2010年6月2日水曜日

ゲン@ 劇場:『しあわせの隠れ場所』

ゲンです。
連日更新してますが、まだまだ貯めてたレポがいっぱいあるので、しばらくお付き合い下さい。

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『しあわせの隠れ場所』
@渋谷東急(3/2鑑賞)

ホームレス同然の生活からアメリカン・フットボールのプロ選手になった少年の実話を映画化した感動的な人間ドラマ。
裕福な家族と黒人少年との、偶然の出会いと深いきずなを丁寧につづる。

実話を元にした作品ですが、主演のサンドラ・ブロックがアカデミー賞にノミネートされたというので注目しておりました。

「感動の実話」に偽りなし! 家族の強さを教えてくれるドラマ!

評判通り、非常に素晴らしい作品でした。
実話を元にしたスポーツモノっていうと、これを観る前に観たクリント・イーストウッド監督の『インビクタス』が思い浮かびますが、コチラの作品のほうが人物描写が遥かに丁寧で、完成度が高い作品のように思いました。

ストーリーはというと、スラムで育った少年:マイケルが、裕福な家庭:テューイ家に迎え入れられ、その才能を開花させてアメフトのプロ選手になるまでを描いた作品ですが、あらすじだけ追うとちょっと嫌味にも感じてしまうかも。

実際自分も、そんなの金持ちの偽善じゃん!と、観る前は若干引き気味だったのですが、実際に観てみたらそんなことは全く感じませんでした。

確かに「お金の余裕は心の余裕」ってのはあるかも知れないけど、この少年を受け入れた家族はホントに人間が出来ている。
スラムで育ち、金も学もない彼を差別せずに受け入れますが、金持ちセレブ仲間からも偏見の目で見られます。
しかしそんな事には気にも留めず、彼が立派な人間になるように心から愛し、遂には本当の家族とするべく養子として迎え入れます。

それもこれも、このマイケルが迎えてくれた家族に負けないくらいに素晴らしい人物だからだと。
貧しい家庭で生まれ、幼い頃からよその家庭を転々としていた彼ですが、とても優しい心を持ち、誰にも迷惑はかけたくないと思い続けています。
その結果、預かってくれた家庭を自ら飛び出してしまうのですが、偶然出会ったテューイ家で初めて本当の家族の温かさを知る。
彼を家族に迎えることを決めたテューイ家の母親:リー・アンが、「私が彼を変えてるんじゃない。彼が私を変えているの」と語るように、お互いがお互いを必要とした奇跡のめぐり合わせだったのではないかと感じました。


キャストですが、何と言っても主演のサンドラ・ブロック!
アカデミー賞の主演女優賞にノミネートされておりますが、その前哨戦でもあるゴールデングローブ賞ではドラマ部門女優賞を早くも獲得しております。
とても気が強いイメージがありますが、今回の役はそれに加えて家族としての温かさ、特に母親としての子どもを見つめる愛情の深さが見事に表現されていたと思います。

またその家族に迎えられる少年:マイケルを演じたクイントン・アーロンも、大きな体格の中に繊細な心を持った優しい少年を熱演しておりました。


歯の浮きがちな感動実話ドラマですが、丁寧な人物描写とユニークなセリフのおかげで、非常に心に残る作品になっています!

多くの人に観てもらいたい作品です!

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