2010年11月3日水曜日

梅太@ 弐口メモ:2010.11.3 勝手に午後のロードショー『オードリー・ヘップバーン特集』

 この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします

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 作品を観れば観るほど、観たいと思う作品は増えるばかり。
 興味は尽きることなく・・・観なきゃ観なきゃと思う日々が続く。

 それを解消すべく、自分の中である企画を始めました。
 題して『勝手に午後のロードショー』

 ここで説明しておくと、『午後のロードショー』は、月曜~木曜の昼に、毎週特集を組んで4本の作品を放送する。
 ジャッキー・チェン特集やヴァンダム特集、先週のハロウィンシーズンには、それにあった怪奇ものの特集を組んでくれたり。
 最近では数少なくなった、かなり良質な映画番組の一つである。

 さてそれに習い、本企画は、自分で今観たいジャンル・カテゴリーについて、主要な4作品を選出し、”とりあえず”大体を制覇した気になろう!という企画である。
 中には、観たこともあるけれど特集を組むついでにこの際もう一度・・・という作品も含んでいたりする。 


 第一回目は、オードリー・ヘップバーンで特集を組むことにした。


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●ティファニーで朝食を
 夜明けのNY。タクシーが止まる。ティファニーのお店の前で。店内を窓から眺めながら、紙袋からパンを取り出す。コーヒーを一口。食べ終わったら、ゴミはゴミ箱へ。テーマ曲の「moon river」に乗せて送られる、静かなオープニング・・・

 誰でも一度は耳にしたことのある作品でしょう。
 お金持ちとの交流を望む女性と、同じマンションに越してきた男とのロマンス。
 ヘップバーンの「40歳前の女性に、ダイヤは不要ね」という台詞など、シャレた台詞が多く、聞いていて面白い。
 この当時の作品は、その内容も勿論だけれど、作品の中で形成されるキャラクター、そのキャラクターが観客に与えるであろう影響、というのをすごく考え、大事にしている様に感じた。言い換えれば、スターとしてのオーラの使い方をわかっているというか。
 スターが繰り出す演技は、どこか現実離れした台詞なり、所作かもしれないけれど、だからこそ誰もが憧れてしまうようなシンボルとして扱われるのかなと思いました。

 二人が結ばれるラストシーン。キスと、テーマ曲。王道であり、ドラマチック。この時代のロマンスは、シンプルで良い。
 主人公orヒロインも病気とかで死なないしね。

●パリの恋人
 ヘップバーンが歌って踊るミュージカル映画。

 僕は常々、オープニングは大事だと思っている。その作品の印象を決める大事な時間であるから。
 写真、ネガやカメラなどをバックにテロップを流すオープニングが印象的。物語の印象がパっと伝わってくる。
 冒頭の雑誌社内の、どこまでもコミカルで統率のとれた色使い、人の動きは、これぞミュージカル映画という感じで良い。
 相手役となる写真家を演じた男、途中で魅せるパフォーマンスが見事だと思ったら、「トップハット」のフレッド・アステアだったのね。老けたねぇ。老けたねぇって、今言うことではないけど。


●マイ・フェア・レディ
およそ3時間に及ぶミュージカル大巨編。

 女優ってすごい・・・と思った。
 ヘップバーンが演じるのは、イギリスの貧困な女性、ひどい田舎訛の英語を話し、会話する人すべてを不快な気持ちにさせるような女性だ。アイーエイーオウー。
 この女性、僕はかなり不快に思ってしまった。英語は聞いていて不快だし、態度はデカい。相手役となるヒギンス教授の気持ちもわからないでもない。
 そんな女性が流暢な英語を話せるようになり、上流階級の人たちと会話をするなど、考えられない!と思わせておきながらの・・・ということこそが作者の狙いであったのだろうと思う。
 それを見事に表現しきったヘップバーンの女優魂、しかと見受けました。

 この作品は、この一年で最も多くの人を恋に落としたイギリスの新星:キャリー・マリガン主演でリメイクが決まっているようだ。
 キャリー・マリガン、歌うのか・・・
 最初はジョー・ライト監督×キーラ・ナイトレイの黄金コンビでの企画だったようで、僕としてはそれを楽しみにしていたのだけれど。



●ローマの休日

 ヘップバーンと言えばこの映画!と言うのは、恐らく世界中で通用する概念であると思います。

 王女であるヘップバーンと、新聞記者の男、身分を違えた二人の恋。
 この作品の何が好きかというと、僕はやはりラストシーンを絶対に挙げておきたい。

 会見が終了し、ヘップバーンは会場を後にする。
 名残惜しそうに佇む男は、彼女が去っていった方を眺め、少しして会場を去るべく歩き出す。
 ここから長い1シーンが始まる。
 歩く男をカメラは前からとらえる。先ほどまで王女が居た場所を写しながら、ゆっくり、ゆっくりと・・・
 しばらくして、男は振り返る。しかしそこに、期待した出来事があるわけでもなく。残念な気持ちを抑え、取り澄ました顔をして、また、歩き出す。

 振り返ると彼女が追いかけてきた!という、安易なハッピーエンドに納めようとせず、だからこその、”一日のみのロマンス”なのだ!という、この作品が迎えるべきエンディングは、長年語り継がれる理由がわかった。
 あまりにも素晴らしすぎて、拍手してしまった。

 企画第一段の中での一番の収穫でありましたし、なぜこれまで観なかったのだろうと、少し反省もした。


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 先日、英会話の先生に「先日、ローマの休日を観たのですよ」と言ったら、「あら、初めて?」と返された。
 僕くらいの世代では、ハリウッド黄金期の作品群は、知っているけれど観たことがない・・・というものが多い・・・そうでない人も勿論いるけれど。
 今回の様な特集を今後も続けていき、なぜこれら作品群が、時を経た今でも人気を保ち続けるのか、その理由を探っていきたいと思っています。

 で、企画としては成功で、ヘップバーンを制覇した気に、なんとなくなっている自分。

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