃって感動はドンドン薄くなると思いますけどw
ハリウッドの流れとしては、今後も3D上映を想定した撮影は、どんどん増えていく予定だそうです。
ただ「3Dありき」で作られた映画が、ヒットし続けるとは到底思えませんので、ひとつの映像技術として抑えていてもらいたいですかね?
『ダークナイト』くらいのレベルの作品が、3Dで観れたら感動するだろうけどw
同時に日本の配給会社としては、吹き替え問題も同時に考え直していただきたいですね。
日本の観客も、そこまでバカじゃないですからね。
余談ですが、個人的に一番感動した3Dのカットは、「ニューシネマラインのロゴ」でしたw
アレが飛び出して見えたのは、ちょっと嬉しいですw
梅太@ DVD:『君に読む物語』
この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
今日は04年に公開された恋愛映画『君に読む物語』について。
映画自体は以前に見たことがあったのですが、先日この原作となったニコラス・スパークス著の同名小説をBookoffで発見し、購入。
読み終えた後、もう一度レンタルして見直してみました。
主演はライアン・ゴズリングとレイチェル・マクアダムス。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ストーリー:
ある夏の出来事。
都会から来ているお嬢様アリー(レイチェル・マクアダムス)に一目惚れをしてしまったノア(ライアン・ゴズリング)。
まさに燃えるような恋をした二人であったが、将来歩む道のすれ違いから破局を迎える。
時が過ぎ、アリーは婚約。ノアはあの夏を思いながら、自分で購入したボロ家の改装を達成する。
改装された家は新聞に載り、アリーは偶然、その記事を目にする。
過去との決別をつけるため、ノアのもとへ訪れるアリーであったが・・・
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
まず一言いわせてもらうと。
原作小説があまりにも素晴らしすぎる。
原作のお話は、映画版の後半部分から始まります。
つまり、燃えるような恋から幾年が過ぎ、アリーとノアが再会するところから。
映画での前半部分であるノアとアリーの出会い、共に過ごした夏の思い出というのは、原作では合間に少しずつ語られる程度。
確かに、原作は二人の出会いについて細かく語っているわけではない。そこを知りたいと思うのが人の常でありまして。
映画版はそこを細かく・・・という姿勢は、評価できる部分だと思います。
しかし原作では、その出会い、燃えるような恋をした夏をはっきり描かない分、成長した二人の台詞・行動の節々に込められるあの頃の思いというのが、なんとも言えない切なさを含んでいるのですね。
文章表現も見事。
映画も小説も、ストーリーが基軸なのは変わらないですが、ストーリーが面白いだけでは観客は惹きつけられないわけです。
やはりそこには、演出というものが存在する。
映画であればカメラアングルや編集の仕方、音楽、もちろん俳優の演技etc...
小説で言えば、文章表現がそれにあたるわけですね。
田舎の田園や湖といった風景の描写もさることながら、二人の内面の描き方が素晴らしい。
特にノアのアリーに対するとてつもなく大きな愛情。この表現の仕方は、読んでいる僕も思わず切なくなってしまいました。
僕は映画でも小説でも、愛の肉体表現というのを見ている(読んでいる)のがどうにも苦手でして、こういう内面的な愛の表現が見事な作品に出会えたことは喜ばしいことです。
さて、原作を読み終え改めて映画版を見てみると、前半部分がなんとも陳腐な印象を受けてしまった。
前半部分と言うのは、ティーンエイジャーの頃のノアとアリーの思い出というパートです。
初めて映画を見たときは中々良いように映ったのですけれど、なんでしょうね。
猛烈に愛し合ってます!というのは、それだけ見せられればわかりますよ!と言い返したくなるくらい。
多分、原作を知らなければ、いい印象のまま僕の心に刻まれた作品だったのですが。
僕は映画の原作小説は、興味を持った作品は読むようにしているのですが、読んでもお互いの(映画版と原作の)印象が悪くなるというのはないのですよね。
こういう経験は初めてですね。
僕のモノの見方が変わったせいもあるかもしれないですけどね。
ただ、インスピレーションを与えてくれた劇中の台詞が一つ。
「僕も、ヤツ(婚約者)も親も関係ない。君が何をしたいかだ!」
これは、アリーがノアを選ぶか、世間体もろもろ含め、婚約者の方を選ぶかで迷っていたときに、ノアにいわれた一言。
ここでアリーは「どれを選ぶにしても、誰かが傷つくわ」ということを言います。
そうなのですよね。”選択”と言うのは難しいもので、バタフライ・エフェクトみたいなことを言えば、誰かのほんの小さな行動でも、周りの誰かに影響を与えているのかもしれません。
人には親切にね・・・ほとんどの人がそう言われて育ってきていると思いますが、目に映る範囲の人でさえ傷つけてしまう恐れがあるのに、もっと沢山の人のことを考えるには、人間一人というのははあまりにも小さすぎる。
そこは、傷つける人を最小限に抑えるか、誰かが傷つくことは関係ないと割り切るか、悩んで悩んでそのままにするか。
僕は優柔不断なタイプの人間ですので、この一言に対し、なんとなくそういうことを考えてしまった。
本日のまとめとしましては、ニコラス・スパークスの原作があまりにも素晴らしすぎた。
ただ前述しましたが、原作では深く語られなかったノアとアリーの出会いというのを描こうとした姿勢は評価できます。
しかし改めて見ると、ややしつこい印象を受けました。でもラストは良くできているので、帳消しかな。
----------------------------------------------------------
レイチェル・マクアダムス関連で。
エリック・バナとの共演で、『Timetraveler's wife』という恋愛小説を映画化します。著者はオードリー・ニフェガーという人です。
日本では最近、『きみがぼくを見つけた日』と改題して出版されています。
題名に惹かれたので先日購入し、読んでみました。
設定が非常に面白く、筋書きも素晴らしいです。途中、ややテンポダウンする印象も受けますが、かなり良作です。
映画版ではこのテンポダウンする中盤を、うまい具合に調整してくれることを祈っています。
一応、08年全米公開のはずですが、未だにメディアに宣伝はされていませんね。(劇中スナップショットが数点のみ)
来年に延期かなぁ。
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今日は04年に公開された恋愛映画『君に読む物語』について。
映画自体は以前に見たことがあったのですが、先日この原作となったニコラス・スパークス著の同名小説をBookoffで発見し、購入。
読み終えた後、もう一度レンタルして見直してみました。
主演はライアン・ゴズリングとレイチェル・マクアダムス。
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ストーリー:
ある夏の出来事。
都会から来ているお嬢様アリー(レイチェル・マクアダムス)に一目惚れをしてしまったノア(ライアン・ゴズリング)。
まさに燃えるような恋をした二人であったが、将来歩む道のすれ違いから破局を迎える。
時が過ぎ、アリーは婚約。ノアはあの夏を思いながら、自分で購入したボロ家の改装を達成する。
改装された家は新聞に載り、アリーは偶然、その記事を目にする。
過去との決別をつけるため、ノアのもとへ訪れるアリーであったが・・・
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まず一言いわせてもらうと。
原作小説があまりにも素晴らしすぎる。
原作のお話は、映画版の後半部分から始まります。
つまり、燃えるような恋から幾年が過ぎ、アリーとノアが再会するところから。
映画での前半部分であるノアとアリーの出会い、共に過ごした夏の思い出というのは、原作では合間に少しずつ語られる程度。
確かに、原作は二人の出会いについて細かく語っているわけではない。そこを知りたいと思うのが人の常でありまして。
映画版はそこを細かく・・・という姿勢は、評価できる部分だと思います。
しかし原作では、その出会い、燃えるような恋をした夏をはっきり描かない分、成長した二人の台詞・行動の節々に込められるあの頃の思いというのが、なんとも言えない切なさを含んでいるのですね。
文章表現も見事。
映画も小説も、ストーリーが基軸なのは変わらないですが、ストーリーが面白いだけでは観客は惹きつけられないわけです。
やはりそこには、演出というものが存在する。
映画であればカメラアングルや編集の仕方、音楽、もちろん俳優の演技etc...
小説で言えば、文章表現がそれにあたるわけですね。
田舎の田園や湖といった風景の描写もさることながら、二人の内面の描き方が素晴らしい。
特にノアのアリーに対するとてつもなく大きな愛情。この表現の仕方は、読んでいる僕も思わず切なくなってしまいました。
僕は映画でも小説でも、愛の肉体表現というのを見ている(読んでいる)のがどうにも苦手でして、こういう内面的な愛の表現が見事な作品に出会えたことは喜ばしいことです。
さて、原作を読み終え改めて映画版を見てみると、前半部分がなんとも陳腐な印象を受けてしまった。
前半部分と言うのは、ティーンエイジャーの頃のノアとアリーの思い出というパートです。
初めて映画を見たときは中々良いように映ったのですけれど、なんでしょうね。
猛烈に愛し合ってます!というのは、それだけ見せられればわかりますよ!と言い返したくなるくらい。
多分、原作を知らなければ、いい印象のまま僕の心に刻まれた作品だったのですが。
僕は映画の原作小説は、興味を持った作品は読むようにしているのですが、読んでもお互いの(映画版と原作の)印象が悪くなるというのはないのですよね。
こういう経験は初めてですね。
僕のモノの見方が変わったせいもあるかもしれないですけどね。
ただ、インスピレーションを与えてくれた劇中の台詞が一つ。
「僕も、ヤツ(婚約者)も親も関係ない。君が何をしたいかだ!」
これは、アリーがノアを選ぶか、世間体もろもろ含め、婚約者の方を選ぶかで迷っていたときに、ノアにいわれた一言。
ここでアリーは「どれを選ぶにしても、誰かが傷つくわ」ということを言います。
そうなのですよね。”選択”と言うのは難しいもので、バタフライ・エフェクトみたいなことを言えば、誰かのほんの小さな行動でも、周りの誰かに影響を与えているのかもしれません。
人には親切にね・・・ほとんどの人がそう言われて育ってきていると思いますが、目に映る範囲の人でさえ傷つけてしまう恐れがあるのに、もっと沢山の人のことを考えるには、人間一人というのははあまりにも小さすぎる。
そこは、傷つける人を最小限に抑えるか、誰かが傷つくことは関係ないと割り切るか、悩んで悩んでそのままにするか。
僕は優柔不断なタイプの人間ですので、この一言に対し、なんとなくそういうことを考えてしまった。
本日のまとめとしましては、ニコラス・スパークスの原作があまりにも素晴らしすぎた。
ただ前述しましたが、原作では深く語られなかったノアとアリーの出会いというのを描こうとした姿勢は評価できます。
しかし改めて見ると、ややしつこい印象を受けました。でもラストは良くできているので、帳消しかな。
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レイチェル・マクアダムス関連で。
エリック・バナとの共演で、『Timetraveler's wife』という恋愛小説を映画化します。著者はオードリー・ニフェガーという人です。
日本では最近、『きみがぼくを見つけた日』と改題して出版されています。
題名に惹かれたので先日購入し、読んでみました。
設定が非常に面白く、筋書きも素晴らしいです。途中、ややテンポダウンする印象も受けますが、かなり良作です。
映画版ではこのテンポダウンする中盤を、うまい具合に調整してくれることを祈っています。
一応、08年全米公開のはずですが、未だにメディアに宣伝はされていませんね。(劇中スナップショットが数点のみ)
来年に延期かなぁ。
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