2009年11月4日水曜日

ゲン@ 劇場:『カールじいさんの空飛ぶ家』

ゲンです。
いよいよ寒いですね。

■第22回東京国際映画祭 特別招待作品『カールじいさんの空飛ぶ家』@TOHOシネマズ 六本木(10/25鑑賞)

『モンスターズ・インク』のピート・ドクターと『ファインディング・ニモ』の脚本家ボブ・ピーターソンが共同で監督を務める3Dアニメ。
冒険家への夢をあきらめ切れずにいる78歳の老人に、驚きの出来事が巻き起こる冒険ロード・ムービー。

ピクサー最新作は初の3D映画。
12月の一般公開を前に、今年もTIFFで観れるのを楽しみにしてました!

どうしたピクサー! これがあなた達の実力じゃないはず!

「面白い・つまらない」の2択で言えば、「面白い」の評価に入るのですが、ハッキリ言って微妙でした。
前作『ウォーリー』があまりに完璧な作品だったので、今回はそれを超えるのは至難だとは思っておりましたが、あまりの力の無さにガッカリ・・・


ストーリーはと言うと、少年時代に出会ったカールとエリーは、ともに冒険好きで意気投合し結婚、子どもには恵まれなかったものの幸せな夫婦生活を送ってきたが、エリーは病に倒れ亡くなってしまい、78歳のカールはひとりぼっちになってしまう。
しかし彼には幼い頃に2人で誓った「冒険の夢」があった。
愛する妻を亡くし、家まで奪われそうになった彼は遂に決意し、2人の思い出が詰まった家に無数の風船をつけ、空高く飛び上がっていった・・・


序盤はとにかく素晴らしかったです。
幼い頃の2人の出会いから結婚、幸せな日々を描き、妻が亡くなるまでをダイジェストで見せていく映像は、セリフを一切いれずに多くの感情を語っており、これはまさにピクサーのなせる演出でした。

途方に暮れたカールじいさんが決心をし、唯一の財産である家に風船を結びつけ、空へと飛び立っていく様子は、ストーリー的にも映像的にも暗かった場面から、一気に夢が広がっていき、あまりの素晴らしさに思わず泣いてしまいました。


しかし中盤、冒険の旅の佳境に入った辺りから、新しいキャラクターがいっぱい登場するのですが、どうもそれが世界観に合っていませんでした。
で、登場するキャラが増えたことで、達成しなければいけない目的も増えてしまい、結果として本来の目的であったはずの場所に辿り着くという大きな軸がブレてしまい、物語の印象がかなり散漫で薄い内容に感じられてしまいました。

過去の作品で例に挙げるならば、『ウォーリー』が「手を繋ぐこと」、『ニモ』が「親子の再会」だったように、キャラクタやサイドストーリーが増えてしまっても、具体的でシンプルな目的があれば、話の面白さは絶対に揺らぎません。

今回は「冒険」という漠然としたタイトルに囚われてしまったおかげで、「目的の地」というような具体的なポイントがあるにも関わらず、そこに辿り着いても話が終わらない気持ち悪さを感じてしまいました。


またキャラクタでいうと、主人公を人間にしてしまったのが、やはり大きかったように思います。
ピクサーといえば、『トイ・ストーリー』『バグズ・ライフ』、『モンスターズ・インク』などのように「人間の世界と別の世界の繋がり」を描いた作品が中心です。
『カーズ』に至っては、人間すら登場させず、キャラクタだけで作られた世界を描いていました。

しかしどの作品も、「可愛らしいキャラクタ」というだけでは終わらず、キッチリとした世界観の中で繰り広げられるドラマがありました。
ピクサーに限らず、普通のアニメや絵本などでもそうですが、「人間以外に語らせる」というのは、ドラマとしてかなり有力な手法です。

人間が言ってしまえば、クサ過ぎたり、説教じみた言葉になってしまいがちなセリフでも、個性が外見に表れているようなキャラクタが言うことで、よりストレートに抵抗なく伝わってきます。

ところが人間が吐くセリフというのは、人間でしかないワケですよ。
今作でも心に響くようなセリフがいっぱいあったのですが、いくら素敵でためになる事を言っても、どこかに生活観のある人間が言ってしまうと、一気に冷めてしまいました。

ネタバレになってしまうので詳しくは言えませんが、中心となる登場人物が人間に偏ってしまい、後半で登場する人間以外のキャラクタの個性も活かされていないコトが、かなり致命的であったと思います。


ただ評価すべきポイントというのはもちろんありました。
やはり映像力としては大変素晴らしかったです。

今までCG映像のパイオニアだったピクサーが、3Dメガネをかけて飛び出す映像に進化したのは、当然のことだと思いますが、スクリーンにより広がりが感じられる素晴らしい映像だったと思います。



ストーリーだけを見れば、決して悪くない、むしろ感動できる良い話なのは確かなんですが、果たしてこれをピクサーがやるべき内容なのかと考えると、全くピクサーらしくない・・・
ピクサーがやるべきストーリーでは無かったと思います。

例え同じ設定で人間を主人公にするにしても、具体的な目標をしぼり、登場人物の数も抑え、そこに専念するシンプルなストーリーであれば、もっと違った作品になったのではないかと思います。

ピクサーが大好きな人間なので「失敗作」とは言いたくないですが、2度3度劇場に通い、その度に「最高だ!」とは言えない作品です。

非常に残念です・・・

2009年11月1日日曜日

ゲン@ 劇場:『パイレーツ・ロック』

ゲンです。
来週も結婚パーティーだったりするんですが、同じ仲間内なのでほぼ同じメンバーが揃いそうです。
いやいや、あやかりたい・・・

『パイレーツ・ロック』@TOHOシネマズ みゆき座(10/24)

1966年のイギリスを舞台に、24時間ロックを流し続ける海賊ラジオ局と、ロックを規制しようとする政府の攻防を描いた痛快ストーリー。
監督は『ラブ・アクチュアリー』のリチャード・カーティス、主演は『カポーティ』のフィリップ・シーモア・ホフマン。

ノリの良い60年代ロックと、P・S・ホフマンのハイテンションな様子を観て、絶対に劇場で観なくてはと楽しみにしておりました!

心も躍る気持ち良さ! 誰にもロックは止められない! 

うーん、楽しかった♪
最後までノリノリでウキウキしながら観れました!

1966年のイギリス、ロックやポップミュージックの人気は最高潮に達していたが、法律によりラジオでの音楽放送は1日45分と規制されていた。
「もっと聴きたい!もっと聴かせたい!」・・・そんなニーズから生まれたのが、法律の適用されない領海外に停泊した船から電波を飛ばして放送する海の上の「海賊ラジオ局」だった。
24時間ロックをかけ続けたこの放送のリスナーは、イギリスの全人口の半数以上にも及んでいたが、これをよく思わない政府は何としてでも彼らを追い詰めていった・・・


昔はロックが悪とされていたっていうのは、色んな映画で登場する設定ですが、実際にここまで規制されている時に、「海賊ラジオ局」まで立ち上げた人達がいて、しかもイギリス国民の半分以上が聴いていたなんていうのは、初めて知ったので驚きました。

「聴きたいだろ?だったら聴かせてやるよ!」と、ロックを流す為だけに海の上に滞在し、ひたすら放送を続けるなんて、まさにロックじゃないですか?!

よく「ロックは生き様だ!」なんてコトを言いますが、まさにこの映画はそれを表していると思います。
24時間交代で放送を続けるDJは皆、一癖も二癖もある人間達ばかり。
伝説的なカリスマや、破天荒なアニキ肌、ちょっとウザいバカなど、様々な人間の集まり。
ですが、全員に共通するのはとにかくロックが大好きで、どんなに辛く悲しいことがあっても、絶対にロックを流し続けるという恐ろしいDJ根性!
「例え政府を敵に回したとしても、国民が聴きたいなら、流し続けてやるぜ!」と言わんばかりのロックな生き様に圧倒されました。


キャストですが、まず何と言ってもP・S・ホフマンの熱演でしょう!
超演技派で数多くの賞を受賞している名優で、落ち着いた頭脳派や感情のふり幅の大きい役を演じることが多かっただけに、今回のファンキーなアニキってのはあまりイメージになく、とても楽しみにしていたのですが、とにかく「見事!」の一言に尽きますね!
やっぱりこの人は恐ろしい俳優ですよ・・・

そしてもう一人の名優ビル・ナイもカッコイイ!
基本悪人顔で悪者の役を演じる作品が多い印象があったのですが、今回のノリノリで燻し銀な演技は、のっそい素敵でした!
特にエンドロールで音楽に乗ってツイストしてるシーンは、スゲー良かったです♪

あとサイモン・ペッグのお友達のおデブさん:ニック・フロストが嫌味ったらしくも面白かったり、『イエスマン』で上司を演じていたリス・ダービーが相変わらずウザったかったのが最高でした!


また劇中はThe Rolling StonesThe Whoなど、60年代のロックやポップスが常に流れていて、その年代に直接思い入れのない自分ですらノリの良さに思わずウキウキしていたのですが、青春時代に聞いていたオジサマたちが聞いたら、さらに楽しいだろうなぁとも思いました。


ロックを愛し、ロックを流すことに全てを捧げた最高の男達!

これぞロック魂!

ゲン@ 劇場:『きみがぼくを見つけた日』

ゲンです。
友人の結婚パーティーへ行って来ました。
2人が出会う前からそれぞれを知ってる自分としては、
なんだか不思議な気分でしたが、とっても素敵なパーティーでした♪

『きみがぼくを見つけた日』@TOHOシネマズ 錦糸町(10/24)

異なる次元に引き裂かれる恋人たちの切ない運命を描き、アメリカで大ベストセラーとなった純愛小説を映画化。
脚本は『ゴースト/ニューヨークの幻』のブルース・ジョエル・ルービン。

「SF×ラブストーリー」ですが設定が珍しかったので、公開を楽しみにしておりました。

至極の脚本! タイムトラベルがこんなにも切ないだなんて!

いや、めさくさ面白かったです!
とにかく設定が良く出来てたと思います。


主人公:ヘンリーは、自分の意思とは関係なく、過去や未来へタイムトラベルしてしまう。
幼い頃、母を交通事故で亡くす瞬間に時間を飛んで以来、場所も滞在する時間も、自分ではコントロールすることが出来ない。
ある日、過去にタイムトラベルした彼は、6歳の少女:クレアと出会う。
純粋無垢な彼女は、「未来から来た」と言う彼をタイムトラベラーと信じ、「いつか同じ時空で会えるときが来る」と心に誓う。

大人になった彼女は、偶然“再会”したヘンリーに思いを伝えるが、当のヘンリーは彼女に全く覚えがない。
幼い頃に彼女が会った彼は、現在の彼よりも歳をとった未来の彼だった・・・


と、あらすじを文字で書こうとすると混乱してしまいそうですが、普通の時間軸で生きている女性と、自分で制御できない能力のおかげで、時間軸がバラバラになってしまっている男性のすれ違いが、本当に切なく感動できました。

何かトラブルがあると、彼女から「未来の貴方は、以前こんなことを言っていた」と言われ、自分の行動を咎められたり、逆に今の自分が起こした問題を未来の自分が解決してくれたり、コミカルに描きつつも脚本のプロットが丁寧で、かなり高い完成度を感じました。

場所や滞在時間も制御できないばかりか、タイムトラベルをすると裸になってしまい、洋服も現地で調達しなければいけないという「ターミネーター方式」が採用されているのも、話を面白くする要因になっている気がしますw


主演のエリック・バナレイチェル・マクアダムスの2人ですが、幅広い年代を演じながらも、お互い変わらない愛情を持ち続け、ずっと繋がり続けている様子は、とても微笑ましくラストシーンでも思わず泣きそうになりました。


「タイムトラベル」を扱った作品はやり尽くされた感がありましたが、それをキーワードにしてラブストーリーを上手く展開させると、ここまで魅力的で面白い作品になるのかと驚きました。

とにかく脚本がよく出来てると思います! オススメです!