この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします
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僕の勤めている会社は、定時終了後から、いわゆる残業時間開始の間に少し休憩時間がある。
定時後は、やはりみんな小腹がすく時間であり、そんなとき、カップラーメンの臭いなんて漂わされたからには、ちょっと敵わないところもある。
そんなときに上司と話した話題:
インスタントラーメンで何が好きか。
僕は食べるとしたら日清のカップヌードルが多い。ほかと比べ安いし、スープを吸って量が増えてお得感があるし、またそうなってもおいしさを保っていられる。過去、僕の周りでは圧倒的にシーフード人気だったけれど、僕は断然カレー派だ。次点は醤油。
上司は、サッポロ一番が大好きらしい。
不朽の名作!とすら言っていた。やっぱ味噌がいいんだよ、という部分は、かなり共感する。なんせ僕も味噌ラーメンが大好きだからだ。
九州に住んでいたとき、味噌ラーメンが置いてある店がないというのは、かなりのカルチャーショックであったことを記憶している。そういえば改めてカップめんのラインナップを観てみると、最近豚骨系が異様に多い気がする。
・・・この会話の何が面白かったかと言えば、ことインスタントラーメンというジャンルにおいても、”不朽の名作”という言葉が使われるものなのかということだった。
だから今晩は、インスタントラーメンの不朽の名作と、映画界における不朽の名作を、コラボさせてみようと思った。
というわけで、「カサブランカ」を観ながら「サッポロ一番」を食べるという、およそ日本でしかできないことをやってみたわけである。
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「カサブランカ」については、記憶にある限り、全編をしっかり観るのは初めてだと思う。
「君の瞳に乾杯」など、多くの粋な台詞で彩られる男女の恋愛模様。なんて素晴らしい映画なんだろう。
なのでラーメンの味はあまり覚えていない。おいしかったとは思う。
年末にサイレント映画を初めて観たとき、以前文献で読んだ一文「トーキーに入る前に映画の表現形態は完成していた」というのを思いだし、確かにそうなのかもしれないと思ってしまった。つまりそこに、声があるのかないのかという差しかなく、逆に台詞という物がないからこそ、サイレント映画は雄弁に物を語れる(観客に想像させる)ことに長けているのかもしれないと。
もちろん言葉は、物語を補足する役目もあるだろうけれど、サイレント映画でも物語はしっかり伝わってくるということを知った今、それはやはり”補足”でしかないのではないかと思えてくる。
そんなことを思っていた矢先、この映画に出会う。
声が出るようになった最大の利点は何だろう。
それは人々が憧れるような、口にしてみたいと夢見るような、その台詞にあるのではなかろうか。そんなことを思わせてくれた。
もちろん、言い方もある。
主人公を演じるハンフリー・ボガードの、クールな言い回しがまた良いのだね。あぁ僕も言ってみたいよ。あんなこと。
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最近、昔の映画をよくよく観るようになって気付いたことと言えば、今なんかよりもっと、出演者:スターが主体であって、この人たちをいかに美しく・カッコ良く演出するかというのを、おそらく全力で考えていた時代だったのだと思う。
だからこそただの言葉が素敵な言葉に響くわけで。
ただの俯きが、素敵な動作に見えるわけで。
ヒロインを演じるイングリッド・バーグマンが、バーで「time goes by」を聞きながら、昔へ思いを馳せ、顔を俯かせる。そのときキラと光イヤリング。
このシーンのなんと素晴らしいことだろう。
現実でもありそうな場面ではあるけれど、カメラというものの力というか、ある一点をクロースアップすることで、現実世界での脇役(物、人、動作)を、一気に主役に昇華させてしまう。
もうドキドキする程好きなシーンで、思わず悶えた。
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恐らくこの時代の映画は、もうゴールデンタイムのTVプログラムには登場しないだろうし、いや登場したら番組スタッフを尊敬するけれど、そんなこんなで見れる機会はなかなかないだろうし、TSUTAYAに行っても余程興味がなければ借りないだろう。
でも、たとえば僕がサッポロ一番とカサブランカを無理矢理関連づけたみたいに、何かの機会に、ちょっとお手にとってはいかがでしょうか。
・・・当時、この作品を作ったスタッフたち、そして君の瞳に乾杯をしたボガードは、よもやこんな使われ方をされるとは思っていなかったろう。
ちょっとごめんなさい。
本当はシャンパンカクテルを作って、「Here's looking at you, kid(君の瞳に乾杯)」という台詞で締めたかったのですが、流石にシャンパンには手が出なかったです。
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まともな映画紹介と言うより、少し視点を変えて。
書いてて楽しいし、何より無意味で無理矢理な関連付けは得意なほうなので、今後もコラボ記事は続けていく予定です。
●この記事で紹介したもの
・日清カップヌードル
・サッポロ一番
・映画『カサブランカ』
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