2008年12月22日月曜日

梅太@ 雑記:作品に対する先入観、他

この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします

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●先入観

 映画を見るにあたり、先入観は少なからずある。
 
 ・製作側における宣伝(チラシ、予告編etc)によるもの。これが主ではあると思う。
 ・口コミ。「これよかったよ~」「これダメだったね~」。これも結構、影響する。
 
 とりあえずパっと浮かぶ2点を挙げさせてもらった。
 今と昔で決定的に違うことは、これら2点が行われるにあたり、インターネットが普及したことだと思う。

 でも1点目に関しては、僕はそこに文句はない。
 映画大国アメリカの作品はともかくとしても、それ以外の諸外国の作品の情報を仕入れるのは、なかなか難しい。
 特に今年公開が危ぶまれた『HOT FUZZ』にしたって、本国イギリスで予告編が解禁されたときは、日本のサイトはどこも触れていなかったように記憶している。
 (個人のブログなどは別)
 僕が、「working title」社のHPをブックマークしていて、逐一チェックしていなければ得られなかった情報だ。

 ネットのおかげで、宣伝の幅が広がった例もある。
 今年の夏公開された『ダークナイト』は、公式とは別のスピンオフサイト(?)が多く設立され、ファンの期待を煽った。

 反面、予告編の種類が多く「あの予告編はいったい何番目のやつだ?」とややこしくなってしまう時もあるのだけれど。
 予告編大好きな僕としては、うれしい悩みではあるのですけどね。


 さて2点目。
 ネットの普及により、口コミはものすごいレベルにまで達したなと先日思った。
 個人の映画感想ブログはもちろんながら、「yahoo!映画」などで誰でも書き込める掲示板などもある。

 僕はといえば、この「yahoo!映画」のレビューが好きじゃない。
 以前「STAR WARS ep3」のレビューで、論争がかなり激化していた為である。
 いや、好き故の激化は別にいいと思うけど、そこに誹謗中傷があるのがいただけない。
 あと、あぁいう場で生まれてくる、集団に反発するような感想の書き方も好きじゃない。
 「みんなはあぁ言ってますが」とか、「これまでのレビューでの評価とは違いますが」とか。
 (それは「誰がなんと言おうと、この作品はNo.1だぜ!」というのとは、少し意味合いが違う)
 「そんな前置きはいりません」と、時々そう思う。というより、誰もそこは気にしてないよ、と。

 えと、書きたいのはそこじゃないです。すいません。

 諸事情(*1)により「yahoo!映画:レビュー」を見ていて、ちょっと驚いたことがあった。
 「レビューでどういう作品かは知っていたので、その部分については考えずに観たら、結構楽しめました。」
 すごいところまできたな。
 この「どういう作品か」というのはストーリー云々ということではなく、この「作品のどこが良くてどこが悪いか」ということであると思う。
 つまりこの人は「この作品の悪い部分は知っていたので、その部分を抜きにして見たら楽しめた」と、こういう風に言っているのだと思う。僕の推測だけど。

 なぜこんなことを書いたかというと、別に立派なことを言うためではない。
 そういう感想が、僕の大好きな作品に対して行われたという、なんとも稚拙な理由のためである。
 いやぁ、子供だねぇ僕も。


 先入観や、先に得ている情報、そしてそれらによる期待というのは、決して悪いことではない。
 本当に素晴らしい作品とは、そういうものをプラス方向に裏切ってくれるものであると、映画を信じている僕は、自信をもって言える。
 時々「過剰かな?」と思えるような期待をかけてしまうこともある。でもいいじゃない。期待したって。
 というより、期待しないほうが無理だって。

 ただ期待というのとは違い、「先に得られた悪評=それはつまらない作品」という結びつき。これは違うのではないかと思う。
 
 今年公開したとある映画では、そういうレビューが沢山見られたように感じる。
 「アメリカではヒットしてない」から、つまらなかったの?
 「オールCG」という情報と、印象が薄っぺらいのとの結びつきは?

 無意識のうちに、先に得ていた情報のせいにしている気がする。ちょっとね。
 書いている本人が、どう考えているかはわからないけれど。それが文字のみの世界のジレンマ。

*1:ゲンさんと僕とで計画しているある企画のため。近日公開予定。


●マイナス面での一言で済ませる

 先入観のお話はおしまいで、でも感想掲示板とは関係ある。
 
 僕の感想は、自分で言うのもなんだけど、クドイ。
 自分が面白いと思った(もしくは逆も)細かい部分について、ストーリーや場面背景をつらつらと持ち出してしまうから。
 そして言いたいことは、たったの一言だったりする。
 でもそれを読んだ人に、自分が感じたことを「文字のみ」で伝える方法が、それ以外見当たらないのだ。
 修行が足らんティーノ。
 ゲンさんは、そういう部分がウマイから、時々羨ましく感じる。

 掲示板というのは、便利なのだかなんなのだか良くわからない。
 ジョークも何も無く、本気で「つまらなかった。クソ映画だな」の一言で済ませているのを見ると、ちょっと悲しくなる。
 それは、大衆の目に晒すようなことではないだろうと。
 そんなことを言われるために、製作側は映画をつくったわけじゃないだろう。多分。
 つまらないならつまらないで一向に構わないし、合わない映画というのは、僕ももちろんある。
 でもせめて、「こういう理由から僕には合わなかった」としっかり書いておかないと、製作陣に失礼な気がするのだ。
 (それは、ダメな部分を指摘・採点しているのとは違う)

 では逆に、「面白かった!」というプラス面の一言はどうか。
 うん、素晴らしいと思う。
 『崖の上のポニョ』を見たとき、劇場から出る際に前にいた小さな女の子が、係員に向かって「ポニョポニョ面白かった」と言っていた。
 僕はそれだけで、なんだかすごくうれしくなったし、「宮崎さん、あなたはやはりすごい人だ」とも思った。
 ただ、その係員がそれをスルーしていたのが、なんとも寂しい。
 プラス面での一言というのはそれだけの力がある。
 それをネットという文字だけの世界でやるとなると、どうにも表現はしづらいのですけれど。
 その表現のしづらさ故、僕の感想はグドくなる。うぅ・・悪循環。


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 ふと考えてしまったことをつらつらと。
 長文駄文失礼しました。

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