2010年9月12日日曜日

梅太@ 劇場:名画座日記-9

この記事は 梅太 の名の下にお送りいたします

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名画座日記-9

 早稲田松竹にて、『CHICAGO』と『NINE』、ロブ・マーシャル監督2連作を観て来ました。
 今日はとりあえず、『CHICAGO』のみについて書きます。
 が、内容と言うよりは、思い出話・・・

 率直な感想は、最初の5行を読んで頂ければ十分です。

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●『CHICAGO』

 もう、一生ものの思い出です。
 どんな宝石よりも煌びやかに光る一日。
 この日を忘れることは、生涯無いだろうと思います。
 この気持ち、お墓までもって行きます。・・・これは意味が違うかな。

 再映にこぎつけてくれた全ての人に感謝。

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 僕が映画を沢山観始めたのは、2004年から。
 その年から、劇場に多く足を運び、そしてこれまで見逃していた作品を観るため、レンタルショップにも多く足を運びました。
 (学生の頃は今みたいに、「DVD1000円だし、買っちゃえ」とはならなかった)

 思えばこの頃がむしゃらに、ジャンルを選ばず沢山の作品を観たことは、今の自分の基盤になっていると思います。

 さて。

 劇場公開を逃して惜しい思いをした作品は数多くありましたが、本気で悔しいと思った作品が一つあった。
 自宅でDVDにて鑑賞し、その素晴らしさに驚喜したと同時に、歯がゆい思いをしたのを今でも覚えています。
 これを劇場で観れたなら、僕の映画人生の、ある一つのパートが完結すると言っても過言ではないくらいの作品。

 That's "CHICAGO"・・・それが、『CHICAGO』でした。
 
 それがこの度、劇場で観れるというではないですか。
 どんな予定をも差し置いて、この日を空け、待ちました。
 (実際のところ、何の予定も無かったのですが)

 作品の素晴らしさも勿論ですが、取り巻く環境(劇場や観客の状況etc)の、その全てが宝物のような気がしました。


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 さて、幕が上がる。

 大写しになる瞳。
 カウントアップで始まる『All That Jazz』で、まず驚喜。
 『Cell Block Tango』、こんなにも力強かったのかと思い知らされる。

 ロブ・マーシャルのミュージカル映画の、そのミュージカルシーンに登場する女性達は、ほぼセクシーな格好をしている。
 これは尊敬するボブ・フォッシーの影響も大であることは、『オール・ザット・ジャズ』(これは映画ね)を観た後だとわかる。
 肉体本来の持つ力強さ・迫力というのは、エロさを超えてカッコイイとさえ思うし、やはりそこに官能さが加わり、ドキドキワクワクが収まらない。
 ・・・女性はどう見るのかわからないけれど。

 さて本編に話を戻す。

 『We Both Reached For The Gun』、リチャード・ギアのナンバー。
 マリオネットを取り入れたコミカルなパート。
 後半で糸を操っているギアの姿が映され、記者を話術で煙に巻き、自分の手の内で踊らせている・・・という状況とマッチしていて、ここもとても大好きなシーン。

 『Roxie』、鏡を用いた幻想的なステージ効果に陶酔する。
 これは”映画”でしか表現できないだろう、どこまでも”ミュージカル映画”を楽しませようとするマーシャルの工夫に拍手。

 ジョン・C・ラリーの『Mister Cellophane』は、劇中最も静かで目立たないところが、曲のタイトルに重なっていて笑いを誘う。
 でも哀愁漂っていて、何故か頭に残り、見逃せないナンバー。

 さてさて、Ladies and Gentlemen.
 世にも珍しい、元囚人の二人組みが贈ります、お待ちかねのこのナンバー。

 『Nowadays』から緩やかに始まり、テンポアップで魅せる、キャサリン・ゼタ=ジョーンズとレニー・ゼルヴィガーの怒涛のパフォーマンス。

 唇と、そして幸福を噛み締め、ただひたすらに画面に喰いつく。
 そう、このシーンの為に、僕は滅多に座らない一番前の座席に座ったのです。
 僕とスクリーンの間を隔てるものは何も無く。
 ダイレクト伝わってくる映画の感動。
 もう涙が止まらない。
 I can't stop the BEAT !!・・・あ、これは違う映画だ。

 もうホント、この場に立ち会えて、この時間ばかりは、僕は世界で一番の幸せモノだと思っていた。
 そしてこの時ばかりは、映画はこれ以外何もいらないとすら思ってしまった。

 もう最高だ、人生ハッピーだ。

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 冷静に見つめてみると・・・いいや、その話はまた今度にしよう。

 恐らく今後も、何度かDVD(帰りにBlu-ray買っとけば良かった)を見返すことになるかと思いますし、10月に企画されている『おすぎチョイス』にも足を運ぼうと思ってますが、今日と言う日には勝てそうに無い。

 何度も言ってしまっているようで、若干言葉の効力を失いつつありますが。
 締めとしてもう一度言わせてください。

 一生ものの宝物です。

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